何が困るかって(★★★☆☆)

何が困るかって

何が困るかって

坂木さんはほっこりとした話を書くことが多いイメージだけど、「短劇」などの短編集では結構グサッとくるような話をかくことが多い気がする。特に衝撃だったのが「カフェの風景」。最初は人間の醜い心情を描いていたけど、それが猫・犬視点にスライドしていく。最後の犬のお爺さんに対しての「死んで」の連呼には胸が痛くなった。普段私達が気づかないだけで動物たちは実際そう思っているかもしれない。
逆に胸が温かくなったのが「洗面台」。つわりだな、と予想できたけどハッピーエンドで良かったです。中には結末がよく理解が出来なくて?となってしまう話もありましたが、不思議なテイストの話が読めて新鮮でした。