王立探偵シオンの過ち (★★★★☆)

王立探偵シオンの過ち (コバルト文庫)

王立探偵シオンの過ち (コバルト文庫)

王立探偵は、王家の利益を図り不始末を揉み消す、王家お抱えの探偵。たとえ逃がしたペットの捜索でも、愛人との別れ話でも…。その仕事のひとつに、呪いとも言える不思議な力を持ち“過ちの魔物”と呼ばれる物具を調査することがある。紫ずくめのインチキ魔術師のような恰好をした王立探偵シオンは、助手の少女ラナと共に、血の涙を流す肖像画を調べるため地方の伯爵家に向かったが?
久しぶりのコバルト文庫。最近は少女小説だとオレンジ文庫ばかり読んでいるので。物語の世界観や雰囲気がとても好みでした。何よりシオンとラナの関係にグッときました。一応表向きは探偵と助手の関係ですが、ラナはシオンになら手を出されてもいいとか大胆なこと言ってるし、シオンはラナを子供扱いしつつも手を出さないように我慢しているような描写もあるし…。シオンの謎めいた生い立ちも気になるところです。
獣と人間・男同士・腹違いの兄と妹といった恋愛における禁忌が盛り込まれていて個人的には非常に楽しんで読めました。でもあとがきで著者さんが述べている通りいつもと毛色が違う作品ではありますね、私はものすごく応援したいですが。結局のところジョゼとフェルレはそういう関係だったのか…?