時をかける社畜(★★★☆☆)

時をかける社畜 (富士見L文庫)

時をかける社畜 (富士見L文庫)

三十路手前の恵太はブラック企業に勤める会社員。濁りきった目でルーチンをこなす、曜日の区別もつかない毎日を送る。今日も上司に叱られて、顧客には責められた。昨日も似たような一日で、一昨日も…もしかして明日も?そして恵太は気づいてしまう。本当に平日がループしていることに。このままでは永遠に休日が来ないことに!終わらない仕事に恵太が絶望したその時、かつて激務の末に命を落としたはずの、頼れる同僚の真士が現れて―。読んだ後スカッとできてグッとくる。今日を働く人のための物語。
会社に対してストレスが溜まっているので「読んだあとスカッとできて心にグッときます」という帯の言葉に惹かれて手に取ってみた。確かに恵太の会社がブラック過ぎ、というか部長といい加護といい上司にあたる人間がひどくて読んでて辛くなった。おまけに莉佳の我儘っぷりにイラっとくる。そんな上からの文句に流されるだけの恵太が亡くなった友人や恋人を取り戻すために部長に反旗を翻す場面は確かにスカッとした。
真士が良い奴でちゃんと真士が生き残っている世界になって良かった。恋人も大切だけど友人もきちんと大切にする恵太に好印象。ただストーリー全体にあまり捻りが感じられなかったのが残念。