窓がない部屋のミス・マーシュ 占いユニットで謎解きを(★★★☆☆)

カネなし、男なし、才能なし。29歳のタロット占い師・柏木美月は人生の岐路に立っていた。そんなある日、美月は儚げな美少女・愛莉を助ける。愛莉は見た目とは反対にクールでずば抜けた推理力を持ち、孤独な引きこもりでもあった。彼女を放っておけなくなった美月は、愛莉と占いユニット“ミス・マーシュ”を結成し、人々の悩みに秘められた謎に挑むが!?ほろりと泣ける第2回角川文庫キャラクター小説大賞・優秀賞受賞作。
世話やきで人情に厚い美月とクールで偏屈な愛莉は人間的な部分でバランスが良いコンビでした。美月がしているのは占いというよりカウンセラーに近い印象。相談者の悩みの真相がたとえ悲しいものでも率直に伝えようとする愛莉と相談者を傷つけない為に嘘で隠そうとする美月の対比も興味深かった、一概にどちらが正しいかとは言えないよな…。
最後の愛莉の父親の謎については美月のガッツに拍手。全てが解決したわけではないけどこの件で確実に美月と愛莉の距離は縮まったし、愛莉も父親に対して少しは素直になれたんじゃないかと。美月の元彼の武も良い奴、浮気はなんか事情があったんじゃなかろうか。続きがあってもおかしくないような終わり方だったのでそこら辺にも今後触れてくれると嬉しい。