気まぐれ読書手帖

2018-07-10

死神憑きの浮世堂 (★★★★☆)

人形修理工房“浮世堂”を営む城戸利市は、ある日“死神”が顔見知りの少女を襲う現場に遭遇する。それはかつて、利市の幼い弟が殺されたときとよく似た光景だった。利市が知る“死神”は、怪しげな人形を道具にして他者の命を奪う者だ。そして“死神”に殺されると、なぜか周囲の記憶からその存在を抹消されてしまう。だが、利市は忘れなかった。母親さえも我が子を忘れてゆく中、兄の利市だけが憶えていた。以来十五年、弟の理不尽な死の真相をずっと探っていたのだ。利市は“死神”を追う。しかし、そこへ新たな殺人事件が発生して…。

ホラー要素もありつつ、どこか救いのある温かい終わり方でした。命だけではなく思い出さえも奪われたら利市が怒るのは当たり前のことで、それをずっと一人で抱え込みながら人形師として生きてきた利市は強いなと。利市を支える愚浄の存在も大きかったのかな、「拙僧は、利市の月になりたいんだ」という台詞が印象的。よっちゃんが犠牲になってしまったのが悔やまれる…。
結局のところこんな殺人鬼でも嘉助という存在がずっと傍にいてくれたら変われたのだろうか。ぬいの立場も辛いけど利市の弟やユンのことを考えるとあまり同情はしたくないな…、ぬいを助けることを選択した利市は器が大きい。これからは皆平穏に生きてほしいです。

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