気まぐれ読書手帖

2017-03-24

飛べない鍵姫と解けない飛行士 その箱、開けるべからず (★★★★☆)

天才錠前師のトマス・ウルスに育てられたマージは、鍵や機械が大好きな、いっぷう変わった女の子。トマス亡きあと、錠前店をひとりで切り盛りしていたマージの元にある日、鉄道王としても成功しているアンブローズ伯爵家の若き当主・アレックスが訪れる。「ある金庫を開けてほしいから、身ひとつで伯爵家に来てくれ」という依頼を断ろうとしたマージに、アレックスは破格の報酬を約束し…!?
亡き養父の跡を引き継いで店を切り盛りしようとする主人公・マージ。こういう逞しいヒロインは非常に好みです。軽薄そうに見えて実は一途なアレックスのキャラも素敵でした。マージ視点でストーリーが進むのでマージの生立ち自体は分かりやすかったです。悪ガキがデレると破壊力抜群ですね、オリヴァー可愛すぎる。何だかんだいいつつも忠誠心の厚いクレメンスも良かった。ていうかメインキャラがどれも魅力的。
最後の数ページにわたるマージとアレックスの会話がロマンチック。この二人の関係が進展したところもみてみたいな。マージなら錠前師としても女侯爵としても立派にやっていけるでしょう。いきなりは無理だろうけどあの人との関係も少しずつ良くなっていくといいね。綺麗にまとまっているけど続きが読みたいです。

2017-03-22

女子的生活(★★★☆☆)

女子的生活

女子的生活

都会に巣食う、理不尽なモヤモヤをぶっとばせ! 読めば胸がスッとする、痛快ガールズストーリー。ガールズライフを楽しむため、東京に出てきたみきは、アパレルで働きながらお洒落生活を満喫中。マウンティング、セクハラモラハラ毒親……おバカさんもたまにはいるけど、傷ついてなんかいられない。そっちがその気なら、応戦させてもらいます! 大人気『和菓子のアン』シリーズの著者が贈る、最強デトックス小説。

性別は男だけど女性になって女性と恋愛したい男性が主人公。主人公のみきを含めてガッツのある女性が多くて、こればかりは相性の問題だろうけど私にはついていけないなと思ったり。でもなりたい自分のために努力を怠らないみきの姿勢は素直にすごいと思いました。
みきのことを見下しているキャラも多い中で後藤はみきのことを性別にあまりとらわれずに一人の人間として尊敬していて良い奴だなと。最初はあんなにヘタレだったのにどんどんカッコよくなっていくな〜。「みきは、どこに出しても恥ずかしくない、俺の大切な友達だ!」にはスカッとした、よく言った!個人的にはみきと後藤と二人でまったりと暮らし続けていくのもアリだと思うんですが。

2017-03-21

ウィザーディング・ゲーム(★★★☆☆)

新世代ARゲーム『ブレイドワールド』が実装されたAR遊戯都市。そこに暮らす無職王アーサーは、上位ランキングを独占する最強ギルド“円卓の暇人”の団長にして不動の1位に君臨していた。しかし“魔法使い”の力を探す少女アリアと出会い、アーサーと円卓の仲間たちはARCANAの力に目覚め!?現実を侵食する拡張現実の“魔法使い”による、オーバーテクノロジー魔法バトル!!
「円卓の暇人」というネーミングセンスにウケた(笑)物語はまだ序章でこれから面白くなっていきそうです。イラストがちょっと苦手かも…。幼馴染みとの約束を守るためにゲームを制作して帰りを待っているアーサーが一途で好感が持てました、でも妹からお小遣いを貰ってるのはちょっとどうにかしようよ〜。
個人的に推しヒロインはまみこ。アーサーに追いつきたい、という想いから「星」のカードを覚醒させる場面が好きです。ツンデレ妹様も良いですね、描いてる漫画の内容が倫理的にアウトだけど応援するよ!ツバサは色々と裏で暗躍していますが大丈夫なのかしら。他のヒロインたちも気になります。

2017-03-20

先生とわたしのお弁当 二人の秘密と放課後レシピ(★★★★☆)

「先生にお弁当作ってもらってるとか知られるわけにいかない!」親の入院をきっかけに壊滅的な食生活を送ることになってしまった女子高生の笈石ちとせ。そんな彼女を見かねて、学校の先生がお弁当を作ってくれることに。その小匣先生は料理とは縁遠そうな堅物鉄面皮、なのにお弁当は絶品。喜んだのも束の間、ちとせがお弁当を自作したと言ったことが思いがけないトラブルに。さらにある秘密まで掘り起こして―。お弁当箱の中には謎と秘密と愛情が詰まっている。お弁当が紡ぐ青春ミステリー。
私も仕事場に毎日お弁当を持っていっているので興味がわいて手に取った一冊。とにかく小匣先生の作るお弁当が美味しそう。よく毎日こんな手の込んだお弁当を作れるな〜、冷凍食品ばかりの私とは大違い。食べるの大好き!オーラを振り撒いているちとせとは友達になれそう(笑)小匣先生のちょっぴりSっ気のあるキャラも好きでした。ちとせの相談にもきちんと対応しているところも好印象。
第2話の茜のお弁当の謎はそのまま…?私も一瞬ちとせと一緒で茜の兄とお母さんの禁断の関係を想像してしまった(笑)一番読み応えがあったのはやはり第3話、ちとせとお母さんのほっこりとしたエピソードに落ち着いてひと安心。あれだけの材料でお母さんのお弁当を再現できるなんてさすが小匣先生。最後はちとせの小匣先生への思いに変化があったようなので、ぜひ続きを読みたい。

2017-03-19

君と星の話をしよう 降織天文館とオリオン座の少年(★★★★☆)

顔の傷が原因で周囲と馴染めず、高校を中退した直哉は、不思議な青年と出会う。 「君の顔にはオリオンがいるんですね」 傷をそんな言葉で褒めた青年・蒼史は、小学生の妹・桜月と天文館を営んでいた。 成り行きで天文館に通ううちに、親とのわだかまりや将来の不安がほどけていく。 が、蒼史の友人だという「コガネ」の存在が、蒼史の過去に深く関わっていると知って…。
星が好きな蒼史とそんな蒼史に心を許していく内に自分の将来を見据えていく直哉の成長過程が丁寧に描かれていました。顔に傷があるからといって直哉の人格を勝手に否定するような言動をとる周囲の人間がクズ。だからこそただ純粋に自分が好きな星を知ってもらおうとする蒼史に直哉は惹かれていったんだろうなと。両親とはきちんと和解できたようで良かった。
しっかり者だけどお兄ちゃん大好きな桜月が可愛かった。大人が勝手に誤解して二人が離ればなれになった時はぶん殴ってやりたくなりましたとも。精神的に不安定になる蒼史をしっかりと支えている直哉は弟子として立派。コガネの正体にはなんか切なくなった、でもコガネも蒼史も二人とも幸せになってほしい。ラストは直哉に心から「おめでとう!」と言いたい。