気まぐれ読書手帖

2017-05-25

契約結婚はじめました。 ~椿屋敷の偽夫婦~(★★★★☆)

寿町四丁目にある、通称〈椿屋敷〉。 そこに住む柊一は、若くして隠居暮らしをしているため、若隠居と呼ばれている。そんな彼のもとに嫁いできた、十九歳の香澄。 しかしそこには秘密があった。ふたりは利害の一致から結婚した、偽装夫婦なのだ。 町の相談役である柊一のもとには、たびたび近所から相談が持ち込まれるが――。 「家」が語る、わけありな人々の物語。
視点が人間ではなく「椿屋敷」というのが新鮮でした。自分だけが家族と血の繋がっていない人間であり、何かしらの理由があって家族から距離をおきたい二人。契約結婚から始まった縁だけど少しずつお互いの事情に踏み込みながら距離を縮めていく過程が丁寧に描かれていました。香澄の手料理が毎日食べれるだなんて柊一は幸福者だなぁ。いつかこの二人が本物の夫婦になれるといいな。
メインの二人も良かったけど弟の檀と絢の話の方が個人的に好みでした。檀は檀なりに柊一へのコンプレックスを抱いていて、それでも柊一が大好きな檀が可愛かったです。絢との件は檀の勘違いが解決すれば案外すぐに関係が進展したりして。

2017-05-24

そして、アリスはいなくなった(★★★☆☆)

新聞部の響子は、IT教室のパソコンに隠されていた、伝説のネットアイドルアリスの未発表動画を見つける。ある目的のため、文化祭で彼女の正体を暴くべく取材を進める中、四人の同級生文化祭実行委員の歩、アリスだと噂されたことのあるみのり、歩の彼女・梨緒、歩相手に暴力沙汰を起こした弾―の複雑な関係と、アリスへの関わりに気づく響子だが…?
アリスの正体はそういうことかー。響子がメインかと思いきや中心は表紙の四人組でした。段々と友情が芽生えていき、恋愛やそれぞれの悩みが絡んでいく内に少しずつ綻びが生じていく過程がリアルで読みごたえがありました。歩とみのりの関係にはびっくり、これは過保護になっても仕方ないですね。梨緒が良い子なので幸せになってほしい。
最後の同窓会みたいな雰囲気で皆少し大人になったんだなと。結局のところ弾とみのりは友情止まりか…、二人が仲良く会話していたのでこれはこれでいいのかな。歩の「世の中、君が思ってるほど、君に興味ないよ」はグサッとくる、でも茉莉にはいい薬。アリスというアイドルが無事に昇華されていってひと安心。

2017-05-23

薔薇十字叢書 蜃の楼(★★★☆☆)

『この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口くん』昭和二十七年。文士関口巽は刑事・木場、担当編集の桜木とともに、東京を彷徨っていた。巷を騒がす連続神隠し事件。その被害者が消えた跡に、関口初の長編小説「蜃の楼」が残されていたため、犯人探しに巻き込まれたのだ。捜査線上に浮かぶのは、“S”と名乗る黒衣を纏った犯人像。一行は犯人を拿捕すべく、犯行の痕跡を追っていく。空を仰ぐと、視界には、天を衝く長大な鉄塔スカイツリー”が鎮座して―。薔薇十字叢書随一の奇書、登場。
色々な時間軸がごっちゃになっていてこんがらがっていく。そして結末を迎えても結局のところ何が真実だったのか曖昧なまま終わってしまったような気がする。この作品は全体を通してそういうコンセプトなんだろうなぁ。あちらこちらにふらふらしている雰囲気が確かに関口らしい、関口にとっては災難なんだろうけど。
未来の姿は本当に関口の〇〇なんだろうか。もやっとする…!こういう終わり方が苦手な方にはオススメできないなですね…。不思議な読後感でした。

2017-05-22

勇者のパーティで、僕だけ二軍!? 2(★★★★☆)

クズ勇者が、酒・女遊びに続き、ギャンブルにまで手を出した事で、資金難に陥った勇者パーティ。「一万ゴールドを稼いだやつから、一軍にしてやる」―勇者の一声で、またしても一軍の座をかけた“お金稼ぎ”という名のパーティ内戦争が勃発してしまう。一軍登用を目指すロキは、冒険者ギルドに登録するも、「迷い犬の捜索」しか受けられず悪戦苦闘。アビゲイルもまた、「お触りNG」なせいで、バニーガールの仕事を解雇されてしまい、うまく稼ぐ事ができなくて…!?この物語は、二軍(雑用担当)の少年と男性が苦手なギャル僧侶がお金を稼ぎ、一軍登用を目指す冒険譚である!
シリーズ2冊目、今回はアビゲイルがメイン。相変わらず勇者がクズ過ぎてぶん殴ってやりたいvV男と遊んでそうな外見とは裏腹に逆に男が苦手で優しい性格のアビゲイル、彼女の可愛さが随所でみれた巻でした。女装したロキも可愛かったよ(笑)でも可愛いだけじゃなくてアビゲイルがピンチの時に颯爽と駆けつける様子は正に勇者のようで格好良かった。アビゲイルが惚れてしまうのも仕方ないよ。
次回のメインはサラかな?と思いきやこれで終了ですとー!?好きなシリーズだっただけに残念。カクヨムでは完結してるけど、紙媒体の方がヒロイン一人一人に焦点を当てていて面白かったのに…。とりあえず次回作に期待ですな。

2017-05-21

少年Nのいない世界 02(★★★★☆)

少年Nのいない世界 02 (講談社タイガ)

少年Nのいない世界 02 (講談社タイガ)

都市伝説”を信じて猫殺し事件を企てた同級生、和久田悦史が行きたかったこの場所は、「現実」よりも過酷な世界だった。あの日から5年、言葉も通じない土地に飛ばされた長谷川歩巳は、過酷な労働を強いられ心を殺して生きる毎日に慣れはじめていた。しかしかつての級友、魚住二葉との再会で笑顔とともに閉じ込めていた記憶が溢れ出す。二葉が語る、世界の秘密を紐解く人物の存在とは?
今回は歩巳がメイン。異世界に飛ばされて過酷な環境の中で生き抜いていく内に無邪気だった「歩巳」は死んでいき、異世界で新たに名乗っている名前「アーミーン」として毎日を淡々と過ごしている。このままドムド建設で働き続けるのか、二葉の元へ行くのか。歩巳がどちらの選択肢を選ぶのかドキドキしながら見守りました。波留斗との再会シーンが好きです、個人的には波留斗たちと一緒にいてほしかったので嬉しい展開でした。
二葉のいう「あの人」の外見がまさかあんなだとは…。エースはいったいどこまで知っているのか、黒幕が歩巳たちを狙って何をしたいのかもよくわからないしな。文乃が危なそうなので早く皆と合流できるといいな、後は野依ですね。