気まぐれ読書手帖

2017-05-23

薔薇十字叢書 蜃の楼(★★★☆☆)

『この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口くん』昭和二十七年。文士関口巽は刑事・木場、担当編集の桜木とともに、東京を彷徨っていた。巷を騒がす連続神隠し事件。その被害者が消えた跡に、関口初の長編小説「蜃の楼」が残されていたため、犯人探しに巻き込まれたのだ。捜査線上に浮かぶのは、“S”と名乗る黒衣を纏った犯人像。一行は犯人を拿捕すべく、犯行の痕跡を追っていく。空を仰ぐと、視界には、天を衝く長大な鉄塔スカイツリー”が鎮座して―。薔薇十字叢書随一の奇書、登場。
色々な時間軸がごっちゃになっていてこんがらがっていく。そして結末を迎えても結局のところ何が真実だったのか曖昧なまま終わってしまったような気がする。この作品は全体を通してそういうコンセプトなんだろうなぁ。あちらこちらにふらふらしている雰囲気が確かに関口らしい、関口にとっては災難なんだろうけど。
未来の姿は本当に関口の〇〇なんだろうか。もやっとする…!こういう終わり方が苦手な方にはオススメできないなですね…。不思議な読後感でした。

2017-05-22

勇者のパーティで、僕だけ二軍!? 2(★★★★☆)

クズ勇者が、酒・女遊びに続き、ギャンブルにまで手を出した事で、資金難に陥った勇者パーティ。「一万ゴールドを稼いだやつから、一軍にしてやる」―勇者の一声で、またしても一軍の座をかけた“お金稼ぎ”という名のパーティ内戦争が勃発してしまう。一軍登用を目指すロキは、冒険者ギルドに登録するも、「迷い犬の捜索」しか受けられず悪戦苦闘。アビゲイルもまた、「お触りNG」なせいで、バニーガールの仕事を解雇されてしまい、うまく稼ぐ事ができなくて…!?この物語は、二軍(雑用担当)の少年と男性が苦手なギャル僧侶がお金を稼ぎ、一軍登用を目指す冒険譚である!
シリーズ2冊目、今回はアビゲイルがメイン。相変わらず勇者がクズ過ぎてぶん殴ってやりたいvV男と遊んでそうな外見とは裏腹に逆に男が苦手で優しい性格のアビゲイル、彼女の可愛さが随所でみれた巻でした。女装したロキも可愛かったよ(笑)でも可愛いだけじゃなくてアビゲイルがピンチの時に颯爽と駆けつける様子は正に勇者のようで格好良かった。アビゲイルが惚れてしまうのも仕方ないよ。
次回のメインはサラかな?と思いきやこれで終了ですとー!?好きなシリーズだっただけに残念。カクヨムでは完結してるけど、紙媒体の方がヒロイン一人一人に焦点を当てていて面白かったのに…。とりあえず次回作に期待ですな。

2017-05-21

少年Nのいない世界 02(★★★★☆)

少年Nのいない世界 02 (講談社タイガ)

少年Nのいない世界 02 (講談社タイガ)

都市伝説”を信じて猫殺し事件を企てた同級生、和久田悦史が行きたかったこの場所は、「現実」よりも過酷な世界だった。あの日から5年、言葉も通じない土地に飛ばされた長谷川歩巳は、過酷な労働を強いられ心を殺して生きる毎日に慣れはじめていた。しかしかつての級友、魚住二葉との再会で笑顔とともに閉じ込めていた記憶が溢れ出す。二葉が語る、世界の秘密を紐解く人物の存在とは?
今回は歩巳がメイン。異世界に飛ばされて過酷な環境の中で生き抜いていく内に無邪気だった「歩巳」は死んでいき、異世界で新たに名乗っている名前「アーミーン」として毎日を淡々と過ごしている。このままドムド建設で働き続けるのか、二葉の元へ行くのか。歩巳がどちらの選択肢を選ぶのかドキドキしながら見守りました。波留斗との再会シーンが好きです、個人的には波留斗たちと一緒にいてほしかったので嬉しい展開でした。
二葉のいう「あの人」の外見がまさかあんなだとは…。エースはいったいどこまで知っているのか、黒幕が歩巳たちを狙って何をしたいのかもよくわからないしな。文乃が危なそうなので早く皆と合流できるといいな、後は野依ですね。

2017-05-18

絶対ナル孤独者4 ―刺撃者 The Stinger― (★★★★☆)

敵組織“ルビーアイ”最強の能力者“液化者”の罠に嵌まりながらも、絶対絶命の危機から脱出したミノル。しかしその代償として、“屈折者”小村スウは瀕死の重傷を負ってしまう。“孤独者”のコードネームを冠するミノルは、以前は“みんなの記憶から消えてしまいたい”という願望を持っていたが、スウとの共闘同級生・箕輪朋美との再会や、母親代わりの義姉・典江との交流によって、この世の中に自分が存在する意味を見出し、スウの回復を祈るのだった。しかし、そんなミノルの心の変化を、世界は待ってはくれない。メンバーを欠く“特課”に危険な影が忍び寄る。“刺撃者”―。正体不明、目的不明の敵に、ミノルとユミコが挑む!
ルビーアイだけではなく「刺撃者」と呼ばれる敵も現れてミノル達の状況も厳しくなっていく巻でした。箕輪さんに教授にと初っ端からミノルがモテて羨ましい。中身は大人だけど外見は子供の教授、正月も家に帰っていないっていうことは色々と複雑な事情があるんだろうなぁ。機会があったらそこら辺も深く掘り下げてほしい。スウが目覚めてひと安心。ミノルの能力の多様さには驚きです。
そして刺撃者に襲われてしまった三川、命は無事でもリキダイザーのことは忘れてしまうのかな…。ミノルに必死に三川を助けてほしいと懇願するリキダイザーの好感度がアップしました。まるで姉と弟みたいでこの二人の関係が好きです。次はもう少し早く続きが読みたいな(ボソッ)

2017-05-17

薔薇十字叢書 風蜘蛛の棘(★★★★☆)

東京ローズを捜して欲しい」東京ローズ=日本軍連合国側向けに行った反戦放送のアナウンサーの愛称。名探偵・榎木津が元GHQ職員から依頼されたのは、声を頼りに女性を辿る「声」捜しだった。捜査はやがて刑事・木場らが追うバラバラ殺人と交錯。さらに“薔薇屋敷の人喰い蜘蛛から逃げてきた”と話す少女が保護されて―。「風蜘蛛に囁かれた者はみんな自死してしまうんだ」小説家・関口が自著に生み出した妖怪『風蜘蛛』が、捜査を幻惑する。風にたゆたう薔薇のひそみに存するのは誰か。薔薇十字叢書待望の第二弾!
声を頼りに「東京ローズ」と呼ばれたアナウンサーを捜してほしいという依頼を榎木津が受け、事件に巻き込まれていく。本家の雰囲気に近いような気がする。関口は相変わらず卑屈な奴だなと思いつつ嫌いになれない不思議なキャラです。榎木津が違う方向にぶっ飛んだキャラなので調度いいのかもしれない。
黒幕かと思われた奴が実は操られていただけだったというパターン。真犯人が歪み過ぎていて後味の悪い終わり方でした。ずっと外に出れずに閉じ込められた側からすれば外の世界を知りたいと思うのは当然のこと、でも犠牲になった人達のことを考えると悪女だなと思ってしまう。