金田康平からお知らせです。

金田康平の情報全てをひとつにまとめることにしました。
これまでTwitter以外にFacebook限定でライブセットリストを公開したり、このブログでは今日の新曲(とちょっとした哲学)を残すための雑記を記してきました。

ただ外の風景を眺めるよりも、スマートフォンの画面を眺める時間の方が長くなってしまった僕たちや、無料で音楽をダウンロード(正攻法も違法もどちらでもなく)するのになれてしまった私達が今更「限定」に固執したり、道筋をつくるのも違うなーと思い始めてしまいました。
なので、Facebookはてなブログとはお別れです。
これからはnoteに書き記していきます。

https://note.mu/bandajoe

楽しみにしてる人が少しでもいると思いますので書いておきますが、内容はほとんど変わらないです。
有料コンテンツをつけられたりするので、なんか面白いものを作って売ったりしようかななんて思ってます。
そもそもnoteってものはクリエーターのために作られたんですって。
ぼくはそこが好きです。

だって無料じゃないものを作ろうと思ってた俺達が、無料にしないと困るような状況になっちまったー!って「勘違い」してるんですから。
ケツひっぱたかれたような気になりますよ。
俺は自分が自信を持ってつくったものは金とって売ります。売れます。
音楽で、商売してるんですから。

ブログってすごく好きでした。
誰かへの手紙のように見えて、自分への手紙だったから。
形式は変わりますが、これからはこちらでよろしくお願いしますね。

K.K

2014.10.23

大阪城ホールで歌うのが夢だった。
外にある野音ではなくて、大阪城ホール
しかも、その日は満員じゃなきゃいけなくて、俺たちは最高のライブをしなきゃいけない。
それが俺の夢だった。

夢って自ら思い描いたものと、誰かに託されたもののふたつがあるんです。
大阪城ホールで歌うのは、後者。
託された夢。

宿代がないから、いつも緑橋のマンションに泊まらせてもらってた。
駅から本当にすぐそばで、オリジン弁当やローソンやサンクス。
戦国大統領っていうやばい名前のライブハウスも近くにあった。

「いつも悪いね。」と言うと「大阪城ホールで歌う時には超いい席とっといてや。それでええよ。うちんちに泊まってたバンドが大阪城ホールで歌う姿見るのが夢やねん。」と言っていた。

「そういえば大阪城ホールってどこにあるの?」
「こっから歩いて10分。近いやろ?てか近いから大阪城ホールで見たいねん。」
「そしたらその日はまたここに泊まりくるね。」
「その時はもっとええホテル泊まってるやろ。外も出れんくらい人気やで。無理せんでええよ。」

俺はずっとそこにとどまっていたかったよ。
風呂場で髪の毛、金髪にしてたかったよ。
十三のたこ焼き屋の前で誕生日祝って、チェキ撮って、うちの新メンバーとももっと仲良くなったら笑えることたくさんあったんだけど。

俺たちのライブに期待してくれてるんだなーっていつも肌に感じてた。
やれんのか?って顔、覚えてる。
その顔に「どうだ!」って歌うのが大好きだった。

こないだの見な放題も、7月の見放題もトップバッター似合ってたでしょ?
気づいたらイベントのトリを任されること増えたけど、トップバッターまだまだやれるよ。

もっと歌いたかったよ。
全然褒めてくれないから、いつか褒めてもらいたかったよ。
俺が自由にのびのびと歌をうたえるのも「金田康平ここにあり!ってライブ見せてや。」って言ってくれたからなんだよ。

もっと歌いたい。
もっともっと歌いたい。
もっともっともっと歌いたい。
いつか褒めて欲しい。

大阪城ホールなんて、何万人のお客さんなんて、その日ばかりはどうでもいいよ。
ただライブ終わったら、泊まらせてよ。

いつだって、俺の話す夢を馬鹿にしないで聞いてくれてありがとう。

おじさんはミュージシャン

富山MAIRO。
かっこつけてもしょうがないことを昨夜の熊谷で知ってしまったから天真爛漫に歌おうと思った。
赤ん坊の泣き声のように、誰の目も気にせず歌おうと思った。

そしたらあまりにも強烈な熱を何倍にもして返してくれるものだから「よろこばせたい」なんて思ってしまったよ。
はりきって、がんばって、楽しませようなんて思ってしまったよ。

歌ってる瞬間瞬間のその刹那に、自分は欲深い、意地汚い人間だなと思った。
まだまだ足りない、足りない、足りない。なんて思ってしまったよ。

夜踊る夜。はまいくん呼んでくれてありがとう。
見てくれたみんなもありがとう。

明日は宇都宮でMONOBRIGHTとツーマンライブです。
OAには俺の弟のような男も出ます。
ではまた明日。


K.K



【今日の新曲】

「おじさんはミュージシャン」

おじさんはミュージシャンだから
日本中を飛び回ってるよ
君が住んでる街を一歩出れば
おもしろいことがいっぱいあるよ

大きくなったら ひなこ
一緒に高松行こうね
うどんをちゅるちゅる ひなこ
写真をいっぱい撮ろうね

おじさんはミュージシャンだから
あんまり東京にはいないけど
君のはじめての運動会は
パパとママと一緒に行くからね

大きくなったら ひなこ
自転車だって乗れるよ
車に乗ってぶーんぶーんぶーんぶん
でも一緒に散歩もしようね

おじさんはミュージシャンだから
有名過ぎて困るだろうけれど
自慢のおじさんだって言っていいよ
音楽の教科書にすぐに載るからね

おじさんの歌は今日の天気だから
心と一緒で日替わりさ
でもひなこのおじさんだっていうことと
好きだって気持ちは変わらないからね

大きくなったら ひなこ
一緒に歌をうたおう
おじいちゃん おばあちゃん
パパとママも連れて
一緒に歌をうたおう

大きくなったら ひなこ
一緒に高松行こうね
うどんをちゅるちゅる ひなこ
写真をいっぱい撮ろうね

歯が一本生えたら

大嫌いだと思ってた人が夢に出てきた。
彼の取り巻きも相変わらず嫌いだった。
嫌なムードをぷんぷん匂わせてた。
でもぼくは全然うまく怒れない。
それどころか、気を遣って『元気?』とか聞いてしまった。

どうやら俺はそんなに彼を憎んでいないらしい。
それは、なんていうか、とてもいいことだった。

最近は先日いただいた銀杏BOYZ『BEACH』のアナログ盤ばかり聴いている。
このレコードは立ち込める終幕感が密集してる。
車内で無言でこかれた屁のように、僕の手の届かないところで物事が進行しているのを感じる。

でも峯田はまた歌い出し、アビちゃんはレーベルを始めた。
チンくんも農園を始めて、村井くんの近況もこないだ偶然聞いたけど元気なようだ。
音楽は終わっても、人生は続いてる。

でもこのレコードは悲壮感漂う轟音の中にかすかな光を感じる。
それは出口かもしれない。

10/16。兄貴の子供が産まれた。
名前は陽菜子。「ひなこ」と読む。

よく元気な姿で出てきてくれたね。
真っ暗で怖かったね。
でも、ここはもう光だけだ。
暗闇なんてこれから先、どんなことがあってもひとつも見せてたまるものか。

ツアーから帰ったら陽菜子に会いにいこう。
サニーデイの新譜もゆっくり聴こう。
そしてなによりもあのコに会いに行こう。

本日は富山。
メンバー一同、歌えなくなるまで歌います。


K.K


【今日の新曲】

「歯が一本生えたら」

歯が一本生えたら
光を当てて透かしてみる
歯が四本生えたら
指でちょこんと触らせて

歯が十本生えたら
歯ブラシでそっと磨いてみる
歯が全部生えたら
おいしいもんを食べに行こう

ジョナサン デニーズ とんでん
スシロー くら寿司 かっぱ寿司
やすくてうまいし近いし
腹いっぱいぱいぱいぱいぱいぱい

歯が全部生えたら
おいしいもんを食べれるけど
歯磨きをしなくちゃな
おいしいもんも食べれなくなる

カレーにラーメン ねぎだく牛丼
ドーナツ チョコパフェ ピーナツバター
やすいぜシェイキーズ 今夜も
腹いっぱいぱいぱいぱいぱいぱい

レストランへ出かけよう
レストランへ出かけよう
レストランへ出かけよう
レストランへ出かけよう

金田さん家は最近てんやわんや

五分間隔で陣痛が来てるとのこと。
もうあとちょっとだ。
がんばれ。

待ってるよ。出ておいで。
この世界は希望でいっぱいだ。
It' A New Day!!

K.K



【今日の新曲】

『金田さん家は最近てんやわんや』

うちんちは最近てんやわんや
仕事してても全員ぼおっとしてる
電話が鳴るたびビクビクしてる
うちんちは最近てんやわんや

うちんちは最近祈ってばっか
おばあちゃんは神様や仏様に
どうか元気で どうか元気でいてと
うちんちは最近祈ってばっか

こんな感じだったのかな?
28年前にぼくが産まれた時も

兄貴の子供が産まれるよ
あと2,3日で産まれるよ
ぼくは考えてる
まだ見ぬ自分の子供の名前を

うちんちは最近てんやわんや
予定日から一週間も遅れてる!!
やっぱりぼくらは祈ってばっか
結局ぼくらは祈ってばっか

どんな漢字だったのかな?
ぼくにつけようとした名前の候補は

兄貴の子供が産まれるよ
もう明日にはきっと産まれるよ
ぼくは考えてる
きっとまん丸太った女の子

兄貴の子供が産まれるよ
あと2,3日で産まれるよ
ぼくは考えてる
まだ見ぬ自分の子供の名前を

その時、地球では

ネットが普及した。
空が青い。うさぎはかわいい。
子供は無邪気。手のひらを太陽に。
ってくらい、もはや普通のこと。

おかげさまで表現者たちは手軽に自分の作品を世に発表できることになった。
ライブハウスを借りなくても音楽家はsound crowdで音源を発表できる。
ギャラリーを借りなくても、写真家や絵描きはTwitterFacebookで作品を発表できる。
映画館を抑えなくても、映画監督はYouTubeで映画を世界公開できる。

そしてインタントにものも作れる時代になった。
楽家はPC一台。
写真家や映画監督はスマートフォン
絵描きはタッチペン。
機材を揃えずともみんな『プロ気分』でやれる時代になった。

ギリギリアナログ時代に産まれ、音学を独学で始めたぼくにとっては(幸運にも)思うことは結構ある。
が。もうそれはいい。
世の中には才能があって、面白いことやってる人がたくさんいる。

それが事実。
ビンテージのアコギを持っていても、持ち腐れてたら打ち込みの音一発に負ける。
古いフィルムカメラを持っていても、インスタグラムの一枚に負ける奴もいる。
油絵だって、水彩画だって、PC上のつぎはぎに負けることだってある。

ツールはなんでもいい、面白いことやってるやつが正義。
ぼくも、ぼくが面白いと思うことだけ、やり続けよう。

K.K




【今日の新曲】

『その時、地球では』

誰かが誰かを見送ってる
たとえば駅の改札で
誰かが誰かを見送ってる
たとえば玄関で向き合って

誰かが誰かを見送る姿は
片言で喋る外国人さ
誰かが誰かを見送る姿は
やっぱり天使なんかじゃない

その時、地球では音楽が流れてる

誰かが誰かを見送ってる
たとえばひと気のない空港で
もう二度と会えないなんて
予想してなんかなかったよ

その時、地球では音楽が流れてる

ご覧の通り なんでもないさ
目を細めて 見ていておくれ

誰かが誰かを見送ってる
電話口の向こうで
誰かが誰かを見送る姿は
品のないチンパンジーみたい

その時、地球では音楽が流れてる

びんぼう

2200円のホテルは想像していたよりも快適だった。
昨夜の名古屋公演後、メンバーはバンドワゴンで東京へ。
ぼくはプロモーション活動のためにひとり名古屋に残った。

名古屋駅太閤口からおよそ10分。
周りに店らしい店がなくなり始めてから、5分といったところだろうか。
そのホテルはしずかな音を立てて、そこにあった。
存在しないことが、存在であるかのような。

朝方、共同便所で顔を洗っていると、隣にはドレッドヘアーを施した旅人風の青年。
自分探し、という言葉を思い出す。
むかしちょっとした流行りだった。

もし彼とそこで会話出来たのなら、もしかしたら親友になったかもしれない。
最近そんなことばかり考える。
街行く人たち全員に話しかけたら、何人とぼくは親友になれるのだろうか。

名古屋駅まで歩いてモーニング。
トーストと珈琲のノーマルタイプに、プラス120円でヨーグルトとサラダとベーコンがついてくる贅沢な方を選ぶ。

本日のコースはFM aichiで生放送から始まる。が、まだあと2時間はある。
携帯をぽちぽちと、鶴舞大須の街にどんなカレー屋やレコード屋があるかを調べる。

そのうちTwitterを開き、雑記(この日記から集中力をなくした文章)を綴る。
140字で文章を書くことに慣れたな、と思う。
むかしは140字が窮屈だった。
「はじめは窮屈に感じていたのに、今では。」
そういうことは、往々にしてある。

長い手紙がぼくの引き出しの中にある。
いつまでも出せないまんまにしてる手紙。
そして長い日記もある。
それは似てるようで違う。
歌は日記だ。

じゃあ本当の言葉はどこにあるんだろう?
それは誰かとの会話なのかもしれない。
ひとり言の中には、本当の言葉はないのかもしれない。

一刻も早く会いたい人がたくさんいて、どこから手をつけていいやらわからない。
でも、当日になると会いたくなくなることも往々にしてある。
面倒くさい、に勝ちたい。

BANANA RECORD名古屋駅店にはじめて行くが、収穫なし。
無駄に知識がつくとよくない。
どの盤も素晴らしかったかもしれないのに。
知識ではなく本能を磨け、馬鹿者よ。

そこから、ラジオ局とCD屋を周り、昼には名古屋らしく味噌カツ
味噌汁とたっぷりのキャベツが添えられたやつ。
ご飯を二杯も食べて、すりごまや辛子をカツに盛る。
人間が、豚になる瞬間。
たまらなく幸せな瞬間。

夕方にすべての行程が終わり、新幹線。
対応の良い金券ショップなんて初めてだった。
それだけで、今日一日ラッキーの積み重ねだったんじゃないかなと思ってしまう。
いや、歌を歌うことで生活できているなんて、ラッキーの積み重ねだよな。
当たり前じゃなかった。

自由席に乗ったけど、喫煙ルームが遠かったので、喫煙車に移動する。
こだまは時代錯誤だから、まだ喫煙車がある。
煙草の煙がたっぷり詰まった車内のムードを肺に吸い込むと、あの味噌カツ屋が創業した昭和22年にタイムスリップしたような気になる。
こんな感じだったのか、なんて想像する。
ひどい眠気の中、ノートを広げて、セットリストをつくる。

いつかやるであろう、現メンバー初のワンマンライブのために。
まだメンバーすらも知らない曲たちをたくさん並べたセットリスト。
俺は今とてもわくわくしてる。



K.K



【今日の新曲】

『びんぼう』

俺たちが眠る頃
誰かは働き出す
夜露とあそんでばっかりの
ゴロツキ坊やたちさ

ボロの革ジャン肩にひっかけて
背広なんて着れたもんじゃない
煙草の灯りで照らす
明日はどんなもんだろう

びんぼう
俺たちはこころ以外
ずうっとびんぼう