August 26(Sat), 2006
時をかける少女とクロスメディア戦略
先週、新宿まで行って見てきた
"時をかける少女"への雑感です。
- 物語としての普遍性
- ゲト戦記との対比
- クロスメディア戦略の勝利
- アルファブロガーの影響力優勢
- 群衆の英知の内包する欠点
- おたく第二世代(昭和50年前後生まれ)の卒業とおたく第三世代(昭和60年前後生まれ)の台頭
- 角川アニメファンドに見る政府のコンテンツ産業育成政策
小論文なので、最初に結論をー。
このへんが"時をかける少女"をハルヒ後継閥に押し上げた要因ってのが
TRPGのススメ?的な結論です。
時をかける少女とは?
時をかける少女―TOKIKAKE (角川コミックス・エース (KCA162-1))
- 作者: 琴音らんまる,筒井康隆,貞本義行,「時をかける少女」製作委員会
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/07/26
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 81回
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ちょっとマーケティングの方の話だから、舞台裏の議論が嫌いな人は読まない方が良いよー。
上記の漫画は映画とストーリーほぼ一緒だから、粗筋の把握に良いと思います。
まぁ興業サイドが、眼鏡をかけた女性来場者に特典を与えてしまうという、なんというか恐ろしいマーケティングセンスをお持ちだからのー。
時をかける少女クラスタの勃興
さてとまず"時をかける少女"を生み出した時代の背景からだね。
ぶっちゃけちゃうとハルヒの後継派閥だな。
今後の盛り上がりと着陸への予想はハルヒ流用で。
涼宮ハルヒの革新(innovation) - TRPGのススメ?
ただし今回はハイエンド方面が話題を作っている中心なので、ハルヒ的な美少女主義相場って感じじゃなくて、ハイエンド方面・サブカル・精神分析派主導な相場になっていくパターンな印象がある。
ハルヒはSFだったけどちょっと評論家に受ける作品では無かったからねー。
角川の魔法 〜クロスメディア戦略〜
んで角川のマーケティングについて。
ハルヒで実験して成功したクロスメディア戦略が、時をかける少女でも使用され成功しつつあるで良いと思う。
クロスメディア戦略の概要は角川の投資家向けのサイト
に掲載されている事業報告から。
TRPG系サイトであるウチとしても、今後の議論の中核になる概念なのでコピっておくー。


作品そのものは別になーにも変わらないんだけど、雑誌とラジオとアニメ*1での販促が主体だったおたく向け商品の販促戦略が、角川のクロスメディア戦略によって明確にブログ主体にシフトしたのが解りますねー。
角川だけの思惑だろ?って疑う人もいると思いますが、現状において持ち株会社としての角川は、おたく出版において
角川・電撃・アスキー/エンターブレイン・富士見を押さえているわけですから、男性向けでは非常に優勢って解釈で良いと思います。
旧名リクルート出版なメディアファクトリーが角川においつくには
もーちっと時間が必要でしょうー。
あとは文庫と漫画以外では強い徳間書店と学研ですがこれは総合力に劣るー。
HJは……。まぁいい加減ガンダム依存を何とかせんとのー。
可愛い娘さん特化な出版社群は、創作物が二次作品的だからおいときましょー。
角川の覇権が揺らぐとしたら小学館・講談社の本格参入かなー。
ただ三つ子の魂って奴で、角川って映画に未練があるみたいで*2青春映画とか娯楽映画は、呆れるほど角川って作るの上手いから映画では当分角川が優勢だろーなー。
――そう皇帝になれる。カイゼルにだ。
クロスメディア戦略のキモってのはつまり
双方向のマイクロメディアにおいては、体験情報、口コミなど情報コミュニティーがつくり上げられました。すなわちブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)による消費者の声が、情報として高い価値を持ってまいります。
な、現状認識の上に立ってブログとSNSでの言論戦に注力する。
という宣言で良いでしょうー。その主戦場は、まぁおそらく、2ch・はてな村・mixiに代表されるブログ圏って事になるはずです。
この二ヶ所で勝てれば、ニュースサイトって二次情報の集積なので自動的に制御できるからねー。
これからは他人の行動や消費性向に影響を与えられる人物が、事実上の権力者となる。
と論じたのは僕たちの洗脳社会って本でしたが
- 作者: 岡田斗司夫
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1998/10
- メディア: 文庫
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まーブログの言論って影響力がある特定個人に結構左右されてそーなので
- 作者: 細野不二彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/06/30
- メディア: コミック
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メディア社会の現代では、権力者とは他人の言葉や振る舞いを支配する者。金持ちや政治家とは限らない。なのにあたかも反逆のヒーローを装って自尊心を太らせるヤツには虫酸が走るんでね。
この藤田の台詞に出てくる、"人の言葉や振る舞いを支配する者"を制する作品が覇権を握るって事になると思う。
この文ではこの力を影響力優勢と表現しますね。
情報制空権って言う人いるんだけど、制空権って今は航空優勢って表現するらしーしのー。
この文中では影響力優勢って事で。
私の視界内で誤解を恐れず個人名を出しちゃうと
かとゆー家断絶であるとかARTIFACTあたりのレベルが、"人の言葉や振る舞いを支配する者"な気がします。概ねこれが模範解答でしょう。
まーネット世論が特定個人の影響力に支配されるって面は、パソ通の昔から変わってない構図なんだけどのー。
Web2.1とハイパーロングテールへのお誘い
ただWeb2.0ってのは情報の伝播を加速させる形質を持っているので、かとゆーの人とかkanoseさんも一人の人間である以上、情報を収集して付加価値をつけて送り出すって手法を取る限り、処理できる情報量には物理的限界があります。
まぁロングテールクラスでの影響力優勢は連中ががっちり握っているけどのー。
となるとWeb2.0時代における宇宙人的かつ未来人的かつ超能力者的サイトの行き道ってのは、あるいはハイパーロングテール(今、紅茶が勝手に作った用語)である、ロングテールの更にまた先っぽを狙っていくって行き道かもしれませんね。
たとえばそれはウチの場合、文学部唯野教授を長門有希で論じちゃう超監督スタイルだったり
これから書く予定の"時をかける少女"の映画への感想を
- 作者: 機本伸司
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2002/11
- メディア: 単行本
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神様のパズルで論じちゃうなんて、もう誰も読まないんじゃないか?
って、はてブで絶対にクリップしてもらえない我が道スピリッツが、我々弱小ブログの行き道な気がするー。
Web2.0は結局、ロングテールの中から勝ち組と負け組を再分化させました。
群衆の英知を達成するためには、我々弱小サイトがハイパーロングテールを形成しないとならないのです。
弱小サイトにとって、ニュースサイトや、はてブでの評価なんてどーでもええじゃないか。
結局は他人の価値観なのだ。
大手の影響力優勢から離れて、みんなが勝手な事を言い合っているってのが、個人的にWeb2.1のあるべき姿だったりする。
マスの口コミで広まった作品というフィクション
日本人ってクラスタがフィクションなように、おたくってクラスタもまたフィクションなのだ。
そんなものは元々存在しない。
ハイエンド系も、萌えを叫ぶ美少女主義者も、そんなものは元々存在しないのだ。
クラスタは雑誌編集者とライターとブロガーの頭の中にしか存在しない。
みんなで居る居ると言うことで存在しうるそれは亡霊なのだー。
それを踏まえて。
愛される「時をかける少女」:口コミマーケティングに開かれた新しい道:渡辺聡・情報化社会の航海図 - CNET Japan
"時をかける少女"を巡るブログ圏の攻防で先制したのは東浩紀と竹熊健太郎だったー。
時は移り、所は変われど影響力優勢の所在は移動してないねー。
=w=;;; 群衆の英知なんてホントにあるんかいな。
- イノベーションの発生
↓(ブログ圏とアルファでの記事によるポジティブスパイラルの開始)
- ブログスフィアでの好評
↓(ファンの押し上げ)
- 口コミで広まったという共通認識
↓(フォロワー層への伝播)
- ブームの顕在化
↓(マス層への伝播)
- 合成の誤謬と話題の陳腐化
↓(マニア層の売り抜け)
- ブームからの着陸
↓(ファンと後から見る人が残る)
- クラスタの固定化
こんな感じかな。結局はシュンペーターの法則に準拠だーな。
パソ通とか従来のネットっては情報の伝播が1年くらいかかったんだけど、匿名掲示板とニュースサイトが出てきてこれが半月に。
んでWeb2.0になって情報の伝播が数日になったでええっしょ。
つまりもうイノベーターもマスも存在しないー。
アルファへの信頼ってのはそりゃまーアルファなブログって面白いしタメになるんだけど、結局、高速道路の出入り口付近で渋滞に捕まる。なぜならみんな見ているから。
ウェブ進化論が論じた"高速道路出入り口付近の渋滞の罠"(いま勝手に名付けた)だなー。
さすがに長いので略して"高速道路の罠"で宜しく。
"高速道路の罠"を抜けるには、Web2.0を利用しつつ、その次を狙わないとならないのだ。
かつてネットの利用の可否で情報に格差が存在したけど、同じ事がWeb2.0でも繰り返されているー。
情報の増大がotakuにとって幸福かどーかは正直、私は微妙だと思うけどな。
"げんしけん"みたいに殆ど一切、ネットの情報に影響されていない状態の方がよほど幸福な気がする。
ただクロスメディア戦略の狙いを見ると、"口コミで広まったという共通認識"の重要さが解ると思います。
角川が作りたいのは"この口コミで広まった"って事象への我々の愛好でしょう。
しばらくの間、ブログ界にクロスメディア戦略の思想が行き渡るまで、この"口コミで広まった"ってフィクションへの信仰は続くと思います。
時をかける少女の優位性
正直言って"時をかける少女"は斬新でも大作でもありません。
ハルヒみたいに謎の文学理論を次々に投入したわけでもない。
原作も筒井康隆作品にしては極々大人しい。
TRPGのススメ的にハルヒの優位は既存の文学理論の徹底的利用に有ったと思っていますが、"時をかける少女はハルヒほど、理屈とロシアフォルマニズムと記号論と構造主義に溢れた作品ではありません。
普遍的な価値観を普遍的に描いたそんな作品でした。
精神分析系〜サブカルってのは私が見る限り、異化の多用とか構造主義を好まない(記号論は大好きみたいだけど)ので、つまり似たようなガジェットのハルヒはオタ臭いけど、時かけは我々萌え系以外もOK。って心の動きはこのへんだと思うー。
時かけの絵はルナルサーガでキャラデザやった*4貞本義行なんだけど、まーこれも事実上エヴァ以来だからねー。.hackはちょっと評論するのは無理だった。
作中の細部の優位は他に任せるとして。
結論はゲド戦記のアンチテーゼって時代の気分とクロスメディア戦略の勝利かなー。
救いようが無い結論だけど。
群衆の英知(The Wisdom of Crowds)
はてなでは超有名な概念だけど復習をー。
The Wisdom of Crowds (みんなの意見は案外正しい) : tokuriki.com
=w=;;; いや、参考資料を調べるべくググったら
偉大なるMy Life Between Silicon Valley and Japan様が6番目で
何故かウチが日本で5番目だった。うーむグーグル様もお茶目だのー。
しかも日本で700個しか書かれてないじゃんか。
=w=;;;;; まぁ紅茶的に伝説となった"ロシアフォルマニズム"よりはマシだけど。
話が逸れました。hatena最大の前提。群衆の英知〜。だいたいこんな感じ。
素晴らしい文章なのでごっそり引用します。
■「一般的な利益に関わる意思決定を下す」ように要請すると、集団や群集が到達する結論は、「一人の個人よりつねに知的に優る」
「群衆は高度な知性を必要とする行為を成し遂げられないし、一人の個人よりつねに知的に劣る。(ル・ボン)」という一般的な考え方とは逆?
■集団が賢くあるための3要件
・多様性
・独立性
・分散性
■いちばん優秀な人が集まった組織が必ずしもいちばん優秀な組織ではない
・優秀な人ほど似通ってしまう
・それほどよく物事を知らなくても、違うスキルを持った人が数人加わることで、集団全体のパフォーマンスは向上する。
・現実の世界では専門性が過大評価されがちである
■ウォートンのアームストロング教授による「専門家」の調査
「専門家は先々の変化を予想するのに十分な情報と、その情報を有効に活用する能力を持っていると誰もが期待する。ところが、最低限の専門知識以上の専門性は変化の予想にはほとんど役に立たない」
■学びを通して個人が賢くなる一方で、集団として愚かになる可能性
集団のメンバーがお互いに大きな影響を与え、お互いの個人的関わりが強くなると、集団の判断は賢明でなくなる。お互いの影響力が強くなると、同じ事を信じ、同じ間違いを犯しやすくなる。
■「情報カスケード」
皆が持っている私的情報を集約するのではなく、情報不足の状態で次から次へと判断が積み重なること
情報カスケードが抱える根本的な問題は、ある時点を過ぎると自分が持っている私的情報に関心を払う代わりに、周りの人の行動を真似することが合理的に思える点にある。
■分散性のメリットとデメリット
メリット:独立性と専門性を奨励する一方で、人々が自らの課題を調整し、難しい課題を解決する余地も与えてくれる。
デメリット:システムの一部が発見した貴重な情報が、必ずしもシステム全体に伝わらない。
→個人が専門性を通してローカルな知識を手に入れて、システム全体として得られる情報の総量を増やしながら、個人が持つローカルな知識と私的情報を集約して集団全体に組み込めるようになっている状態が望ましい。
■信頼というコンセプトでいちばん重要なのは、それがある意味では、機械的で人間味の無いものだという点だ。
・かつて、信頼は人と人のつながりや集団内の人間関係に基づいていた
・近代資本主義は、個人的な関わりが一切ない人を信頼しても大丈夫だと保証した
公正な取引から生じる長期的な利益のほうが目先の取引から生じる短期的利益よりも大きい、と人々が思えるとき資本主義は健全だと言える
■「マタイ効果」(名声のパワー)
「おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」(マタイによる福音書)
調査という調査が、ほとんどの科学論文は誰にも読まれず、ごくごく少数の論文だけが多くの人に読まれるという事実を示している。有名な科学者の研究はさほど有名でない科学者の研究に比べて、膨大な数の引用がなされる。
■「集団極性化」
天邪鬼がいないところでは、話し合いが行われた結果、集団の判断が前よりもひどい内容になることがある。
私たちは議論をとおして合理性と中庸が生まれると考えているので、意見を交わせば交わすほど人々は極論に走りにくくなると思い込みがちだ。ところが、三十年に及びさまざまな実験や陪審の経験から得られた知見は、多くの場合、全く逆の自体が生じることを示す。
■発言量は小さな集団が達する結論にとても大きな影響を及ぼす。
集団の中で発言量が多い人は、ほとんど無条件にほかのメンバーから影響力が大きいと見做される。グループダイナミクスの研究は、誰かがたくさんしゃべればしゃべるほど、集団内でその人が話題にされる機会も増えることを示す。
■市場が調整機能を十分に果たせれば、世界中のヒトやモノの動きを調整する大きな企業の存在意義はなくなる。企業は何のために存在しているのだろうか?
→コスト計算と、スピードとコントロールのバランス。
■ギャング映画に学ぶビジネス理論
・「ゴッドファーザー」物事はトップダウンで進められる。
→トップは必要な情報を手に入れるのに苦労する。トップの視点以外の視点は活かされない。
・「ヒート」強い結びつきのある、小さなプロの強盗集団、
→組織の可能性を否定する。たった一人の間違いがグループ全体の破滅につながりかねない。
・「レザボア・ドッグス」一つの仕事をするためにバラバラの個人が集まってチームを作る。
→取引コストが問題。チームを作るのに手間隙がかかる。
完全無欠の理想的な組織モデルなど、この世に存在しない。
・企業は昔ながらの構造と組織的な統一性を残したい。
・日常的な業務をこなせる小さな緊密なグループも必要。
・専門性の高い外部の働き手や戦略かも欲しい。
■見た目だけの権限委譲や分散的アプローチには意味が無い
「従業員の参画という形式だけでは不充分で、意思決定の実質的権限と企業の所有権の取得に伴う目に見える報酬が何らかの形で必要なのである。」(経済学者のジョセフ・ブレイジとダグラス・クルーズ)
GEのCEOとしてジャック・ウェルチが行ったいちばん重要な改革は、部門の壁を超えたアプローチが多様性を生み出すという発想の下、GEを「境界を越えた」会社にすることだった。
ふむー。hatenaは群衆の英知を利用しての集合知を目指した。
んでぶっちゃけちゃうと今のところ迷走しつつあるねー。
たとえば何で偉大なるMy Life Between Silicon Valley and Japan様より、ウチのサイトが"群衆の英知"なんてキモの単語で上に来るかというと、ウチのサイトがhatenaの特性を生かして、Googleでの順位を上げているからなのだ。
Googleの優位性は検索順の表示が、そのサイトが持っている社会的価値に比例するところに有ったのだ。
これはhatenaの勃興で崩れたー。
つまりGoogleはそのWebへとリンクしているページの数でWebの価値を判断してきたのだ。
そしてhatenaは自動的に使用したキーワードとそのブログのリンクを結ぶ。
つまりウチのサイトがひとたび"群衆の英知"と書いただけで、ウチのサイトは他の単語へのリンクと相まって数百近い被リンクを得て、Googleの検索結果において上位を占めることになるー。
こんだけ書けばGoogleに対するhatena利用の優位がわかるっしょ。
内容が大事ったって内容なんて才能以上に良くなるわけがないからのー。
はてなの伽藍病
んで例によって伽藍とバザールの話になるねー。
The Cathedral and the Bazaar: Japanese
群衆の英知が書いた集団が賢くあるための3要件。
- 多様性
- 独立性
- 分散性
はてブのロングテール部分はこの三要素を失ったように思えますー。
つまりそれは、はてな村って社会的集団がバザールから伽藍へと形質を変えたという事でしょう。
インターネットがバザールから出発して伽藍へと組織化されて行った様に、結局、hatenaが立脚した"群衆の英知"は銀の弾丸(万能の解決法)とは程遠く、はてな文化圏は既に生まれたときから衆愚化が約束され、マタイ効果やら集団極性化やら情報の過剰流動性やら文化圏内での価値の画一化やらで、まぁ最終的にはみんなで合理的に振る舞っているのに、何故か集団としては失敗する合成の誤謬に陥る予感がします。
hatenaはそれを踏まえつつも、"群衆の英知"を信じる。日本の教養有る中間層は厚い。
人間に対して楽天的に捉える。
ってオープンソース的な思想で運営されているそーですが、はてなの煌めくばかりに美しい理想は私も本当に大好きなんですが、クロスメディア戦略みたいな商業主義的干渉と、"群衆の英知"自体が持っている避けようの無い欠点*5ってのは、はてなが続く限り、はてな文化圏の病として残ると思います。
ハルヒはまだ"群衆の英知"が働いていましたが、"時をかける少女"を巡る議論は何かhatenaのダメな所が噴出している様に思えます。
みんなで誰かが褒めたから褒めてないか?まー私も人のことは言えないけど。
先物を買うと言うこと
紅茶が参加した、おたく系飲み会でとある人が言いました。
「コミケの涼宮ハルヒジャンルは前回4サークルだった。この連中は今思えば偉い」
さて、ここで賢明にしてディープと思われるTRPGのススメ?読者諸氏に問う。
この4サークルの先見の明は褒めるべきか否か?
作品に先に目をつけて、まぁ世間より先行して何かするって行為に価値はあるのだろーか?
例えば"時をかける少女"の次に上映になる、上がり目がある角川映画は
オンライン書店 本やタウン:エンタメ:映画化本情報:公開予定・映画関連書
を見ると"神様のパズル"でしょう。
蒼き狼やら日本以外全部沈没*6が、otaku論壇的に話題になると思えないですしね。
たぶん角川はクロスメディア戦略に従ってブログスフィアに干渉をかけるはずです。
原作は超面白かったので、映画化で失敗しなければ*7まー間に一本TVアニメかゲームが挟まるかもしれませんが、アニメなら話題に、実写でマニア的な話題になると論じられます。
なのでTRPGのススメ?的には"神様のパズル"に先物買いを入れているわけです。
んで同じ飲み会で言われたんですが
「紅茶は最近、さっぱり先物を開拓してないなー」
と指摘を受けました。
=w=;;; 1年も後に上映する映画の書評やっているってーのにお前の目玉は節穴か?
というとケンカになるので、とほほーと笑っておきました。
先物への紅茶の情熱は笑って済ませられる程度です。
まー先物なんてのは当たっても外れても自己満足ですからね。
たとえば6月に書いた"文学部唯野教授と長門有希のススメ"は、時をかける少女映画化を踏まえての筒井クラスタへの先物買いなんですが、まーわからん人には一生わからんしなー。
んだから今こそ時をかける少女を神様のパズルで論じる時期なんですよー。
さて、超賢明かつ超ディープなTRPGのススメ?読者諸氏に問う。
ブックマークしただけで論じただけで消費しただけで
それは先物を買ったと言えるのだろうか?
先物買い需要へのアプローチが、クロスメディア戦略の本質なんじゃないだろーか?
作品の出来不出来とは別として、ちょっと考えてみる必要がありそーです。
誰が時かけを見ているのか?
紅茶が行ったのはテアトル新宿で8/20(日)の最後の回でした。
マイナーアニメ映画だし一人だからてきとーでええだろうと、最後から2回目の回を狙っていったら2時間後の上映の整理券で170番でした。
=w=;;; おいおい。みんなすごいな。
って2時間時間を喫茶店で本読んでつぶして、整理券の番号どーり列に並びます。
見た感じ、ほとんどが20代前半でした。
びっくりしたのが野郎がこざっぱりしている奴が多かったのと、女の子の多さでしたねー。比率で男2:女1くらいです。
待ち時間の行動でクラスタをチェックしてみたんですが、私の周囲40人でTRPGのリプレイ読んでいる人が1名、本読み3名、携帯ゲーム機2名、携帯電話4名、連れと会話10名くらいでした。
おたく第二世代(30才ちょい過ぎ)のおたくクラスタからの離脱ってのは
=w=;;;;; なんてーかもう終わっていたのねー。
って感じです。場所によっては違ってくるかもしれませんけどねー。
やろーは秋葉の住民を風呂に入れて、ちゃんと床屋に行かせて2000円くらい高い服を着せた感じです。
おたく第三世代(今20才くらいの人)は、おたく的にはアレという評価ですが、人間としては100倍偉い気がするー。ウチらの時なんて酷かったぞ。
女の子は二分化されてますね。
目の動きとか雰囲気とか化粧っ気の無さで、ほいほい本好きアニメ好きですなーって解る人と、興味はそんなに無さそうなんだけど彼氏に誘われてきている人の二極化って感じでした。
ちなみに彼氏がオタで来ている感じの女の子はすべからく萌え重視な服装だった。
=w= いつも思うんだけど娘さん陣営も大変だねぇ。
んでちょっと待ってぎりぎりで座って見られることに。最前列だったけど。
映画の粗筋を知りたい人は一番最初の漫画を読むか他のサイトで。
総論としてはジブリの前につんのめる系の主人公の動きを楽しむ話でええっしょ。
宮崎御大が見たら俺に書かせろーーー!!!
とまた細田さんから監督の席を奪いそうな綺麗な青春映画でしたが。
ゲドが一般受けしなかっただけに*8
ちょっと対比で得したかな?という気もしますが。
面白かった。1800円の価値はある。
青春映画。後にさわやかな気持ちが残った。
映画館で見ておく作品。
って情緒的な評価が殆どな映画で
結局、角川映画らしい、理由は解らないけど面白かった!!!
って作品って事かと思っています。
角川アニメファンド
時かけの字幕に"角川アニメファンド"って文言が有ったので、リサーチしてみたんですがネットには詳細が載っていなかったー。
角川書店がアニメファンド設立・20億円規模 デジタル家電&エンタメ-最新ニュース:IT-PLUS
日本政策投資銀行が出資しているって話なので、このへんをアニメで検索すると出てくるかなと思ったんだけどダメだー。
角川書店が20億円規模のアニメファンドを設立:Garbagenews.com
主旨は理解でき、今後の展開にも期待できる。その一方、今回角川側から具体的な発表が一般向けになされていないと思われるような情報の開示性については、再考を願いたいところだ。
だよねー。まーったく情報出てきてないよねー。
しゃーないから政府系から叩いていくかなー。
連中は手の内を開示する義務が有るわけだからねー。 no title
ふむ。これのノンブルでの35ページが政府のコンテンツファンド育成策だねー。
更にイヤな事言っちゃうと日経の記事によると、7月開始の角川のテレビアニメが角川アニメファンドの第一作なのだ。まー後は想像つくよねー。
んで第二弾がたぶん"時をかける少女"だろーね。
あー日本政策投資銀行のサイトで角川の日本映画ファンドについての言及を見つけましたー。
これのノンブルで11ページです。
=w= つまり、おたく産業に財政投融資を通じて政府のお金が入っているんだねー。
ってか伝統と格式の傾斜生産方式かー。石炭じゃなくて今回は7つの分野なんだね。
ふーん。
燃料電池・情報家電・ロボット・コンテンツ・健康福祉商品サービス・環境エネルギー機器サービス・ビジネス支援サービスに重点を置いて財政投融資突っ込んで助成ってのが国策なんだなー。
=w=;;;;; 松岡さんとか岸さんの満州経営と次元がカワラン!!!
というわけで、時かけには角川アニメファンドを通じて、日本政策投資銀行、つまり財政投融資のお金が入っていて、これは経済産業省の政策に基づく、お国のコンテンツ産業助成策の一環であるって現状認識で良いと思います。
時をかける少女の総括
長々とお付き合い誠にありがとうございます。
- 物語としての普遍性
- ゲト戦記との対比
- クロスメディア戦略の勝利
- アルファブロガーの影響力優勢
- 群衆の英知の内包する欠点
- おたく第二世代(昭和50年前後生まれ)の卒業とおたく第三世代(昭和60年前後生まれ)の台頭
- 角川アニメファンドに見る政府のコンテンツ産業育成政策
小論文なので、もう一回結論をー。
このへんが"時をかける少女"をハルヒ後継閥に押し上げた要因ってのが
TRPGのススメ?的な結論です。
当たるも八卦、当たらぬも八卦。超監督の言葉、常にかくの如し〜。
=w=ノ んじゃまた次のバブルの時に。
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