100歳の美しい脳 デヴィド・スノウドン

「ナン・スタディ」が、同じ生活条件で比較できるという痴呆研究だが、同じ環境で一方は症状が出て、一方は脳の状況は進行していても症状は出ず、また脳に損傷が出ないという事態。20歳の頃に書かれた自伝から「意味密度」「感情」を分析し、食べ物は野菜を多くとるのがよいらしく、ポジティヴな感情を持つ、ということらしい。なかなかの本である。

100歳の美しい脳―アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち

100歳の美しい脳―アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち

終りみだれぬ 東郷隆

「絵師合戦」流人で頼朝の挙兵に参加、右筆として仕えた絵師・藤原邦通、「開眼」運慶と快慶、「鼓」壱岐判官平知康と兄四郎、「熊谷往生」。「開眼」が一番か。回想仕立てにしない方がいいようにも。「熊谷往生」は、直実の前半生が参考になったが、ちょっと感情移入できず、郎等蓮空とに気が分けられてしまう。「絵師合戦」は余計な知識をひけらかしているような印象をやや受ける。読者を納得させるすべかもしれないが。「鼓」はなぜ四郎がそこまでするか、今ひとつ納得いかないところも。いずれにせよ、参考になりそうではある。

終りみだれぬ (文春文庫)

終りみだれぬ (文春文庫)