誰がゲームを殺すのか

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http://gmk.9bit.org/note/20051219-360_is_not_dead.htm

全くひどい言われようだ。まず最初に言いたいのですけども、なぜ俺が「薄いゲーマー」で「ゲームにさして強い興味も執着もな」くて「生活の中心にゲームを置いていない人」と断定されるのか。何かそういう材料が俺の日記の過去ログにでもあったのですか。ゲーモクさんに比べれば俺は随分とゲームのプレイ時間もやった本数も少ない薄いゲーマーと看做されるのだろうけども、ここまで言われて小ばかにされる根拠は一体なんなのか。適当にdisっておけばいいってもんでもないですよ。

ここで俺がいかにゲーム好きでゲームを生活の中心に置いていて、インベーダーの誕生から何十年ゲームとともに生きてきたかをくどくどと書くことは可能ですけども、いかにも不毛なのでそれはやめときます。ゲームやった時間数競ってもしょうがない話だし。はっきり言えることは俺はゲームそのものを愛しているということであり、ハード叩いてシェア争いだけ気にしてるわけではないってことです。ゲーモクさんのやった根拠なき断定はコアゲーマーの驕りだと俺は思います。家庭用ゲーム機を下からガッシリ支えるユーザーはコアゲーマーではなく、ライトユーザーとこれからゲームに親しむ子供たちでなくてはゲームに未来はない。濃いゲーマーでゲームに強い興味と執着があって生活の中心にゲームをおいている人たちが一体どれだけいるのか。その人たちだけに「ゲームを進化させる可能性」を提示したXbox360が惨敗するのは至極当然の話です。

Xbox360に俺が期待していたのは洋ゲーだと書きましたけども、もうひとつ実は期待していたことがあって、それは「XboxLiveを使って自分自身のゲームプレイをリアルタイムで全世界に発信したい」ということでした(PeerCastという手は既にありますけど)。そのようなことを簡単に行える仕組みが360に用意されてるかどうか不勉強なので知りませんけども、いずれにしてもこんなことはライトユーザーは別にやりたがらない。それは自分自身よくわかってるのでXbox360の売りとしてこんな風になってほしいと書きませんでした。

ゲームを殺しているのはゲーモクさんの言うとおり俺のような(？)ライト層なのでしょう。どんどん加速度的にゲーム離れが進んでいる。しかしその原因を作ったのは大作主義、画質主義、性能主義のハードメーカーとソフトメーカーの姿勢であり、それを後押ししたコアゲーマーたちですよ。Xbox360に「ゲームを進化させる可能性」を秘めてどうすんですか。秘めるな、表に出せ。そしてライトユーザーに訴求しろ。と俺は思います。ゲーモクさんには釈迦に説法でしょうが、かつて任天堂はオンラインゲームに距離を置いた発言をしていました。それはひとえにオンラインゲームの敷居の高さがまだまだライトユーザーに訴求する力を持っていないという判断があったからで、ADSLが普及しきった今、単にインターネットユーザーを取り込むだけでなく、DSのすれ違い通信からシームレスな移行が見込まれるWi-Fiステーションという草の根的なインフラまでも用意して、たくさんの子供たちを含む将来のオンラインユーザーを取り込む戦略を取りました。

そしてXboxLiveという「ゲームを進化させる可能性」にはハイエンドスペックが全く必要ないことくらいおわかりのはずです。Liveに360の限界性能は必要不可欠ではない。Xbox程度の性能でも十分だったはずです。 さらにいうなら爆音爆熱の巨大ハードなどなくても、1万5千円のDS(とUSBコネクタ)さえあればもう通信は可能になってます。次世代家庭用ゲーム機に本当に必要とされているものはなんなのか、求められているものは何なのか。ゲームが求められていないなら、求められるようなことを考えなきゃならない。それを任天堂は考え、マイクロソフトは見誤ったという事実を俺は列挙しました。

そしてXbox360に突きつけた条件は俺が無知で恥知らずだからではなく、家庭用ゲーム機を愛するゲーマーだからです。ライトユーザーにもたくさんの据え置き機が売れて、ゲーム自体が盛り上がってほしいからです。100万ポリゴンを60fpsでぬるぬる動かすことはPCがやればいい。どうしてもやりたいPCゲームがあったら俺は爆音爆熱に耐えて40万でも50万でも出しますけども、家庭用ゲーム機を買う多くの人たちはそんなことには耐えられない。5万円ですら出し渋ります。次世代機だから大きくて仕方ない、高くて仕方ない、ってそんなもん限界スペックにしなきゃいいだけの話じゃないですか。事実レボリューションは次世代機としては見劣りするスペックをあえて選択したじゃありませんか。そのおかげで筐体は小さくなり、値段は安くなり、ライトユーザーに訴求するため別の武器(ポインティングデバイスとWi-Fi)を前面に押し出そうとしてるじゃないですか。

そういう選択肢を取らなかったXbox360とPS3すら、俺はちゃんと売れてほしいと思ってます。でも断言しますが価格設定が予想通りならPS2の時のようには売れない。それでもシェアトップに立つだろうPS3は、ゆっくりとゲームを殺していくと今も思っていますよ。

家庭用ゲーム機はゲーモクさんの言うファミリーカー市場です。俺は全世代を巻き込み、新機軸を打ち出し、車に興味ない人にまで売れるファミリーカーを欲しがっている。ファミリーカーにスポーツカーの性能を望むような無知で恥知らずなことはしていない。それをなぜそうだと決め付けるんですか？ 「みんなが叩いてるから自分も叩く」？ 俺がダメだと思うからダメ出ししてるんです。みんななんかビタイチ関係ない。みんなって誰ですか？ 気持ち悪いな。

ゲーモクさんみたいなコアゲーマーだけがゲームの未来を憂いているなんて驕りはやめてください。

俺がゲームを殺すのか？

本筋と全然関係なくて恐縮ですけども、言わずにはおれないので最初に言わせてもらいますが、無礼を働くのはやめてください。たまたま読んだエントリがムカつく、だから名指しで無礼をはたらいてもかまわないっていう考え方にはどうにも馴染めない。はてなブックマークでもよく見る光景ですけど。「こんな連中」呼ばわりから「テラヤマアニ氏」に名前が昇格したみたいですけど、そういうことができるんであれば初めからそういう呼称で構わなかったんじゃないですかね。傾きすぎたシーソーのバランスを取るために、なんで俺は小ばかにされ、無知で恥知らずと言われ、ゲームをやらない人間と決め付けられ、みんなが叩いてるから叩く烏合の衆と看做され、disられなきゃいけないんですかね？ disるのもいいですけど、やるならとことんdisったらどうですかね？ なんで急にしおらしく十把一絡げの「こんな連中」から「テラヤマアニ氏」に名前が変わるんですかね。氏までついちゃった。なんで個人的に恨みを持っていないのに、そんな無礼が平気でできるんですかね。というか恨みを持ってないって、いちいち言われなくてもわかりますよ。被害妄想じゃないし。そしてなんで呼称だけは変えて、無礼については口をつぐんじゃうんですかね。俺なら先に無礼について詫びますよ。たまたま読んだ3つのエントリから情報が読み取れなかったら、ああいう決め付けや無礼はアリなんですか？ 過去ログ全部読めとか無茶言いません。でも俺はゲームの中身の話についても長年語ってきてます。「そんなの知らなかったから無礼をはたらいたのは仕方なかった」って俺なら居直れませんよ。

で、ゲームの話なんですけども、ゲーモクさんの言いたいことはわかった。スタートダッシュにつまづいたハードの悪い点ばかりをあげつらうなと。その中に秘められた可能性を見出してそれをアピールしろと。ゲームハードのことじゃなく、ゲームの中身について語れと。それがひいてはゲーム人口の増加につながり、ゲームの未来にもつながると。そういう俺に対しての要望ですよね。俺は俺のアプローチでゲームの未来を考えてます。

次々世代機、次々々世代機が今のままの大型化、やりすぎの高スペック化(それもグラフィックに特化した形での)、高価格化を続けていくなら、ライトユーザーはついてこない、ソフトメーカーも疲弊する、だからやめろ、型番商法で初期ロットを買ったユーザーをないがしろにするな、ということを俺はメーカーに言いたいわけです。ここで何がしか書くことがメーカーに届くのか知らんけども。そして「次世代機にはこんな可能性があるから、巨大で発熱も騒音もすごいしロンチソフトにもめぼしいものがないけども、我慢して買おうぜ。やろうぜ」とゲームやらん人に言えるわけがない。

中身も見ないで360を叩くと言われるけども、買ってこそいませんが見ましたよ。触りましたよ。試遊台で遊びましたよ。そして買いたいと思わせるソフトがなくてがっかりしましたよ。買ってちゃんとやりこまなきゃゲームハードの批判はまかりならんて、どんだけ狭量なんですか。俺は「360にはつまらないゲームしかないしこれからもつまらんゲームしか出ないだろう」みたいな中身の批判(やってもいないのに批判)はしてませんよ。スペック偏重と、それが原因で巨大化高熱化しているハードと、それを原因とするソフト開発コストの高騰と、ユーザー無視の型番商法について怒り、メーカーに嫌味や批判をぶつけてるんです。次々世代機以降にそれが生かされるように。それがゲームの未来につながるだろうと思うからです。

それで、「ゲームの中身も見ないでゲームの可能性を潰そうとする外野」＝「俺」がゲームを殺すんですか？ 俺は今まさに殺しにかかってる奴なんですか？ そんなすごい殺し屋でしたか俺は。知らなかった。

細かい反論は畳みますね。