ES細胞の最前線

ES細胞の最前線

ES細胞の最前線

最近ちょっと下火ですが、一時期「羊のドリー」で大変な話題となった細胞の複製(コピー)の話です。
先端の生物学というよりも、コピー人間ということが先行して、教会を中心に神への冒涜論や倫理の問題で大騒ぎになりました。
さらに、実用へは長い開発時間を要すると思っていたのに、韓国でES細胞の複製に成功したとのニュースからまたまた大騒ぎ!
結局この件は、韓国の大学教授の偽論文と判明し、水を差す結果となりました。

本書はそんな経過と最前線の状況、さらに科学者たちは何を目指してES細胞の開発を行っているのかをわかりやすく解説しています。
まあ、ニュースで知っているだけに別にこれ以上難しい話は。。。と思いますが、マスコミ報道の誤りや勘違いさせる扇動効果などの裏話もあり、流しているだけでも結構読み応えがあります。
病気や怪我で苦しんでいる人たちが、ES細胞により欠陥部位を複製され、普通の健康体に戻る!そんな夢物語が何十年先には実現して欲しいと思います。

女ごころを知ればメシは食える

“女ごころ”を知ればメシは食える―新しい女性市場と女性心理は、こうつかめ!

“女ごころ”を知ればメシは食える―新しい女性市場と女性心理は、こうつかめ!

日本ビクターからフードビジネスへ転向した著者の体験談でしょうか?
いい言葉が沢山ありました。

  • 女性は不安の動物、男性は不満の動物

 不安を除いてあげると店のファンになってくれるということ

  • 事前期待よりも事後評価を高める必要がある
  • 女性が喜ぶポイント、もらう、拾う、タダ
  • 女性は腰から、男性は肩から

 歩き方の話です。男性の視点で動線やレイアウトを考えても、動き方の異なる女性には必ずしもフィットしないということです。

そして、デザイナーズミール、
私はベジタリアン、アルコールは駄目!
という、客のニーズに答えて料理をデザインすること。

希望を正直に要求する女性によってますますその世界は広がり、不満を押し殺す男性たちの市場はますます減少していく、ということを再認識した。

渋谷ではたらく社長の告白

渋谷ではたらく社長の告白

渋谷ではたらく社長の告白

ネットの広告業、サイバーエージェントの創業から上場、株価暴落から黒字決算までのことをつづったドキュメンタリー。
社長の藤田氏は小説家になりたかったらしく、非常に読みやすい文章です。
もっと言えば、小説家のほうが向いていたような気がします。
様々な苦労などをたんたんと表現していますが、私が注目したのはなんといっても奥菜恵との出会い、結婚での会話。残念ながら1年ちょっとで別れたようですが。。。

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それまでお付き合いしてきた女性は、忙しい私に遠慮してくれるタイプの女性ばかりでした。むしろ、そんな彼女たちの理解ある態度に甘えていたのかもしれません。しかし妻は私の仕事に関して、もう容赦なく訳がわかっていない状態でした。
「仕事が忙しいから、今週末はちょっとむりかな」
「え?どうして?」
「いや、だから・・・仕事が・・・」
「だから、どうして?」
会いたい気持ちをストレートに表現されることに慣れていなかった私の目には、そんな彼女の態度はとても新鮮に映りました。

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なんでこんな外見も表現もかわいい子と別れるのか、不思議です。

シンプルな仕事の構想法

もの・こと分析で成功するシンプルな仕事の構想法

もの・こと分析で成功するシンプルな仕事の構想法

トヨタの改善に代表されるように製造現場ではムダ取りが大流行である。
ところが、やみくもにトヨタ流を導入して現場だけが苦労している業界は結構ある。
導入した連中の能力不足の一言に尽きるこの現象は車に比べれば生産コストの低い電子部品業界に多い。
突き詰めれば基本を学ばずに手法だけ真似しようとした結果、本来のシンプル化ができずに、結果だけをもとめて現場に無理をさせていることになる。
まさに精神論で戦おうとした旧日本軍のようである。
シンプルな構想法とはなにか?
あるものを、このものを使って、この状態にする。

  1. 水をやかんとコンロを使って沸騰したお湯にすること
  2. 紙をはさみを使って二枚に切断すること
  3. 。。。。

大事なのは、紙をどういう状態に変化させたいのか、という目的を命確認することである。
そして、そのために使うものははさみなのかカッターなのか、押し切りなのか、このワークヘッドのあたるものを正しく選択しないと更にムダが増えることになる。
自分の身の回りの作業でも、ずいぶん無駄なことをやっています。
一方では作業をこなしていて楽しんでいることに問題があるのかもしれません。
仕事は分析によってもっともっとシンプルになります。
そのやり方を教えてくれるのが本書です。

「やめる」から始める人生経済学

「やめる」から始める人生経済学

「やめる」から始める人生経済学

著者 森本卓郎は、「年収300万円時代を生き抜く経済学」で節約生活を紹介した人です。
実際に日本もアメリカのような格差社会になりつつあります。
六本木のヒルズ族下流社会の人々。
下流社会の人はけしてヒルズ族にはなれません。
それは能力の問題というよりは、人生にとって何が必要か、に対する答えの違いだと思います。
そのひとつがこの本でしょうか?
「がんばる!」という生き方の対極に、この肩の力を抜いた生き方があります。
そしてそれは今まで気づいていても怖くてできなかった生き方なのかもしれません。
何事も、まずやめてみる!そうしてみると新しい世界が見えてきます。
残業をやめてみる、出世欲をやめてみる、同僚との付き合いをやめてみる、冠婚葬祭やお歳暮をやめてみる。
そうすれば自分にあったシンプルな生き方がわかるということです。
300万円で生活した実績のある著者だから、思い切った実践ができるのかもしれませんが、案外やってみるとそうでもないものです。
酒と恋人をやめる気は全くありませんが、それ以外のものは、がさがさきってみたいと思います。

日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか?

日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか 撤退戦の研究 (知恵の森文庫)

日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか 撤退戦の研究 (知恵の森文庫)

太平洋戦争における陸軍・海軍の失敗の繰り返しの原因を二人の専門家が語っている。
一人は映画にもなった「日本の一番長い日」の著者で昭和史の第一人者 半藤一利、もう一人は、「勝つ人事、負ける人事」など経営戦略、人事戦略の専門家 江坂彰。
ミッドウェイの南雲中将の無能さ、日中戦争を泥沼化させた関東軍参謀連中のあほさ加減、年功序列の弊害、日露戦争の勝ちに対するおごりと束縛など、定説となっていることがらも多いが、山本五十六新潟県人だったため、本心を語らず、勘違いした部下たちが無謀な日米戦争に突入した点など、読み応えがある内容です。
特に、江坂さんは経営戦略が専門のため、バブル以降に経済戦争でアメリカに負け続けている日本の戦略の無さを看破している。
注目は、半藤さんのリーダーの条件、

  • 権威を明らかにすると同時に責任をしっかり取る
  • 組織の目標を明確にするための決断をすること

 部下に目標を語らなかったのが多く、山本五十六はその典型

  • 焦点の場に位置せよ

 仕事が忙しいと家庭内暴力から逃げる父親

  • 情報は自分の耳で確実に聞く
  • 規格化された理論にすがらないこと

 前に成功したからといって改良を怠ること

  • 部下に最大限の任務追行を求める

 お前が行って来い、お前しかいないんだ!

賢者は歴史に学び、愚者は失敗に学ぶ
まさに日本軍の内容は失敗学の宝庫です。

捨てない生活

舞台はドイツ。
ここの国民がいかに自分たちでごみを減らす努力をしているか、という話です。
突き詰めていくと、ごみを減らすことにより支出が削減されるということに集約される。
ということは、日本でも簡単に実施できそうな気がします。
空き瓶のデポジット制、分別収集による感化、回収金額がことなるボックスなど。
先日読んだLOHASを伝統的に実践しているのがドイツの人たちです。
でも、それが簡単にできない日本は、自分たちのグーたらと回収業者の利益優先のせいでしょうか?
たとえば、自分がリサイクルに信念を持ち始めたとしても、社会のシステムが受け入れる状態に至っていません。
自分の家にある粗大ごみ、どうしたらいいのか?
問いかけたら何でも適正な答えが返ってくるのがドイツ、たらいまわしにされるのが日本です。
リサイクルショップしにても都合のよいものしかもっていきません。
ブックオフではないですが、なんでもとりあえず回収してくれるような窓口がまず必要だと思います。