- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1990/11/20
- メディア: 文庫
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学生時代の遠い記憶。ガラスのようなハート、それが人間失格、もしくは太宰治に対する印象に残った形容。でもこれ、もしかしたら三島由紀夫かもしれない。ともあれ、ある程度の難しさを想定しながら読み始める。
う〜ん、思ったより読みやすい。しかも主人公のキャラ、予想していたコミュ症どころか、外面はかなりいい感じで、悔しいかな(意味なし)女性にモテモテ。おいおい、人付き合いが苦手だから故、仮面を被って人と接するのはよ〜くあることじゃまいか!。ということで、人間失格の第一印象は思いの外、すっぽ抜けた感じ。
読み進めていくうちになんどもなんども繰り返し記述される主人公の内面。さすがにかなり重症ではと思い始める。ヒモのような生活を送るも、相手の女性を愛すことはない。女性のみならず人を愛せない。恐怖ゆえ。ふむ、それなりにヤバいと思うけれども、こういう人、程度の差さえ考えれば、普通に居ると根拠もなく思う。人間関係の悩みを自分の性格に帰結させれば、み〜んなこういうことで悩んだりするんだよね、なんて勝手に思う。程度の差こそあれ。
というわけで、あまりにも期待が大きかった(有名作品ということで)せいか、自分的にはそれほど強烈な印象をもつような作品ではありませんでした。しかし、読みやすさはいい意味で期待はずれだったので、他の太宰治の作品も読んでみたい、そう思いました。以上。