この絵本が好き!その4

 最終回にします。翻訳者「千葉茂樹」さんについて。

 最初に千葉さん訳の本を手にしたのがいつだたのか、忘れてしまいましたが、いつの間にか「千葉茂樹訳」は要チェック本になり、購入必読書になっていきました。
 今回、海外翻訳絵本 第1位の

アンジェロ

アンジェロ

の訳書も千葉さんでした。
千葉さんは、インタビューで
 

 ぼくは、一つのことをこつこつやりとげる人の話が好きなので、つい
 こういう本に絵本に手が伸びるのです。

と語っていらっしゃいます。
 以下の本はすべて学校に揃えてあります。「絵本なんて・・」とまだ思ってる方がいらっしゃいましたら、是非手にとっていただきたいと思います。 

彼の手は語りつぐ

彼の手は語りつぐ

雪の写真家ベントレー

雪の写真家ベントレー

ちいさな労働者―写真家ルイス・ハインの目がとらえた子どもたち

ちいさな労働者―写真家ルイス・ハインの目がとらえた子どもたち

ウエズレーの国

ウエズレーの国

またこの本は、毛色が違いますが、

エドワルド―せかいでいちばんおぞましいおとこのこ

エドワルド―せかいでいちばんおぞましいおとこのこ

バーニンガムですので、当然必読書です。

 
 さて、
 今日の内田先生は、  「夢の実現」について

夢は細部が具体的になればなるほど実現可能性が高まる。
そういうものである。
夢の実現にはこれこれの金額の金が必要であるというので、頭の中に「数字」を思い浮かべ、数字の増減だけにつねづね思念を集中していると、金はたまるかもしれないが、「夢」は実現されない。
夢はしばしば思いがけない「バイパス」を通って実現されるからである。
夢のことだけを考えていれば、決して「バイパス」の入り口を見逃すことはない。でも、金のことだけ考えていると、それを見逃してしまう。
幸福というのは「幸福に至る経路」をたどること自体がすでに幸福の実現であるように構造化されている。
だから、老松のデザインについて小林直人さんと相談しているときに私はすでに能舞台の仕上がりをすり足で確かめているときの身体的快楽を先取りしているのである。
この快楽はいくら「先取り」しても目減りすることがない。
ただその快楽を享受するためには、「私の夢」が実現することを信じている人が「私以外」に存在しなければならない。
夢をもつことは誰にでもできるが、夢の快楽を享受することが限定的なものに止まるのはそのためである。

 太字は koyateru

最近、少しの段差で躓くようになり、
「これが、よく言われる老人の家庭内骨折の原因ね」
と悲しい認識をしている私。でも、今日の内田先生の言葉を読み、元気が出ました。そう、私の夢はいつも細部が具体的で、私の夢が実現することを信じている人が存在してくれているのです。幸せなことです。