一日一冊『ノルウェイの森 下』村上 春樹

ノルウェイの森 (下) (講談社文庫)

ノルウェイの森 (下) (講談社文庫)

今日の一冊は『ノルウェイの森 下』村上 春樹。上巻の続き。上巻の際には書きわすれたが、上巻もこれも図書館で借りた。上巻とは色が異なる。上巻が赤の波線だったのに対して、下巻は緑の波線だ。

上巻もそうだったのだけど、なんだか驚くほどあっさりと読めてしまうと感じる。風みたいに、すっと通り過ぎてしまうような、水みたいに染み込んで消えてしまうような、あっさりとした感覚が残った、いや、これは何も残っていないのかもしれない。心にひっかかるようなものがなくて、すっと流れていってしまった。消えてしまった。そういう感じだ。

主人公が緑と直子の間を行ったりきたりして、緑を選んで、直子が死んでって、そんな話。たくさんの登場人物が、あっさりと消えていく。あっさりと消えていったかのように書かれている。第十一章の冒頭で直子の死が書かれたときは、落丁を疑った。主人公が大したことと感じていないからか、流してしまいたいことと感じているからか、それともほかの理由か。よくわからないけど、とにかく、あっさりと消えていく。

軽く読める、そこそこ面白い、性の描写がきつい。税別で467円。ページ数が減っているのに、値段が上がっている。上下合わせて900円程度なので妥当。割安。

歯医者に行った。

「歯を磨くだけで、こんなにお金をとるのか」と、半年前と同じことを思った。医者には「もっと丁寧に磨け」と半年前と同じことを言われた。そう、今日は半年ぶりに歯医者に行った。

「来る前に磨いてきたのか」と言われ、閉じられない口で「そうだ」と、ふがふがと答えると、「今見ている限り、綺麗だが、もっと普段から磨け」とそんなことを遠回しに遠回しに言われた。もっとはっきり言えばいいんだ。「毎日きちんと磨け、歯医者に行く前にだけ磨いても意味がない」と。そう思っているなら言えばいいんだ。あんまり遠回しに言うものだから、嫌味かなにかかと思った。

はっきり言われれば、「毎日、きちんと朝夕二回磨いている」と言ってやったのに。それも今日と同じように磨いている、とな。それでダメだと言うなら、どうすればいい。なにがいけない。昼も磨かなければいけないのか。話すべきはそこじゃないのか。今は綺麗なのに、というのは普段磨いていないと思っているということだろ。はっきり言えばいい。以前は食べた直後に歯医者に行くような真似をして、あれではあんまりだと思ったから磨いていったのに、こんな嫌味のように言われてはたまらない。

仕方ない。ばかのようで、悔しいが、もっとしっかり歯を磨くように注意しよう。半年前と同じことを言っているし、している。