秋山監督が有終の美を飾り、胴上げ。ソフトバンクが3年ぶり6度目の日本一。『ヤミ米屋と呼ばれた男が仕掛ける農業維新!もうひとつの農協』

日本シリーズの第5戦は、松田が8回に均衡を破る決勝打を放ち4連勝。ソフトバンクが4勝1敗で3年ぶり6度目の日本一となった。今季で勇退する秋山監督が有終の美を飾り胴上げで10回宙に舞った。阪神日本シリーズ敵地9連敗で、85年以来の29年ぶりの日本一を逃した。

◆『ヤミ米屋と呼ばれた男が仕掛ける農業維新!もうひとつの農協』(2014年10月30日放送 22:00 - 22:54 テレビ東京カンブリア宮殿」より)
 浜松といえば鰻である。浜松市にある「かんたろう」では関西風に炭火焼きである。この店のうな重の美味しさを一層引き立てるのがあきたこまちのお米である。秋田県大潟村は米を作るために湖を干拓してできた村である。今は稲刈りの真っ最中で、今年の夏は天候不順だったが、香りがよくなっているそうである。収穫したコメは通常は農協に収めるが、あるの農家さんはこまち協会に納品するそうだ。この大潟村あきたこまち生産者協会はコメの産直をやっている会社で。村にある523戸の農家の内100戸がここに収めている。扱う量は年間1万トンで日本最大クラスの直参会社である。社長の涌井がここで農家を初めて44年、それは迷走する日本の農業行政との壮絶な戦いの歴史だった。
 大潟村はかつて八郎潟と呼ばれる琵琶湖に次ぐ大きさの湖であった。1957年、八郎潟干拓工事が開始し、7年後に大潟村は発足した。そして1966年、第一次入植希望者への試験が実施され、1967年に夢を抱いて全国から集った農家が入植を開始し、1戸あたり10ヘクタールの農地が割り当てられた。新潟で兼業農家だった涌井の農家も1970年に借金4500万円を抱え入植、機械を使って大規模農業ができると夢に燃えていた。だがその秋、政府は減反政策を打ち出した。大潟村は農地の4分の1が減反された。減反に反対する農家は米作りを強行し、国の方針に公然と逆らった。すると行政は青刈りを強制した。当時青刈りに抵抗した人も多く、その後も行政は減反に反対する農家を追い込み、自殺する農家まででてきた。
 1984年涌井達は農事調停を開始した。農家が自分たちの土地に米を作ってはいけないという法律は存在しない。調停で勝った涌井達は誰はばかること無く米作りを続けた。だが行政はさらに圧力をかけてきた。それが減反反対農家が作った米を農協が買取拒否するものであった。売り先を失った涌井達は独自の販路を開拓した。これがいわゆるヤミ米である。すると行政は1985年大潟村で検問を開始し、ヤミ米流出の阻止を始めた。それでも米を作り続けた涌井達は1987年大潟村あきたこまち生産者協会を設立したのである。わずか4人で始めたこの会社も現在は従業員160人売上45億となった。涌井は龍馬が日本の未来を見据えたように米の新たな時代を見据えている。減反の背景には1942年の食糧管理法が関係している。これは食料の安定供給を目的に国が農家の作る米を全て買い取るという法律である。食糧難の時代は意味ある制度だったが、大潟村ができた頃には米が余るようになり、減反政策が取られるようになったのである。
 この日涌井の会社に横浜の中学生がやってきた。涌井は彼らに儲かる農業をしなければならないと話した。涌井は農家を儲けさせるために米を農家よりも高く買い取っている。高く買い取ってもやっていけるのには様々な工夫がある。まだインターネットもない時代に産地直送を始めた。1987年にチラシなどで個人直販を開始し、いまでは個人客5万人、取引企業7000社に届けている。直接販売なら農協に収める手数料分を農家に還元できるのである。売り方にも工夫があるが、一番の付加価値は安心安全である。大潟村あきたこまち生産者協会では契約農家に米ぬかの肥料の使用を義務付けている。また取引先には米と水の最適な割合データを毎年提供している。また非常米など変わった商品も販売してる。この非常食は温めて食べられる優れものであるとともに、食品衛生法の表示対象となるアレルギー27品目を除いたものになっている。
 涌井は最初はどうやって売ったらいいのか、値段はいくらくらいなのかそれすらも分からなかったそうだ。そこで最初に売らない場所を決めた。秋田県内、親戚・知人には売らない事に決めたのである。最初から大都市に売ることを決めていたそうである。結局売れるようになったのは米が旨かったからである。また涌井は無洗米の生みの親でもあるそうだ。まさに、独自戦略は行政との戦いで培われたである。
 9月下旬、涌井は契約農家を集め、急遽会議を行った。今年の米の買取価格が過去最低の水準となったのである。さらに追い打ちをかけるのが日本人の米離れである。米の消費拡大のため涌井は動き出していた。それがポンパドウルにある。コメネピュレで、これをパン生地に練り込むことで保湿性が高まりしっとり感が増すのである。涌井の工場ではこのコメネピュレのラインを2億円で製造した。涌井はコメネピュレをまずはパンに入れる材料として売り出している。このコメネピュレの美味しさに注目したのがナチュラルローソンである。このコメネピュレ、5年後には売上高1000億円を目指している。
 しっとりモチモチで甘みも…絶品ふわふわ食パンの秘密
米粉とコメネピュレとの違いはしっとり感である。涌井は5年前からコメネピュレが存在していたら日本の米政策は変わっていたはずだと豪語する。米をどうするのだと質問し、涌井は今回のコメネピュレは米を減らすのではなく米と小麦との融合だと話した。涌井は砂漠化による食糧不足よりも、日本国内の高齢化が不安だとしたが、今後5年間で現在の農家は多く引退するので、これは逆にチャンスであり、ものすごく可能性があると話した。

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(今日のニュース)
衆院予算委 集中審議 “現在 解散・総選挙は全く考えていない”
 国会で衆院予算委員会で集中審議が行われ安部総理は、国際社会ではエボラ出血熱イスラム国への対応などが大きな議論になっていると指摘して、政策課題への対応を優先する姿勢を示した上で、現在衆議院解散総選挙は全く考えていないと述べた。大塚国土交通政務官が代表を務める自民党支部が、在日外国人の男性から献金を受けていた問題についても指摘があり、これについて安倍総理は大塚氏は外国人とは認識しておらず財務官としての適正に問題はない、との考えを示している。また、宮沢経済産業相が代表を務めていた自民党支部が、外国人が株式の過半数を持つ企業から政治献金を受けていたことについては、法人名や経営者が日本名を使っていたことからそのようなことを類推することができないため問題の本質はずいぶん違うと述べた。
 消費税引き上げについて補正予算を編成すべきではないかとの追及があり、マクロ経済の専門家などの皆さんに集まってもらい議論を頂きたい、と安倍総理は意見を示す。拉致問題の協議が行われたことについて、特別調査委員会の責任者に拉致問題が最優先である事を直接伝えるのに意味があったと述べる。川内原発再開発についてどういった科学的知見があるのか問われ、継続的に確認するため火山活動のモニタリングを実施することにしていると考えを述べた。

<本の紹介>
ソフトバンク 新30年ビジョン (単行本)http://www.amazon.co.jp/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF-%E6%96%B030%E5%B9%B4%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3-%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E6%96%B030%E5%B9%B4%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%88%B6%E4%BD%9C%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/dp/4797362561
政治資金規正法違反事例集http://d.hatena.ne.jp/asin/4877602062
拉致問題を考えなおすhttp://d.hatena.ne.jp/asin/4862280447
・増補 池上彰の政治の学校 (朝日新書)http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022735112/hatena-ud-22/ref=nosim

<今日のトラックバック
http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20120116/1326717792