ksigeの日記

2009-01-23 全国学力テスト

都道府県別の正答率では、秋田福井など上位層、沖縄北海道など下位層は昨年度と変わらず、地域差が存在することがはっきりとしました。上位層のどのような要因が学力の向上に結びついているのか様々な視点からの研究が期待されますので、個人的には一定の成果はあったと思っています。

しかし、それでも教育再生会議の迷走の結果として、同調査が実施されている面は否めません。同調査は年間60億円の予算で全国の小学6年生と中学3年生に対して行わいます。さきほど、「平成20年全国学力・学習状況調査追加分析」が発表されましたが、これはわざわざ国が分析をする必要があったのか疑問を感じます。*1

多くの都道府県で独自の学力調査を行っているので、目的がかなり重複していますし。*2

結局、市町村レベルでの結果についても「過度の競争や序列化に対する懸念」から公開状況にばらつきが出ている状況で、市町村レベルでのパフォーマンスの比較は難しくなっています。であれば、都道府県別のパフォーマンスを比較することに目的をしぼって、悉皆調査から抽出調査に変更し、無駄なコストと生徒・教員の負担軽減をするべきじゃないでしょうか。

大々的に調査をして大した分析も情報公開もできないということなら、何がしたいのと思います。安倍元首相だってとっくの昔に「教育再生」を投げ出して辞任しちゃったわけだし。

教育再生の迷走

教育再生の迷走

2009-01-22 Low-Probability/High-Consequence 耐震化の価値

住宅の耐震化について詳しく書かれているが、それだけではなく新潟県中越地震経済復興の実証研究なども含まれており全体を通しておもしろかった。

阪神・淡路大震災のような発生確率は非常に低いが、重大な被害をもたらすLPHC型(Low-Probability/High-Consequence)の災害に対する対応は非常に難しい。日本での震災の発生を見ると、震度5〜6程度の地震は年に何度か発生しているが、震度7地震の発生は1925年以降「阪神・淡路大震災」と「新潟県中越地震」のみだ。*1

このようなLPHC型の災害では、発生回数そのものが少なく十分なデータがないなかでリスクを計測しなくてはならない難しさがある。

また、サブプライム危機のように(計算上では)100年に1度しか起こらないような確率だと考えられていても、それが実際に明日発生することもありえるし発生すれば重大な被害をもたらす。

したがって、もし発生したらのことを考えて減災対策をしておかなければならないのだが、そこにも問題がある。東海地方大地震の発生リスクが高いというということで、1980年地震財特法が制定され、地震指定地域である東海6県(現在は8都県)において地震補強事業を国庫補助対象としてきた。しかし、実際に発生したのは東海地震ではなく阪神・淡路大震災新潟県中越地震であったのだ。

結果的に、阪神・淡路大震災新潟県中越地震被災者は、他地域の震災対策の「負担」を引き受けながら、自分たちが震災の被害を被ることになったとも言える。このように、高い不確実性のもとでは特定地域に手厚い対策をすることはそれ自体がリスクをともなう。*2

財政的に厳しい地域や、将来的に統廃合を計画している地域では公立学校施設の耐震化も容易には進まない。限られた予算のなかでどれだけ減災対策を行うのかを決定するのは非常に難しいが、住民の安全に関わる問題なので十分に議論される必要がある。

環境リスク学―不安の海の羅針盤

環境リスク学―不安の海の羅針盤

*1no title

*2:テストの前日にヤマを張って勉強をするのに似ているかも。震災はしゃれにならないのでヤマをはるようなことをしてはいけないww

2009-01-21 reading list

都道府県改革論―政府規模の実証研究

リベラル・コミュニタリアン論争

日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)

生活保護の経済分析

財政再建と税制改革 (財政研究 第 4巻)

現代日本の農政改革

契約の経済理論

市民社会と地方自治 (叢書21COE‐CCC多文化世界における市民意識の動態)

公会計改革―ディスクロージャーが「見える行政」をつくる

公正としての正義 再説