ゼミ「白樺キノコ(チャーガ)入門」(第5回)

チャーガは50年前からロシアでは正式にがんの治療に使われています」


1862年には、サンクト=ペテルブルグ市の医師A.フルーフトが、すでに顎下腺までがんが進行していた下唇がんの患者の治療症例の報告をしました。この際、チャーガ(カバノアナアケ)の濃い煎汁の内服と湿布を、一日3回、数ヶ月続けました。臨床日誌から判断すると、がん腫瘍とがん性潰瘍が完全に消失して治療が完了しています。


19世紀末には、ピャチゴールスク市の医師S.A.スミルノフが手術不能のがん患者に対するチャーガ煎汁の鎮痛作用を記録しています。それと同時に、著者は煎汁には患者の腸の活動を正常化させる能力があることを確認しています。


20世紀の中ごろには、チャーガは再びロシア(当時の「ソ連邦」)の学者たちの注目の的になりました。白樺キノコの使用に関する民間療法の知識を利用して、ソ連邦科学アカデミー付属V.L.コマロフ記念植物研究所で、その特性が研究されました。


それらの研究の過程で、チャーガ薬剤の調合形態を得る方法が発見され、チャーガで治療されている患者の臨床観察と臨床生理学研究が行われました。多方面にわたる臨床的、化学的研究の後、チャーガは、1955年に、ソ連邦保健省薬理学委員会により使用が正式に承認されました。