さすけの波乱万丈な日常 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2008-04-23 福岡県飯塚市火災:一夜明けて

[][]福岡県飯塚市火災:一夜明けて

昨日お伝えした、福岡県飯塚市本町の火災。消防車が入りにくく消火活動が難航するなどで、かなり大規模な火事になった。火事があったのはまさに僕の実家があった通り。僕の家族も避難し、実家周辺は立ち入り禁止になっていた。

今日も現場検証が続いて、立入禁止だったが、幸い、うちはそれほど大きな被害がなかったようだ。

西日本新聞の記事。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080422-00000012-nnp-l40

紙面には地図と焼けた家屋の説明があったようだ。

というわけで、僕のその後の話をお伝えします。

深夜、消火活動が続いている

深夜、気になって眠れないので、もう一度本町に向かう。

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まだ立入禁止が解除されておらず、消火活動が続いていた。火は鎮火したものの、完全に消火するまで、水をかけつづけているらしい。

樽屋町だけではなく、本町商店街の中にも引火しているらしい。めがねのエトウから、ライオン堂、そして福岡銀行のATMの前の広場まで消防車が4台ほど泊まっている。

夕方に比べると消防車の数も減っているし、多くの隊員さんたちがホースを片付けている。火事が収まっているのを実感し、一安心。

とはいえ、これは朝にならないと無理だ。そう思い、引き返す。

朝、焼け跡を確認

朝、午前7時、足を運ぶ。

公設市場前

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昨日のホースは片付けられ、ここだけ見ると普段と変わらない。

しかし、樽屋町の周辺は通行止めになっている。本町商店街も、眼鏡のエトウから福岡銀行のATMの前まで通行止めになっている。

めがねのエトウ周辺

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警察の現場検証が続いており、あちこちにおまわりさんを見かける。

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昨夜から、エトウが強く燃えていたのを感じていたが完全に焼け落ちていた。思えばこの建物は、僕が幼稚園のころから見慣れていた。ここのおばさんは今でも僕に会うたびに持ち歩いている飴をくれていた。非常に心が痛む。


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ここから通路が見える。木造建築が立ち並んでいた樽屋町は、燃えて崩れた木材が通路に覆いかぶさり、通行が出来なくなっているようだ。

えいらく広場

えいらく広場のシャッターが開いていたので様子を確認。

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この先が、現場の樽屋町の通りだ。木造建築が並んでおり、激しいのが分かる。

奥に見えるのが、久留米屋と僕の実家、そしてお菓子のさかえやの別店舗がある建物。鉄筋コンクリートなので、燃えたり崩れ落ちたりはしていない。どうやら、35年ほど前に火事になったとき、鉄筋に建て直したという話を聞いていた。

しかし、外装は無事でも、内装は分からない。窓が割れて火が入っていないか。なんか、眼鏡のエトウに向けて、屋上から水が出ている。以前から屋上の水道タンクの調子が悪かった。このため火事の衝撃で破裂したのかと思い、水漏れをしているのかと不安になった。(後で知ったのだが、消防隊員がホースを持って入っており、屋上からエトウに向けて放水を続けていたのだという)

昭和通りから見る樽屋町

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昭和通りから見た樽屋町の入り口。

ここはスナックや居酒屋が並んでおり、休日の前の日には常連客のカラオケの歌がいつも流れていた。

どうやらこちらが火元に近いらしく、燃え方が激しい。焼け落ちた木造住宅が通路に覆いかぶさり、トンネルのようになってしまっている。

僕の見慣れた風景が、このようになってしまい、とても心が痛む。

僕が幼稚園の頃は、樽屋町沿いの部屋だったため、いつも夜、酔っ払いの声を聞きながら寝ていたのを思い出す。祖父母にいたっては、部屋の壁一枚挟んでスナックだったため、カラオケの声などが響いていた。(おかげで、うちの一家は、多少うるさくても気にせず寝られる体質である。)

以上を確認して、父と祖母に会って、一旦戻った。

夕方、内装も無事と知る

夕方、再び父と祖母に会いに行く。

未だに僕の実家は通行禁止地区であり、入れないでいた。しかし父から「内装は無事」と知らされた。

どうやら父は、通行禁止の中をかいくぐって、自宅に戻ったそうだ。

一応、保険証を取りに行くという大義名分があったらしいが、肝っ玉が据わっているなあと思った。(言うまでもなく、アナザームンホイの、つくもの父ハヤテのモデルである)

自宅の中の様子を聞くと、電気は通っているとのこと(ガス、水道は未確認)。避難するときテレビをつけっぱなしにしてきたそうだ(もちろん消してきた)。

また、避難の際、父は鍵をかけないまま出てきたそうだが、これが幸いし、消防隊員が消火活動をスムースにできたようだ。向かいに放水するためにうちの屋上に上った形跡があったようだが、鍵があいていたため、窓を割って進入されることもなかったし、部屋の中が水浸しになるようなこともなかった。

親戚一同、内装についても、かなり心配していたが、特に何もなかったようで、その点は安心であった。

しかし、前述の通り、僕のなじみの町並みが失われ、顔見知りの皆様の家が焼かれたのは本当に心が痛む。

一件落着とはいかないが……

というわけで、ひとまず被害が少なかったので安心であった。町内の話を聞いていても、けが人の情報は聞かないので、けが人を出さずに済んだのも不幸中の幸いであったといえるだろう。

今後もいろいろと雑用など細かいことがありそうですが、ひとまず落ち着きました。心配してくれた皆さん、励ましの言葉を本当にありがとうございました。

2008-04-22 実家が火事になりました

[][]ぜのんの住む街で火災発生

ムンホイの舞台は飯塚市がモデルになっていた

拙作Moon Whistleは、幼稚園児ぜのんが、自分の町を探検するRPGである。

この町は、僕の生まれ故郷、福岡県飯塚市の本町周辺をベースにしている。「もとまちタウン」とは「本町」をもじって付けられた名前だ。(正しい読み方は「ほんまち」)。

炭鉱が閉山した後も、お年寄りが多く活気があった町だ。

本町商店街で、本日火災発生

そんなぜのん君の住む街で、なんと今日(4月21日)、火災が発生。しかも、なんと、僕の実家も、まさに被害にあっているという!

Yahoo!のトップニュースにも出ていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20080421/20080421-00000041-jnn-soci.html

というわけで、今日の顛末をしたためようと思う。

僕が受けた第一報

午後4時過ぎ、祖母のケアマネージャーから電話がかかってきた。祖母に連絡が取れないので、緊急連絡先の僕にかかってきたのだ。

「電話をかけても連絡が取れない。樽屋町で火災が発生したらしいが大丈夫か」

寝耳に水とはこのことか。急いでかけつけた。

僕の実家について

僕の実家は、本町商店街の中にある。今は亡き祖父が、この本町にお店を構えていた(一条という洋服屋だった)。祖父は町内会長などもやり、かなり人望があったらしい。お店をやめた今も、祖母と父は2階に住み、1階を貸している。僕もよく足を運んでいる。

本町商店街の町並み

この商店街は、僕にとって、幼稚園の頃から変わらない、懐かしい町並みである。

しかし、それゆえに建築基準法が今のものになる前の建物が多い。

僕の実家の周辺も、長屋のように、隙間なく建物が並んでいる。その上、入り組んでいてトラックが入れない構造のため、もし火事が起きたら大変なことになる、そんなことを考えていた。

実際、回覧板などを見ていても、防災の意識は高かった気がする。

しかし、それでも火災はおきてしまった。注意していても、起きてしまうのが火災の恐ろしいところである。

急いで本町に向かう

我が家は無事だろうか。急いで本町に向かった。

JR飯塚駅で下車。菰田からでも煙が見える。遠賀川を挟んでおり、現場からはかなり遠いのに見える煙が、火の大きさを物語る。

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普段は静かな上空、今日はヘリコプターが何台も上空を舞い、プロペラの音が嫌でも不安を高める。

父と祖母は無事

商店街の前は消防車が何台も来ており、立入禁止になっている。避難した商店街の人と思しき人たちが不安そうに眺めている。

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その人ごみの中に父を発見。

まさに実家の周辺が火に包まれているらしく、早めに避難してきたというのだ。

しかし、どうやら、父も祖母も無事だったようで、まずは胸をなでおろす。

父の体験談

午後3時ごろ、通りで火災が発生したそうだが、離れていたため、うちへの延焼はないと思っていた。

ところが、なかなか鎮火せず、延焼していく。

数件先にも火の手がまわり、これは逃げなければ、ということになり、祖母のかかりつけの病院が、迎えに来てくれたそうだ。

周囲の人たちも早めに避難したらしく、けが人の話は聞かない。このあたりは、普段のこの地域の近所づきあいのよさが幸いしているのかもしれない。

延焼を繰り返している

なぜ、これだけ延焼してしまったのか。

空気が乾燥していたことと、風向きが悪かったことが災いしたらしい。

そして、前述のとおり、建物が密集しており、消防車が入りづらい地理条件もあるだろう。

かなり遠くから、ホースを長く伸ばして水を運んでいる様子が目撃された。

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今、ニュースサイトを見ていても「延焼を繰り返している」という表現が目立つ。

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この後午後9時過ぎに見に行っても、未だに完全に鎮火しておらず、消火活動が続いていた。実家周辺が立入禁止になっており、結局実家の状況を見ることは出来なかった。

周囲から垣間見ているだけだが、実家の向かいはかなり燃え方が激しいようだ。

不幸中の幸いが重なった

今回の火事は、本当に不幸中の幸いが重なっている。

これまでは祖母が足が良くなく、外出が出来ない状態だった。ところが、つい数日前から、調子がよくなり、歩けるようになっていた。調子がよかったからこそ、順調に避難することが出来た。

僕の方も、たまたま実家に貴重品を預けていなかった。父は貴重品を持ち出していたが、僕の荷物までは気が回らなかったというからもし何か置いていたら、火に包まれていただろう。

いろんな話を聞いているが、けが人の話は聞かない。

僕の家族にとっても、商店街にとっても、(まだ予断は許さないが)不幸中の幸い、だったようだ。

遠くの友人からも連絡が来る

この火災のことで頭が一杯だったが、どうやら、このニュースは全国版でも扱われていたようである。

今夜、インターネットでニュースを知った関西の友人から連絡が来た。

しばらく連絡がなかったが、心配してくれていた。さすがに僕の実家が被害にあっていたと聞いて驚いていたが、正直、最悪の事態はまぬかれたので落ち着いていることも伝えておいた。

今夜はここまで

今夜は戻れないようで、父も祖母も外泊。近所に親戚が住んでいることもあり、何かあったときも安心である。こういう「頼れる人がいる」という何気ない安心感、普段はそれほど感じないが、こういうときには強く感じている。父や祖母も感じているだろう。

僕もいろいろと父と祖母のためにスーパーで買いだしをしてきた。(余談:祖母のために買ってきたパジャマ、サイズが合わなかったので普段着で寝るらしい、すみません……)

こうして、一旦アパートに戻って、このブログを書いている。

結局、今日は立入禁止のため、実家に戻ることは出来なかった。このため、被災の状況が分からないし、実家の今後のことも分からないのだが、ひとまず、皆無事でよかったという気持ちである。

今後の細かい状況などは、落ち着いてから(反響があれば?)書こうと思います。

2006-11-23 日の丸検索エンジンだって?

[]日の丸検索エンジン構想「情報大航海プロジェクト」の迷走っぷりが凄い

皆さんは日の丸検索エンジンの話は知っているだろうか。若干、言い尽くされた話で今更感が強いが、ウェブで情報を集める限りではあまりの迷走っぷりに驚いているので皆さんにも知ってもらおうと思いまとめておく。

Slashdot Japan の記事(8月1日)

まず、「情報大航海プロジェクトって何?」という人は、ここから読んで欲しい。

http://slashdot.jp/article.pl?sid=06/08/01/0749242

国産でGoogle越えを狙う情報大航海プロジェクトコンソーシアム発足(8月1日)

Slashdot Japanで最初に話題になった記事。僕がこの記事を見たときの第一印象「またか。誰か止める人はいなかったのか。」今でもこの印象は変わるどころか大きくなっている。

上の記事と、引用された(おそらくはほとんど技術者による)コメントを見ても、何一つ明るい見通しがない。きっと誰も止められなかったんだろうなあ。方針転換、例えば何らかの専門的な技術や応用に特化するなどして、何かの形だけでも残してくれれば、そんな様々な意見が聞ける。

ITmedia の記事(11月17日)

そして最近、ITmedia に記事が出た。

http://www.itmedia.co.jp/anchordesk/articles/0611/17/news082.html

「日の丸検索エンジン」は何を狙っているのか

インタビューに答えているのは中の人であり、仕掛け人と紹介されている。お偉いさん(詳しいことを何一つ知らず、壮大な妄想をしがち)と、IT業界側の批判の双方にもまれる中間管理職的な苦悩が文面から見て取れる。

ライターも以下のように書くには書いている。

批判するのは簡単だが、しかし今後の展開をしばらくは見守りたいと思うのだ。

しかし文面を見ていても全体的に「応援はしたいが、現実的には相当上手くやらないと同じ失敗を繰り返す。成功するのは、針の穴を通り抜けるように困難」と心の中では思っているのが文面からにじみ出てくる。

この記事へのトラックバックを見ても、大抵の意見はSlashdotのそれと変わらない批判的なものばかりだ。

一番端的なものをピックアップする:

http://blogs.yahoo.co.jp/himi0314/6362780.html

文体は第三者が見れば決して心地よいものではないかもしれない。しかし、事情を知っている多くの人はこのことに共感するのではないか。また、僕がピックアップしたことの意味も察して欲しい。

Googleが人材発掘に余念がないのは、言わずと知れた事実だ。

http://www.google.co.jp/search?ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=google+%E4%BA%BA%E6%9D%90

もうひとつ、Googleは遊び心に満ちている。日本でもはてなの遊び心の高さは有名だ。

http://www.google.co.jp/search?ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%E9%81%8A%E3%81%B3%E5%BF%83%E3%80%80%E3%81%AF%E3%81%A6%E3%81%AA+google

ITというものが人材というリソースに動かされ、また、そういう人材は遊び心を求めているということは、大切なことだろう。

残念ながら国が主導するプロジェクトにはそれらの点が決定的に欠けている(これはいつものことだが)。金を出せば優秀な技術者がついてきて、有用なシステムを作れると思っている。ひょっとすると、国にとって役に立つ(極論を言うと国民の情報の一元管理)ものが作りたいという下心もあるだろう。まあ、国益うんぬんの話はここでは置いておく。しかし、企業と向いている方向が全く逆だと言うのはこれだけでも痛いほど明白だ。

Google対抗ではないといいながらGoogle八分を批判する矛盾

さて、前述の記事から引用させていただく:

■ GoogleやYahoo!対抗ではない

(中略)

経産省はGoogleやYahoo!のようなポータルサイトを作り、消費者に利用してもらうと考えているわけではないということだ。

(中略)

検索エンジンというと、インターネット上のウェブサイトを検索するものをイメージする人がほとんどだ。だが世界にはウェブだけでなく、(中略)ありとあらゆる情報やコンテンツ、数値データ、そして企業や個人、サービス、ソフトウェアなどが雑然と存在し、それらが巨大なサラダボウルを構成している。

Web2.0というのは広い定義でとらえれば、このサラダボウルの中からいかに的確に情報を拾い上げることができるか――どれだけ高性能な「UFOキャッチャー」を作ることができるかという概念なのだ。

「情報大航海」も、その概念に沿っている。今はまだネットのウェブだけを対象にしている検索システムは、今後ありとあらゆる情報を検索・解析するシステムへとバージョンアップしていく。そして日本企業は、ウェブの世界ではグーグルやヤフーに遅れをとっているものの、リアルに存在するさまざまな情報を検索・解析する要素技術の分野では、世界最先端を走っている技術が少なくない。たとえば画像のパターン認識や、リアルタイム処理、センサーなどの分野だ。

以上が経済産業省の企画調査官の八尋俊英氏の意見を元に書かれた記事であり、これだけ見るとGoogleの対抗をするのではなく日本がリードする技術で、Googleの弱点を補完するようなものを作る意図らしいのだが、一方、経産省はこんなこともアピールしている。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0610/05/news092.html

「Google八分、知ってますか?」眞鍋かをりが“国策検索”アピール (10月5日)

真鍋かをりを使うのは、この際おいておく。てかテレビ見ないからこの人知らんし。

記事によると

Googleの検索結果から特定のWebサイトが表示されなくなる「Google八分」を紹介。中国政府が検閲対象とした情報や、国内の告発サイトがそれぞれGoogle八分にあったと語り、「検索結果が海外の特定企業に決められることがどれだけ怖いか分かるだろうか」と訴える

はて、もし、Googleが対抗ではないというのが正しいなら、このようなアピールは不要なはずだが。

まあ、『Googleがフォローしきれない弱点を補完する凄いものを作る』という純粋な意図を見せたいのは分かる。そこは百歩譲って好意的に解釈する。しかし、それにしても彼らが提唱している内容がGoogle八分の解決策になるかと言うと……どこか焦点がずれすぎているのは明らかだ。

結局僕には「ああ、眞鍋かをりに連呼させてまでGoogleに宣戦布告する意志を見せたいんだな」という経産省の無謀さしか感じ取れなかった。

これらが矛盾していることを批判するつもりはない。問題は、このプロジェクトそのものが方向性すら定まらず迷走しているということが、これだけ見ても明白だと言うことだ。

難しい立場にいる八尋氏の心中お察しする。

そして、このプロジェクトにかかわることになってしまった人の心中をお察しする。

雑感:情報大航海プロジェクトとプレイステーション

一方、僕はこのプロジェクトの動きを野次馬根性で追いかけていきたいと思っている。きっとこのプロジェクトを最初に考えた人(おそらくは無責任なお偉いさん)の中では、きっとGoogle打倒する夢の世界が広がっていたんだと思う。

お偉いさんと言うのは、えてしてこういう妄想にはまりやすい。少し性質は違うが、最近ではプレイステーション3が端的な例だろう。

久多良木氏の中には、当初「夢のゲームマシン」構想があって、その無謀な構想で技術者を翻弄させてきたが、結局普通のゲームマシンに収まってしまった気がする。

http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000017112006

しぼむ夢の構想・「PS3」は結局普通のゲーム機なのか【コラム】

なぜこうなるのだろうか。きっと、これまで地道なやり方で成功したプロジェクトを数多く経験した人間の中には、次のプロジェクトが無謀なものであっても、「これまでの経験(成功したから次も成功するぞ、あるいは何度も失敗を経験して学んだから今度こそは)」に何らかの「天啓」がプラスされて冷静な判断力を失ってしまう人も出てくるんだろうと思う。情報大航海プロジェクトも、プレステ3も、立場はまるっきり異なるが、その点では共通しているように思える。

そしていずれも、まだ結論は何も出ていない。ここからどうなっていくのか。成功するとすれば、何が決め手になるのか、とても興味深い。失敗するとすれば、失敗はどこにあると分析されるのか。そもそも初代プレステ成功の理由は、これまでの失敗のケースを研究し、それらを丁寧に避けてきたからだという。果たして今回のプレステ3はどうか。また、情報大航海プロジェクトについては、批判が数々のブログで言われており、見たところきちんと調査すればいくつかの論点にまとめられそうに見える。これらの意見を統合し、今の段階から問題点を洗い出せないだろうか。

なにはともあれ、気になる点ばかりでこれからも目が離せない。

追記: CNETの記事(11/16)

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20317347,00.htm

「Google対抗ではない」--元担当者が語る情報大航海プロジェクトの真実

CNETにも記事があったので、紹介。プロジェクトの元担当者の意見が見られるので、さらに興味のある人は読んで欲しい。しかし、僕はこれを読んでもなお、方向性の定まらなさに対する疑問は全く払拭できなかった。

これまでの度重なる国策IT政策の失敗を覆せるほどの具体性が全く見えてこないという(紋切り型の)批判を長々と書いてもいいが、とりあえず「今は様子見」ということにしておく。今後に注目していきたい。

2006-11-16 さすけは こわれてしまった 二日目

[][][]任天堂「Wii」とマイケルムーア「シッコ」

そういえばプレステ3が発売されたんだってね。来月頭にはWiiも出る。この新ゲーム機ラッシュの中、せっかくだからWiiについて書いてみたいと思う。

NOAがWiiのCMをYoutubeで公開

http://www.nintendo-inside.jp/news/194/19459.html

Youtubeにはお世話になっている人も多いだろうが、なんと任天堂はここに広告として動画を入れるという。

記事によるとどうやらWiiは、非常に宣伝費をかけているようで、任天堂の本気が感じられて嬉しい限りだが、Youtubeを利用するあたりが、我々プレイヤー目線に立ってくれているのが伺え、とても痛快だ。

半年前にWiiという名前について書いた

Wiiと言えば、半年前、僕はこんなことを書いた。

id:ktakaki:20060501#p1

Wiiという名前の公表直後、あまりにもマイナスイメージの意見が多いことに腹を立てて反論を書いたものだった。結構共感してくれる人が多かったのか、この後、徐々にプラスイメージの意見も見かけるようになってきた。

なお、「この名前は3ヶ月で浸透する。そのころ任天堂は次なる発表をするのでは」という文章を書いている。実は僕は当時、バーチャルコンソール関連で何か新しい発表(それも、Wiiがアマチュアクリエイターに間口を広げる可能性を示唆する)があるのでは?と思いこういう文章を書いたが、それは残念ながら当たらなかった。

Wii will rock you

しかし、Wiiという名前が違和感なく受け入れられるようになったことは、ほぼ間違いないようだ。

それを象徴するように、一つのキーワードが見つかる。それが冒頭の「Wii will rock you」である。

Wii will rock yougoogle検索すると、なんと100000件以上がヒットする。

例の音楽に合わせたWiiに関する素晴らしい動画も多数発見できる。

めぼしいものをいくつかピックアップしよう:

http://www.youtube.com/watch?v=Ze40xja4_iw

http://www.youtube.com/watch?v=3-DThG9AKiE

最初はWiiという名前を聞いて失望したり反感を示していた人たちも、きっと今では「Wii will rock you」と絶叫しているに違いない。

補足:Wii will change everything.

http://japanese.engadget.com/2006/04/27/wii/

もう一度、この記事を引用しておく。Wiiは全てを変える。我々は全てを変える。この言葉は特に印象に残っている。

マイケルムーアの新作はシッコ(原題)

さて。Wiiという名前が最初英語圏で受け入れられなかった理由にWiiが幼児語で小便を意味する「wee」を連想させたからだという。英語圏でない人にとって、これは大きな問題ではなかった。

しかし、当時ウェブの反響を見ていると「じゃあもし任天堂が新ハードに『シッコ』って付けていたら、それでも絶賛しただろうか」という問いかけを見かけたことがある。(ソースが見つからない、あしからず)

確かにそれなら一瞬迷っただろう。しかし当時の僕は「実際にそうなってみないと、分からないに決まっている」とスルーしていた。

しかし、そんな僕に疑問を投げかける作品が登場した。それが、マイケルムーアの新作だ。

http://cinematoday.jp/page/N0009059

トロント映画祭でマイケル・ムーアが2年ぶりにほえる!「シッコで日本に行くよ!」(9月10日)

内容はと言うと、医療問題にメスを入れるという硬派なもので、味付けもきっとマイケルムーアお得意の、日本で言うと電波少年的な、ドタバタ風なものなのだろう。そこについては、門外漢の僕は詳しく語らない。

問題はタイトルだ。日本人にとって、非常に気になってしまう。シッコ(Sicko)はあくまで「原題」と注釈されているが、このままのタイトルで公開するのだろうか。しかし、その可能性は低くない。

一方、この名前でも英語圏の人間には気にならない。これはまさに、Wiiの場合の逆だ。記事より引用しよう。

北米で開かれているトロント映画祭でマイケル・ムーアの新作『シッコ』(原題)のフッテージ(本編のダイジェスト版)上映がされ、監督のマイケル・ムーアが上映会場に登場した。

(中略)

「シッコ!」「シッコ!」のコールが鳴りやまずスタンデングオベーションがいつまでも続いていた。

こうして、この映画のタイトルが、「Wii」の時に英語圏の人間が感じた違和感を今度は日本人に突きつけてくれることになった。よりによって、突きつけてきたのは、アメリカを相手に戦っているといえるマイケルムーアである。思えばあの時、僕達は無神経に「小便に近い名前だなんて、英語圏の人間は騒ぎすぎだ」などと感じていなかったか。いざ、日本語でその現実を突きつけられると、言葉を失ってしまう。

しかし、今回は我々が受け入れる番なのだ。日本人で、任天堂のファンで、マイケルムーアのファンでもある人は結構いると思う。そんな我々にとって、今回、「わが身をつねって人の痛みを知れ」という現実を、存分に味わって欲しい。きっとこの困難を乗り越えたとき、我々はもう一段階成長できるのだ。

補足:シリアナ(Syriana)

シッコが原題のまま出る可能性が低くないと書いた論拠について。

ネットを調べていると、こんなタイトルの映画を発見したからです。

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=5408

シリアナ

こちらも内容は硬派なのですが、タイトルが日本人にとって様々なことを想像させてしまいそうだ。にもかかわらず、原題のままです。

ただし、こういう意見もある。

http://movie.maeda-y.com/movie/00682.htm

ここより引用させていただきます。

また、「シリアナ」という映画のタイトル(原題と同じ)について。

(中略)

一部では批判(安直な邦題だ、など)もあるようだが、じつは、そうした批判は的外れもいいところなのだ。

シリアナとは、イランとイラク、そしてシリアがひとつの民族国家を形成した場合の想定国家の名前。これは、ある程度中東問題に詳しい人なら誰でも知っている。そしてこの映画は、ここまで解説してわかるとおり、「何も知らないお客さん」を対象にしたお知らせ映画ではなく、このタイトルを見て、「ああなるほどね」と合点がいくレベルの人たちにこそ、劇場にきてもらいたいという作品なのだ。

だから、日本の配給会社が原題どおり『シリアナ』と名づけたのは、非常に誠実なことで、評価すべきポイントなのである。

タイトルに意味があるのなら、仮に一部言語で違和感があるタイトルだとしても安直に無難な名前に改変するべきではない、これには強く共感する。ほかでもない、我らが任天堂のWiiがそのスタンスで名づけられたことを忘れてはいけない