Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

在米10年・わが家の米事情──日本産米5キロのアメリカでの価格は!?

日本のニュースは米の話題で持ち切りの模様。ニュースで5キロの値段が今週はいくらかというのが常に取り上げられている。新農林水産大臣も備蓄米が2,000円で店頭に販売されるように奮闘し、備蓄米に長蛇の列をなしている様子をNHKのニュースで見た。備蓄米が話題になり、少し下火になってはいるが、イオンがカルフォルニア米の輸入販売を開始したりして、今後アメリカ産の米輸入の機運も高まるかもしれない。私が住むサクラメント近辺はアメリカの米処。そんなアメリカの米処に住むわが家の米事情を共有したい。

 

アメリカでも白米派のわが家

私の息子は高校2年で白米派。私も老後に向けて貯「筋」に勤しんでおり、白米は貴重な炭水化物源だ。わが家は比較的少食だが、それでも2人で一日2.5合の米を食べる。なお、妻はより健康志向で玄米派。もち麦などをまぜて5合たき、それを冷凍保存して食べている。パスタやベーグルも食べるが、アメリカに長く暮らしていても、わが家は圧倒的に米食派である。

 

わが家の定番のアメリカ米

そんなわが家の長年定番のアメリカ米は下記の「こしひかり」。

アメリカ産こしひかり

5キロの税抜きの値段は$24.9(3,560円)。
味の方は、私には申し分ない。粘度も甘みも適切にあり、ブラインドで食べ比べをしたら、私は日本産との違いはわからないと思う。アメリカでも日本同様に美味しいおコメを食べたいという方は、短粒種の日本の品種を選択すればハズレはないと思う。以前は、「あきたおとめ」という「あきたこまち」の米を好んで食べていたが(少しだけ安くて、しかも旨い)、最近はあまり売っていないようだ。

 

アメリカ産の最上位

在米日本人であれば誰もが知っているアメリカ産の米の最上位と言ったら「TAMAKI GOLD」。限定契約農家のみから仕入れたコシヒカリを使用している。パッケージはご覧のとおり他と一線を画してキラキラしており、よく知らんが酸化防止パッケージらしい。

カリフォルニア産TAMAKI GOLDコシヒカリ

5キロの税抜きの値段は、丁度、いつも買っているサイトがセールをしており、$25.7(3,670円)とそれ程今は高くない模様。通常の値段は$30.1(4,303円)とお高いアメリカのブランド米。
ホームパーティなどで呼ばれて「TAMAKI GOLD」が置いてあると、「あ、経済的にゆとりがあるんですね」と私は感じてしまう。

なお、味の方は美味しいんだが、カリフォルニア産の「こしひかり」とそんなに変わらない。また、ロットによってばらつきがあるのだろうが、以前買ったものが、外れだったのかあまり美味しくない記憶があり、わが家はそれ以来買っていない。

 

最近のお気に入り「栃木産 こしひかり」

そして、最近最も購入しているのがなんと「栃木産 こしひかり」。

栃木産 こしひかり

5キロの税抜きの値段は$23.99(3,454円)と驚くべきことにカリフォルニア産のこしひかりより何故か安い。味はカリフォルニア産のこしひかり同様に安定の旨さ。匂いもないし、粘度も甘みもあり、冷めても美味しい。
なお、もう$1出すと「宮城県登米市 特別栽培米ひとめぼれ」と「北海道産 ななつぼし」を買うことができる。

わが家で購入している「栃木産 こしひかり」しか確認できていないが、こちらは「令和6年産」であり、日本で流通しているものと同じだ。あれ!?ニュースで米の価格が5キロ4,200円くらいと聞いたが、輸送をわざわざしているのにアメリカの方が安い!?等級が低かったりするのだろうか。ま、私には十分美味しいので良いのだが。

 

アメリカ産の代名詞 「NISHIKI」

「栃木産 こしひかり」がしばらく品切れになった時期があり、試しに「NISHIKI Premium Medium Grain」を購入したことがある。これは、「Medium Grain」と書いてある通り、短粒種ではなく中粒種。厳密には「ニュー・バラエティ」という品種らしいが、系統としては「カルロース」の模様。5キロの税抜きの値段は$14.15(2,039円)と圧倒的な安さを誇る。

NISHIKI

そしてお味の方は、、、わが家の口には残念ながらあわず。中粒種なので、炊きあがった時にかなり長くなるものもあり、なんかインド米を彷彿させる。そして粘り気や甘みは日本の品種とかなり隔たりがあった。粘り気が足りないので、息子は卵かけご飯にして何とか食べていた。食わず嫌いは良くないので試してみたが、やっぱりわが家には短粒種の日本の品種が良い、という結論に達した。

 

「お米」は"Quality of Life"

ニュースで話題をさらっている「お米」について、わが家の米事情を紹介してみた。アメリカでも意外と選択肢は豊富で、きちんと選べば、日本にいるのと変わらないくらい美味しいお米を、決して高くない価格で楽しむことができる。
わが家のように「お米」が食生活の中心にある家庭にとって、そのクオリティは生活の質に直結するもの。
日本でも“令和の米騒動”が一日も早く落ち着き、みなさんが安心して、美味しいお米を適正な価格で楽しめる日が戻ることを願いたい。

“アメリカ歴”がにじみ出る日本語のクセたち

アメリカに住んで10年以上になるが、こちらに住む日本人と話していて、使う言葉から「あっ、この人はこっちの暮らしが長いんだろうなぁ」とわかる時がある。
英語が上手とか、こちらの考えに染まっているとか、そういうのとは異なる「生活の中で染みついた言葉のクセ」にアメリカ歴がにじみ出ることがよくある。
振り返ってみると、私もアメリカに来たばかりの頃は「えっ!?」と感じたことも、いつの間にか染みついてしまっているものもある。今回は、アメリカ生活の「年季」を測ることのできる言葉を、初級編、中級編、上級編にわけて紹介してみたい。

 

初級編

「コストコ」のことを「コスコ」と言う

日本でも大人気の「コストコ」。アメリカでも、車で30分圏内には1店舗はある人気のスーパーだ。英語のつづりは「COSTCO」だが、真ん中の「T」は発音しない。なので、アメリカに住んでいる日本人でも「この前”コスコ”に言ったんだけどさぁ」という会話になることが多い。もちろん、長く住んでいても「コストコ」という人は多いが、「COSTCO」を「コスコ」というかどうかは初級入口の目安となる。

 

子どもを学校に送ることを「ドロップオフ」と言う

朝、スクールバスに乗り遅れた子どもを学校に送ったり、通勤しがてら子どもを学校に送っていくことはアメリカ生活では日常茶飯事だ。そういう場合、「この前、子どもを学校に送ったんだけどさぁ」ではなく、「この前、子供を学校に”ドロップオフ”したんだけどさぁ」と言うのもあるあるだ。別に短くもなっていないので、「送った」でいいじゃんという感じなのだが、英語では「Drop off」で、カタカナ英語でも発音しやすいので、つい「ドロップオフ」となってしまう。なお、アメリカ生活がめちゃくちゃ長い上級者になると、あえて日本語で表現しようとして「この前、子どもを学校で落としたんだけどさぁ」と表現し、一周回ってよくわからなくなってしまっており、大変滑稽である。

 

中級編

「持ち寄り」のことを「ポットラック」と言う

アメリカはホームパーティ、公園でのランチ、はたまたホリデーシーズン前に会社で、持ち寄りの食事会をすることが多いが、それを「Pot-Luck」という。直訳すると「鍋の運」で、もともと「ありもので済ます」みたいなニュアンスからきているようだ。別に「持ち寄り」でいいのだが、あまりに「Pot-Luck」がこちらでメジャーな言葉で、使い勝手もよいので「ポットラック」と言うのは在米日本人の使用頻度の高い単語となっている。

 

「食料品」のことを「グロサリー」と言う

アメリカでは、いわゆる食品スーパーのことを「Grocery Store」と言い、「Supermarket」という言葉はあまり日常会話では使わない。その流れで、食料品のことを「グロサリー」と言う人も結構いる。なお、年配の方ほど「グロッサリー」と小さいツをいれるケースが多いと思う。どちらかと言えば「グロウサリー」な気がするので、小さいツをいれる必要はないのだが「マーケッティング」みたいな感じなのだろうか。
なお、私は10年以上アメリカに住んでいるが「グロサリー」とは言わないようにしている。何となく「ここは超えてはいけない一線」みたいな感じがしており、後10年住んでも「グロサリー」とは多分言わないと思う。

 

上級編

ごはん、おかず系の料理を「セイボリー」と言う

これは、このネタについて相談した際に妻から教えてもらったものである。先述した「ポットラック」では、おにぎり、唐揚げ、サラダなどのごはん、おかず系のモノを持ち寄る人とデザートや果物などの甘い系を持ち寄る人がいる。持ち寄り品を並べる時は、同じカテゴリーのものをまとめておくようにするが、そういう際に「"セイボリー"はこっちで、"スイーツ"はあっち」みたいな言い方をする人もよくいるらしい。
近所のカフェは、甘いクレープの他に、「カプレーゼ・クレープ」、「ハムアンドチーズクレープ」など塩味、しょっぱい系のクレープを提供しているが、甘い系のクレープは「Sweet Crepes」、塩味、ごはん系のクレープは「Savory Crepe」としてメニュー上まとめられている。
私は、そもそも「スイーツ」という日本で定着した言い方も鼻につくので、「セイボリー」と聞いたら、ちょっとぞわぞわしてしまうだろう。

 

「ミサイル」のことを「ミッソー」と言う

これは、息子が補習校の国語の年配の先生が言っていたというネタ枠なのだが、カタカナ英語と英語の発音が違いすぎることにより生じる事故だ。こちらで英語発音を聞いていただくとわかると思う。確かに「Missile」がスペルなので「ミサイル」と表記したい気持ちはわかるが、英語の発音と比較すると「ミサイル」は本当に原型をとどめていない。多分、この国語の先生は逆に「ミサイル」が何のことだがわからないと思う。
その他にも朝ご飯に牛乳をかけて食べる「シリアル」も、無理やりカタカナ表記すると「スィリォー」みたいな感じとなるが、「朝ご飯は私は”スィリォー”かな」とか英語発音で言う人もいる。

 

ちょっと考察

くだらない話をつらつら書いたが、書きながら一つ気づいたことがある。初級編の英語は「カタカナ英語で正確に発音しやすい」ものが多いが、上級編になると「カタカナ英語」ではなく「英語発音」となるものが多い。小さな例だが、「YouTube」を「ユーテューブ」という人も結構いる。ひろゆき氏の「トィッター」もその派生形なのだろうか。
また、やはり配偶者がアメリカ人という方は、上級編よりの「英語発音」がどうしてもでてしまうケースが多い。家族との会話は英語なので、一々カタカナ英語にするのが、面倒になるか、おいつかなくなるのだろう。

軽い息抜きで思いつくままに書いたが、自分の中に染まってしまって受け入れている部分とここは超えまいと線を引いている部分があり、面白い気づきがあった。在米日本人の皆さん、日々の暮らしの中で染み付いてしまった言葉や、聞いてクスッと笑ってしまったようなものがあれば、他にあったらコメントで教えて下さい。

トランプ政権”という症状──現地で見るアメリカ社会の今

「トランプはなぜ労働者階級の大きな支持を得ているのか」、この問いに対する面白い答えが今読んでいる本に書いてあった。

I think the more accurate answer as to why Trump has won working-class support lies in the pain, desperation, and political alienation that millions of working-class Americans now experience and the degree to which the Democratic Party has abandoned them for wealthy campaign contributors and the “beautiful people.

なぜ、トランプが労働者階級の支持を得たのか。その答えは、何百万人ものアメリカの労働者階級が今まさに感じている痛み、絶望、そして政治的な疎外感に根本原因がある。そして、もう1つの大きな理由は、民主党が裕福な政治献金者や”Beautiful People”を優先し、労働者階級を見捨てた、と彼らが感じているからだ。
『It’s OK to Be Angry About Capitalism』Bernie Sanders

本書は2023年2月に書かれたものだが、くしくも2024年の大統領選における民主党の敗北を予見していたとも言える。

 

バーニー・サンダースって誰?

著者のバーニー・サンダースはアメリカの民主党の上院議員で、2020年のバイデンが選出された大統領選では、バイデンと民主党予備選で一騎打ちを繰り広げるまで全国的に支持を拡大した。


民主党の中では、最も進歩的な政策を掲げる政治家で、国民皆保険、大学授業料無償化、富裕層への課税強化などの政策を掲げている。「国民皆保険」というと、世界最強の国民保険を持つ日本の方からすると「普通じゃね?」と感じるかもしれないが、アメリカでは時としてFar Left(極左)と見なされるほど大胆な政策だ。


バイデンやカマラ・ハリスとは異なり、富裕層からの政治献金に過度に依存せず、草の根の政治献金で活動している点も特徴的だ。

 

根強いトランプ支持

トランプ関税、米国国際開発庁(USAID)の大幅縮小、不法移民の即時送還措置、など矢継ぎ早に話題の政策を導入しているトランプ大統領。日本の報道はかなり偏っているので、「トランプが滅茶苦茶やっている」というように見ている方も多いようだが、あまり党派色のないGallupの調査によれば支持率は43%。共和党支持者の90%は根強くトランプを支持しており、多くの実施した政策は、支持者からは好意的に受け取られている、と言っても過言ではない。

 

困窮に陥る労働者階級

アメリカのインフレは尋常ではない。バイデン政権下の2021年1月から2024年12月までの間に、CPIは累計で21%上昇し、平均的な家族の年間支出は約17,000ドル(240万円以上)上昇したという統計もあり、特に労働者階級の生活を圧迫している。


アメリカの医療制度はぶっ壊れている。2023年にアメリカの成人の27%が費用の問題で医療サービスを受けられなかったという統計がある。下記は年間一人当たり何回医者にかかるかを国別に表した図で、アメリカはたったの3回とギリシャやチリと同じ回数だ。非大卒の労働者が経済的な理由で十分な医療が受けられないということが世界一の経済大国で発生しているというのは驚きだ。
なお、日本は韓国に後塵を拝しているものの11回と世界2位。高齢者の医師受診回数がかなり高いと注釈までつけられており、別の問題はありそうだ。

 

対岸の火事の”Beautiful People”

前置きが長くなったが、冒頭のサンダースの本の引用に戻る。

I think the more accurate answer as to why Trump has won working-class support lies in the pain, desperation, and political alienation that millions of working-class Americans now experience and the degree to which the Democratic Party has abandoned them for wealthy campaign contributors and the “beautiful people.”
なぜ、トランプが労働者階級の支持を得たのか。その答えは、何百万人ものアメリカの労働者階級が今まさに感じている痛み、絶望、そして政治的な疎外感に根本原因がある。そして、もう1つの大きな理由は、民主党が裕福な政治献金者や”Beautiful People”を優先し、労働者階級を見捨てた、と彼らが感じているからだ。
『It’s OK to Be Angry About Capitalism』Bernie Sanders

この「Beautiful People」というのが皮肉がたっぷり込められており、適訳が難しいが、「意識高い系のエリート・セレブたち」という感じがしっくりくる。イメージとしては、大学卒で、健康保険を提供してくれる企業に勤め、年収は2000万円をはるかに越し、衣(+医)食住が十分に足りて意識高い生き方を追求するゆとりのある層だ。


もう少し生々しいイメージだと、オーガニック食材が充実したWhole Foodsで食料品を購入し、Fast Foodとかには手を出さず、卵はケージフリーのものを購入し、運動は会員制のジムでのトレーニングやヨガに勤しみ、車はテスラ、みたいなカリフォルニアに多そうな感じの方々が、「Beautiful People」にあたる。


こういう人々は民主党のドストライクの支持層だが、企業の福利厚生があるため医療費にそれほど困らず、バイデン政権下で年間支出は約17,000ドル(240万円以上)上昇したところで、将来に向けての投資が少し減るくらいで、日常の生活には一切変化がない層だ。当事者では確かにあるのだが、結局は迫る危機を対岸で眺めているに等しい。

 

労働者階級とBeautiful Peopleの隔たり

このように、生活の余裕がまったく異なる「Beautiful People」と労働者階級との間には、経済的にも感情的にも深い溝がある。生活に困窮する労働者階級にとって、自分たちの苦境を理解しようとしない「意識高い系のエリート」たちは、もはや「同じ国の人間」とは思えない存在だろう。

 

そして、彼らの怒りや不安、不信感が向かう先として、トランプが持ち出すスケープゴート——すなわち「移民」や「空洞化した製造業をもたらした国際化」——は、あまりに分かりやすく、納得しやすい「敵」なのだ。

今回のハーバード大学への介入も、こうした構図の中にある。労働者階級の怒りが「Beautiful People」の象徴であるエリート大学に向かうのは、ごく自然な流れだ。トランプにとっては、ハーバードを叩くことは、支持層の怒りを代弁し、支持を喚起するための一つの政治戦略なのだ。

 

トランプは「原因」ではなく「症状」

トランプ大統領は混乱の「原因」ではない、貧富の激しい格差とそれが解消されない閉塞感から生まれた「症状」なのだ。

 

関税を高くしたって物価に跳ね返ってくるだけだし、不法移民を追い出したって安価な労働力が失われてやっぱり物価に跳ね返るだけだし、ハーバードへの補助金絞ったって溜飲が少し下がるだけで生活が良くなるわけないだろう、と対岸の火事のように傍観している「Beautiful People」たちは言うかもしれない。

 

でも、バイデンに任せたってエネルギーが少しクリーンになって、LGBTQに優しくなり、移民に寛容なD&Iに富む国にはなるかもしれないけど、ちっとも暮らしは良くならないじゃないか、というのは労働者階級の率直な気持ちだろう。トランプの支持拡大は「何か難しいことはよくわからないけど、今の仕組みをぶっ壊してくれ、自分たちのことを理解してくれる大統領にかけるしかないじゃないか」という年間の生活費が240万円上がって、病気になったって病院にもいけない人たちの悲痛な叫びから産まれた社会的な「症状」なのだ。

 

実のところ、私もアメリカに住みながら対岸で暮らしている口である。選挙権もない移民なので行き過ぎた資本主義が猛威を奮いながら民主主義を圧倒していく様を間近でみていることしかできない。ただ、「トランプは滅茶苦茶で狂っているなぁ」という感想は、現地に長く住んでいるから核心を捉えていないことはよく分かる。アメリカの陥っている「症状」を砂かぶり席で引き続き注視していきたい。

アメリカ在住10年:初めてのカナダ旅行での心地よい「違い」たち

「たまには、遠出をしてみよう」、と思い立ち、春休みの旅行の行先はカナダにすることに。アメリカ暮らしは10年を超えるが、実はカナダは初めて。
食べ物、人の温かさ、旅のしやすさ——どれも想像以上で、家族みんな大満足の旅に。今回はアメリカと比べながら、カナダの魅力をざっくりまとめてみたい。

 

一品にかけられた手間と熱意:カナダ飯が旨いわけ

「カナダの料理にハズレ無し」、これは家族の総意であった。朝食はホテルで調達した和食を食べていたが、昼食と夕食はレストランやカフェで楽しんだ。入念に事前調査をしたわけではないが、どこも「えっ」という美味しさ。アメリカとの違いを一言で言えば、「かかっている手間」が違う、これにつきる。どの料理もアメリカで食べるものと比較すると3工程くらいは多くかけているだろう、というほど手の込んだ料理が多い。美味しさを追求する作り手の熱意を感じる料理が多かった。おまけに最近のアメリカと比較して遥かにリーズナブルな価格。さすが、フランスの文化が深く根付いているだけはある。

東海岸より遥かに近い:下手な米国内旅行よりカナダ

私はカリフォルニア北部に住んでいるので、サンフランシスコの空港まで車を飛ばして、今回はカルガリーまでの直通便を利用した。フライトは3時間ほどであり、カリフォルニアに住むわが家にとっては、アメリカ東海岸に行くよりもずっと近い。
また、さらに最高なのはカルガリー空港側にアメリカの入国審査があり、サンフランシスコでの入国審査をスキップできることだ。これは、アメリカ在住者あるあると思うが、主要空港での入国審査は500人くらい並んでいても何ら不思議はない。また、どこから来たのかわからん奴らを審査するので審査官は大体ピリついており、あまり良い経験をしたことはない。カルガリーの米国入国審査は主要空港とは異なり、対象がアメリカ人とカナダ人にほぼ絞れているからか、入国審査独特の緊張感もなく、列も適正でスムーズに済んだ。
なお、アメリカの自動車免許がそのまま使えるというのもありがたかった。レンタカーを借りるのにわざわざ国際免許をとらなくてもよいのもポイントがでかい。レンタカーが残念ながらクライスラーで運転しにくかったことこの上ないのはご愛嬌か。トランプさんよ、あんな車日本では売れんて。

カナダの人たちの温かさと心配りに感動

アメリカも基本的に人は温かいが、正直ムラがある。が、カナダはどこの店でも店員の対応が素晴らしく、温かみに溢れていた。カフェで飲み物のピックアップ場所がわからなかったので聞いた際は、「わかりにくいのよね、ごめんなさい」と言ってその場所まで連れていってくれた。
また、カナダの人は日本人好みの「丁寧さ」がある。料理の盛り付けやサービング方法なども、見た目だけでなく、食べやすさも考慮した工夫があったりして、「こういう細かい気配りは日本っぽいなぁ」と感じることが何度もあった。

多文化主義の理念は、オーストラリアやカナダでは高く評価されているが、アメリカでは批判的に評価されることが多いと言えよう。
『移民大国アメリカ』

アメリカは強力な建国理念に基づいて作られた国なので、移民を受け入れつつも同化しようという引力が強く働いている国だ。現政権の政策からもわかるように、肯定と否定の間を常に揺れ動いており、これは今後も続くだろう。

一方で、カナダは「モザイク文化(色々な文化がタイルのように並び一つの絵を作る)」という言葉に代表されるように、フランス語を公用語として残したり、多文化共生をありのまま受け入れようという国民性が強いように感じた。多文化を広く受け入れつつ、イギリス的な礼儀正しさも残し、大自然の中で育まれたおおらかさが、カナダ人に温かさと丁寧さをもたらしているのだろう。

価格は3割安、品質は3割高:カナダのコストパフォーマンス

これはあくまでアメリカと比較という話だが、カナダの物価は安い(というか、アメリカが高すぎる)。レストランで食事をするとランチのサンドイッチなどであればCAD13-15というところ。アメリカでは、大体がUSD13-15なので、現在のレートで3割安となる。先述した通り一品にかけている手間が異なるため、一品のクオリティはカナダのほうが圧倒的に高い。なので、一品の価値で考えると半値に近いという印象を受けた。
もちろん、日本と比べるとまだまだ高いとは思うが、アメリカよりも断然お財布に優しい国である。

また行きたくなる国、カナダ

大きなトラブルなく、大満足のうちに春休みの旅行は終わった。色々な国や地域を旅行している家族も、「また行ってみたい!」と声をそろえている。「今度はバンクーバーがいいんじゃない」と行先も決まってしまう始末だ。
食事が美味しく、人も温かく、雄大な自然が楽しめるカナダ。アメリカに住んでいる方には断然おすすめだし、「円安で海外旅行はなぁ」、と二の足を踏んでいる方も、サンフランシスコやロスなどのアメリカの主要都市よりも断然安いので強くおすすめしたい。

 

おのれ「名もなき家事」 地味に手強い奴め

私の妻は日本に一時帰国中。大学受験が終わった娘の日本での一人暮らし生活の立ち上げを支援しつつ、入学式に参列するためだ。仕事と学校がある私と息子はアメリカで留守番。夏の一時帰国の際に、一人暮らしをすることは毎年のことだが、息子と二人暮らし生活をするというのは初めてだ。

 

一人暮らしは毎年のことだし、息子も高校生なので手は殆どかからない。掃除、洗濯、料理という家事の三本柱も恐れるに足りない。
床掃除はルンバとブラーバがやってくれ、彼らがカバーできない隅っこの掃除機がけは普段から息子の担当だ。
洗濯はボタンを押せば、洗濯機が洗剤を適量いれてくれるし、乾燥も洗濯機から乾燥機にうつしてしまえば、ボタンを押すだけだ。
料理については、息子はかなり料理ができるし、私も好きな方なので苦ではない。元々晩御飯は妻と私と息子の3人で作る生活をずっとしているので、3人が2人になって、手間が増えることはあるが、その分サラダを作り置きしたり、2日同じものを食べたりして、ちょっとした工夫で乗り切っている。
いつも妻がやっていることを息子と協力してこなすという状況も楽しめている。

 

「妻がいなくても楽勝だぜ!」というブログでも書こうと思ったのだが、実際に妻が不在の生活を振り返ってみると、実はそうでもないことに気づいた。晩御飯の後、家事に追われることが多く、気づいたら寝ないといけない時間になっていることが少なくないのだ。昨晩も下記のような「名もなき家事」に追われ、気づいたら寝る時間を過ぎてしまっていた。

  • 冷蔵庫の古い食材の廃棄
    大量買いしたベビースピナッチが消費しきれず、、、

  • コンポストのゴミ出しと新しいゴミ袋のセット
    ディスポーザーを先日詰まらせて、ちゃんとコンポストに捨てることに

  • 食器洗い洗剤の補充
    洗剤がきれており、在庫の場所を妻に確認することに

  • 流しの隅っこの掃除
    ほっといても良いが、気になったので

  • 配送された食料品の冷蔵庫格納と段ボールや梱包材の廃棄
    段ボールをつぶすのがダルい

  • Amazonの宅配段ボールの廃棄
    やっぱり段ボールをつぶすのはダルい

  • 壊れてしまったブラインドの補修、調整
    初めて壊れた、今壊れないで欲しかった、、、

  • 回転が鈍くなった缶切りの油差し
    少し錆びてきて、ハンドルがまわりづらくなってきた

  • 洗濯乾燥機のフィルターのごみ取り
    大した手間ではないが、面倒

  • 汚れたコンロの清掃
    平日は妻の担当だが、私が代わりに

  • 食洗機の皿の入れ直しと追加投入
    入り切らない時は、いつも妻が完璧に再構成してくれる

 

上記に追加して、私の普段の下記のルーティン業務もやらなければならない。

  • 朝のヨーグルトの準備(プロテイン混ぜておく)

  • 次の日の昼ご飯と間食の準備とランチバッグへの投入

  • ブラーバの水の補充とタオルの交換(2日に一度)

  • 明日の朝と昼の飯炊き(息子と交代制)

 

諸々こなしていると「あれ、もうこんな時間?」ということが多い。もちろん、「名もなき家事」も息子に振ることもできるし、たまにそうしている。だが、自分の朝食と昼食の準備(これは彼は普段からやっている)に追加して料理、洗濯の一部を受け持っている息子は、高校生にしては非常によくやってくれている。そんな彼に「缶切りが重くなってきたから油さしといて」とは正直頼みにくい。また、油がどこにあり、どうやってさすのかなど、教えている暇があったら自分でやったほうが早いし、教えたところで次にするのは2ヶ月後だ。

 

そう言えば、週末はクレジットカードが不正利用のため交換になってしまい、新しいカードを各サイトに登録する作業にかなりの時間をとられた。また、強風が吹きパティオのラグがひっくり返るという事件も発生。やっつけても、どんどん湧いてくる軽い雑魚キャラと、たまにでてくる中ボスの対応に結構時間をとられている。おのれ、「名もなき家事」。妻よ、いつもありがとう。お陰様で、晩酌の時間が短くなり、健康になっちまったぜ。

新社会人に伝えたい、人間関係と「礼節」の話

スタートダッシュを決めるカギは人間関係

新社会人でスタートダッシュを決める人と出だしにつまずく人を分けるとしたら、「うまく人間関係を作れるかどうか」が一番大きな要素だろう。

「コミュニケーション力」とか「論理的思考力」とかはよく注目されるビジネススキルだが、私は人間関係力こそ社会人としてスムーズに立ち上がるための肝だと思う。

  • 困った際に、上司や先輩からフォローをしてもらえる

  • 右も左もまだわからなくても、関連部署から支援をしてもらえる

  • 拙さが多少あっても、取引先から温かい対応をして頂く

社会人の出だしに良い人間関係を築き、上記のような対応を周囲から得られれば、後は自分の努力次第となる。が、

  • 上司や先輩のフォローが得られず、何をしたらよいのかわからない

  • 関係部署から雑魚扱いされて、相手にしてもらえない

  • 取引先が、新人である自分のビジネスの相手として見てくれない

という状況が続くと、努力はから回りするばかりだ。

厚生労働省の調査で、新卒が会社をやめる理由として、「職場の人間関係がつらい」、「仕事上のストレスが大きい」は上位にランクしている。人間関係からくるダメージを最小限に抑えつつ、良い人間関係を築き、仕事で成果をあげて、成長するサイクルにもっていくことこそ、新社会人には大事だ。

 

「礼節」は、良好な人間関係を築くための根幹

そのために、私は『CHOOSE CIVILITY (チューズ シビリティ) 結局うまくいくのは、礼儀正しい人である』を新社会人に強く勧めたい。

 

本書の核心はずばり「礼節」だ。わかりやすさを重んじた出版社の苦悩も感じるが、サブタイトルには「礼儀」ではなく、「礼節」を全面に出してほしかった。

傷つくのを避けて他人を寄せつけないのは無意味です。人間関係が引き起こす痛みを最低限にする努力をしながら、人間関係を築いていく方法を学ぶべきなのです。 人間関係によって生じる痛みを最低限に抑える方法とは〝他人と上手に接していけるようになること〟です。この大切な素養を身につけるのに、魔法を学ぶ必要はありません。礼節を学べばいいのです。
『CHOOSE CIVILITY (チューズ シビリティ) 結局うまくいくのは、礼儀正しい人である』

 

本書は、上記のイントロから始まり、礼節にかかわる25のルールが紹介されている。それぞれのルールは3-6ページと短く区切られており、簡潔な具体例とエッセンスとともに要点がまとめられ、非常に読みやすい。参考までにいくつかのルールを例示する

[ルール01] 周囲の人に関心を向ける
[ルール02] あいさつをして敬意と承認を伝える
・・・
[ルール07] そこにいない人の悪口を言わない
[ルール08] ほめ言葉を贈る。そして受け入れる
・・・
[ルール17] 自尊心を持って自己主張する
・・・
[ルール21] お願いするのは、もう一度考え直してから
[ルール22] 無駄な不満は言わない
・・・
『CHOOSE CIVILITY (チューズ シビリティ) 結局うまくいくのは、礼儀正しい人である』

1つ1つを取り出してみると、ありきたりに見えるかもしれない。が、25のルールを無理なく息を吸うようにできている人は実際には少ない。「礼節」という言葉でくくって、これらのルールを一塊で見ると、「一緒に仕事をしてみたい」、「何かあったら、惜しげないサポートを提供したい」という人物像が私には浮かび上がってくる。ぜひ、本書を参考にして「礼節」をわきまえた新社会人になってほしい。

 

相手を見極める力、賢く距離をとる技術

また、良い人間関係を築くためには、良い人についていかなければいけない。なので、職場の上司、先輩、取引先で、懐に飛び込んで緊密な関係を築くべき人と、少し距離を置くべき人を見極めることは非常に大事だ。その上で、相手が「礼節」をわきまえているかどうかは非常に重要な基準となる。もちろん、新人の間は、上司や先輩や取引先を選ぶことはできない(もちろん、経験を積んでも限りがある)。日々「礼節」をこころがけながら、懐に飛び込むべき人には思い切って飛び込み、あんまりという人とはうまく距離をとって欲しい。

なお、相手が「礼節」を欠くからといって、自分もその人に対して「礼節」を欠いてはいけない。そういうあなたの行為はどこかで誰かが必ず見ているし、「礼節」を欠く人と対立したところで面倒なだけで良いことは一個もない。「礼節」をもって距離をとるのが一番だ。

 

「礼節」を頼りに、社会人としての第一歩を

社会人としてのスタートにあたり、不安や緊張がいっぱいの人もいるだろう。あなたが「礼節」を大切にし、人との関係を丁寧に築いていけば、きっと良い人たちに囲まれ、成長していけるはずだ。

人間関係に悩み、好転させるための糸口が見えない時は、今回紹介した『CHOOSE CIVILITY』のルールを一つひとつ、見てみてほしい。必ず打開にむけてのヒントがあるはずだ。難しいことは何ひとつ書かれていない。だが、その一つひとつを丁寧に積み重ねていくことが、あなたの信頼となり、あなたの大きな力になるだろう。

新しい環境で、自分らしく一歩一歩前に進んでいけるよう、新社会人の方々に心からエールを送りたい。Good Luck!

 

#新社会人におすすめの本

日本に旅立った娘のはなし - 10年半のアメリカ生活を経て、自ら選んだ未来

昨年の6月、娘はアメリカの高校を卒業し、日本の大学に進学するために日本に旅立った。2013年11月にわが家はアメリカに移住したので、10年半のアメリカ生活に終止符を打ったことになる。

 

渡米当初からの葛藤:「早く日本に帰りたい」

娘は日本が大好きで、アメリカがそれ程好きではない。Grade 2(日本の小2)の頃に、英語が全く話せない状態で、アメリカの現地校に放り込まれ、必死に授業にキャッチアップすべく努力をしてきた。子どもはすぐに英語を話すことができるようになる、何ていうのは私から言わせれば都市伝説だ。多くの子どもは言語の壁、孤独、自分を出せないストレスを抱えており、娘も例にもれなかった。渡米当初から「早く日本に帰りたい」とよくこぼしており、その願いが書かれた七夕の短冊を見た時は、さすがに切なかった。親としてできうる限りの支援をしたが、正に悪戦苦闘という感じであった。

 

魔のGrade7、おとずれた限界と決断

Grade 7(日本の中2)の頃に、そのストレスと想いが大爆発する。アメリカではGrade 7は"the challenging seventh grade"と呼ばれるほど、勉強も難しくなり、友人関係も複雑になる時期だ。そして、思春期特有の難しい時期が娘にもおとずれていた。家族で会話を重ねたが、これ以上はいかんとも頑張り難いという悲痛な娘の想いに、親として上手く手を差し伸べる術を私は持たなかった。

結論として、娘のみ日本の高校に進学することを家族で決断した。アメリカに住む日本人家族で、子どもの一人がどうしても馴染めなくて、一人日本に戻るという話は、多くもないが、それ程珍しくもない。日本とアメリカはかなり異なるので、合わない人には合わないのだ。Grade 7という特有の難しさ、思春期の感情の起伏、アメリカとの相性というマイナス要素が一気に押し寄せ、娘は爆発すべくして爆発したと今となっては思う。

 

高校受験の勉強、そしてコロナがやってきた

娘の日本の高校進学を決めたので、一時帰国の際は、学校見学をしたり、予備校の夏期講習に通わせたり、準備を進めた。また、高校生で親元を離れて、寮生活を送るのだから、料理や掃除から、基礎的な金融教育まで、独り立ちができるように親としてしてあげられることは全部したつもりだ。

が、いよいよ受験という年にコロナ旋風が巻き起こる。少し心許ないところはあれど、私の子育てのゴールである「子どもが自律と自立できるようにする」ということは、大分達成できたかなぁ、というまでには娘は成長していた。なので、先の見えない状況ではあるが、娘が希望するのであれば、高校進学はサポートする気でいた。

 

「今は日本には帰らない」 コロナ禍の決断

娘にはその旨を伝えて、自分で考えて決断するように伝えていた。
ある天気の良い日に一緒に散歩をしながら、「で、どうするか、結論はでた?日本に帰国したいのなら、サポートするからね」と聞いてみたところ、「色々考えたけど、見送ろうかな」と娘。

その時、アメリカのGrade9(高校1年)になっており、高校で親しい日本人の友人もでき、中学と比べるとかなり学校の環境も改善され、娘なりのペースを確立しているようにも見えた。かくして、すったもんだの末、娘は日本への帰国を先延ばしすることになる。世界中にトラブルを巻き起こしたコロナ禍も、わが家にとっては今の家族を形作るパズルのピースの一つであったように思う。

 

高校卒業、そして本帰国へ

その後、カリフォルニアへの引っ越しに伴い、転校というイレギュラーも経験した。それでも、補習校の卒業、そして現地校の卒業と、娘は一歩ずつ着実に歩みを進めてきた。そして昨年6月、日本の大学の受験のために、ついに念願の本帰国を10年越しに果たすこととなった。
成長を重ね、大人びた雰囲気もそなえた娘は、Netflixを英語と日本語を切り替えながら楽しむほどの語学力を身につけ、「こういうことをできるようになった環境に連れてきてくれた親には感謝している」などと親を気遣うことも言うようになっていた。が、私は「あなたが、苦労をしながら自分の努力で身につけた能力なのだから、親に感謝する必要なんてないよ」と言っている。これは私の正直な思いだが、言葉の裏側にある娘の優しさと気配りに少し胸を打たれた。

 

家族3人での生活が始まって

「娘さんがいなくなって淋しいし、心配でしょう」
とたまに聞かれる。もちろん、家族4人の生活が3人(私、妻、息子)になり、静かになったところもあるが、実はあまり淋しさというのは感じていない。
自分の人生に対して主体的な決断をできるようになった娘を応援したいという気持ちと、娘が今後どのような人生を歩んでいくのかを見るのが楽しみという気持ちが、淋しさを遥かに上回っている。もちろん、助けを求められたら、いつでも助けるつもりでいるが、必要なヘルプを求めるという能力も含めて娘は「自律と自立」ができる素養を身につけているので、親としては学費と仕送りを送る以外にはできることは殆どない、と思っている。娘の子育てについては「やりきった感」が強く、晴れやかな気持ちで日本に送り出すことができた。

 

娘からの「嬉しい知らせ」

本命の大学の受験に、一人日本で取り組んでいた娘から、無事第一志望に合格したという「嬉しい知らせ」を先日受けた。親元を離れての最初の挑戦が、「一人暮らしを初めて大学受験をする」というもので、決して簡単なものではない。それでも、集中力をきらすことなく、コツコツと努力を重ね、良い結果を残すことができた。娘の一番希望する大学に進学できたということが親としては最も嬉しいが、その大学は私の母校でもあり、とても感慨深い。

これからも自分の人生に対して、主体的に決断し、人生を切り拓いって欲しい。よく頑張ったね、本当におめでとう。

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