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2011-06-11

『Nurtureshock』教育的な番組は実は子供の攻撃性を助長する?「子供の諍い」考

以前紹介した『Nurtureshock』の中でまた興味深い話があったので紹介したい。

NurtureShock

NurtureShock

「暴力的な描写のあるテレビ番組をみると子供が攻撃的になるので、教育的な内容のテレビ番組を子供にみせている」

「つい子供の前で夫婦喧嘩をしてしまったが、子供に悪影響があるので別室に移動した」

「子供が喧嘩をしたら、喧嘩をしてはいけないと叱りつける」

こどものためによかれと思ってやっている上記のような行動は、実は時として逆効果であるという話が”PLAYS WELL WITH OTHERS”という章で紹介されている。


この章の冒頭で面白い統計が紹介されている。暴力的な描写のあるテレビ番組と教育的な番組(喧嘩した友達同士が仲直りをして、相手を思いやるって大事にだね、というようなメッセージを伝えるなど)がそれぞれ子供攻撃性にどのような影響を与えるのか調査をしたところ、教育的な番組のほうをみた子供のほうがより攻撃的になったとのこと。この研究では攻撃性をPhysical Aggression(実際に人をぶったりすること)、Relational Aggression(「仲間にいれてやらないよぉ」などの意地悪な態度をとる言葉)、Verbal Aggression(「黙れ!」、「うるせぇ!」などの攻撃的な言葉を使う)を3つにわけ、教育的な番組は特に子供のRelational Aggressionを助長するという。どういうことかと言うと、教育的な番組というのは揉め事とか諍いなどを描くシーンが必ずあり、その後にそれらが解決されていく様が描かれ、人と仲良くする、相手の立場になって考えるなどのメッセージを発信するのが一般的だが、殆どのケースでは揉め事や諍いの描写に多くの時間をさかれ、解決のシーンにはそれほど時間をさかれないので、揉め事や諍いの描写からより多くの影響をうけるという。私は子供番組を子供と一緒に見ることが多いが、感覚的には非常に納得がいって面白い。私には娘がいるが、女の子向けの番組程、狡猾で陰湿なシーンが多いので、女子のそういった性格の一面はこういう番組を通して形作られていくのかと感じた。


じゃぁ、そういった番組は絶対に見ないほうがいいのかというと、筆者はそうも言っていない。揉め事や諍いというのは社会にでればいくらでもあることで、それを乗り越えていく為には、「それを乗り越える過程」を子供が学ぶ機会を作らなければならない。いじめや喧嘩というのも良いことばかりではないが、子供の社会性を育む上では必要悪でもあるという面も筆者は強調する。「喧嘩はしてはいけない、仲良くしなさい!」という面だけ強調すると、単に「喧嘩をしたら怒られるから親の前ではしない」と子供が抑圧されるだけで、それほどいい効果は生まれない。むしろ「何か諍いが起きた時に、どのように収めるか」ということを教えることが大事という。改めて書いてみると書くのもはばかれるくらい極めて常識的な話ではあるが、自戒もこめてあえて書く。日常の我が身を振り返るに1日に20回くらい起きる娘と倅の間の諍いへの私の対応と言えば、10回は無視、9回は「喧嘩すんな!」と説教、「どうすれば解決に至れるか」指導というのは1回あるかないか。もうちょっと改善が必要である。

また、上記のことを踏まえ「つい子供の前で夫婦喧嘩をしてしまったが、子供に悪影響があるので別室に移動」というのが実はあまりよくないと筆者は主張する。結局、このケースは両親の揉め事や諍いの部分だけを子供にみせ、それを両親がどのように解決して乗り越えたのかというところを見せてない。夫婦喧嘩はしたらしたで、無理矢理隠すようなことはせず、共同生活の大変さや、そこにおける歩み寄りと話し合いの大切さを学ぶ機会と割り切ってしまえばよいのだ。


同じような話が『子供が育つ魔法の言葉』にあったなぁ、とおもってぱらぱらめくったところ、下記のようなPhraseは発見した。

怒りの感情は心の敵なのではなく、うまく処理すべきエネルギーなのだということもできます。それを子どもに分からせることが大切です。怒りのエネルギーを上手に使うとよいのです。

『子供が育つ魔法の言葉』 〜とげとげした過程で育つと、子どもは、乱暴になる〜

”PLAYS WELL WITH OTHERS”という点でこれは良いことを言っていると思う。子どもの「怒りのエネルギー」を否定したり、押さえつけるのではなく、怒りにいたった過程、状況を因数分解し、何がことを難しくしているのか、どうして自分の思い通りにならなかったのか、それを解決するにはどうしたらよいのか、如何に処すればよいのか、など一緒に考えて、取り組んであげると共に、親自身がそれができていない時はそれを認め、でも解決に向けて努力をしているという姿を見せることが大事なのだと思った。

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