自閉症の渡が全米から空腹をなくすというボランティアに参加する渡なりの理由

渡はきのうは、夏休みにもかかわらずボランティア活動に一人で参加しておりました。今日の言語療法の日。療法士さんから

渡はきのう何をしていたの?

の問い。渡はボランティアをしていたと答えたのだけど、さらに突っ込んだ質問が...。

なんのボランティアに行ったの?

でた!渡が苦手な、5W1Hの質問(なぜ、いつ、どこで、誰が、なにを、どのようにを使う質問。)をされた。けど、まだ「何?」は、なんとか答えられる渡。たどたどしいけど、しっかりと

No more hunger in the world.(世界から空腹を撲滅する)

すごい!わかってるんじゃない!と思う母。たぶんこれは、最初にこのボランティアに連れてきてくれた職業訓練の先生が教えてくれたんだと思う。先生は「できるから渡にさせる。」だけでなく、「なぜ渡がこのことをするのか?ゴールはなにか?」ということを、すごく時間をかけて、いつも渡がわかるように説明してくれていました。「なぜあなたがこれをするのか?ゴールはなにか?」というのを普通の大人でも答えられる人は少ないと思うのだけど、渡の職業訓練の先生はそれを常に説明できる人でした。
言語療法士さんが非常に褒めてくださったら、ご機嫌になった渡は、さらにこんなことを言い始めた。

Cesar Chavez said
"If you really want to make a friend,go to someone's house and eat with him.....the people who give you their food and their heart." 
大意は「シーザ・チャべスは言いました。あなたが本当に友達が欲しいと思うのなら、彼の家に行き彼と食べ物を食べなさい。人々は、彼らの食べ物と真心を与えてくれます。」

もう驚きまくる私と言語療養士さん。
これはシーザー・チャベスというアメリカのヒスパニック系やその他の農業従事者が正当なお給料と人権をもらえるように活動した人の名言です。日本では、ほぼなじみがないシーザー・チャベスってこんな人。こちらをクリック⇨すごい言語療法
当時の劣悪な農業従事者の労働環境は、

怒りの葡萄〔新訳版〕(上) (ハヤカワepi文庫)

怒りの葡萄〔新訳版〕(上) (ハヤカワepi文庫)

にも書かれています。
渡のたどたどしいけど、一生懸命な説明によると、どうもこの名言は、彼がボラティアをしているところの休憩所の壁にはってあるらしい。シーザ・チャベスについて言語療法士さんからいろいろ学び、社会でいろいろなことが起こっていることをだんだん理解し始めた渡。
母のほうが学ぶわー。
そうね。誰だって、「あなたができるから、これをしてね。」よりも、「なぜこのことをするのか?このことをすれば、どのように社会に影響を及ぼし、いい作用がおこるのか?」を説明された方が俄然やる気もでるし、意義も見えて来る。
私だって、
「あんたできるからこれやってよ。」よりも
「このことをやってくれたら、社会的にこういう影響があって、このような人たちが助けられる。」と言われたほうが、やる気は起こるんだよね!
渡ってポリシーを持って今のボランテアをやってるんだと理解した母。渡から学ばせてもらいました。素直にすごいと思った1日でした。