あなたのkugyoを埋葬する

主に読書内容の整理のためのブログです。Amazon.co.jpアソシエイト。

"永遠の反逆児としての子ども像"

無手勝・野田光太郎の"永遠の反逆児としての子ども像"、ブースはB-27でB5版。「子ども」をキーワードに、『ザ・ワールド・イズ・マイン』と『キーチ!!』、さらに『なるたる』『ぼくらの』『20世紀少年』『バガボンド』を論じた評論。


 『ザ・ワールド・イズ・マイン』はおもしろいマンガなのだけど、そこで描かれる群衆が衆愚でしかないことに若干の不満を感じていた(衆愚をちゃんと描くことはできているだけに)。そこをこの論者はみごとに衝いてくれている。そしてそれが同じ新井英樹の『キーチ!!』ではよりよく描かれているとも言うのだ。これには感激した。そしてそれが、権力-反逆児、というこの論の主題につながっていく。


 至言がたくさん詰まった、油田のような論である←nice 駄洒落 check! ひとつだけひいておこう。

連載マンガのようにアドリブ的な要素が強い産物は、構築物というよりも運動体と考えるべきで、作者の意図とその達成度で計るべきだと思う。

作者の意図とその達成度というのは、論理としては擁護しづらいけれどわかる話で、これを擁護できるような理論をたてようといま四苦八苦しているところ。それはともかく、連載は運動体、なるほど、と思った。