名人?芸
昭和の落語界の名人ってえと、、
亡くなった五代目古今亭志ん生を筆頭にあげる方も多いはず。
人情話や廓話を得意としていました。
無類の酒好きで、
戦時中などは、酒がいくらでも飲めるというだけで、
満州へ巡業にでかけたり、
あの双葉山と飲み比べをしたり。
また、酒で死ねるなら本望と、
毎日ごはんの代わりに酒を飲んだりと、
酒にまつわるエピソードには事欠かなかったようですナ。
ある時酒を飲んで高座にあがり、
「エー、毎度馬鹿々しいお噺を…」とはじめると、
すぐにうつむいて、黙りこんじまった。
前の客が様子を伺うってえと、
これがなんと舟を漕いでいる。
客は怒ると思いきや、
「志ん生の落語は銭を出しゃあいつでも聞けるが、
志ん生の居眠りは滅多にみれるモンじゃねえ」
と、その寝姿を眺めていたってえから粋なモンでござんすナ。
これも庶民に愛された志ん生の“名人芸”