原油安の影響② 丸紅の損失1600億、純利益(IFRS)ほぼ半減。

 今日の日経朝刊1面と12面(企業1)のみならず、朝日朝刊9面(経済)、読売朝刊8面(経済)にも、丸紅が昨日、資源関連の権益と買収した穀物子会社の減損処理で、今期末1600億の損失計上する発表をしたと出ていた。IFRS(国際会計基準)による純利益も前期比48%減の1100億と、計画の半減(つまり計画は前期並みだった??)という。ただ、例によって(?)朝日、読売は関連記事が少ないので、以下はやはり日経片手に綴りたい。

 1600億の内訳は、北海とメキシコ湾、米国での資源開発で950億、米の穀物子会社ガビロンで500億、チリでの銅開発で100億、豪州石炭事業で50億だ。とりわけその950億中、北海での原油・ガス開発が600億を占めるのは、実際の採掘に関与せず提携先任せで「昔からの提携先で油断があり」採掘費用が嵩み、そこへ昨今の原油安が追い打ちをかけたという。

 一昨年27億ドル(当時の円ドルで2700億)で買収したガビロンにしても、丸紅の流通ルートとの重複による相乗効果の減殺や、中国等での販売の伸び悩みで、今期利益が計画比50億円減の100億円に過ぎない。12面で「資源&穀物のダブルパンチ」というような見出しを打っていたまさにそうで、今期については投資に見合ったリターンがいわば全く見込めていないわけだ。いや、「27億ドル」そのものへの「高額な買い物」という指摘もかねてからあり、それもここへきて会社側はようやく認めた格好だという。

 そんなこんなでとりあえず、2月からいつまでか分からないが、経営責任として役員報酬を3〜5割カットする。しかし明らかに焼け石に水だろう。さしあたって今春の株主総会が怖いのは確かかもしれない(?)。まあそれを言い出せば、住友商事などは米シェールオイル開発関連で実に2700億(!)だし……

 それにしても12面に「丸紅は三菱商事等と比較して資源関連が手薄で、非資源分野に強み」とあったので、反射的に「じゃあ三井物産の、今週まだ発表にはならないが、10−12月期決算が怖い」と思わざるを得ないが、果たして如何に……!?