【橋下市長辞任】大阪都構想実現の為に後進に名誉を譲り、自らは捨石となる覚悟を期待する。

大阪の橋下市長が辞任&出直し市長選をするそうです。

大阪都構想を支持されて市長になった橋下氏VS都構想に慎重な姿勢の市議会議員という対立構造が浮き彫りになってきましたね。


この対立構造には、どちら側にも民意の後押しがある事が問題を複雑にしている。

市長選の場合は大阪都構想だけがクローズアップされた争点だったけど、市議会議員選というのは単純に争点が定まらないという特徴があるにせよ一定の民意を象徴してるんです。


橋下市長VS市議会という対立構造は民意VS民意という非常に民主主義らしい対立と言えます。


私は個人的に大阪都構想に賛成です。むかし門真市に住んでいたんですが、お隣の守口市には2つの浄水場があり、ひとつは大阪広域水道企業団の庭窪浄水場、もう一つは大阪市水道局の庭窪浄水場です。この二つの庭窪浄水場がほぼ隣接するように存在しているのですから、子供心に「なんか無駄だな〜まとめて一つにすれば効率良いのに!」と思ったものでした。


当時はまだ10代だった事もあり、庭窪浄水場が大阪の二重行政を象徴するような施設だとは思いませんでしたが、改めて考えてみても「やっぱり無駄」という結論に至ります。


浄水場ひとつとってもこのような無駄なのですから、大阪府大阪市の二重行政による無駄は想像以上に多い事と思います。


雇用問題なども絡んでくる問題

単純にまとめて一つにすれば効率良いし無駄を省けるのですが、一つにまとめれば職員の数は減らす事になるでしょう。そのまま雇用してたんじゃ何の為の合併だ?という事になるし、無駄が省けない。浄水場の管理・運営で一番大きな割合を占めるのは当然人件費でしょう。経費削減を考えるのであれば2つの浄水場を一つにまとめ職員の数を減らすのが一番効果的です。


そうなると雇用が減り失業者が増える。それは困るんだよな。

行政は雇用促進を最重要課題として取り組むべきなんです。雇用が増えれば貧困は減ります。貧困が減れば治安は良くなり、税収は増え、失業保険や生活保護などの費用を削減出来ます。一石二鳥どころか一石三鳥にも一石四鳥のもなり得るのが雇用促進です。

だからどの自治体も企業誘致に魅力を感じて力を入れるんですよね。


2つの浄水場を一つにまとめて無駄を省く事は大事な事ですが、それが原因で雇用が減るのは困る。二重行政の改善とは、無駄を省きつつ雇用を確保するという難しい問題なんですよね。


市議会議員の苦悩もあるだろう

橋下市長の大阪都構想は、その難題を解決しなきゃいけないんですから実現は限りなく困難です。しかし困難だからといって放置しておく訳にもイカン重要な問題。

そりゃ市長VS市議会で意見がかみ合うとは思えない。


議会議員というのは、首長を助けて行政を行いつつ、首長の権限をシッカリ監視する仕事ですが、市議会議員だと地元住民の意見を吸い上げたり、地元住民の権益を守ったりと選挙区住民と議会のパイプ役という一面も持っています。

市議会議員としては、既に雇用されている職員が失業するような政策に「はいそうですか!」と簡単に応じる訳にはイカンでしょう。


この矛盾をどう解決するかが、大阪都構想の最大の難題であり胆となるところでしょう。


名誉は後進に譲り、自らは捨石になる覚悟で望んで欲しい

ただ個人的には大阪都構想には賛成だし、ぜひ実現して欲しいと考えておりますので、橋下市長には頑張って欲しいと思います。


ただ今回のように「それじゃ〜民意を問おう!!」って辞任&出直し選挙ってのは評価出来ない。大阪都構想は実現が非常に困難な事業であると共に、実現すれば後世に残る大事業です。

性急に進めても上手くいかないと思う。まずは府・市議会議員の過半数を占めるような力のある与党を作り上げる事が先決でしょう。他政党との連立をアテにしてちゃ〜今回のような事態に再度転落する可能性が残ってしまう。


橋下氏や松井氏は、まず維新の会を強くて大きな政党に育てる必要がある。維新の人気に擦り寄ってきた連中を排除し、大阪都構想実現の為に全力を尽くす生え抜きの政治家を数多く育てるべきです。時間は掛かりますが一番現実的な戦略だと思います。


結果的に大阪都構想を実現するのが橋下氏や松井氏じゃなくても良いじゃないですか。自身の名誉の為に大阪都構想を実現させる訳じゃないでしょう。少なくとも橋下氏は大阪都構想実現の為に政治家になったはずです。

それならば大阪都構想実現の名誉は後進に譲り、自らは大阪都構想の先駆者として名を残せば良い。そういう気持ちで時間をかけて取り組む事業だと思うんですよね。