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2018-11-13-火

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2018-11-12-月

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2018-10-26-金

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補給物資

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万葉集試訳

2670 【承前,百八十九之五二。】

 真素鏡 清月夜之 湯徙去者 念者不止 戀社益

 真十鏡(まそかがみ) 清月夜(きよきつくよ)の 徙去(ゆつり)なば 思(おも)ひは止(や)まず 戀(こひ)こそ(ま)さめ

 無曇真十鏡 清澄明晰月夜之 徙去西沉者 相思之情不能止 唯有戀慕更徒

佚名 2670

「真十鏡(まそかがみ)」,「清月夜(きよきつくよ)」之枕詞

「徙去(ゆつり)なば」,「徙去(いうつり)なば」之略。

「思(おも)ひは止(や)まず」,在月仍掛天之時。可賞月以分散心情,月沉之後,則滿心為思念所占滿。

類歌2673。


2671 【承前,百八十九之五三。】

 今夜之 在開月夜 在乍文 公叫置者 待人

 今夜(こよひ)の 有明月夜(ありあけつくよ) 在(あり)つつも 君(きみ)を置(お)きては 待人(まつひと)も無(な)し

 洽猶今夜之 有明月者之所如 天明月仍在 吾心堅定久不渝 除君以外無待人

佚名 2671

有明月夜(ありあけつくよ)」,天亮之後仍掛於西空之月。此為「在(あり)」之序。

「在(あり)つつも」,一直愛著對方,未嘗變心。

2672 【承前,百八十九之五四。】

 此山之 嶺爾近跡 吾見鶴 月之空有 戀毛為鴨

 此山(このやま)の 嶺(みね)に近(ちか)しと 我(わ)が見(み)つる 月空(つきのそら)なる 戀(こひ)もするかも

 吾人有所思 度其此時在何處 蓋近此山巔 吾人所戀當奈何 恰似月空懸天邊

佚名 2672

「我(わ)が見(み)つる」,「見つる」乃判斷、推定

「月空(つきのそら)なる」,首句以來,月字為止,乃空之序。

2673 【承前,百八十九之五五。】

 烏玉乃 夜渡月之 湯移去者 更哉妹爾 吾戀將居

 烏玉(ぬばたま)の 夜渡(よわた)る月(つき)の 移去(ゆつり)なば 更(さら)にや妹(いも)に 我(あ)が戀居(こひを)らむ

 漆遽╋妄臓^婆觸蠹皎月之 徙去西沉者 相思之情不能止 唯有戀慕更徒

佚名 2673

「徙去(ゆつり)なば」,「徙去(いうつり)なば」之略。

類歌2670。


2674 【承前,百八十九之五六。】

 朽網山 夕居雲 薄徃者 余者將戀名 公之目乎欲

 朽網山(くたみやま) 夕居(ゆふゐ)る雲(くも)の 薄行(うすれゆ)かば 我(あれ)は戀(こ)ひむな 君(きみ)が目(め)を欲(ほ)り

 九重朽網山 頂上蟠踞夕雲之 淡去薄徃者 余者相思情更甚 欲拜君眉不能

佚名 2674

「夕居(ゆふゐ)る雲(くも)の」,「居る」只蟠踞山上不動之雲。

「我(あれ)は戀(こ)ひむな」,「な」為詠嘆終助詞

「君(きみ)が目(め)を欲(ほ)り」,想見戀人一面。

2675 【承前,百八十九之五七。】

 君之服 三笠之山爾 居雲乃 立者繼流 戀為鴨

 君(きみ)が著(き)る 御笠山(みかさのやま)に 居雲(ゐるくも)の 立(た)てば繼(つ)がるる 戀(こひ)もするかも

 吾君所戴兮 御蓋三笠山頂上 叢雲之所如 層層湧出繼綿延 此戀源源無絕時

佚名 2675

「君(きみ)が著(き)る」,用以修飾地名「御笠」之枕詞。或訓「君(きみ)の著(き)る」。

「居雲(ゐるくも)の」,以上為「立」之序。

「立(た)てば繼(つ)がるる」,持續思念,如天雲持續湧出不斷。「るる」表自發。

類歌373。山部赤人「高座の 三笠山に 鳴鳥の 止めば繼がるる 戀もする哉」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m03.htm#0373


2676 【承前,百八十九之五八。】

 久堅之 天飛雲爾 在而然 君相見 落日莫死

 久方(ひさかた)の 天飛(あまと)ぶ雲(くも)に 在(あり)てしか 君(きみ)をば相見(あひみ)む 落(お)つる日無(ひな)しに

 遙遙久方兮 飛翔蒼穹高天雲 願得騰雲矣 妾身欲往與相見 莫有不念吾君時

佚名 2676

「在(あり)てしか」,「てしか」為願望終助詞

「落(お)つる日無(ひな)しに」,「落つる」表欠落。

希望化身天雲,騰空與戀人相會。

2677 【承前,百八十九之五九。】

 佐保乃內從 下風之 吹禮波 還者胡粉 歎夜衣大寸

 佐保內(さほのうち)ゆ 嵐風(あらしのかぜ)の 吹(ふ)きぬれば 歸(かへ)りは知(し)らに 嘆(なげ)く夜(よ)そ多(おほ)き

 自於佐保內 疾猛嵐風吹拂者 道路為所遮 雖欲歸去不知方 徒然長嘆夜多矣

佚名 2677

「佐保內(さほのうち)ゆ」,「ゆ」表自從。

「嵐風(あらしのかぜ)の」,自山上吹下之山嵐

「歸(かへ)りは知(し)らに」,無術可歸。就歌詞難以判斷該歸去何處。

2678 【承前,百八十九之六十。】

 級寸八師 不吹風故 玉匣 開而左宿之 吾其悔寸

 愛(は)しきやし 吹(ふ)かぬ風故(かぜゆゑ) 玉櫛笥(たまくしげ) 開(あ)けて小寢(さね)にし 我(われ)そ悔(くや)しき

 慎矣愛憐兮 竟以不吹之風故 珠匣玉櫛笥 開而敞兮孤寢之 獨守空閨吾甚悔

佚名 2678

「愛(は)しきやし」,可憐自身,感到哀憫。底本原文「級子八師」,此依『萬葉考』訂之。

「吹(ふ)かぬ風故(かぜゆゑ)」,夏日天暑,夜間倘開門戶以令風吹納涼。然風不拂。比喻等待男子來訪,而男方不至。

「玉櫛笥(たまくしげ)」,「開」之枕詞

2679 【承前,百八十九之六一。】

 窗超爾 月臨照而 足檜乃 下風吹夜者 公乎之其念

 窗越(まどご)しに 月臨照(つきおして)りて 足引(あしひき)の 嵐吹夜(あらしふくよ)は 君(きみ)をしそ思(おも)ふ

 越窗灑落而 明月臨照耀空閨 足曳勢嶮兮 山嵐疾拂此月夜 難忍相思總念君

佚名 2679

「窗越(まどご)しに」,此窗形式不明。或為連子窗,或為張紙之間戶。

「月臨照(つきおして)りて」,「おし」乃自高處放光之狀。原文「臨照」為漢語表現

「足引(あしひき)の」,「山嵐」之枕詞

2680 【承前,百八十九之六二。】

 河千鳥 住澤上爾 立霧之 市白兼名 相言始而言

 川千鳥(かはちどり) 棲(す)む澤上(さはのうへ)に 立霧(たつきり)の 灼然(いちしろ)けむな 相言始(あひいひそ)めてば

 河邊川千鳥 所棲水際澤之上 湧霧之所如 灼然可為他人見 吾等若始相言者

佚名 2680

「川千鳥(かはちどり)」,棲息川邊之千鳥。雖然現在多指桑鳲千鳥上代卻未必如此。

「立霧(たつきり)の」,以上為「灼然」之序。

「灼然(いちしろ)けむな」,顯目。

2681 【承前,百八十九之六三。】

 吾背子之 使乎待跡 笠毛不著 出乍其見之 雨落久爾

 我(わ)が背子(せこ)が 使(つかひ)を待(ま)つと 笠(かさ)も著(き)ず 出(い)でつつそ見(み)し 雨降(あめのふ)らくに

 相思情難忍 為待夫子信使來 不著笠蓋而 迫不及待出而見 縱然雨零無所懼

佚名 2681

「使(つかひ)を待(ま)つと」,「と」乃「とて」,用以表其意圖。

「笠(かさ)も著(き)ず」,為令對方清楚分辨自己

3121重出。


2682 【承前,百八十九之六四。】

 辛衣 君爾內著 欲見 戀其晚師之 雨零日乎

 韓衣(からころも) 君(きみ)に打著(うちき)せ 見(み)まく欲(ほ)り 戀(こ)ひそ暮(く)らしし 雨降(あめのふ)る日(ひ)を

 妙裁韓衣矣 欲令吾君試著而 量見其裄丈 如斯戀慕不能抑 徒然虛度雨降日

佚名 2682

「韓衣(からころも)」,舶來品之華麗衣服。此云欲令戀人穿著之衣裝。

「君(きみ)に打著(うちき)せ 見(み)まく欲(ほ)り」,欲使戀人穿上,或試穿以丈量裄丈。

2683 【承前,百八十九之六五。】

 彼方之 赤土少屋爾 霡霂零 床共所沾 於身副我妹

 彼方(をちかた)の 埴生小屋(はにふのをや)に 小雨降(こさめふ)り 床(とこ)さへ濡(ぬ)れぬ 身(み)に添(そ)へ我妹(わぎも)

 遙遙彼方之 赤土埴生小屋上 霡霂小雨零 以其床為漬濡故 來添此身吾妹

佚名 2683

「彼方(をちかた)の」,「彼(をち)」指遠方,乃「此(こち)」之對。

埴生小屋(はにふのをや)」,以赤土所築之小屋

「小雨(こさめ)」,原文「霡霂」與「霢霂」通。『爾雅』云:「霢沐,小雨也。」

「床(とこ)さへ濡(ぬ)れぬ」,此云連地板皆為淋濕,因而呼籲女方來此與之共度。

2684 【承前,百八十九之六六。】

 笠無登 人爾者言手 雨乍見 留之君我 容儀志所念

 笠無(かさな)しと 人(ひと)には言(い)ひて 雨障(あまつつ)み 留(とま)りし君(きみ)が 姿(すがた)し思(おも)ほゆ

 藉口無雨笠 言於他人而請暇 奉為雨障而 昔日留宿不歸去 君之光儀吾所念

佚名 2684

「笠無(かさな)しと」,因為未攜帶斗笠。

「雨障(あまつつ)み」,為防遭雨淋濕,而避居家中。此云留置女方之家,而不歸去。

2685 【承前,百八十九之六七。】

 妹門 去過不勝都 久方乃 雨毛零奴可 其乎因將為

 妹(いも)が門(かど) 行過兼(ゆきすぎか)ねつ 久方(ひさかた)の 雨(あめ)も降(ふ)らぬか 其(そ)を由(よし)に為(せ)む

 朝思暮想之 伊人門楣難行過 遙遙久方兮 天雨欲得可降哉 願以為由借雨宿

佚名 2685

「行過兼(ゆきすぎか)ねつ」,無法過門而不入。

「雨(あめ)も降(ふ)らぬか」,「ぬか」表希求

「其(そ)を由(よし)に為(せ)む」,借避雨為由而見心上人一面。

2686 【承前,百八十九之六八。】

 夜占問 吾袖爾置 白露乎 於公令視跡 取者消管

 夕占問(ゆふけと)ふ 我(わ)が袖(そで)に置(お)く 白露(しらつゆ)を 君(きみ)に見(み)せむと 取(と)れば消(け)につつ

 夕占問待人 所置吾袖衣手上 白露誠剔透 吾惜彼晶瑩欲令視 將手取者逝無蹤

佚名 2686

「夕占問(ゆふけと)ふ」,黃昏時刻,至八十衢聽聞熒惑洩漏天機,以占戀人來否。

「我(わ)が袖(そで)に置(お)く 白露(しらつゆ)を」,或訓「袖」為ころもで,此依仙覺本、神宮文庫本、邯桔楫蓮

「取(と)れば消(け)につつ」,欲以手取露珠,則瞬時消逝無蹤。

2687 【承前,百八十九之六九。】

 櫻麻乃 苧原之下草 露有者 令明而射去 母者雖知

 櫻麻(さくらあさ)の 麻生下草(をふのしたくさ) 露(つゆ)しあれば 明(あ)かしてい行(ゆ)け 母(はは)は知(し)るとも

 夏日櫻麻茂 苧田麻生下草者 以其露有者 不妨宿此度終夜 縱令母知無所惜

佚名 2687

「櫻麻(さくらあさ)の」,櫻麻為麻之一種,『古今和歌集』雜歌上有「櫻麻の、麻生の下草、老いぬれば。」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/kokin/kk17.htm#892

麻生下草(をふのしたくさ)」,麻生指麻畑。

「明(あ)かしてい行(ゆ)け」,「明かし」為通夜而明。

「母(はは)は知(し)るとも」,縱使因此令母親知道兩人之關係也無所謂


2688 【承前,百八十九之七十。】

 待不得而 內者不入 白細布之 吾袖爾 露者置奴鞆

 待兼(まちか)ねて 內(うち)には入(い)らじ 白栲(しろたへ)の 我(わ)が衣手(ころもで)に 露(つゆ)は置(お)きぬとも

 迫不及待而 出外引領不入內 白妙敷栲兮 吾衣袖雖沾露濕 無意枯守空閨中

佚名 2688

「待兼(まちか)ねて 內(うち)には入(い)らじ」,女性無法安於枯待家中

2689 【承前,百八十九之七一。】

 朝露之 消安吾身 雖老 又若反 君乎思將待

 朝露(あさつゆ)の 消易(けやす)き我(あ)が身(み) 老(お)いぬとも 又變若返(またをちかへ)り 君(きみ)をし待(ま)たむ

 朝露之所如 稍縱即逝此身者 縱然年事高 仍將返老更還童 復若以待君至來

佚名 2689

「又變若返(またをちかへ)り」,「若返(をちかへ)り」乃再度變得年輕。

類歌3043。

2690 【承前,百八十九之七二。】

 白細布乃 吾袖爾 露者置 妹者不相 猶豫四手

 白栲(しろたへ)の 我(わ)が衣手(ころもで)に 露(つゆ)は置(お)きぬ 妹(いも)は逢(あ)はさず 猶豫(たゆたひ)にして

 白妙敷栲兮 吾人衣手襟袖上 置露沾漬濕 伊人遲遲不予逢 蓋是猶豫不能

佚名 2690

「露(つゆ)は置(お)きぬ」,表示自身在外久待,以致衣袖結露

「妹(いも)は逢(あ)はさず」,「逢(あ)はす」乃「逢ふ」之敬語

「猶豫(たゆたひ)にして」,此云女方內心動搖,猶豫不決。


2691 【承前,百八十九之七三。】

 云云 物者不念 朝露之 吾身一者 君之隨意

 云云(かにかく)に 物(もの)は思(おも)はじ 朝露(あさつゆ)の 我(あ)が身一(みひと)つは 君(きみ)が隨(まにま)に

 吾不復煩惱 沉澱此思莫忐忑 朝霧之所如 儚幻虛渺此一身 隨君恣意任汝命

佚名 2691

「云云(かにかく)に」,「か」乃指稱遠方之指示語,與かく相對。如此這般,如是那樣。想東想西。

「朝露(あさつゆ)の 我が身」,如朝露般稍縱即逝,虛無飄渺之自身命數。


2692 【承前,百八十九之七四。】

 夕凝 霜置來 朝戶出爾 甚踐而 人爾所知名

 夕凝(ゆふこ)りの 霜置(しもお)きにけり 朝戶出(あさとで)に 甚(いたく)し踏(ふ)みて 人(ひと)に知(し)らゆ莫(な)

 以其夕凝之 霜露降置結地者 朝戶出歸時 切莫甚踐留跡矣 相睦莫令他人

佚名 2692

「夕凝(ゆふこ)りの」,露霜於夜晚結置之狀。

「朝戶出(あさとで)に」,於戀人處過夜,而朝早開門時歸去。

「甚(いたく)し踏(ふ)みて 人(ひと)に知(し)らゆ莫(な)」,莫在露霜上留下足跡,而令他人知悉兩者之情事

2693 【承前,百八十九之七五。】

 如是許 戀乍不有者 朝爾日爾 妹之將履 地爾有申尾

 如是許(かくばか)り 戀(こ)ひつつあらずは 朝(あさ)に日(け)に 妹(いも)が踏(ふ)むらむ 地(つち)にあら益(まし)を

 戀慕如此許 相較常苦相思者 不若化黃土 無論日出或當中 伊人可踐不相離

佚名 2693

「朝(あさ)に日(け)に」,「日(け)」指正午。

「妹(いも)が踏(ふ)むらむ」,らむ表恆常事實之現在推量語。

古時訪妻制,夜至戀人住處纏綿,朝日歸去,且不欲他人知之。故云比起苦於相思之情,不若化作女方家前的土地,時時可以與之接觸。


2694 【承前,百八十九之七六。】

 足日木之 山鳥尾乃 一峰越 一目見之兒爾 應戀鬼香

 足引(あしひき)の 山鳥尾(やまどりのを)の 一峰越(ひとをこ)え 一目見(ひとめみ)し兒(こ)に 戀(こ)ふべき物(もの)か

 足曳勢險峻 山鳥雉尾之所如 需越一峰而 方能一面窈窕女 吾竟戀慕至如此

佚名 2694

山鳥尾(やまどりのを)の」,以「尾」同音而起「峰」之序。山鳥屬雉科。

「一峰越(ひとをこ)え」,「峰(を)」指山之脊部。

「戀(こ)ふべき物(もの)か」,責問自嘲自己之輕率。自己怎麼愛上必須山越嶺才能見得一面的女性

2695 【承前,百八十九之七七。】

 吾妹子爾 相緣乎無 駿河有 不盡乃高嶺之 燒管香將有

 我妹子(わぎもこ)に 逢由(あふよし)を無(な)み 駿河(するが)なる 富士高嶺(ふじたかね)の 燃(も)えつつかあらむ

 吾與我妹子 相隔已久無逢由 唯如駿河國 富士高嶺不二峰 燃煙裊裊無絕時

佚名 2695

富士高嶺(ふじたかね)の」,富士山噴火紀錄以天應元年最古,然萬葉集可見詠其噴煙之曲多有。

「燃(も)えつつかあらむ」,此云新中思念之慕火無息,為戀苦所焦烤,永無絕日。

2696 【承前,百八十九之七八。】

 荒熊之 住云山之 師齒迫山 責而雖問 汝名者不告

 荒熊(あらぐま)の 住(す)むと云(い)ふ山(やま)の 師歯迫山(しはせやま) 責(せ)めて問(と)ふとも 汝(な)が名(な)は告(の)らじ

 人云荒熊之 所以棲息此山間 師歯迫山矣 縱遭百般責問者 吾仍不願告汝名

佚名 2696

「荒熊(あらぐま)の」,性質荒爆之熊。

「師歯迫山(しはせやま)」,未詳所在,以上乃借「迫(せ)」帶出「責(せ)」之序文

「責(せ)めて問(と)ふとも」,主語蓋為母親

「汝(な)が名(な)は告(の)らじ」,一般和歌中汝為男對女之指稱,此為相反。

作者遭母親逼問雙雙之關係,女方三緘其口不予吐實。


2697 【承前,百八十九之七九。】

 妹之名毛 吾名毛立者 惜社 布仕能高嶺之 燎乍渡

 妹(いも)が名(な)も 我(わ)が名(な)も立(た)たば 惜(を)しみこそ 富士高嶺(ふじたかね)の 燃(も)えつつ渡(わた)れ

 惜妹浮名立 亦憚吾之虛名起 以懼蜚語傳 是以思火心中藏 燃度猶富士高嶺

佚名 2697

 或歌曰:「君名毛,妾名毛立者,惜己曾,不盡乃高山之,燎乍毛居。」

 或歌曰:「君(きみ)が名(な)も、我(わ)が名(な)も立(た)たば、惜(を)しみこそ、富士高嶺(ふじたかね)の、燃(も)えつつも居(を)れ。」

 或歌曰:「惜君浮名立 亦憚妾身虛名起 以懼蜚語傳 是以思火心中藏 燎居猶富士高嶺」

「惜(を)しみこそ」,受詞為上句之假定條件。

「燃(も)えつつ渡(わた)れ」,「渡(わた)る」指活下去。

表歌為男性視點,或歌為女性視點。

2698 【承前,百八十九之七十。】

 徃而見而 來戀敷 朝香方 山越置代 宿不勝鴨

 行(ゆ)きて見(み)て 來(く)れば戀(こひ)しき 朝香潟(あさかがた) 山越(やまご)しに置(お)きて 寐(い)ね難(かて)ぬかも

 雖徃而逢見 一旦歸來戀慕瓠±票朝香潟 留置彼處越嶺者 輾轉反覆甚難眠

佚名 2698

朝香潟(あさかがた)」,此明寫留戀當地風光,暗喻對戀人之思念。「あさか」0121「夕去らば 潮滿來なむ 住吉の 淺香浦に 玉藻刈りてな」書淺鹿,此云朝香者有呼應朝日歸去之感。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m02.htm#0121


2699 【承前,百八十九之八一。】

 安太人乃 八名打度 鸞 意者雖念 直不相鴨

 阿太人(あだひと)の 梁打渡(やなうちわた)す (せ)を早(はや)み 心(こころ)は思(おも)へど 直(ただ)に逢(あ)はぬかも

 阿太養鸕部 所以作梁取魚之 湍鷦棲鄲 是以吾心雖戀焦 苦無方法能立逢

佚名 2699

「阿太人(あだひと)」,居於阿太之人。『日本書紀神武天皇即位前紀云「緣水西行,亦有作梁取魚者。天皇問之。對曰:「臣是苞苴擔之子。」此則阿太養鸕部始祖也。」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/syoki/syoki03.htm#sk03_03

「梁打渡(やなうちわた)す」,打杭堰水,以捕魚之法。

「(せ)を早(はや)み」,以水流湍急隱喻周圍不支持兩人相戀。



2700 【承前,百八十九之八二。】

 玉蜻 石垣淵之 隱庭 伏雖死 汝名羽不謂

 玉限(たまかぎ)る 岩垣淵(いはかきふち)の 隱(こも)りには 伏(ふ)して死(し)ぬとも 汝(な)が名(な)は告(の)らじ

 玉剋魂極兮 磐垣淵者之所如 隱匿不令知 縱令倒臥伏地死 不洩汝名埋胸中

佚名 2700

「玉限(たまかぎ)る 岩垣淵(いはかきふち)の」,用以帶出「隱(こも)り」之序。

「隱(こも)りには」,隱忍不令人知

「伏(ふ)して死(し)ぬとも」,原文「伏以死」。「以」同「而」,補とも以訓。

2701 【承前,百八十九之八三。】

 明日香川 明日文將渡 石走 遠心者 不思鴨

 明日香川(あすかがは) 明日(あす)も渡(わた)らむ 石橋(いしはし)の 遠心(とほきこころ)は 思(おも)ほえぬかも

 明日香川矣 明日將渡飛鳥河 砌磴石橋兮 兼知未然遠心者 吾所不具莫能耐

佚名 2701

明日香川(あすかがは)」,一者與後文「明日(あす)」呼應,一者以飛鳥石橋多而用之。

明日(あす)も渡(わた)らむ」,「も」表意志

石橋(いしはし)の」,「遠」之枕詞石橋乃至於河中用以越渡之石,若其距離遠則難以飛越。

「遠心(とほきこころ)は」,能知長遠知未然而心平氣和。

2702 【承前,百八十九之八四。】

 飛鳥川 水徃瓠」銃異 戀乃畆圈〆濔/充

 明日香川(あすかがは) 水行(みづゆきま)さり 彌日異(いやひけ)に 戀(こひのま)さらば 在克(ありかつ)ましじ

 明日香川矣 飛鳥河水水更漲 此戀亦如斯 與日俱疱日高 不能克之殆毀滅

佚名 2702

「水行(みづゆきま)さり」,「(ま)さり」表與日俱瓠0幣綰機嶐銃異に 戀さらば」之序文

「在克(ありかつ)ましじ」,難以忍耐,無法持續下去。

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2018-09-18-火

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■補給物資

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嘘だっと言ってよ!


万葉集試訳

2604 【承前,百二八八。】

 念出而 哭者雖泣 灼然 人之可知 嘆為勿謹

 思出(おもひいで)て 音(ね)には泣(な)くとも 灼然(いちしろ)く 人知(ひとのし)るべく 嘆(なげ)かす勿努(なゆめ)

 每逢憶昔日 縱令在於無人處 啼哭暗啜泣 然莫光天化日下 灼然悲嘆令人知

佚名 2604

「思出(おもひいで)て」,(對象)忽然想起自身。

「音(ね)には泣(な)くとも」,縱令在四下無人之處放聲啼哭。

「灼然(いちしろ)く」,修飾「人知(ひとのし)るべく 嘆(なげ)かす」。

蓋與3021為問答關係。

2605 【承前,百二八九。】

 玉桙之 道去夫利爾 不思 妹乎相見而 戀比鴨

 玉桙(たまほこ)の 道行振(みちゆきぶ)りに 思(おも)はぬに 妹(いも)を相見(あひみ)て 戀(こ)ふる頃(ころ)かも

 玉桙華道兮 萍水相逢錯身過 始料所未及 不覺邂逅會伊人 因而戀慕此頃時

佚名 2605

「道行振(みちゆきぶ)りに」,於路上相遇。「(ぶ)り」指機會。

2606 【承前,百二九十。】

 人目多 常如是耳志 候者 何時 吾不戀將有

 人目多(ひとめおほ)み 常如是(つねかく)のみし 候(さもら)はば 何(いづ)れの時(とき)か 我(あ)が戀(こ)ひざらむ

 奉為避人目 常時如是隔異地 苦候徒傷感 至於何時能忘情 不復戀慕苦相思

佚名 2606

「候(さもら)はば」,「候(さもら)ふ」表服侍貴人近側,窺其心情,待其下令。或轉作等待海象安穩以出船。此云等待與戀人相會之時機。

「何(いづ)れの時(とき)か 我(あ)が戀(こ)ひざらむ」,反語。要何時方能不這般百般思慕而無以見面。

2607 【承前,百二九一。】

 敷細之 衣手可禮天 吾乎待登 在濫子等者 面影爾見

 敷栲(しきたへ)の 衣手離(ころもでか)れて 我(あれ)を待(ま)つと あるらむ兒等(こら)は 面影(おもかげ)に見(み)ゆ

 白妙敷栲兮 纖纖衣手兩相離 不得相纏眠 獨守香閨待吾之 伊人面影浮眼簾

佚名 2607

「敷栲(しきたへ)の」,「衣手」之枕詞。

「我(あれ)を待(ま)つと」,「と」表狀態。

「兒等(こら)」,此非複數之義。

2608 【承前,百二九二。】

 妹之袖 別之日從 白細乃 衣片敷 戀管曾寐留

 妹(いも)が袖(そで) 別(わか)れし日(ひ)より 白栲(しろたへ)の 衣片敷(ころもかたし)き 戀(こ)ひつつそ寢(ぬ)る

 吾妹衣袖矣 自於相別之日起 白妙敷栲兮 吾人片敷其裳而 戀慕伊人孤寢之

佚名 2608

「妹(いも)が袖(そで) 別(わか)れし日(ひ)より」,此以衣袖比喻離別對象本身。蓋為羈旅之時所詠。

2609 【承前,百二九三。】

 白細之 袖者間結奴 我妹子我 家當乎 不止振四二

 白栲(しろたへ)の 袖(そで)は紕(まゆ)ひぬ 我妹子(わぎもこ)が 家當(いへのあた)りを 止(や)まず振(ふ)りしに

 白妙敷栲兮 衣袖欲紕殆襤褸 何以如此者 今向吾妹伊人家 惜別揮振不止故

佚名 2609

「袖(そで)は紕(まゆ)ひぬ」,「紕(まゆ)ひ」乃織物襤褸之狀。

「家當(いへのあた)りを」,對著其家之方向。

「止(や)まず振(ふ)りしに」,揮袖不止道別乃愛情之表現。


2610 【承前,百二九四。】

 夜干玉之 吾鉐乎 引奴良思 亂而反 戀度鴨

 烏玉(ぬばたま)の 我(わ)が鉐(くろかみ)を 引(ひ)きぬらし 亂(みだ)れて猶(なほ)も 戀渡(こひわた)るかも

 漆遽╋妄臓‐身濡烏鉐矣 手引而解之 縱然心迷情意亂 依舊戀慕度終日

佚名 2610

「引(ひ)きぬらし」,將以蔓草等所結之髮解開。古俗以為,戀人將至,則衣紐、結髮自解。故有刻意解開髮、紐,以其速速相逢之俗信。

「亂(みだ)れて」,以亂髮比喻心思紊亂之句法。

2611 【承前,百二九五。】

 今更 君之手枕 卷宿米也 吾紐緒乃 解都追本名

 今更(いまさら)に 君(きみ)が手枕(たまくら) 卷寢(まきぬ)めや 我(あ)が紐緒(ひものを)の 解(と)けつつ元無(もとな)

 事至如此者 無緣再以君雄腕 以為手枕矣 縱令吾祈於冥貺 解此紐緒亦無益

佚名 2611

「卷寢(まきぬ)めや」,「卷(ま)き」乃以之為枕。意指戀人不再來訪。

「我(あ)が紐緒(ひものを)の 解(と)けつつ元無(もとな)」,此云紐緒自解則得相逢之俗信不可恃。


2612 【承前,百二九六。】

 白細布乃 袖觸而夜 吾背子爾 吾戀落波 止時裳無

 白栲(しろたへ)の 袖(そで)に觸(ふ)れて由(よ) 我(わ)が背子(せこ)に 我(あ)が戀(こ)ふらくは 止(や)む時(とき)も無(な)し

 白妙敷栲兮 自於須臾觸袖起 嗚呼吾兄子 妾身戀慕度終日 未有片刻稍息時

佚名 2612

「袖(そで)に觸(ふ)れて由(よ)」,「由(よ)」乃「より」,原文「夜」乃借訓。


2613 【承前,百二九七。】

 夕卜爾毛 占爾毛告有 今夜谷 不來君乎 何時將待

 夕占(ゆふけ)にも 占(うら)にも告(の)れる 今夜(こよひ)だに 來坐(きま)さぬ君(きみ)を 何時(いつ)とか待(ま)たむ

 夕占亦占正 太占亦告待人來 然雖滿心盼 俟至今夜君不來 究竟當待至何時

佚名 2613

「夕占(ゆふけ)」,黃昏之際,至於雜踏八十衢,聽聞路人之聲以為占。古俗以為,熒惑將於逢魔時化作童子形象,於街道透漏天機。

「占(うら)にも告(の)れる」,其餘之卜占亦告吉兆。除夕占之外,亦有足占、石占之疇,而此蓋指焚燒豬鹿肩胛骨所為之太占。此云神靈告諸戀人將來。

「今夜(こよひ)だに...何時(いつ)とか待(ま)たむ」,連今夜都不見蹤跡,究竟該待至何時?


2614 【承前,百二九八。】

 眉根搔 下言借見 思有爾 去家人乎 相見鶴鴨

 眉根搔(まよねか)き 下訝(したいふか)しみ 思(おも)へるに 故人(いにしへひと)を 相見(あひみ)つるかも

 搔眉抑恠癢 方寸詫異是何徵 逡巡如此時 竟與久別隔異地 往昔故人相逢矣

佚名 2614

 或本歌曰:「眉根搔,誰乎香將見跡,思乍,氣長戀之,妹爾相鴨。」

 一書歌曰:「眉根搔,下伊布可之美,念有之,妹之容儀乎,今日見都流香裳。」

 或本歌曰(あるぶみのうたにいふ):「眉根搔(まよねか)き、誰(たれ)をか見(み)むと、思(おも)ひつつ、日長(けなが)く戀(こ)ひし、妹(いも)に逢(あ)へるかも。」

 一書歌曰(またのふみにいふ):「眉根搔(まよねか)き、下訝(したいふか)しみ、思(おも)へりし、妹(いも)が姿(すがた)を、今日見(けふみ)つるかも。」 或本歌曰:「搔眉抑恠癢,心詫將與誰相見,逡巡如此時,與我戀慕時日久,親親吾妹得逢矣。」

 一書歌曰:「搔眉抑恠癢,方寸詫異是何徵,逡巡如此時,親親吾妹光儀者,今得拜眉收眼簾。」

「眉根搔(まよねか)き」,古俗以為,眉根發癢,乃戀人將來會之兆。

「下訝(したいふか)しみ」,「下(した)」指內心深處。訝表不審、怪異。

「日長(けなが)く戀(こ)ひし」,戀之主語乃作者。

主歌不明男曲或女曲。而或本歌、一書歌。皆為男性視角。

2615 【承前,百二九九。】

 敷栲乃 枕卷而 妹與吾 寐夜者無而 年曾經來

 敷栲(しきたへ)の 枕(まくら)を卷(ま)きて 妹(いも)と我(あれ)と 寢(ぬ)る夜(よ)は無(な)くて 年(とし)そ經(へ)にける

 白妙敷栲兮 相枕同衾我所願 然妹與吾倆 孤寢不得纏綿者 不覺月異已經年

佚名 2615

「枕(まくら)を卷(ま)きて」,同衾。


2616 【承前,百二一百。】

 奧山之 真木乃板戶乎 音速見 妹之當乃 霜上爾宿奴

 奧山(おくやま)の 真木板戶(まきのいたと)を 音速(おとはや)み 妹(いも)が當(あた)りの 霜上(しものうへ)に寢(ね)ぬ

 深邃奧山之 真木板戶易作響 伊人籠深窗 吾雖來茲恐驚人 獨寢妹許傍霜上

佚名 2616

「音速(おとはや)み」,「速み」表激烈。懼怕叩門、開門之聲音驚動沉眠之人,而令情事曝露。

「霜上(しものうへ)に寢(ね)ぬ」,雖然來到戀人的香閨之旁,卻於寒夜獨自寢於屋外。相對於表男女共寢之「寢ぬ」,「寢ぬ」為獨寢之用。


2617 【承前,百二百一。】

 足日木能 山櫻戶乎 開置而 吾待君乎 誰留流

 足引(あしひき)の 山櫻戶(やまさくらと)を 開置(あけお)きて 我(わ)が待君(まつきみ)を 誰(たれ)か留(とど)むる

 足曳勢險峻 山櫻板戶徒開置 朝思復暮想 吾雖待君君不至 是為誰人所繫留

佚名 2617

「山櫻戶(やまさくらと)」,以山櫻為材料之板戶。

「開置(あけお)きて」,寫本多訓「あけおきて」,然亦有「ひらきおきて」之可能。

2618 【承前,百二百二。】

 月夜好三 妹二相跡 直道柄 吾者雖來 夜其深去來

 月夜良(つくよよ)み 妹(いも)に逢(あ)はむと 直道(ただち)から 我(われ)は來(き)つれど 夜(よ)そ更(ふ)けにける

 今夜月明晰 一心速欲與妹逢 吾雖尋近道 一路截彎取直來 豈知至此夜已深

佚名 2618

「直道(ただち)から」,最短距離。月光昏暗之時,多採迂迴緩道而行。此已月光明亮,採路險之近道。

「來(き)つれ」,終了型。歷經辛苦跋涉而來。

2619 寄物陳思 【百八十九之第一。】

 朝影爾 吾身者成 辛衣 襴之不相而 久成者

 朝影(あさかげ)に 我(あ)が身(み)は成(なり)ぬ 韓衣(からころも) 裾(すそ)の合(あ)はずて 久(ひさ)しく成(な)れば

 稀薄淡闇兮 晨曦朝影吾身成 

舶來韓衣兮 裾襴不合之所如 我等不逢既久矣

佚名 2619

「朝影(あさかげ)に 我(あ)が身(み)は成(なり)ぬ」,朝影乃晨曦時受薄明之光照耀所產生的淡影。影於茲表不確定、渺茫之物。

「韓衣(からころも)」,自中韓舶來之異國衣物。相較古來布衣之服,疊合之衽部較窄。以為次句「裾(すそ)」之序文。

2620 【承前,百八十九之第二。】

 解衣之 思亂而 雖戀 何如汝之故跡 問人毛無

 解衣(とききぬ)の 思亂(おもひみだ)れて 戀(こ)ふれども 何(な)ぞ汝(な)が故(ゆゑ)と 問人(とふひと)も無(な)き

 解衣敝裳兮 心神忐忑情意亂 吾雖戀如此 落魄蓋是汝故者 何以無人問矣哉

佚名 2620

「解衣(とききぬ)」,「亂(みだ)れ」之枕詞。縫絲若脫,則衣裳四散而亂。

「何(な)ぞ汝(な)が故(ゆゑ)と 問人(とふひと)も無(な)き」,吾人因戀情失魂落魄至此,居然無人探問是否因為汝故。

2969之異傳歌。然內容有所不同。

2621 【承前,百八十九之第三。】

 摺衣 著有跡夢見津 寤者 孰人之 言可將繁

 摺衣(すりころも) 著(け)りと夢(いめ)に見(み)つ 現(うつつ)には 何人(いづれのひと)の 言(こと)か繁(しげ)けむ

 摺染色繽紛 夜夢雖見著艷衣 然在晝現間 孰人與吾傳蜚語 遭人流言可繁哉

佚名 2621

「摺衣(すりころも) 著(け)りと夢(いめ)に見(み)つ」,夢見身穿色彩繽紛之摺染衣物。摺染為男女情事之比喻。

「現(うつつ)には」,原文「寤」字,或本書「寐」,此依仙覺本貼紙別筆,以及『類聚古集』本。

「何人(いづれのひと)の 言(こと)か繁(しげ)けむ」,現實中會傳出與誰之緋聞呢?

2622 【承前,百八十九之第四。】

 志賀乃白水郎之 鹽燒衣 雖穢 戀云物者 忘金津毛

 志賀海人(しかのあま)の 鹽燒衣(しほやきころも) 褻(なれ)ぬれど 戀(こひ)と云(い)ふ物(もの)は 忘兼(わすれか)ねつも

 志賀白水郎 海人燒鹽衣所如 此情雖褻馴 然而所謂戀慕者 其情難忘久留存

佚名 2622

「海人(あま)」,以採取魚貝類、燒製海鹽維生業者。

「鹽燒衣(しほやきころも)」,製鹽時所著之作業服。按0413、2971可知為藤布所織之粗服。以上二句,乃衣服染垢、破檅。由茲可知,「褻」、「馴」等實屬同源。


2623 【承前,百八十九之第五。】

 吳藍之 八鹽乃衣 朝旦 穢者雖為 益希將見裳

 紅(くれなゐ)の 八入衣(やしほのころも) 朝(あさ)な朝(あさ)な 馴(な)れはすれども 彌珍(いやめづ)らしも

 吳藍鮮紅之 八入沁染艷衣裳 朝朝旦旦而 雖然褻馴更親昵 然益珍奇令人憐

佚名 2623

「紅(くれなゐ)の」,原文「吳藍」來自紅字之語源「くれのあゐ」。

「八入衣(やしほのころも)」,「入(しほ)」乃為令顏色更為深濃,而浸入染缸之回數。

「彌珍(いやめづ)らしも」,「珍(めづ)らし」乃愛慕之意。雖然久熟昵,但並不因而飽厭,仍舊日日感到愛慕。

2624 【承前,百八十九之第六。】

 紅之 深染衣 色深 染西鹿齒蚊 遺不得鶴

 紅(くれなゐ)の 深染衣(ふかそめのきぬ) 色深(いろふか)く 染(し)みに然(しか)ばか 忘兼(わすれか)ねつる

 蓋猶鮮紅之 深染衣裳之所如 其色濃郁而 入木三分沁方寸 刻骨銘心難忘懷

佚名 2624

「深染衣(ふかそめのきぬ)」,相對於「薄染衣」。此乃「色深く 染み」之序。

「色深(いろふか)く」,此云就如染料深深沁入衣物,女方亦深深闖入作者之內心。

「染(し)みに然(しか)ばか」,疑問條件句。

2625 【承前,百八十九之第七。】

 不相爾 夕卜乎問常 幣爾置爾 吾衣手者 又曾可續

 逢(あ)は無(な)くに 夕占(ゆふけ)を問(と)ふと 幣(ぬさ)に置(お)くに 我(わ)が衣手(ころもで)は 亦(また)そ繼(つ)ぐべき

 雖慕不得逢 立八十衢問夕占 斷置我衣袖 千切作幣祈驗者 是需可續無際限

佚名 2625

「夕占(ゆふけ)を問(と)ふと」,藉由夕占向神探問是否能與戀人相逢。

「幣(ぬさ)に置(お)くに」,以裁下衣袖以為獻神之祭品。'

「我(わ)が衣手(ころもで)は 亦(また)そ繼(つ)ぐべき」,此云仍需一再縫紉接續。

古今和歌集』墨滅歌有類歌。「逢は無くに 夕占を問へば 幣に散る 我が衣手は 繼げも合へ無くに」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/kokin/kk20.htm#1133


2626 【承前,百八十九之第八。】

 古衣 打棄人者 秋風之 立來時爾 物念物其

 古衣(ふるころも) 打棄(うつ)つる人(ひと)は 秋風(あきかぜ)の 立來(たちく)る時(とき)に 物思(ものおも)ふ物(もの)そ

 喜新厭舊而 打棄古衣無情郎 當逢秋風起 天氣等冽霜寒時 蓋當愧悔念舊哉

佚名 2626

「古衣(ふるころも) 打棄(うつ)つる人(ひと)は」,比喻捨棄妻子另尋新歡之薄情人。

「秋風(あきかぜ)の 立來(たちく)る時(とき)に」,此云當秋天天寒之際,將想念捨棄的舊衣。

2627 【承前,百八十九之第九。】

 波禰縵 今為妹之 浦若見 咲見慍見 著四紐解

 葉根蘰(はねかづら) 今(いま)する妹(いも)が 衷若(うらわか)み 笑(ゑ)みみ怒(いか)りみ 付(つ)けし紐解(ひもと)く

 今以葉根蘰 結織為冠飾首之 吾妹年稚故 慮汝一顰復一笑 令解付紐甚勞心

佚名 2627

「葉根蘰(はねかづら)」,未詳。年輕女性之髮飾。

「今(いま)する妹(いも)が 衷若(うらわか)み」,此云女性年輕,性格不穩重。

「笑(ゑ)みみ怒(いか)りみ 付(つ)けし紐解(ひもと)く」,男方為了讓女方解下一紐,為其一喜一憂而苦心。


2628 【承前,百八十九之第十。】

 去家之 倭文旗帶乎 結垂 孰云人毛 君者不益

 古(いにしへ)の 倭文機帶(しつはたおび)を 結垂(むすびた)れ 誰(たれ)と云人(いふひと)も 君(きみ)には勝(ま)さじ

 堅毅古風兮 倭文機織御帶矣 結而垂飾者 縱令誰人與相較 不能勝君此風範

佚名 2628

 一書歌曰:「古之,狹織之帶乎,結垂,誰之能人毛,君爾波不益。」

 一書歌曰(またぶみのうたにいふ):「古(いにしへ)の、狹織帶(さおりのおび)を、結垂(むすびた)れ、誰(たれ)しの人(ひと)も、君(きみ)には勝(ま)さじ。」

 一書歌曰:「堅毅古風兮,倭文狹織御帶矣,結而垂飾者,誰人縱欲與相較,不能勝君此風範。」

「古(いにしへ)の」,古式、樸實的。

「倭文機帶(しつはたおび)」,日本傳統的簡單花樣。或以之所織之布料。「機(はた)」以織機轉作織物之用。

「結垂(むすびた)れ」,以「垂(た)れ」同音引出下文「誰(たれ)」之序文。『日本書紀武烈天皇前紀有「大君の 御帶の倭文織 結垂れ 誰やし人も 相思は無くに」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/kikirouei/krr02.htm#s0093

「狹織帶(さおりのおび)」,狹幅之織帶。或云正倉院寶物平組織(幅約六公分)與之相近。

「誰(たれ)しの人(ひと)も」,「し」乃複合強調助詞。

2629 【承前,百八十九之十一。】

 不相友 吾波不怨 此枕 吾等念而 枕手左宿座

 逢(あ)はずとも 我(われ)は恨(うら)みじ 此枕(このまくら) 我(われ)と思(おも)ひて 枕(ま)きて小寢(さね)ませ

 縱令不得逢 吾不怨尤無恨恚 還願以此枕 想作吾人伴身邊 枕之小寢入夢田

佚名 2629

「枕(ま)きて小寢(さね)ませ」,「枕(ま)く」乃以之為枕。通常男對女不用「ませ」,故作者蓋為女性。

『遊仙窟』,張文成取「相思枕」留與十娘,詠曰:「南國傳椰子,東家賦石榴。聊將代左腕,長夜枕渠頭。」https://zh.wikisource.org/wiki/%E9%81%8A%E4%BB%99%E7%AA%9F

2630 【承前,百八十九之十二。】

 結紐 解日遠 敷細 吾木枕 蘿生來

 結(ゆ)ひし紐(ひも) 解(と)かむ日遠(ひとほ)み 敷栲(しきたへ)の 我(わ)が木枕(こまくら)は 苔生(こけむ)しにけり

 汝之所手結 此紐將解日仍遠 白妙敷栲兮 吾守空閨無人問 木枕生苔映孤寂

佚名 2630

「結(ゆ)ひし紐(ひも)」,男子離別之際所手結之衣紐。古俗離別之際,互結衣紐,相逢之時再解。方得早日再會。

「解(と)かむ日遠(ひとほ)み」,離戀人再來相會,解其衣紐之日,想來甚遠。


2631 【承前,百八十九之十三。】

 夜干玉之 鉐色天 長夜叫 手枕之上爾 妹待覽蚊

 烏玉(ぬばたま)の 鉐敷(くろかみし)きて 長夜(ながきよ)を 手枕上(たまくらのうへ)に 妹待(いもま)つらむか

 漆遽╋妄臓’┗鉐敷空閨 漫漫長夜間 曲肱為枕不得眠 伊人相待孤寢哉

佚名 2631

「鉐敷(くろかみし)きて」,男方不訪之夜,女性獨寢之狀。

「長夜(ながきよ)を」,孤寢難眠,漫漫夜長。

「手枕上(たまくらのうへ)に」,女方以自己的手腕為枕,等待入睡。


2632 【承前,百八十九之十四。】

 真素鏡 直二四妹乎 不相見者 我戀不止 年者雖經

 真十鏡(まそかがみ) 直(ただ)にし妹(いも)を 相見(あひみ)ずは 我(あ)が戀止(こひや)まじ 年(とし)は經(へ)ぬとも

 無曇真十鏡 吾念我妹殆失神 若不得相見 戀慕之情抑無由 縱然月易復經年

佚名 2632

「真十鏡(まそかがみ)」,「見」之枕詞。

「直(ただ)にし妹(いも)を」,「直(ただ)に」表直接、面對面。


2633 【承前,百八十九之十五。】

 真十鏡 手取持手 朝旦 將見時禁屋 戀之將繁

 真十鏡(まそかがみ) 手(て)に取持(とりも)ちて 朝(あさ)な朝(あさ)な 見(み)む時(とき)さへや 戀繁(こひのしげ)けむ

 無曇真十鏡 總以此手取持而 朝朝復暮暮 時時窺見慰慕情 何奈相思愁不斷

佚名 2633

「真十鏡(まそかがみ)」,「手(て)に取持(とりも)ち」之枕詞。

「見(み)む時(とき)さへや」,連見到戀人信物之鏡時,亦難抑相思之情。


2634 【承前,百八十九之十六。】

 里遠 戀和備爾家里 真十鏡 面影不去 夢所見社

 里遠(さとどほ)み 戀詫(こひわび)にけり 真十鏡(まそかがみ) 面影去(おもかげさ)らず 夢(いめ)に見(み)えこそ

 以居里甚遠 異地兩隔詫相思 無曇真十鏡 面影懸心ㄇ久不去 只願相逢在夢田

柿本人麻呂 2634

 右一首,上見柿本朝臣人麻呂之歌中也。但以句句相換,故載於茲。

「戀詫(こひわび)にけり」,「詫(わ)び」乃失望脫力之狀。

「真十鏡(まそかがみ)」,「面影(おもかげ)」之枕詞。

類歌2501。


2635 【承前,百八十九之十七。】

 剱刀 身爾佩副流 大夫也 戀云物乎 忍金手武

 劍大刀(つるぎたち) 身(み)に佩添(はきそ)ふる 大夫(ますらを)や 戀(こひ)と云物(いふもの)を 忍兼(しのびか)ねてむ

 雖然劍大刀 佩添身上振武威 巍峨大丈夫 無奈鐵漢有一疏 情關難過不得堪

佚名 2635

「大夫(ますらを)や」,自嘲用法。や表詠嘆疑問。

類歌2987。

2636 【承前,百八十九之十八。】

 剱刀 諸刃之於荷 去觸而 所煞鴨將死 戀管不有者

 劍大刀(つるぎたち) 諸刃上(もろはのうへ)に 行觸(ゆきふ)れて 死(し)にかもしなむ 戀(こ)ひつつ在(あ)らずは

 雖然劍大刀 諸刃之利能奪命 蹈火不顧惜 此身將死直須死 較於戀苦輕鴻毛

佚名 2636

「諸刃上(もろはのうへ)に 行觸(ゆきふ)れて」,「刃上(はのうへ)」指刀鋒。「行觸(ゆきふ)れて」,指自行前去求死。

「死(し)にかもしなむ」,原文「所煞鴨將死」,「所煞」表被殺。

「戀(こ)ひつつ在(あ)らずは」,比起這樣因戀情而痛苦,還不如一死為快。詩歌之常套用法。

類歌2498。


2637 【承前,百八十九之十九。】

 唕 鼻乎曾嚏鶴 劔刀 身副妹之 思來下

 打鼻(うちはな)ひ 鼻(はな)をそ嚏(ひ)つる 劍大刀(つるぎたち) 身(み)に添妹(そふいも)し 思蓋(おもひけら)しも

 打鼻嚏不止 耳鳴目瞤更占嚏 劍大刀所如 常伴身邊伊人矣 今蓋思吾以驗哉

佚名 2637

「打鼻(うちはな)ひ」,「打」為接頭語。「鼻ひ」為噴嚏。或本原文做「哂」為笑之意,此依『古葉類聚鈔』做「唕(𠲣,血上一字。)」,按『龍龕手鑑』「鼻噴也」。

「鼻(はな)をそ嚏(ひ)つる」,古俗以為為人所思念則會耳鳴、目瞤、鼻嚏。『詩經』終風:「寤言不寐,願言則嚏。」鄭玄說:「我其憂悼而不能寐,汝思我心如是,我則嚏也。今俗人嚏,云:『人道我。』此古之遺語也。」『蘭台萬卷』說:「占嚏、占耳鳴,與占目瞤(眼跳)是一類。」『嬾真子』:「然則嚏、耳鳴皆有吉凶,今則此術亡矣。」

「劍大刀(つるぎたち)」,「身(み)に添(そ)ふ」之枕詞。以大刀常副身邊,故比喻平常出雙入對,現在卻不在身邊之妻子。

2638 【承前,百八十九之二十。】

 梓弓 末之腹野爾 鷹田為 君之弓食之 將絕跡念甕屋

 梓弓(あづさゆみ) 末腹野(すゑのはらの)に 鳥狩(とがり)する 君(きみ)が弓弦(ゆづる)の 絕(た)えむと思(おも)へや

 梓弓振弦兮 弓梢末之腹野間 遊獵鷹狩兮 吾君弓弦之所如 此念豈有斷絕時

佚名 2638

「梓弓(あづさゆみ)」,末之枕詞。

「末腹野(すゑのはらの)」,或云地名,或云「梓弓末」乃「腹野」之序。「腹野」蓋與「原野」通。

「君(きみ)が弓弦(ゆづる)の」,以上四句,乃「不絕」之序。

「絕(た)えむ」,斷絕、絕交。

2639 【承前,百八十九之廿一。】

 葛木之 其津彥真弓 荒木爾毛 憑也君之 吾之名告兼

 葛城(かづらき)の 襲津彥真弓(そつびこまゆみ) 荒木(あらき)にも (たの)めや君(きみ)が 我(わ)が名告(なの)りけむ

 葛城襲津彥 武威真弓之所如 猶彼荒木強 吾念君命誠可恃 何汝輕薄告吾名

佚名 2639

「葛城(かづらき)の 襲津彥真弓(そつびこまゆみ)」,藉傳說之武將作為強弓之典型。

「荒木(あらき)」,堅固可恃之比喻。『日葡辭書』云:「製弓之材,竹未予加工者。」

「(たの)めや」,疑問條件。

將戀人之名告諸他人是禁忌。詰問犯此禁之男子,對自身的用情是否深邃。


2640 【承前,百八十九之廿二。】

 梓弓 引見弛見 不來者不來 來者來其乎奈何 不來者來者其乎

 梓弓(あづさゆみ) 引(ひ)きみ緩(ゆる)へみ 來(こ)ずは來(こ)ず 來(こ)ば來其(こそ)を奈何(なぞ) 來(こ)ずは來(こ)ば其(そ)を

 梓弓振弦兮 引張弛緩亂人心 不來則不來 將來者當言將來 奈何不來云將來

佚名 2640

「梓弓(あづさゆみ)」,「引(ひ)き」「緩(ゆる)へ」之枕詞。

「引(ひ)きみ緩(ゆる)へみ」,此云男方撩起作者的情緒,卻又放置不理,捉摸不定。

「其(そ)を奈何(なぞ)」,「其を」乃明明如此,卻...之意。

2641 【承前,百八十九之廿三。】

 時守之 打鳴鼓 數見者 辰爾波成 不相毛恠

 時守(ときもり)が 打鳴(うちな)す鼓(つづみ) 數(よ)みみれば 時(とき)には成(な)りぬ 逢(あ)は無(な)くも怪(あや)し

 陰陽守辰丁 擊鼓鳴聲響四度 屬其鼓聲數 時至人定亥刻矣 何不來逢怪也哉

佚名 2641

「時守(ときもり)」,陰陽寮之守辰丁。此云報人定時(亥刻)擊鼓四聲。

「時(とき)には成(な)りぬ」,以至約定之時間。

2642 【承前,百八十九之廿四。】

 燈之 陰爾蚊蛾欲布 虛蟬之 妹蛾咲狀思 面影爾所見

 燈火(ともしび)の 影(かげ)に耀(かがよ)ふ 空蟬(うつせみ)の 妹(いも)が笑(ゑ)まひし 面影(おもかげ)に見(み)ゆ

 燈火耀然而 光影搖曳照斑駁 浮生憂世間 伊人柳眉笑顏開 陽炎面影今可見

佚名 2642

「燈火(ともしび)の 影(かげ)」,火光。

「耀(かがよ)ふ」,光影搖曳閃爍之狀。

「空蟬(うつせみ)の」,活於世上之人。


2643 【承前,百八十九之廿五。】

 玉戈之 道行疲 伊奈武思侶 敷而毛君乎 將見因母鴨

 玉桙(たまほこ)の 道行疲(みちゆきつか)れ 稻席(いなむしろ) 頻(しき)ても君(きみ)を 見(み)む由欲得(よしもがも)

 玉桙華道兮 路行力疲欲稍歇 手執稻蓆而 敷之席地有所思 欲得與君頻逢由

佚名 2643

「稻席(いなむしろ)」,以稻草編織之坐蓆。以上藉「敷(しき)」帶出「頻(しきり)」之序。

「頻(しき)ても」,頻繁、一再地。

2644 【承前,百八十九之廿六。】

 小墾田之 板田乃橋之 壞者 從桁將去 莫戀吾妹

 小治田(をはりだ)の 板田橋(いただのはし)の 壞(こほ)れなば 桁(けた)より行(ゆ)かむ 莫戀(なこ)ひそ我妹(わぎも)

 若有朝一日 小墾田之板田橋 倒壞不通者 縱令渡桁亦將徃 莫愁相思吾妹矣

佚名 2644

「壞(こほ)れなば」,崩壞。

「桁(けた)」,架於柱上之水平梁柱。此云橋桁。就算橋坍了,亦會沿著橋桁渡河,前去相會,是以不用擔心。

2645 【承前,百八十九之廿七。】

 宮材引 泉之追馬喚犬二 立民乃 息時無 戀渡可聞

 宮材引(みやぎひ)く 泉杣(いづみのそま)に 立民(たつたみ)の 休(や)む時(とき)も無(な)く 戀渡(こひわた)るかも

 我猶曳宮材 木津泉川杣場間 徭役民所如 一時片刻無歇時 隨時戀君渡終日

佚名 2645

「宮材引(みやぎひ)く」,宮材乃建築宮殿所用之材木。「引く」表運出採伐之木材。

「泉杣(いづみのそま)」,「杣(そま)」乃植林之山,或指將經由泉川(木津川)運來之木材拉曳上岸之作業。

「立民(たつたみ)」,徭役之民。以上為無休時之序。

2646 【承前,百八十九之廿八。】

 住吉乃 津守網引之 浮笶緒乃 得干蚊將去 戀管不有者

 住吉(すみのえ)の 津守網引(つもりあびき)の 浮(う)けの緒(を)の 浮(う)かれか行(ゆ)かむ 戀(こ)ひつつあらずは

 墨江住吉之 津守網引以生業 浮緒之所如 浮浪漂泊無所謂 較於戀苦輕鴻毛

佚名 2646

「津守網引(つもりあびき)の」,「網引(あびき)」乃「「網引(あみびき)」」之略。拖曳地引網者。大膳職所屬雜供戶中,有雲漁民「網引五十戶」。

「浮(う)けの緒(を)の」,繫於漁網繩上之浮子。「の」字原文「笶」乃以「矢竹」名詞「の」借訓。

「浮(う)かれか行(ゆ)かむ」,漂泊無寄所。此云比起沉沉浮浮,漂泊無定,心苦於相思之情更令人難受。

2647 【承前,百八十九之廿九。】

 東細布 從空延越 遠見社 目言踈良米 絕跡間也

 埀(よこぐも)の 空(そら)ゆ引越(ひきこ)し 遠(とほ)みこそ 目言離(めことか)るらめ 絕(た)ゆと隔(へだ)てや

 東布埀税掘‥篭引越匿行跡 蓋以相隔遠 目離言離不相會 豈為絕情而隔哉

佚名 2647

「埀(よこぐも)の」,垳長長霏霺之狀。原文「東細布」乃東國產之高級布料。『伊京集』云:「しののめ,東布。」

「目言離(めことか)るらめ」,目離指不予相見,言離指不予相語。

「絕(た)ゆと隔(へだ)てや」,反語。表豈是為了斷絕關係而不相往來。

2648 【承前,百八十九之三十。】

 云云 物者不念 斐太人乃 打墨繩之 直一道二

 云云(かにかく)に 物(もの)は思(おも)はじ 飛驒人(ひだひと)の 打(う)つ墨繩(すみなは)の 唯一道(ただひとみち)に

 顧左右云云 吾莫三心復二意 神工飛驒匠 所打墨繩之所如 筆直灼然唯一道

佚名 2648

「飛驒人(ひだひと)の」,飛驒匠以木工著名。

「打(う)つ墨繩(すみなは)」,為了畫出直線之木工器具墨壺絲。正倉院寶物有墨斗現存。

『歌經標示』錄有前三句。

2649 【承前,百八十九之卅一。】

 足日木之 山田守翁 置蚊火之 下粉枯耳 余戀居久

 足引(あしひき)の 山田守(やまだも)る翁(をぢ) 置(お)く蚊火(かひ)の 下焦(したこが)れのみ 我(あ)が戀居(こひを)らむ

 足曳勢嶮兮 山田戍守翁所置 蚊火之所如 奧底暗燻人不知 吾為此戀焦焚矣

佚名 2649

「置(お)く蚊火(かひ)の」,蚊火乃燻蚊之火,以上為引出下句「下焦(したこが)れ」之序。

「下焦(したこが)れ」,在人所看不見之處焚燒。此云內心深處為戀情所懊惱。


2650 【承前,百八十九之卅二。】

 十寸板持 盖流板目乃 不合相者 如何為跡可 吾宿始兼

 蘇岐板持(そきいたも)ち 葺(ふ)ける板目(いため)の 逢(あ)はざらば 如何(いか)に為(せ)むとか 我(わ)が寢初(ねそ)めけむ

 蘇岐板所葺 屋根板目不相合 若不得逢者 其是如何為之哉 吾與彼人初寢矣

佚名 2650

「蘇岐板持(そきいたも)ち」,「蘇岐板」,為板葺而削薄之木片。在鋸工未發達前,多沿木材之柾目裂之。故接合時無可避免之有所縫隙。

「葺(ふ)ける板目(いため)の」,古代板葺之天然縫隙,或是因年久劣化所生之縫隙。

「逢(あ)はざらば」,與「板目不合」雙關,指戀人不得相逢。

已然與男方發生關係,內心對前途充滿不安之女性,終於結婚後之回想。

2651 【承前,百八十九之卅三。】

 難波人 葦火燎屋之 酢四手雖有 己妻許瓠‐鑢頰次吉

 難波人(なにはひと) 葦火焚(あしひた)く屋(や)の 煤(す)してあれど 己(おの)が妻(つま)こそ 常珍(つねめづ)らしき

 押照難波人 葦火燎屋之所如 雖為煤所沾 己妻雖然務糙糠 依舊常時令人憐

佚名 2651

「葦火焚(あしひた)く屋(や)の」,葦乃難波名產。火勢甚大,但效率不高。原文「燎」,『說文解字』云「放火也。」

「煤(す)してあれど 常珍(つねめづ)らしき」,家中因葦火而沾付煤漬。妻子因忙於家務,無暇打理,蓬頭垢面。即便如此,不曾嫌棄,而時時更感到可愛。


2652 【承前,百八十九之卅四。】

 妹之髮 上小竹葉野之 放駒 蕩去家良思 不合思者

 妹(いも)が髮(かみ) 上(あ)げ竹葉野(たかはの)の 放駒(はなれごま) 荒(あら)びに蓋(けら)し 逢(あ)は無(な)く思(おも)へば

 其蓋猶束結 吾妹秀髮竹葉野 無縛放駒矣 自於所念不得逢 我心蕩去情意亂

佚名 2652

「妹(いも)が髮(かみ) 上(あ)げ竹葉野(たかはの)の」,「上げ」以前為以「綰(た)く」同音帶出「竹(たか)」之序。「綰く」為束結秀髮之意。

「放駒(はなれごま)」,不受圍籬、繩索羈束,逸走之雄馬。

「荒(あら)びに蓋(けら)し」,「荒ぶ」乃性格荒逸之意。

「逢(あ)は無(な)く」,此云女方不願與作者相會。


2653 【承前,百八十九之卅五。】

 馬音之 跡杼登毛為者 松蔭爾 出曾見鶴 若君香跡

 馬音(うまのおと)の とどともすれば 松蔭(まつかげ)に 出(いで)てそ見(み)つる 概(けだ)し君(きみ)かと

 耳聞馬蹄聲 嗒嗒作響音更近 故自松蔭間 出而遠望盼伊人 一心以為君來矣

佚名 2653

「とどともすれば」,「とど」乃馬蹄聲之狀聲詞。

2654 【承前,百八十九之卅六。】

 君戀 寢不宿朝明 誰乘流 馬足音 吾聞為

 君(きみ)に戀(こ)ひ 寐(い)ねぬ朝明(あさけ)に 誰(た)が乘(の)れる 馬足音(うまのあのおと)そ 我(われ)に聞(き)かする

 戀君苦相思 輾轉難眠翌朝明 是誰之所乘 嗒嗒作響馬蹄聲 菲薄無情令吾聞

佚名 2654

「誰(た)が乘(の)れる 馬足音(うまのあのおと)そ」,等待男子一夜未眠之女,對日出之後來此之男子抱以諷刺口氣之責問。

與3461類想。


2655 【承前,百八十九之卅七。】

 紅之 襴引道乎 中置而 妾哉將通 公哉將來座【一云、須蘇衝河乎。又曰、待香將待。】

 紅(くれなゐ)の 裾引(すそび)く道(みち)を 中(なか)に置(お)きて 我(われ)や通(かよ)はむ 君(きみ)か來坐(きま)さむ【一云(またにいふ)、裾漬(すそつ)く川(かは)を。又曰(またにいはく)、待(ま)ちにか待(ま)たむ。】

 嫣紅艷赤之 拖曳裾襴行道矣 居中隔兩側 妾哉將通以相會 或君將來與逢哉【一云,漬濡裾襴川河矣。又曰,或當靜待俟君來。】佚名 2655

「紅(くれなゐ)の 裾引(すそび)く道(みち)を」,女性之作者拖曳著鮮赤衣裳而通過之道路

「君(きみ)か來坐(きま)さむ」,與前句相對,是我該前去相會,或是你當過來與逢。

「裾漬(すそつ)く川(かは)を」,「裾引く道を」之異傳。

「待(ま)ちにか待(ま)たむ」,「君か來坐さむ」之異傳。

2656 【承前,百八十九之卅八。】

 天飛也 輕乃社之 齋槻 幾世及將有 隱嬬其毛

 天飛(あまと)ぶや 輕社(かるのやしろ)の 齋槻(いはひつき) 幾代迄在(いくよまであ)らむ 隱妻(こもりづま)そも

 高飛翔天際 輕之御社鎮守森 稜威齋槻矣 歷經幾世常在此 避諱人目隱妻矣

佚名 2656

「天飛(あまと)ぶや」,地名輕之枕詞。『古事記』下歌謠有「天迴む 輕孃子」云云。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/kikirouei/krk02.htm#k0082

「齋槻(いはひつき)」,畫圍標結,不令人輕易觸碰之神木。槻乃櫸之古名。隔絕俗世,閉鎖深窗之女性比喻。

「隱妻(こもりづま)そも」,避開人目偷偷逢晤之妻子。

2657 【承前,百八十九之卅九。】

 神名火爾 紐呂寸立而 雖忌 人心者 間守不敢物

 神奈備(かむなび)に 神籬立(ひもろきた)てて 齋(いは)へども 人心(ひとのこころ)は 守堪(まもりあ)へぬ物(もの)

 縱於神奈備 靈山設立嚴神籬 齋戒祈禱者 人心易改無久常 海誓山盟不堪守

佚名 2657

神奈備(かむなび)に」,神所鎮坐之聖山。

「神籬立(ひもろきた)てて」,神事之際,作為聖域結界所植常兌之瑞垣。

「齋(いは)へども」,雖然齋戒誠心祈禱。

「守堪(まもりあ)へぬ物(もの)」,難以留住對方之心。


2658 【承前,百八十九之四十。】

 天雲之 八重雲隱 鳴神之 音耳爾八方 聞度南

 天雲(あまくも)の 八重雲隱(やへくもがく)り 鳴神(なるかみ)の 音(おと)のみにやも 聞渡(ききわた)りなむ

 洽猶天雲之 八重叢雲所隱匿 鳴神之所如 久俟不見君影來 唯聞其音不絕耳

佚名 2658

「鳴神(なるかみ)の」,以上以只聞雷聲不見其形,比喻男方只有傳聞不見蹤影。

「音(おと)のみにやも 聞渡(ききわた)りなむ」,詠嘆疑問。

2659 【承前,百八十九之卌一。】

 爭者 神毛惡為 縱咲八師 世副流君之 惡有莫君爾

 爭(あらそ)へば 神(かみ)も憎(にく)ます 良(よ)しゑやし 寄(よそ)ふる君(きみ)が 憎(にく)く有(あ)ら無(な)くに

 若強否定者 縱令神祇亦憎惡 亦無不可哉 人人寄言汝命者 吾非有所恚恨處

佚名 2659

「爭(あらそ)へば」,忤逆。兩人之關係,在外已有謠言風聞,卻強加否定不予承認。

「良(よ)しゑやし」,怎麼都好之捨缽心象。

「寄(よそ)ふる君(きみ)が」,「寄ふる」乃(第三者)來搭訕討好。

風俗歌』有「寄せば寄せ、寄せば寄せ、寄(よそ)ふる人の、憎からなくに」之類句。

2660 【承前,百八十九之卌二。】

 夜並而 君乎來座跡 千石破 神社乎 不祈日者無

 夜並(よなら)べて 君(きみ)を來坐(きま)せと 千早振(ちはやぶ)る 神社(かみのやしろ)を 禱(の)まぬ日(ひ)は無(な)し

 每夜每宵間 望君來坐與相會 千早振稜威 日日參拜嚴神社 誠心祈禱無絕時

佚名 2660

「夜並(よなら)べて」,夜夜不斷。

「君(きみ)を來坐(きま)せと」,與第五句「禱(の)まぬ日(ひ)は無(な)し」呼應。

類歌2662。


2661 【承前,百八十九之卌三。】

 靈治波布 神毛吾者 打棄乞 四惠也壽之 恡無

 靈影護(たまぢはふ) 神(かみ)も我(われ)をば 打棄(うつ)て乞(こ)そ しゑや命(いのち)の 惜(を)しけくも無(な)し

 奇靈影護兮 神祇可捨吾不顧 只願棄我去 其以失戀此身命 娑婆世間無所惜

佚名 2661

「靈影護(たまぢはふ)」,神之枕詞。「影護(ちはふ)」,『新撰字鏡』做影護,神靈加護之意。ち乃格位低於かみ、たま之神靈,或力量。

「打棄(うつ)て乞(こ)そ」,「乞そ」表希求。

「惜(を)しけくも無(な)し」,原文「恡」乃「悋」之異體字。『新撰字鏡』云「惜也。」

作者失戀,不顧一切而詠。

2662 【承前,百八十九之卌四。】

 吾妹兒 又毛相等 千羽八振 神社乎 不禱日者無

 我妹子(わぎもこ)に 亦(また)も逢(あ)はむと 千早振(ちはやぶ)る 神社(かみのやしろ)を 禱(の)まぬ日(ひ)は無(な)し

 一心無旁鶩 只願再與伊人逢 千早振稜威 日日參拜嚴神社 誠心祈禱無絕時

佚名 2662

「亦(また)も逢(あ)はむと」,「逢はむ」乃「逢はせはまへ」之心象。

類歌2660,相較於2660之女歌,此歌以男性視角詠之。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m11.htm#2660


2663 【承前,百八十九之卌五。】

 千葉破 神之伊垣毛 可越 今者吾名之 惜無

 千早振(ちはやぶ)る 神齋垣(かみのいかき)も 越(こ)えぬべし 今(いま)は我(わ)が名(な)の 惜(を)しけくも無(な)し

 千早振稜威 嚴神鎮守社齋垣 可越不忌顧 吾苦相思迫如此 今殆毀滅不惜名

佚名 2663

「神齋垣(かみのいかき)も 越(こ)えぬべし」,「齋垣」乃神社周圍之瑞垣。『和名抄』云「瑞垣,俗云ミヅカキ,一云いかき。」得知無以與戀人相逢,遂挺而犯禁,不顧一切。

1378之類想。『伊勢物語』71段齋宮女房之歌,與前三句同。

https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m07.htm#1378


2664 【承前,百八十九之卌六。】

 暮月夜 曉闇夜乃 朝影爾 吾身者成奴 汝乎念金丹

 夕月夜(ゆふづくよ) 曉闇(あかときやみ)の 朝影(あさかげ)に 我(あ)が身(み)は成(な)りぬ 汝(な)を思兼(おもひか)ねに

 夕暮月夜兮 天曉黯淡晨曦間 朝影之所如 吾身不覺化稀薄 所以唯因思汝故

佚名 2664

「夕月夜(ゆふづくよ) 曉闇(あかときやみ)の」,曉闇與夕闇相對,月齡十至十三之時,月落而晨曦未昇之際。黎明前之邂邸

「朝影(あさかげ)に 我(あ)が身(み)は成(な)りぬ」,此身如朝影般稀薄不清。

「汝(な)を思兼(おもひか)ねに」,「かねて」與「かてに」之混淆型。


2665 【承前,百八十九之卌七。】

 月之有者 明覽別裳 不知而 寐吾來乎 人見兼鴨

 月(つき)し有(あ)れば 明(あ)くらむ別(わき)も 知(し)らずして 寢(ね)て我(わ)が來(こ)しを 人見(ひとみ)けむ哉(かも)

 明月之有者 照臨大地能辨路 然吾不知之 寢過終夜歸翌日 蓋遭旁人眼見哉

佚名 2663

「明(あ)くらむ別(わき)も 知(し)らずして」,「別(わき)」乃「區別」。十五日以後為有明月,夜明而可辨道。

「寢(ね)て我(わ)が來(こ)しを」,在戀人家中睡過頭,直至早朝尚為歸去。

男子擔心因自身之疏忽,而讓倆人之關係為他人所知之曲。

2666 【承前,百八十九之卌八。】

 妹目之 見卷欲家口 夕闇之 木葉隱有 月待如

 妹(いも)が目(め)の 見(み)まく欲(ほ)しけく 夕闇(ゆふやみ)の 木葉隱(このはごも)れる 月待(つきま)つ如(ごと)し

 相思情難耐 一心欲拜柳眉者 洽猶夕闇間 太陰匿隱木葉後 久待其月之所如

佚名 2666

「妹(いも)が目(め)の 見(み)まく欲(ほ)しけく」,希望能見到戀人一面。

「夕闇(ゆふやみ)の」,月齡十五以降,夕陽西下之後,皎月升起之間之昏暗時分。

「木葉隱(このはごも)れる 月待(つきま)つ如(ごと)し」,皎月為木葉遮蔽,遲遲不出。

2667 【承前,百八十九之卌九。】

 真袖持 床打拂 君待跡 居之間爾 月傾

 真袖持(まそでも)ち 床打拂(とこうちはら)ひ 君待(きみま)つと 居(を)りし間(あひだ)に 月傾(つきかたぶ)きぬ

 以兩袖衣手 打拂寢床去塵埃 苦守此空閨 引領待君來之間 不覺月傾天將銘

佚名 2667

「真袖持(まそでも)ち」,「真(ま)」於此乃表兩方之接頭語。

「床打拂(とこうちはら)ひ」,拍打寢床除去塵埃。孤獨等待男性來訪之表現。

2668 【承前,百八十九之五十。】

 二上爾 隱經月之 雖惜 妹之田本乎 加流類比來

 二上(ふたかみ)に 隱(かく)らふ月(つき)の 惜(を)しけども 妹(いも)が手本(たもと)を 離(か)るる此頃(このころ)

 其猶二上山 頂上將隱皎月者 雖然惜惆悵 纏綿終夜無限好 離妹手枕此此頃

佚名 2668

「二上(ふたかみ)に 隱(かく)らふ月(つき)の」,以沉入二上山之皎月,為引出「惜」字之序。作者在大和側,觀望月沉而詠歌。

「妹(いも)が手本(たもと)を」,以戀人之手為枕。

2669 【承前,百八十九之五一。】

 吾背子之 振放見乍 將嘆 清月夜爾 雲莫田名引

 我(わ)が背子(せこ)が 振放見(ふりさけみ)つつ 嘆(なげ)くらむ 清月夜(きよきつくよ)に 雲莫棚引(くもなたなび)き

 相隔遠異地 吾夫翹首仰望而 騁思相念哉 是以清清此月夜 還冀浮雲莫蔽之

佚名 2669

「嘆(なげ)くらむ」,蓋正在思念作者而嘆息。

類歌2460。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m11.htm#2460

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2018-09-06-木

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万葉集試訳

2568 【承前,百二五二。】

 凡 吾之念者 如是許 難御門乎 退出米也母

 凡(おほろ)かに 我(われ)し思(おも)はば 如是許(かくばか)り 堅御門(かたきみかど)を 罷出(まかりで)めやも

 若吾之所念 不過凡俗無異者 起將如此許 罷出嚴重堅御門 來茲與汝相逢哉

佚名 2568

「凡(おほろ)かに」,平凡、俗套。

「堅御門(かたきみかど)」,堅本意為監牢、牢靠,引申為戒備森嚴。

官人自宮中遁出,前來與女方相會之曲。


2569 【承前,百二五三。】

 將念 其人有哉 烏玉之 每夜君之 夢西所見【或本歌曰,夜晝不云,吾戀渡。】

 思(おも)ふらむ 其人(そのひと)なれや 烏玉(ぬばたま)の 夜每(よごと)に君(きみ)が 夢(いめ)にし見(み)ゆる【或本歌曰(あるふみのうたにいふ)、夜晝(よるひる)と言(い)はず、我(あ)が戀渡(こひわた)る。】

 人云將念者 蓋是其人是矣哉 漆遽╋妄臓每宵夜深人未靜 夜夜會汝在夢田【或本歌曰,不問夜晝幽顯時,吾人刻刻皆戀渡。】

佚名 2569

「思(おも)ふらむ 其人(そのひと)なれや」,「らむ」為傳聞用法。聽聞有男子自身有興趣。

「夜每(よごと)に君(きみ)が 夢(いめ)にし見(み)ゆる」,古俗以為,在夢中見到他人乃因他人思念自身所致。

2570 【承前,百二五四。】

 如是耳 戀者可死 足乳根之 母毛告都 不止通為

 如是(かく)のみし 戀(こ)ひば死(し)ぬべみ 垂乳根(たらちね)の 母(はは)にも告(つ)げつ 止(や)まず通(かよ)はせ

 若是戀如此 其情激越身將死 呵護垂乳根 吾以稟告悉母堂 還願不止常通來

佚名 2570

「母(はは)にも告(つ)げつ」,古時結婚女方母親同意為絕對必要條件。


2571 【承前,百二五五。】

 大夫波 友之驂爾 名草溢 心毛將有 我衣苦寸

 大夫(ますらを)は 友騷(とものさわ)きに 慰(なぐさ)もる 心(こころ)もあらむ 我(あれ)そ苦(くる)しき

 若為壯士者 與友驂擾喧囂而 可以慰鬱情 可惜妾身手弱女 不知何解相思苦

佚名 2571

大夫(ますらを)」,泛指男性

「友騷(とものさわ)きに」,與友人喧囂作樂。原文「驂」字與「躁」同。『玉篇』云「躁,猶動也。躁,擾也。」

「慰(なぐさ)もる」,緩解憂鬱之情。

「我(あれ)そ苦(くる)しき」,身為男性的戀人可以藉由與朋友飲宴作樂而忘卻相思之情,身為女性的作者卻苦無令自己解憂的手段


2572 【承前,百二五六。】

 偽毛 似付曾為 何時從鹿 不見人戀爾 人之死為

 偽(いつは)りも 似付(につ)きてそする 何時(いつ)よりか 見(み)ぬ人戀(ひとこ)ひに 人死(ひとのし)にする

 其情不由衷 仍佯作勢殆似真 從何時起哉 為賦新詞強說愁 竟云戀死未識人

佚名 2572

「偽(いつは)り」,騙人之虛言誑語。此云明明沒有感情,卻說的有似刻骨銘心。

「似付(につ)きてそする」,將謊話說的接近真實。

「見(み)ぬ人戀(ひとこ)ひに 人死(ひとのし)にする」,分明素未謀面,卻說自己相思殆死。

女方接獲萍水相逢之男性戀文,訴其思念情深,殆忽將死。諷刺其開玩笑也該有所分寸。


2573 【承前,百二五七。】

 情左倍 奉有君爾 何物乎鴨 不云言此跡 吾將竊食

 心(こころ)さへ 奉(まつ)れる君(きみ)に 何(なに)をかも 言(い)はず言(い)ひしと 我(わ)が竊(ぬすま)はむ

 非僅止此身 此心亦已奉吾君 何以不由衷 實雖未語訴語矣 吾隱赤心吐嘘言

佚名 2573

「心(こころ)さへ」,此云不只身體,連心靈亦...之意。

「言(い)はず言(い)ひしと」,未嘗說過的話,卻說已然說過。或云作者對心儀男子探問是否有心上人,卻言不由衷地說未有心上人

「我(わ)が竊(ぬすま)はむ」,「竊(ぬすま)はむ」表隱瞞。


2574 【承前,百二五八。】

 面忘 太爾毛得為也登 手握而 雖打不寒 戀云奴

 面忘(おもわす)れ だにも得(え)すやと 手握(たにぎ)りて 打(う)てども懲(こ)りず 戀(こひ)と云(い)ふ奴(やつこ)

 吾心若刀割 還願得忘其面容 雙手握拳而 雖然擊之不退卻 所謂戀慕之情矣

佚名 2574

「面忘(おもわす)れ だにも得(え)すやと」,希望至少能忘記心上人的臉孔,而能不受相思之痛。

「手握(たにぎ)りて 打(う)てども懲(こ)りず」,雙手握拳擊之,卻毫無效用。

「戀(こひ)と云(い)ふ奴(やつこ)」,將戀情擬人化表現。奴為卑稱詞。

2575 【承前,百二五九。】

 希將見 君乎見常衣 左手之 執弓方之 眉根搔禮

 珍(めづら)しき 君(きみ)を見(み)とこそ 左手(ひだりて)の 弓取(ゆみと)る方(かた)の 眉根搔(まよねか)きつれ

 聚少而離多 心欲與君相見者 還願得冥貺 左手蓄勢執弓處 寄情相思搔柳眉

佚名 2575

「君(きみ)を見(み)とこそ」,命令詞。主語與受詞皆為自身。原文「常」字乃「とこ」之借訓。

左手(ひだりて)の」,古代日本左尊右卑。

「眉根搔(まよねか)きつれ」,古俗以為,眉根發癢乃將與戀人相逢之兆侯。此先行搔之乃咒樹之用法

2576 【承前,百二六十。】

 人間守 蘆垣越爾 吾妹子乎 相見之柄二 事曾左太多寸

 人間守(ひとまも)り 葦垣越(あしかきご)しに 我妹子(わぎもこ)を 相見(あひみ)しからに 言(こと)そさだ多(おほ)き

 隱晦避人目 竊越蘆垣與相會 親親吾妹子 逢麌堽他人知 豈知流言蜚語傳

佚名 2576

人間守(ひとまも)り」,趁四下無人之時。

相見(あひみ)しからに」,「からに」表預想與事實大幅相反。本以為避開人目偷偷相會,不會為他人察知,豈知流言水漲船高

「言(こと)そさだ多(おほ)き」,「さだ」未詳。或云與「定(さだ)め」同源,實際上之意。


2577 【承前,百二六一。】

 今谷毛 目莫令乏 不相見而 將戀年月 久家真國

 今(いま)だにも 目莫乏(めなとも)しめそ 相見(あひみ)ずて 戀(こ)ひむ年月(としつき) 久(ひさ)しけまくに

 縱僅今片刻 只望盡情恣相會 不相見以來 心如刀割苦相思 孤枕難眠年月久

佚名 2577

「今(いま)だにも」,在伴隨禁止語句時,有至少現在之意。

「目莫乏(めなとも)しめそ」,盡情地相會,讓作者觀看戀人的面龐。

2578 【承前,百二六二。】

 朝宿髮 吾者不梳 愛 君之手枕 觸義之鬼尾

 朝寢髮(あさねがみ) 我(われ)は梳(けづ)らじ 愛(うるは)しき 君(きみ)が手枕(たまくら) 觸(ふ)れてし物(もの)を

 夙興寢髮亂 青絲千頭復萬緒 然妾不梳理 以君昨夜與纏眠 手枕所觸盪餘波

佚名 2578

「朝寢髮(あさねがみ)」,早起時亂髮。

「觸(ふ)れてし物(もの)を」,「物(もの)を」乃逆接用法。「觸(ふ)る」可接於「つ、ぬ」,「觸れぬ」乃偶然之接觸,而「觸れつ(て)」為積極之接觸。

2579 【承前,百二六三。】

 早去而 何時君乎 相見等 念之情 今曾水葱少熱

 早行(はやゆ)きて 何時(いつ)しか君(きみ)を 相見(あひみ)むと 思(おも)ひし心(こころ) 今(いま)そ凪(なぎ)ぬる

 難耐相思苦 夙興疾行不停蹄 何時能相會 如是所念吾心者 狂瀾不止今方歇

佚名 2579

「何時(いつ)しか」,何時才能...?期待及早見面之語。

「今(いま)そ凪(なぎ)ぬる」,澎湃之心情至今才稍微安穩下來。原文「水葱少熱」乃結合食用植物「水葱」與表溫熱之「ぬるし」之借訓。


2580 【承前,百二六四。】

 面形之 忘左在者 小豆鳴 男士物屋 戀乍將居

 面形(おもかた)の 忘際(わするさ)あらば 理無(あづきな)く 男(をとこ)じ物(もの)や 戀(こ)ひつつ居(を)らむ

 伊人光儀者 若有片刻能忘懷 豈將如此哉 吾身愧為大丈夫 竟然戀慕如此許

佚名 2580

「忘際(わするさ)あらば」,「際(さ)」乃表時點之古代接尾語。原文或書「忘戶」,「忘」蓋「左」之訛也。

「理無(あづきな)く」,「理無(あぢきな)く」之古形,亦見於2582、2899。對自他之行動、狀態表無可救藥,心緒煩悶之狀。

「男(をとこ)じ物(もの)」,一般「じ物(もの)」表形似時非者,而此則表「分明是...卻」之意。詠嘆疑問。

2581 【承前,百二六五。】

 言云者 三三二田八酢四 小九毛 心中二 我念羽奈九二

 言(こと)に言(い)へば 耳(みみ)に容易(たやす)し 少(すく)なくも 心中(こころのうち)に 我(わ)が思(おも)は無(な)くに

 此情若輒言 聽聞於耳猶毫毛 然而方寸間 千頭萬緒情意亂 此慕焦苦殆毀滅

佚名 2581

「言(こと)に言(い)へば 耳(みみ)に容易(たやす)し」,若說出來,聽在耳中沒什麼大不了。此云,心中情感澎湃殆死,一旦化作言語則甚顯凡庸

「少(すく)なくも 心中(こころのうち)に 我(わ)が思(おも)は無(な)くに」,「少(すく)なくも......無(な)くに」表「非止於些微」,「甚是」之意。亦見於2198。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m10.htm#2198



2582 【承前,百二六六。】

 小豆奈九 何狂言 今更 小童言為流 老人二四手

 理無(あづきな)く 何狂言(なにのたはこと) 今更(いまさら)に 童言(わらはごと)する 老人(おいひと)にして

 無地能自容 何陷譫妄狂言 馬齒誠徒長 情迷意亂亂方寸 口吐童言愧身老

佚名 2582

「何狂言(なにのたはこと)」,「狂言」指精神狀況異常時脫口而出之言語反省自身為相思之情所苦,精神不振而說出毫無脈絡之童語。

「童言(わらはごと)する 老人(おいひと)にして」,愧為大人,竟說出幼兒般支離破碎的話。


2583 【承前,百二六七。】

 相見而 幾久毛 不有爾 如年月 所思可聞

 相見(あひみ)ては 幾久(いくびさ)さにも 有(あ)ら無(な)くに 年月如(としつきのごと) 思(おも)ほゆる哉(かも)

 自於前相見 別離今日未久 何以度日難 一日亦如隔千秋 所念猶似經年月

佚名 2583

「幾久(いくびさ)さにも 有(あ)ら無(な)くに」,此云時日未久。『新譯華嚴經音義私記』云:「久如,いくひささありてか。」

2584 【承前,百二六八。】

 大夫登 念有吾乎 如是許 令戀波 苛者在來

 大夫(ますらを)と 思(おも)へる我(あれ)を 如是許(かくばか)り 戀為(こひせ)しむるは 苛(から)くはありけり

 吾人嘗自負 臨危不亂大丈夫 何以如此許 令吾焦戀失方寸 汝命心性甚酷矣

佚名 2584

大夫(ますらを)」,丈夫、壯士,此用以自嘲。

「戀為(こひせ)しむるは」,此經自身之戀情,表現為心上人使然。「苛」指殘酷,或本書原文「小可」者,蓋訛。

2585 【承前,百二六九。】

 如是為乍 吾待印 有鴨 世人皆乃 常不在國

 斯(か)くしつつ 我(わ)が待驗(まつしるし) 有(あ)らぬかも 世人皆(よのひとみな)の 常(つね)に有(あ)ら無(な)くに

 蓋當如是爾 吾之苦待無效驗 終究徒然哉 三界世間有生者 諸行無常豈不渝

佚名 2585

「斯(か)くしつつ」,長時下來持續如此。「つつ」表持續、重複。

「驗(しるし)」,努力之回報。

「有(あ)らぬかも」,ぬか表希求

「世人皆(よのひとみな)の 常(つね)に有(あ)ら無(な)くに」,此云世間一般之常理,就是諸行無常,人心易改。

等待戀人前來之女性閨怨之曲。

2586 【承前,百二七十。】

 人事 茂君 玉梓之 使不遣 忘跡思名

 人言(ひとごと)を 繁(しげ)みと君(きみ)に 玉梓(たまづさ)の 使(つかひ)も遣(や)らず 忘(わす)ると思(おも)ふ莫(な)

 以人慮貳法”塒流言甚痛故 玉梓華杖兮 暫緩遣使訪汝命 莫思我作薄情郎

佚名 2586

「玉梓(たまづさ)の」,使(つかひ)之枕詞

此云不派使人慰問,是畏懼他人慮穿慮譟絕非忘情於妳。

2587 【承前,百二七一。】

 大原 古鄉 妹置 吾稻金津 夢所見乍

 大原(おほはら)の 古(ふ)りにし里(さと)に 妹(いも)を置(お)きて 我寐兼(あれいねか)ねつ 夢(いめ)に見(み)えつつ

 飛鳥大原之 故京舊里置吾妹 令汝影單者 君亦不愍難入眠 每見逢鷓潴甘

佚名 2587

「古(ふ)りにし里(さと)」,飛鳥舊京。大原飛鳥東部飛鳥坐神社之東南。0103亦有「大原の古りにし里」云云。

「夢(いめ)に見(み)えつつ」,原文「夢所見乞」,「乞」蓋「乍」之訛。

與2560第二句同為「古(ふ)りにし里(さと)に」,或云其歌之返歌。

2588 【承前,百二七二。】

 夕去者 公來座跡 待夜之 名凝衣今 宿不勝為

 夕去(ゆふさ)れば 君來坐(きみきま)さむと 待(ま)ちし夜(よ)の 名殘(なごり)そ今(いま)も 寐難(いねかて)にする

 每逢夕暮者 引領期盼待君來 其為守空閨 所以蕩漾餘波矣 今亦輾轉甚難眠

佚名 2588

「夕去(ゆふさ)れば」,係於第三句「待(ま)ちし」。

「名殘(なごり)」,餘波盪漾。此云物事過去後,仍舊殘留其影響。

「寐難(いねかて)にする」,「難(かて)」表不可能

類歌2945。


2589 【承前,百二七三。】

 不相思 公者在良思 邏漫〔管垳 受旱宿跡

 相思(あひおも)はず 君(きみ)はあるらし 烏玉(ぬばたま)の 夢(いめ)にも見(み)えず 誓(うけ)ひて寢(ぬ)れど

 薄情吾君矣 想來汝命不相思 漆遽╋妄臓〔詭看郡嵒堝生 縱吾祈神誓而寢

佚名 2589

「烏玉(ぬばたま)の」,夜夢之枕詞

「誓(うけ)ひて寢(ぬ)れど」,「誓(うけ)ふ」乃向神祈求願望實現。原文「旱」以「日照」而訓「ひて」。

古俗以為,夢見某人,表示某人對己身之思念強烈。作者睡前百般祈求,卻無法語心上人相會,蓋為心上人絲毫不思念自身而致。

2590 【承前,百二七四。】

 石根踏 夜道不行 念跡 妹依者 忍金津毛

 岩根踏(いはねふ)む 夜道(よみち)は行(ゆ)かじと 思(おも)へれど 妹(いも)に依(よ)りては 忍兼(しのびか)ねつも

 其路甚艱險 吾雖不欲深夜間 踏破岩磐行 然若奉為拜柳眉 豈忍相思至天明

佚名 2590

岩根踏(いはねふ)む」,路途艱險之表現

「忍兼(しのびか)ねつも」,無法忍耐。往途路途艱險,捫心自問不想涉險夜路,然而相較於忍受相思之苦,依舊步上險路。

2591 【承前,百二七五。】

 人事 茂間守跡 不相在 終八子等 面忘南

 人言(ひとごと)の 繁間守(しげきまも)ると 逢(あ)はずあらば 遂(つひ)にや兒等(こら)が 面忘(おもわす)れなむ

 以其畏流言 窺伺蜚語歇絕時 不逢避人目 在於隱忍相隔間 伊人將忘吾貌哉

佚名 2591

「人言(ひとごと)の 繁間守(しげきまも)ると」,畏懼謠言,等待風聲平歇後再前往相會。

「遂(つひ)にや兒等(こら)が 面忘(おもわす)れなむ」,會不會過久未會,心上人已經變情,不識自身


2592 【承前,百二七六。】

 戀死 後何為 吾命 生日社 見幕欲為禮

 戀死(こひし)なむ 後(のち)は何為(なにせ)む 我(わ)が命(いのち) 生(い)ける日(ひ)にこそ 見(み)まく欲(ほ)りすれ

 若是戀死矣 其後何為無所益 嗚呼吾身命 有生之日欲會君 相見相逢在此生

佚名 2592

「戀死(こひし)なむ 後(のち)は何為(なにせ)む」,反語語句。死後毫無可為。蓋為第四卷 0560 大伴百代「戀死なむ 後は何為む 生ける日の 為こそ妹を 見まく欲りすれ」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m04.htm#560 之仿作。原文先覺本作「孤悲死牟 後者何為牟」而桂本等作「孤悲死牟 時者何為牟」。

2593 【承前,百二七七。】

 敷細 枕動而 宿不所寢 物念此夕 急明鴨

 敷栲(しきたへ)の 枕動(まくらうご)きて 寐(い)ねらえず 物思(ものおも)ふ今夜(こよひ) 早(はや)も明(あ)けぬかも

 白妙敷栲兮 輾轉枕動莫得寧 無以能宿寢 身陷物憂悲此夕 還願速去令天明

佚名 2593

「枕動(まくらうご)き」,人輾轉難眠,枕亦隨之不得安寧。

「寐(い)ねらえず」,連用修飾格。

「早(はや)も明(あ)けぬかも」,「ぬかも」乃希求語句

2594 【承前,百二七八。】

 不徃吾 來跡可夜 門不閇 可怜吾妹子 待箇在

 行(ゆ)かぬ我(あれ)を 來(こ)むとか夜(よる)も 門閉(かどさ)さず 憐我妹子(あはれわぎもこ) 待(ま)ちつつあるらむ

 吾人雖不往 念我將至長夜間 開門不閉戶 可憐紅顏我妹子 獨守空閨長相待

佚名 2594

「來(こ)むとか」,戀人心想男方將會來訪。

「憐我妹子(あはれわぎもこ)」,「憐(あは)れ」乃感動詞。於茲表哀憐之意。

2595 【承前,百二七九。】

 夢谷 何鴨不所見 雖所見 吾鴨迷 戀茂爾

 夢(いめ)にだに 何(なに)かも見(み)えぬ 見(み)ゆれども 我(あれ)かも迷(まと)ふ 戀繁(こひしげ)きに

 縱然在夢中 何以別離不能見 或雖得相會 茫茫之中不辨哉 以我戀狂情意

佚名 2595

「何(なに)かも見(み)えぬ」,「何(なに)」乃疑問副詞

「我(あれ)かも迷(まと)ふ」,「迷ふ」指精神錯亂。

「戀繁(こひしげ)きに」,「に」指原因。因為愛之過身,招致心神意亂,雖在夢中相見,卻難以辨別心上人

2596 【承前,百二七十。】

 名草漏 心莫二 如是耳 戀也度 月日殊【或本歌曰,奧津浪,敷而耳八方,戀度奈牟。】

 慰(なぐさ)もる 心(こころ)は無(な)しに 如是(かく)のみし 戀(こ)ひや渡(わた)らむ 月(つき)に日(ひ)に異(け)に【或本歌曰(あるぶみのうたにいふ)、沖波(おきつなみ)、頻(しき)てのみやも、戀渡(こひわた)りなむ。】

 雖欲解憂情 然此心者莫能慰 意亂如是耳 終日此心懸伊人 戀渡日新月復異【或本歌曰,滄溟奧津浪,頻頻無絕之所如,日復一日浸戀慕。】

佚名 2596

「戀(こ)ひや渡(わた)らむ」,詠嘆疑問。

「月(つき)に日(ひ)に異(け)に」,與日俱瓠

「沖波(おきつなみ)」,「頻(しき)」之枕詞

「頻(しき)てのみやも」,「頻」指如海浪般源源不絕。

2597 【承前,百二八一。】

 何為而 忘物 吾妹子丹 戀益跡 所忘莫苦二

 如何(いか)にして 忘(わす)るる物(もの)そ 我妹子(わぎもこ)に 戀(こひ)は(ま)されど 忘(わす)らえ無(な)くに

 吾應當何如 方可忘懷卸此情 親親吾妹子 慕情唯與日徒瓠〔ぞ┣腸鯀蟷弑

佚名 2597

「如何(いか)にして 忘(わす)るる物(もの)そ」,主詞為戀。以恆常事實述之,而非推量動詞

「戀(こひ)は(ま)されど 忘(わす)らえ無(な)くに」,戀心與日俱瓠ご袷缶桔)災福


2598 【承前,百二八二。】

 遠有跡 公衣戀流 玉桙乃 里人皆爾 吾戀八方

 遠(とほ)く在(あ)れど 君(きみ)にそ戀(こ)ふる 玉桙(たまほこ)の 里人皆(さとひとみな)に 我戀(あれこ)ひめやも

 雖然隔異地 妾身鍾情唯予君 玉桙華道兮 里人雖多非我欲 豈將移情別戀哉

佚名 2598

「遠(とほ)く在(あ)れど」,主詞為作者本身。

「玉桙(たまほこ)の」,大道枕詞,此則用以修飾鄉里。

與其他鄉里之男性遠隔戀愛之女性之曲。即便村里人多,鍾情只屬於一人。

2599 【承前,百二八三。】

 驗無 戀毛為鹿 暮去者 人之手枕而 將寐兒故

 驗無(しるしな)き 戀(こひ)をもするか 夕去(ゆふさ)れば 人手枕(ひとのてま)きて 寢(ぬ)らむ兒故(こゆゑ)に

 流水既無情 可當戀之徒然哉 每逢夕慕時 我所心懸伊人者 枕他人手而寢故

佚名 2599

「戀(こひ)をもするか」,「も」於此為「さえ」之意。表示驚訝於自己現在所體驗的戀情竟如此深切、激烈。

「夕去(ゆふさ)れば 人手枕(ひとのてま)きて 寢(ぬ)らむ兒故(こゆゑ)に」,「らむ」於此為表習慣事實之語。

上人妻之男子悲戀之曲。

2600 【承前,百二八四。】

 百世下 千代下生 有目八方 吾念妹乎 置嘆

 百代(ももよ)しも 千代(ちよ)しも生(い)きて 在(あ)らめやも 我(あ)が思妹(おもふいも)を 置(お)きて嘆(なげ)かむ

 人皆有命數 豈得長生千代 蹉跎渡光陰 無以與我所懸心 伊人相守徒悲歎

佚名 2600

「百代(ももよ)しも 千代(ちよ)しも生(い)きて」,代本指各人之一生,此則表年

「置(お)きて嘆(なげ)かむ」,「置(お)き」表放置不出手。

2601 【承前,百二八五。】

 現毛 夢毛吾者 不思寸 振有公爾 此間將會十羽

 現(うつつ)にも 夢(いめ)にも我(われ)は 思(おも)はずき 古(ふ)りたる君(きみ)に 此間(ここ)に逢(あ)はむとは

 無論於晝現 或於幽世夜夢間 始料所未及 與昔過從甚密之 君命意外逢此間

佚名 2601

「思(おも)はずき」,取消助動詞「ず」與回想助動詞「き」之直接接續用法

「古(ふ)りたる君(きみ)に」,昔日曾經相好的你。


2602 【承前,百二八六。】

 鉐 白髮左右跡 結大王 心一乎 今解目八方

 鉐(くろかみ)の 白髮迄(しらくるまで)と 結(むす)びてし 心一(こころひと)つを 今解(いまと)かめやも

 海誓山盟而 直至鉐化白頭 永世必不渝 如是所結此鍾情 方今豈輙解之哉

佚名 2602

「白髮迄(しらくるまで)と」,此情不渝,直至白頭。原文「白髮左右跡」或訓「しらかみまでと」,而此將「白髮」作動詞解故作「白くるまでと」。

「結(むす)びてし」,誓約此生不渝而結之髮與心。「てし」原文「大王」,乃王羲之,而轉以「手師=書法家」之借訊。

拒絕其他男子求愛,表示堅守愛情女子之曲。

2603 【承前,百二八七。】

 心乎之 君爾奉跡 念有者 縱比來者 戀乍乎將有

 心(こころ)をし 君(きみ)に奉(まつ)ると 思(おも)へれば 縱此頃(よしこのころ)は 戀(こ)ひつつをあらむ

 吾奉此赤誠 一心一意仕我君 既然有此念 縱比來者苦相思 戀慕不止度終日

佚名 2603

「縱(よし)」,容許、放任感動詞

「戀(こ)ひつつをあらむ」,「を」乃表命令意志之間投助詞

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万葉集試訳

2498 【承前,九三八四。】

 剱刀 諸刃利 足踏 死死 公依

 劍大刀(つるぎたち) 諸刃利(もろはのと)きに 足踏(あしふ)みて 死(し)なば死(し)なむよ 君(きみ)に依(よ)りては

 雖然劍大刀 諸刃之利能傷創 蹈足不顧身 此身若死直須死 若為吾君不足惜

柿本人麻呂 2498

「劍大刀(つるぎたち)」,「大刀(たち)」蓋為總稱而「劍(つるぎ)」乃細項分類。

「諸刃(もろは)」,或書「兩刃(もろは)」,案『東大寺獻物帳』中,鋒刃、兩刃之疇不在少數。

「足踏(あしふ)みて」,用力踏蹈而蹈至足部受傷。

類歌2636。


2499 【承前,九三八五。】

 我妹 戀度 劔刀 名惜 念不得

 我妹子(わぎもこ)に 戀(こ)ひし渡(わた)れば 劍大刀(つるぎたち) 名惜(なのを)しけくも 思兼(おもひか)ねつも

 魂牽夢縈而 朝思暮戀伊人者 韴威劍刀兮 不顧身名無所惜 此命殆毀以相思

柿本人麻呂 2499

「劍大刀(つるぎたち)」,名之枕詞。或云「刀(かたな)」與「名(な)」雙關,或云依刀匠署名作品而來。

「思兼(おもひか)ねつも」,無法作此想。


2500 【承前,九三八六。】

 朝月日 向黃楊櫛 雖舊 何然公 見不飽

 朝日(あさづくひ) 向(むか)ふ黃楊櫛(つげくし) 古(ふ)りぬれど 何(なに)しか君(きみ)が 見(み)れど飽(あ)かざらむ

 晨曦朝付日 彼向黃楊櫛所如 雖然為舊交 何然吾君令人憐 見之百遍不嘗厭

柿本人麻呂 2500

朝日(あさづくひ)」,與夕日相對,「向(むか)ふ」之枕詞。1294有「朝付日 向山に 月立てり見ゆ 遠妻を 待ちたる人は 見つつ偲はむ」

「向(むか)ふ黃楊櫛(つげくし)」,「向(むか)ふ」為對面。

「古(ふ)りぬれど」,以長年愛用的黃楊櫛比喻兩者相識之年月已久。


2501 【承前,九三八七。】

 里遠 眷浦經 真鏡 床重不去 夢所見與

 里遠(さとどほ)み 戀衷振(こひうらぶ)れぬ 真十鏡(まそかがみ) 床邊去(とこのへさ)らず 夢(いめ)に見(み)えこ

 以居里甚遠 異地兩隔愁相思 無曇真十鏡 莫離あ床邊寄邯鄲 只願相逢在夢田

柿本人麻呂 2501

「真十鏡(まそかがみ)」,床之枕詞,復為末句「見(み)えこそ」之緣語。以鏡者常置床邊而言。

「夢(いめ)に見(み)えこそ」,古俗以為,常念伊人,則可入其夢中。

類歌2634。

2502 【承前,九三八八。】

 真鏡 手取以 朝朝 雖見君 飽事無

 真十鏡(まそかがみ) 手(て)に取持(とりも)ちて 朝(あさ)な朝(あさ)な 見(み)れども君(きみ)は 飽(あ)く事(こと)も無(な)し

 無曇真十鏡 以手取持之所如 朝朝復暮暮 何然吾君令人憐 雖見百遍不嘗厭

柿本人麻呂 2502

「真十鏡(まそかがみ)」,「手(て)に取持(とりも)ちて」之枕詞。2633、3185有類例。

以上二首,寄情於鏡。

2503 【承前,九三八九。】

 夕去 床重不去 黃楊枕 何然汝 主待固

 夕去(ゆふさ)れば 床邊去(とこのへさ)らぬ 黃楊枕(つげまくら) 何(なに)しか汝(なれ)の 主待難(ぬしまちがた)き

 每逢夕暮時 堅守床邊不離去 嗚呼黃楊枕 何然汝命待主難 久俟無報總空虛

柿本人麻呂 2503

「夕去(ゆふさ)れば」,此為恆常確定、習慣事實條件。

「汝(なれ)の 主待難(ぬしまちがた)き」,對黃楊枕呼籲,何以其主(作者之戀人)遲遲不來。

寄情於枕。


2504 【承前,九三九十。】

 解衣 戀亂乍 浮沙 生吾 有度鴨

 解衣(とききぬ)の 戀亂(こひみだ)れつつ 浮砂(うきまなご) 生(い)きても我(あれ)は 在渡(ありわた)る哉(かも)

 解衣敝裳兮 戀心忐忑情意亂 逐流浮沙兮 我心無依莫安寧 豈得長生世間

柿本人麻呂 2504

「解衣(とききぬ)の」,「亂(みだ)れ」之枕詞。縫絲若脫,則衣裳四散而亂。

「浮砂(うきまなご)」,浮於水中之輕石碎片。「砂(まなご)」為細沙。以「浮(う)き」為「生(い)き」之枕詞

「在渡(ありわた)る哉(かも)」,底本原文「戀度鴨」,此依嘉曆傳本作「有度鴨」。

寄情於衣。

2505 【承前,九三九一。】

 梓弓 引不許 有者 此有戀 不相

 梓弓(あづさゆみ) 引(ひ)きて許(ゆる)さず 在(あ)らませば 斯(か)かる戀(こひ)には 遇(あ)はざらましを

 梓弓振弦兮 引其弩張莫令弛 若得如此者 起遭此戀亂心緒 意亂情迷如是哉

柿本人麻呂 2505

「梓弓(あづさゆみ) 引(ひ)きて許(ゆる)さず」,「許(ゆる)す」乃弛緩之意。比喻堅定心志不放下心防。

「斯(か)かる戀(こひ)には 遇(あ)はざらましを」,「戀(こひ)に遇(あ)ふ」為戀情之擬人表現。自嘲決心不再愛人,卻不覺落入戀情之語。

寄情於弓。


2506 【承前,九三九二。】

 事靈 八十衢 夕占問 占正謂 妹相依

 言靈(ことだま)の 八十衢(やそのちまた)に 夕占問(ゆふけと)ふ 占正(うらまさ)に告(の)る 妹相寄(いもあひよ)らむと

 黃昏大禍時 出居言靈八十衢 以問夕占者 占正灼然謂如是 將靡伊人與相依

柿本人麻呂 2506

「言靈(ことだま)」,言語中所訴之靈力。古俗以為,黃昏大禍時(大禍時其後訛作逢魔時。)之街口,乃熒惑等言靈繁盛之處。竊聞行人所述,可得神靈洩漏之天機。

「八十衢(やそのちまた)」,四通八達之街口。「衢(ちたま)」為「道股(ちたま)」之意。古代人行「辻占」之際,便於黃昏時訪此為之。

「占正(うらまさ)」,此云占事之結果符合自身期待。

「妹相寄(いもあひよ)らむと」,夕占所告知言語

2507 【承前,九三九三。】

 玉桙 路徃占 占相 妹逢 我謂

 玉桙(たまほこ)の 道行占(みちゆきうら)の 占正(うらまさ)に 妹(いも)は逢(あ)はむと 我(われ)に告(の)りつも

 玉桙華道兮 出居言靈八十衢 以問道行占 占正謂我誠如是 其云吾將與妹逢

柿本人麻呂 2507

「道行占(みちゆきうら)の」,在街道上聽聞路人無心之話語,以占吉凶。或云辻占。

「妹(いも)は逢(あ)はむ」,與「妹(いも)に逢(あ)はむ」為個別表現

以上二曲,寄情辻占。


2508 問答 【九首第一。】

 皇祖乃 神御門乎 懼見等 侍從時爾 相流公鴨

 天皇(すめろぎ)の 神御門(かみのみかど)を 恐(かしこ)みと 侍從時(さもらふとき)に 逢(あ)へる君(きみ)かも

 皇祖天皇之 宮中賢所御門處 誠惶復誠恐 戒慎恐懼侍從時 不意相逢我君矣

柿本人麻呂 2508

天皇(すめろぎ)の 神御門(かみのみかど)」,內裏。「天皇(すめろぎ)」指歷代天皇。此云自古以來傳統彌久之神子住居。

「侍從(さもら)ふ」,侍奉。作者視點蓋為女嬬等宮女之流。

勤務禁中之時,與官員密會之女官之曲。

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2509 【承前,九首第二。】

 真祖鏡 雖見言哉 玉限 石垣淵乃 隱而在孋

 真十鏡(まそかがみ) 見(み)とも言(い)はめや 玉限(たまかぎ)る 磐垣淵(いはがきふち)の 隱(こも)りたる妻(つま)

 無曇真十鏡 雖然相見豈言哉 玉限魂極兮 磐垣淵者之所如 藏嬌金屋莫令揚

柿本人麻呂 2509

 右二首。

「真十鏡(まそかがみ)」,「見(み)」之枕詞

「見(み)とも」,見乃相見,逢麈倹喻。

「玉限(たまかぎ)る」,「磐垣淵(いはがきふち)」之枕詞

「磐垣淵(いはがきふち)の」,周遭為岩石環繞之淵。

「隱(こも)りたる妻(つま)」,避開人目悄悄相逢之妻子。


2510 【承前,九首第三。】

 赤駒之 足我枳速者 雲居爾毛 隱徃序 袖卷吾妹

 赤駒(あかごま)が 足搔速(あがきはや)けば 雲居(くもゐ)にも 隱行(かくりゆ)かむぞ 袖卷我妹(そでまけわぎも)

 赤駒千里馬 足騷且速馳且疾 遙遙雲居處 隱往不見九霄外 汝當枕袖吾妹

柿本人麻呂 2510

「赤駒(あかごま)が」,赤駒乃栗毛之雄性乘用馬。駒用が為連體格助詞

「足搔速(あがきはや)けば」,「足搔き」乃馬奮勇地以前足蹴地之狀。「速(はや)け」為已然型。

「雲居(くもゐ)」,雲所繚繞之遠方。

「袖卷(そでま)け」,以袖為枕。勸戀人先睡之語。

前三句與柿本朝臣人麻呂從石見國別妻上來時歌相類 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m02.htm#0136

2511 【承前,九首第四。】

 隱口乃 豐泊麁纂圈常滑乃 恐道曾 戀由眼

 隱國(こもりく)の 豐泊麁(とよはつせぢ)は 常滑(とこなめ)の 恐道(かしこきみち)そ 戀(こ)ふらくは努(ゆめ)

 盆底隱國兮 豐饒長谷泊麁察‖暁常滑而 路途險難恐道也 莫以熱戀失心神

柿本人麻呂 2511

「隱國(こもりく)の」,泊麈枕詞。其位於奈良盆地深處,難以窺見之山谷之處而言。

「豐泊麁(とよはつせぢ)は」,豐為美稱。泊麁伺議眠奈良櫻井市初麈恵賄道路

常滑(とこなめ)」,川中或湧泉之旁,滑潤易令人摔跤之石。

「努(ゆめ)」,與「莫努(なゆめ)」相類,此云莫因戀情而放鬆注意力。

女方替歸去男子送行之曲。

2512 【承前,九首第五。】

 味酒之 三毛侶乃山爾 立月之 見我欲君我 馬之音曾為

 味酒(うまさけ)の 三諸山(みもろのやま)に 立月(たつつき)の 見(み)が欲(ほ)し君(きみ)が 馬音(うまのおと)そする

 美酒彌醇矣 御諸山間月遲出 難待之所如 朝思暮想盼君臨 遙遙馬音似可聞

柿本人麻呂 2512

 右三首。

「味酒(うまさけ)の」,三諸之枕詞。或云「神酒(みき)」古語為「三輪(みわ)」。

「三諸山(みもろのやま)」,此云三輪山

「立月(たつつき)の」,立指現形。以上以等待月出,比喻等待良人來會。


2513 【承前,九首第六。】

 雷神 小動 刺雲 雨零耶 君將留

 鳴神(なるかみ)の 暫響(しましとよ)もし 刺曇(さしくも)り 雨(あめ)も降(ふ)らぬか 君(きみ)を留(とど)めむ

 雷動鳴神之 隱約微震稍暫響 天曇致陰霾 但願龗神賜雨零 留君在此不別去

柿本人麻呂 2513

「暫(しま)し」,就算只有一點也好。將願望以較含蓄之方式,向上天祈禱之狀。

「雨(あめ)も降(ふ)らぬか」,ぬか表冀求。


2514 【承前,九首第七。】

 雷神 小動 雖不零 吾將留 妹留者

 鳴神(なるかみ)の 暫響(しましとよ)もし 降(ふ)らずとも 我(わ)は留(とど)まらむ 妹(いも)し留(とど)めば

 雷動鳴神之 隱約微震稍暫響 縱令天不雨 吾亦駐此為相伴 只消吾妹留我者

柿本人麻呂 2514

 右二首。

「鳴神(なるかみ)の 暫響(しましとよ)もし」,引用前曲為問答歌之常套手段

「降(ふ)らずとも」,於此之「降(ふ)らず」並非單純只否定降雨,而是將前兩句亦予以否定。(小學館新全集解。)或引用前曲作為條件假設。


2515 【承前,九首第八。】

 布細布 枕動 夜不寐 思人 後相物

 敷栲(しきたへ)の 枕動(まくらとよ)みて 夜(よる)も寢(ね)じ 思人(おもふひと)には 後(のち)も逢物(あふもの)を

 白妙敷栲兮 輾轉枕動莫得寧 夜長不得寢 然而心懸之所念 伊人其後必將逢

柿本人麻呂 2515

「枕動(まくらとよ)みて」,女方輾轉難眠,其枕亦自然隨之而動。古俗以為枕與頭相繫,故藉此比喻不安忐忑之心情。

「夜(よる)も寢(ね)じ」,想像戀人寂寞孤枕難眠之狀。

「後(のち)も逢物(あふもの)を」,安慰戀人其後必能相逢。


2516 【承前,九首第九。】

 敷細布 枕人 事問哉 其枕 苔生負為

 敷栲(しきたへ)の 枕(まくら)は人(ひと)に 言問(ことと)へや 其枕(そのまくら)には 苔生(こけむ)しにたり

 白妙敷栲兮 木枕何以能言語 復能問事哉 妾觀其枕無人問 已然苔生負其上

柿本人麻呂 2516

 右二首。

 以前一百四十九首,柿本朝臣人麻呂之歌集出。

「枕(まくら)は人(ひと)に 言問(ことと)へや」,反語疑問句。枕頭豈能言語

「其枕(そのまくら)には 苔生(こけむ)しにたり」,承接上曲,諷刺男方久久不來,枕殆生苔。

「以前」,此云2368~2516。

2517 正述心緒 【百二第一。】

 足千根乃 母爾障良婆 無用 伊麻思毛吾毛 事應成

 垂乳根(たらちね)の 母(はは)に障(さは)らば 徒(いたづら)に 汝(いまし)も我(あれ)も 事成(ことな)るべしや

 育恩垂乳根 若為母堂障此情 徒然終無用 汝命與我皆徒花 不能連理莫結實

佚名 2517

「母(はは)に障(さは)らば」,「障(さは)る」乃阻礙。母指女方母親。古時結婚女方母親之發言具有絕對影響力。

「事成(ことな)るべしや」,此與「徒(いたづら)に」結合,指一切都將白費,無法結成連理。

母親阻撓,而無法順利結婚。男方安慰女方之曲。2557有類歌,而男女視角相反。

2518 【承前,百二第二。】

 吾妹子之 吾呼送跡 白細布乃 袂漬左右二 哭四所念

 我妹子(わぎもこ)が 我(あれ)を送(おく)ると 白栲(しろたへ)の 袖漬迄(そでひつまで)に 泣(な)きし思(おも)ほゆ

 親親吾妹子 離情依依送吾者 白妙敷栲兮 絹袖衣袂沾淚濕 啼泣不止令人念

佚名 2518

「我(あれ)を送(おく)ると」,「と」乃「とて」之意。

「袖漬迄(そでひつまで)に」,衣袖如浸水般濕潤。

內容與4357防人歌「葦垣の 隈處に立ちて 我妹子が 袖もしほほに 泣きしそ思はゆ」相近。

2519 【承前,百二第三。】

 奧山之 真木乃板戶乎 押開 思惠也出來根 後者何將為

 奧山(おくやま)の 真木板戶(まきのいたと)を 押開(おしひら)き しゑや出來(いでこ)ね 後(のち)は何為(なにせ)む

 深邃奧山之 真木板戶排開而 嚴重高垣間 敞開門戶出深窗 其後何為無所憚

佚名 2519

「奧山(おくやま)の」,真木之枕詞。以深山為真木之產地而言。

「真木板戶(まきのいたと)」,以杉檜之類所制之門戶。或云真木戶。在諸多和歌中,或作為戀情障礙之象徵。

「しゑや出來(いでこ)ね」,「しゑや」乃不顧後果之情。男方勸誘女方出門與之相會。

2520 【承前,百二第四。】

 苅薦能 一重叫敷而 紗眠友 君共宿者 冷雲梨

 刈薦(かりこも)の 一重(ひとへ)を敷(し)きて 小寢(さぬ)れども 君(きみ)とし寢(ぬ)れば 寒(さむ)けくも無(な)し

 今夜所小寢 雖然苅菰之薦者 唯敷一重爾 若能與君共枕眠 暖意不絕無所寒

佚名 2520

「刈薦(かりこも)の」,割取之菰薦。或將之編織為被單。

「寒(さむ)けく」,「寒(さむ)けし」之く句法。


2521 【承前,百二第五。】

 垣幡 丹頰經君叫 率爾 思出乍 嘆鶴鴨

 垣幡(かきつはた) 丹頰君(につらふきみ)を 緣無(ゆくりな)く 思出(おもひい)でつつ 嘆(なげ)きつるかも

 垣幡之所如 丹頰紅顏汝命矣 偶然率爾而 轉瞬憶及溢胸懷 不覺欷歔露吐息

佚名 2521

「垣幡(かきつはた)」,「丹頰君(につらふきみ)」之比喻。

「丹頰君(につらふきみ)」,丹頰多指女性紅顏,此或蓋指男性氣色良好之狀。

「緣無(ゆくりな)く」,偶然、突然、不意,原文率爾為漢語

2522 【承前,百二第六。】

 恨登 思狹名盤 在之者 外耳見之 心者雖念

 恨(うら)みむと 思(おも)ひて背(せ)なは 在然(ありしか)ば 外(よそ)のみそ見(み)し 心(こころ)は思(おも)へど

 恚恨懷怨懟 如是所思吾夫矣 以之在然者 相離遠觀遙見之 方寸雖然念猶斯

佚名 2522

「恨(うら)みむと」,心懷怨懟欲行報復。原文「恨登」或訓「恨(うら)めしと」,此依『新古今和歌集』戀四「さらでたに、恨みんと思ふ、我妹子が」作「恨(うら)みむと」。

「思(おも)ひて背(せ)なは」,「背(せ)な」指夫君。多見於防人歌、東歌,蓋為東國特有用法


2523 【承前,百二第七。】

 散頰相 色者不出 小文 心中 吾念名君

 小丹頰(さにつら)ふ 色(いろ)には出(いで)ず 少(すく)なくも 心中(こころのうち)に 我(わ)が思(おも)は無(な)くに

 雖然隱此情 小丹頰兮不作色 然觀胸懷中 此念滿溢不得抑 激情闇燃殆毀滅

佚名 2523

「色(いろ)には出(いで)ず」,將心中所想埋藏胸懷,不作顏色,不露顯於表情。

「少(すく)なくも 心中(こころのうち)に 我(わ)が思(おも)は無(な)くに」,「少(すく)なくも...無(な)くに」為一點也不之意。

此云雖然刻意裝作冷靜,內心真情卻暗濤洶湧。


2524 【承前,百二第八。】

 吾背子爾 直相者社 名者立米 事之通爾 何其故

 我(わ)が背子(せこ)に 直(ただ)に逢(あ)はばこそ 名(な)は立(た)ため 言通(ことのかよ)ひに 何(なに)かそこ故(ゆゑ)

 若與吾夫子 坦然相會直逢者 浮名亦宜然 然而何故唯文通 流言蜚語揚如斯

佚名 2524

「名(な)は立(た)ため」,就算流言蜚語四起亦是理所當然。

「言通(ことのかよ)ひに」,藉由傳使之魚雁往返。

「何(なに)かそこ故(ゆゑ)」,為何如此?何以流言鼎盛如斯?


2525 【承前,百二第九。】

 懃 片念為歟 比者之 吾情利乃 生戶裳名寸

 懃(ねもころ)に 片思(かたもひ)すれか 此頃(このころ)の 我(あ)が利心(こころど)の 生(い)けるとも無(な)き

 蓋以情真切 慇懃單戀之故哉 比日此頃時 吾之利情誠痛心 渾渾噩噩不覺生

佚名 2525

「懃(ねもころ)に」,打自內心深處。

「片思(かたもひ)すれか」,「すれか」為疑問條件語。

「生(い)けるとも無(な)き」,沒有活著的感覺。

2526 【承前,百二第十。】

 將待爾 到者妹之 懽跡 咲儀乎 徃而早見

 待(ま)つらむに 至(いた)らば妹(いも)が 嬉(うれ)しみと 笑(ゑ)まむ姿(すがた)を 行(ゆ)きて早見(はやみ)む

 今赴所相待 約束之地拜眉者 當可見吾妹 歡愉展咲光儀哉 心急欲徃早見矣

佚名 2526

「待(ま)つらむ」,主語為妹。作者之戀人等待主角之地。

「嬉(うれ)しみと」,原文「懽」,『萬象名義』云:「喜L蕁ぽ通蕁」

「行(ゆ)きて早見(はやみ)む」,「見る」指相逢。

類歌2546。

2527 【承前,百二十一。】

 誰此乃 吾屋戶來喚 足千根乃 母爾所嘖 物思吾呼

 誰(たれ)そこの 我(わ)が宿(やど)に來呼(きよ)ぶ 垂乳根(たらちね)の 母(はは)に嘖(ころ)はえ 物思(ものも)ふ我(われ)を

 此是誰矣哉 臨來吾宿所喚者 今受垂乳根 母堂嘖讓沉憂思 鬱悶之際呼我者

佚名 2527

「誰(たれ)そこの 我(わ)が宿(やど)に來呼(きよ)ぶ」,責怪男方不識相地挑了不便的時間來訪。

「母(はは)に嘖(ころ)はえ」,「嘖(ころ)ふ」乃斥責。『日本書紀神代紀上訓註「嘖讓,ころひ。」古本『玉篇』云:「謮,廣雅,謮,讓也。今並為責字,說文亦嘖字。」蓋因男方之關係而遭到母親責備。

2528 【承前,百二十二。】

 左不宿夜者 千夜毛有十方 我背子之 思可悔 心者不持

 小寢(さね)ぬ夜(よ)は 千夜(ちよ)も有(あり)とも 我(わ)が背子(せこ)が 思悔(おもひく)ゆべき 心(こころ)は持(も)たじ

 雖然隔異地 不得相寢長夜者 計有千夜許 然令夫子所思悔 輕薄浮心我不持

佚名 2528

「思悔(おもひく)ゆべき」,「悔(く)ゆ」乃不知終將被戀人拋棄而後悔。如0437「妹も我も 清川の 川岸の 妹が悔ゆべき 心は持たじ」、3365以「悔(く)ゆ」與「崩(く)ゆ」雙關,此亦有希望崩去之感。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m03.htm#0437

2529 【承前,百二十三。】

 家人者 路毛四美三荷 雖徃來 吾待妹之 使不來鴨

 家人(いへびと)は 道(みち)も茂(しみみ)に 通(かよ)へども 我(あ)が待(ま)つ妹(いも)が 使來(つかひこ)ぬかも

 今觀屋外者 各路家僕滿道中 絡繹雖不絕 何奈唯獨我苦待 伊人信使不嘗來

佚名 2529

家人(いへびと)」,令制中私有民之一,較奴婢高級。允許擁有與主人個別家業與私財,亦不為買賣之對象。然而身著與奴僕相同之橡染衣物,外出無冠、裸足。男女聯絡之際,往往託付家人行之。

「茂(しみみ)」,摩肩擦踵,水泄不通之狀。

2530 【承前,百二十四。】

 璞之 寸戶我竹垣 編目從毛 妹志所見者 吾戀目八方

 麤玉(あらたま)の 寸戶(きへ)が竹垣(たかがき) 編目(あみ)ゆも 妹(いも)し見(み)えなば 我戀(あれこ)ひめやも

 自於麤玉兮 寸戶竹籬繁垣之 所開編目間 若得窺見伊人者 吾豈苦戀焦如斯

佚名 2530

「寸戶(きへ)が竹垣(たけがき)」,「寸戶(きへ)が」與3354「寸戶人」同。が為用於對非叮嚀語氣之人的助詞,或為親暱,或為侮蔑。或代稱指下層階級。竹垣乃以竹編成之竹籬。小川本『願經四分律』,古點籬字旁訓「たかがき」。「たか」乃「たけ」之交替型。竹垣編目勘細,此云其間之些微縫隙。


2531 【承前,百二十五。】

 吾背子我 其名不謂跡 玉切 命者棄 忘賜名

 我(わ)が背子(せこ)が 其名告(そのなの)らじと 玉極(たまきは)る 命(いのち)は捨(す)てつ 忘(わす)れ給(たま)ふ莫(な)

 親愛吾夫子 我誓必不告汝名 玉限魂極兮 縱捨身命亦無悔 還願念之慎勿忘

佚名 2531

「我(わ)が背子(せこ)が 其名告(そのなの)らじと」,古俗將戀人之名諱告知他人禁忌

「玉極(たまきは)る」,「命」、「世」之枕詞

此云己身即便捨棄生命亦將嚴守信誓,不會洩漏戀人之名。希望戀人亦莫忘己身之情。

2532 【承前,百二十六。】

 凡者 誰將見鴨 邏滅機_羝趣乎 靡而將居

 凡(おほかた)は 誰(た)が見(み)むとかも 烏玉(ぬばたま)の 我(わ)が鉐(くろかみ)を 靡(なび)けて居(を)らむ

 此情若凡俗 當示誰人以觀之 漆遽╋滅掘仝稠懸鉐長靡矣 唯待君手以結之

佚名 2532

「凡(おほかた)は」,要是這份情感普通不特別的話。

「誰(た)が見(み)むとかも」,令除了戀人之外的人觀看。

「靡(なび)けて居(を)らむ」,不結髮梳粧,等待戀人為之手結。


2533 【承前,百二十七。】

 面忘 何有人之 為物焉 言者為金津 繼手志念者

 面忘(おもわす)れ 如何(いか)なる人(ひと)の する物(もの)そ 我(われ)はし兼(か)ねつ 繼(つ)ぎてし思(おも)へば

 不識伊人貌 其是孰可為之哉 雖云世無長 妾身難忘心上人 常念懸心所以也

佚名 2533

「面忘(おもわす)れ」,忘記他人容貌

「如何(いか)なる人(ひと)の する物(もの)そ」,叔人辦得到?表示自己無緣受此責難,自身絕對不會做這種事。

「我(われ)はし兼(か)ねつ」,「兼(か)ね」表不可能

2534 【承前,百二十八。】

 不相思 人之故可 璞之 年緒長 言戀將居

 相思(あひおも)はぬ 人故(ひとのゆゑ)にか 新(あら)たまの 年緒長(としのをなが)く 我(あ)が戀居(こひを)らむ

 落花雖有意 流水無情伊人故 日新月異兮 徒然不覺年緒長 吾人苦戀至如今

佚名 2534

「相思(あひおも)はぬ」,並非相思相愛之單戀。

「人故(ひとのゆゑ)にか」,詠嘆疑問。長年以來如此苦於戀情,是因為愛上了對自己無意之人。


2535 【承前,百二十九。】

 凡乃 行者不念 言故 人爾事痛 所云物乎

 凡(おほろ)かの 業(わざ)とは思(おも)はじ 我(わ)が故(ゆゑ)に 人(ひと)に言痛(こちた)く 言(い)はれし物(もの)を

 吾不思汝命 以凡俗念為之矣 汝命依我故 受人留言蜚語謗 此情自有其堅毅

佚名 2535

「凡(おほろ)かの 業(わざ)とは思(おも)はじ」,「業(わざ)」乃基於深刻情念行為。此云對方不顧第三者之惡意中傷,仍表明自身之情感。感謝對方對自身好意

「言痛(こちた)く」,「言痛(こちいた)く」之略。

2536 【承前,百二二十。】

 氣緒爾 妹乎思念者 年月之 徃覽別毛 不所念鳧

 息緒(いきのを)に 妹(いも)をし思(おも)へば 年月(としつき)の 行(ゆ)くらむ別(わき)も 思(おも)ほえぬかも

 賭命不惜生 如思心懸伊人者 渾渾噩噩而 莫察晝夜之相代 不覺月異已經年

佚名 2536

「息緒(いきのを)に」,賭上性命。

「年月(としつき)の 行(ゆ)くらむ別(わき)も」,「別(わき)」乃區別、分別。心受戀煩,無法區別日月之分隔與流逝。


2537 【承前,百二廿一。】

 足千根乃 母爾不所知 吾持留 心者吉惠 君之隨意

 垂乳根(たらちね)の 母(はは)に知(し)らえず 我(わ)が持(も)てる 心(こころ)は良(よ)しゑ 君(きみ)が隨(まにま)に

 育恩垂乳根 此情不令吾母之 妾身唯相待 此心如何縱其去 一切皆盡隨君意

佚名 2537

「良(よ)しゑ」,不管後果。

類歌3285。


2538 【承前,百二廿二。】

 獨寢等 茭朽目八方 綾席 緒爾成及 君乎之將待

 獨寢(ひとりぬ)と 薦朽(こもく)ちめやも 綾席(あやむしろ) 緒(を)に成(な)る迄(まで)に 君(きみ)をし待(ま)たむ

 孤身獨寢者 豈令茭薦傷朽哉 直至綾席之 花茣蓙襤為長緒 吾守空閨俟君至

佚名 2538

「獨寢(ひとりぬ)と 薦朽(こもく)ちめやも」,「と」為「とて」之略,縱然獨寢,不至於令寢具破舊。

「綾席(あやむしろ) 緒(を)に成(な)る迄(まで)に」,使綾席襤褸為絲絮般長。

2539 【承前,百二廿三。】

 相見者 千歲八去流 否乎鴨 我哉然念 待公難爾

 相見(あひみ)ては 千年(ちとせ)や去(い)ぬる 否諾(いなを)かも 我(あれ)や然思(しかおも)ふ 君待難(きみまちかて)に

 去相會以來 至今已歷千秋歟 實則否諾哉 當實吾人念然爾 慕君情溢難待矣

佚名 2539

「否諾(いなを)かも」,「否(いな)かも諾(を)かも」之略。不對,果然是這樣才對。否定前語,推定事實為下文之句。

3470重出。

2540 【承前,百二廿四。】

 振別之 髮乎短彌 青草乎 髮爾多久濫 妹乎師僧於母布

 振分(ふりわけ)の 髮(かみ)を短(みじか)み 青草(あをくさ)を 髮(かみ)に束結(たく)らむ 妹(いも)をしそ思(おも)ふ

 以其振別之 垂髫披髮短之故 手執青草而 添之束結於髮哉 吾人心神嚮伊人

佚名 2540

「振分(ふりわけ)の」,幼童不結髮,左右分垂之髮型。垂髫。

「青草(あをくさ)を 髮(かみ)に束結(たく)らむ」,想像幼妻欲成為大人之姿態所述。

2541 【承前,百二廿五。】

 徊俳 徃箕之里爾 妹乎置而 心空在 土者踏鞆

 俳迴(たもとほ)り 行箕里(ゆきみのさと)に 妹(いも)を置(お)きて 心空(こころそら)なり 土(つち)は踏(ふ)めども

 迂迴徘徊兮 明日香川行箕里 至妹此處故 此心忐忑猶騰空 縱令踏地不安

佚名 2541

「俳迴(たもとほ)り」,迂迴而行。

「行箕里(ゆきみのさと)」,與1557「明日香川 行迴る岡の」同。 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1557飛鳥西北方甘橿丘周邊。『和州五郡神社神名帳大略注解』云治田神社曰「在逝迴鄉小墾田村。」云云。

「妹(いも)を置(お)きて」,戀人住在他處。

「心空(こころそら)なり 土(つち)は踏(ふ)めども」,儘管實際上是腳踏實地,卻因為思念戀人而心中不踏實。

2542 【承前,百二廿六。】

 若草乃 新手枕乎 卷始而 夜哉將間 二八十一不在國

 若草(わかくさ)の 新手枕(にひたまくら)を 卷始(まきそ)めて 夜(よ)をや隔(へだ)てむ 憎(にく)く有(あ)ら無(な)くに

 親親猶若草 自於新妻共纏綿 枕其手以來 夜夜逢鼬瑛止 以其裏外無所憎

佚名 2542

若草(わかくさ)の」,以若草新妻,修飾「新手枕(にひたまくら)」。

「夜(よ)をや隔(へだ)てむ」,詠嘆疑問。即「夜離れ」,指男子再造女方與之共度春宵。此云自己豈會如此。

「憎(にく)く有(あ)ら無(な)くに」,原文「八十一」乃藉「九九(くく)八十一」之戲書借訓。

2543 【承前,百二廿七。】

 吾戀之 事毛語 名草目六 君之使乎 待八金手

 我(あ)が戀(こ)ひし 事(こと)も語(かた)らひ 慰(なぐさ)めむ 君(きみ)が使(つかひ)を 待(ま)ちや兼(か)ねてむ

 冀能相言語 述吾所戀其慕情 聊以為慰藉 然而汝命信使者 久久未來誠難待

佚名 2543

「慰(なぐさ)めむ」,主語為作者。想藉述說積藏心中之語,一解鬱悶之情。

「待(ま)ちや兼(か)ねてむ」,詠嘆疑問。


2544 【承前,百二廿八。】

 寤者 相緣毛無 夢谷 間無見君 戀爾可死

 現(うつつ)には 逢由(あふよし)も無(な)し 夢(いめ)にだに 間無(まな)く見(み)え君(きみ) 戀(こひ)ひに死(し)ぬべし

 在於現世間 無由相逢莫得會 唯冀在夢中 得以拜眉無絕時 慕君戀苦猶當死

佚名 2544

「現(うつつ)」,現實。與「夢」相對。仙覺系底本原文做「寐」,訛「寤」字也。依嘉曆傳本改之。『切韻』逸文有「寐中所見,覺而信也。」

「夢(いめ)にだに」,「だに」表至少。

「間無(まな)く見(み)え君(きみ)」,「見(み)え」乃「見(み)ゆ」之命令型。古俗以為,心念伊人,則可入其夢中。女性作者希望戀人思念自身,方可於自身之夢中相會。


2545 【承前,百二廿九。】

 誰彼登 問者將答 為便乎無 君之使乎 還鶴鴨

 誰(た)そ彼(かれ)と 問(と)はば答(こた)へむ 術(すべ)を無(な)み 君(きみ)が使(つかひ)を 歸(かへ)しつるかも

 彼為誰人哉 家母訊者吾將答 無奈苦無方 千言萬語咽心頭 令君信使早歸去

佚名 2545

「誰(た)そ彼(かれ)と」,女方母親以為使人不審問訊之語。

本想挽留使者,探問戀人近況,然畏人目,遂令歸去。

2546 【承前,百二三十。】

 不念丹 到者妹之 歡三跡 咲牟眉曳 所思鴨

 思(おも)はぬに 至(いた)らば妹(いも)が 嬉(うれ)しみと 笑(ゑ)まむ眉引(まよび)き 思(おも)ほゆるかも

 若出其不意 到於妹許拜顏者 吾妹顯歡愉 豁然展咲柳眉舒 百媚光儀浮瞼內

佚名 2546

「思(おも)はぬに 至(いた)らば」,若是作者來到戀人無法想像地方與之相會。

「眉引(まよび)き」,讚美女性柳眉細長之語。

類歌2526。 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m11.htm#2526


2547 【承前,百二卅一。】

 如是許 將戀物衣常 不念者 妹之手本乎 不纏夜裳有寸

 如是許(かくばか)り 戀(こ)ひむ物(もの)そと 思(おも)はねば 妹(いも)が手本(たもと)を 纏(ま)かぬ夜(よ)も有(あり)き

 悔不當初矣 未知戀慕如此許 相思怠毀滅 奈何與妹相離前 不纏綿夜亦有之

佚名 2547

「思(おも)はねば」,「思(おも)はざりしかば」之略。早知現在會苦於相思之情,當初在一起時豈會有分睡之夜。

「妹(いも)が手本(たもと)を」,「手本」為「手腕」,轉作衣袖之用。

類歌2924。

2548 【承前,百二卅二。】

 如是谷裳 吾者戀南 玉梓之 君之使乎 待也金手

 如是(かく)だにも 我(あれ)は戀(こ)ひなむ 玉梓(たまづさ)の 君(きみ)が使(つかひ)を 待(ま)ちや兼(か)ねてむ

 誇張甚猶是 吾所戀慕情如此 玉梓華杖兮 君之使人尚未至 引領長盼時難待

佚名 2548

「如是(かく)だにも」,竟然如此。一般「だに」有至少之意,此則用於表現在狀況。

類歌3103。

2549 【承前,百二卅三。】

 妹戀 吾哭涕 敷妙 木枕通而 袖副所沾【或本歌曰,枕通而,卷者寒母。】

 妹(いも)に戀(こ)ひ 我(あ)が泣淚(なくなみた) 敷栲(しきたへ)の 木枕通(こまくらとほ)り 袖(そで)さへ濡(ぬ)れぬ【或本歌曰(またふみのうたにいふ)、枕通(まくらとほ)りて、枕(ま)けば寒(さむ)しも。】

 以吾戀伊人 所以涓然淚涕下 白妙敷栲兮 汍瀾滂沱穿木枕 漬濡沾袖衣手濕【或本歌曰,汍瀾滂沱通枕穿,枕之身寒心更寒

。】

佚名 2549

「木枕(こまくら)」,如黃楊枕等木製之枕。

「枕(ま)けば寒(さむ)しも」,「寒(さむ)し」為冷冽之意。


2550 【承前,百二卅四。】

 立念 居毛曾念 紅之 赤裳下引 去之儀乎

 立(た)ちて思(おも)ひ 居(ゐ)てもそ思(おも)ふ 紅(くれなゐ)の 赤裳裾引(あかもすそび)き 去(い)にし姿(すがた)を

 三界如火宅 坐立難安念伊人 心思之所懸 身披艷紅赤裳裾 拖曳而去彼光儀

佚名 2550

「立(た)ちて思(おも)ひ 居(ゐ)てもそ思(おも)ふ」,無論起居,思念戀人之情皆揮之不去。

「紅(くれなゐ)の 赤裳裾引(あかもすそび)き」,描述女性優雅身姿之常套表現

女性來訪男性家邸,歸去之時,男性為之送行之曲。令人想到2394參考中所引狐女房之說話。

2551 【承前,百二卅五。】

 念之 餘者 為便無三 出曾行 其門乎見爾

 思(おも)ひにし 餘(あま)りに然(しか)ば 術(すべ)を無(な)み 出(いで)てそ行(ゆ)きし 其門(そのかど)を見(み)に

 心思之所至 戀慕之情溢無止 手足更無措 難安家中出戶行 來此欲拜其門楣

佚名 2551

「思(おも)ひにし」,此「思(おも)ひ」乃名詞。思案、分別之意。

「其門(そのかど)」,戀人之家門。

2552 【承前,百二卅六。】

 情者 千遍敷及 雖念 使乎將遣 為便之不知久

 心(こころ)には 千重(ちへ)に頻頻(しくしく) 思(おも)へども 使(つかひ)を遣(や)らむ 術知(すべのし)ら無(な)く

 雖然方寸間 慕情千重盪頻頻 無奈情千種 縱欲遣使告所念 苦不知方愁無措

佚名 2552

「術知(すべのし)ら無(な)く」,「知ら無く」乃「知らず」之く句法。平敘文「術を知らず」乃為く句法時,當以「の」替換「を」。


2553 【承前,百二卅七。】

 夢耳 見尚幾許 戀吾者 寤見者 益而如何有

 夢(いめ)のみに 見(み)てすら幾許(ここだ) 戀(こ)ふる我(あ)は 現(うつつ)に見(み)てば 益(ま)して如何(いか)にあらむ

 不過是夢見 戀慕幾許至如此 吾情切如是 若有一旦逢現世 如何能抑此慕情

佚名 2553

「見(み)てすら幾許(ここだ)」,「すら」乃表反轉副助詞。用以修飾以為輕微實則重大,或以為重大實則輕微之事項。

此云光是在夢中夢見佳人,就思慕如斯。若是有朝一日真的在現世相逢,相思之情會當強烈之何等田地?

2554 【承前,百二卅八。】

 對面者 面隱流 物柄爾 繼而見卷能 欲公毳

 相見(あひみ)ては 面隱(おもかく)さるる 物(もの)からに 繼(つ)ぎて見(み)まくの 欲(ほ)しき君(きみ)かも

 一旦相見者 不堪嬌羞欲遮面 雖然如此者 仍冀繼而能相會 如此心慕吾君矣

佚名 2554

「面隱(おもかく)さるる 物(もの)からに」,「るる」乃自發助動詞「る」之連體型。「物からに」為明明如此,卻...之意。

此云每次與戀人逢麈畦眥,往往羞愧不堪,無顏相對。即便如此仍然希望能持續相逢。


2555 【承前,百二卅九。】

 旦戶乎 速莫開 味澤相 目之乏流君 今夜來座有

 朝戶(あさと)を 早(はや)く莫開(なあ)けそ 味障(あぢさは)ふ 目羨(めのとも)しかる君(きみ) 今夜來坐(こよひきま)せり

 吾人有所願 明朝旦戶莫速開 味障多合兮 目之所羨心所依 良人今夜將來矣

佚名 2555

「朝戶(あさと)を 早(はや)く莫開(なあ)けそ」,向家人或從者所宿之語。古寫本原文多作「旦戶遣乎」,此依嘉曆傳本改之。

「目羨(めのとも)しかる君(きみ)」,原文「目之乏流君」,或可解作「難以一會」然字音不合。姑作「心欲相會」解之。

「今夜來坐(こよひきま)せり」,此以昨夜作「今夜(こよ)」者,古俗以夕暮為一日之始,故之。

此云今晚戀人來訪,吩咐家人明朝莫早開朝戶,以稍留伊人不令早歸。

2556 【承前,百二四十。】

 玉垂之 小簀之垂簾乎 徃褐 寐者不眠友 君者通速為

 玉垂(たまだれ)の 小簾垂簾(こすのたれす)を 行難(ゆきか)ちに 寐(い)は寢(な)さずとも 君(きみ)は通(かよ)はせ

 以其玉垂之 小簾垂簾在門楣 阻絕吋難行 是以縱令不寐寢 仍冀望吾君能通來

佚名 2556

「行難(ゆきか)ちに」,「難(か)ち」乃「難(か)て」之音轉。一如住居入口之門簾阻礙進出一般母親之警界嚴重,男性難以潛入。

「寐(い)は寢(な)さずとも」,寐者眠也,「寢(な)す」乃寢之敬語形。

家人戒備森嚴,就算戀人無法過夜,也希望只要有機會就能前來相會。

2557 【承前,百二卌一。】

 垂乳根乃 母白者 公毛余毛 相鳥羽梨丹 年可經

 垂乳根(たらちね)の 母(はは)に申(まう)さば 君(きみ)も我(あれ)も 逢(あ)ふとは無(な)しに 年(とし)そ經(へ)ぬべき

 育恩垂乳根 嚴母若欲障此情 汝命與我皆 無緣相逢難連理 徒然歷時更經年

佚名 2557

「母(はは)に申(まう)さば」,只要向(作者)母親報告戀情。

與2517「垂乳根の 母に障らば 徒に 汝も我も 事成るべしや」相類,而男女立場相反。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m11.htm#2517

2558 【承前,百二卌二。】

 愛等 思篇來師 莫忘登 結之紐乃 解樂念者

 愛(うるは)しと 思(おも)へり蓋(けら)し 莫忘(なわす)れと 結(むす)びし紐(ひも)の 解(と)くらく思(おも)へば

 蓋是汝命者 相思戀慕所致哉 想在別離時 相誓勿忘結之紐 如今自解而所念

佚名 2558

「愛(うるは)しと 思(おも)へり蓋(けら)し」,「けらし」乃「けるらし」。

「莫忘(なわす)れと 結(むす)びし紐(ひも)の」,「莫忘(なわす)れ」乃女性形之禁止表現。古俗以別離之時,替戀人結紐,相約再會以前不以解之,則能及早相逢。

「解(と)くらく思(おも)へば」,古俗以為,衣紐自解乃戀人思念自身之兆。


2559 【承前,百二卌三。】

 昨日見而 今日社間 吾妹兒之 幾許繼手 見卷欲毛

 昨日見(きのふみ)て 今日(けふ)こそ隔(へだ)て 我妹子(わぎもこ)が 幾許繼(ここだくつ)ぎて 見(み)まくし欲(ほ)しも

 昨日才相見 今日一隔猶千秋 親親吾妹子 何以吾難耐慕情 繼欲相見至幾許

佚名 2559

「昨日見(きのふみ)て 今日(けふ)こそ隔(へだ)て」,於茲與2391「今日朝」同,以晨曦為一日之始。在上代為較少見之觀念。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m11.htm#2391

「見(み)まくし欲(ほ)しも」,若於第三句之前加上「何しかも」則叫好理解

明明昨晚才見過,何以不過隔了一日就患相思至此。自己竟然如此貪得無厭,希望永遠與戀人相會。


2560 【承前,百二卌四。】

 人毛無 古鄉爾 有人乎 愍久也君之 戀爾令死

 人(ひと)も無(な)き 古(ふ)りにし里(さと)に 在(あ)る人(ひと)を 愍(めぐ)くや君(きみ)が 戀(こひ)に死(し)なせむ

 孤零無人依 獨居故京舊里之 影單妾身者 敢問吾君不愍哉 是欲令我戀死耶

佚名 2560

「人(ひと)も無(な)き」,無人可以倚靠。

「古(ふ)りにし里(さと)に」,故鄉,舊都,概指飛鳥舊京一帶。

「在(あ)る人(ひと)を」,「人(ひと)」乃他人。此以諷刺口氣指被戀人冷遇之作者自身

「愍(めぐ)くや君(きみ)が 戀(こひ)に死(し)なせむ」,「愍(めぐ)く」,『萬象名義』云「愛也。」此云,看到即將戀死的我,你難道不感惻隱嗎?

其後2587或為其問答。


2561 【承前,百二卌五。】

 人事之 繁間守而 相十方八 反吾上爾 事之將繁

 人言(ひとごと)の 繁間守(しげきまも)りて 逢(あ)ふともや 尚我(なほわ)が上(うへ)に 言繁(ことのしげ)けむ

 雖然畏流言 窺伺蜚語絕之間 逢麋鮨楊棔_唇文窩一身腥 流言蜚語猶尚繁

佚名 2561

「人言(ひとごと)の 繁間守(しげきまも)りて」,趁流言蜚語不那麼繁盛之間隔。

「逢(あ)ふともや」,將「や」接於接續副詞「とも」之用例,亦見於3902。



2562 【承前,百二卌六。】

 里人之 言緣妻乎 荒垣之 外也吾將見 惡有名國

 里人(さとびと)の 言寄(ことよ)せ妻(つま)を 荒垣(あらかき)の 外(よそ)にや我(あ)が見(み)む 憎(にく)く有(あ)ら無(な)くに

 里人傳蜚語 言我與之結連理 稀疏荒垣外 吾隔遠處以瞥見 觀其裏外無所憎

佚名 2562

里人(さとびと)の 言寄(ことよ)せ妻(つま)を」,不熟識之鄉人口中所傳,謠言中與自己正在交往的女性

「荒垣(あらかき)の」,「外(よそ)に見る」之枕詞。荒垣乃編目粗大之牆垣。此云只能垣間見之。

「外(よそ)にや我(あ)が見(み)む」,詠嘆疑問。


2563 【承前,百二卌七。】

 他眼守 君之隨爾 余共爾 夙興乍 裳裾所沾

 人目守(ひとめも)る 君(きみ)が隨(まにま)に 我(われ)さへに 早起(はやくお)きつつ 裳裾濡(ものすそぬ)れぬ

 汝為避人目 不願流言蜚語起 因故早褪去 吾隨君命夙興而 涓然淚下濡裳裾

佚名 2563

「人目守(ひとめも)る」,警界他人目光。男方趁天亮之前歸去。

「君(きみ)が隨(まにま)に 我(われ)さへに」,隨著,伴隨。「さへ」原文「共」,與「并」通。

男子懼憚他人說三道四,一早趁夜離去。女方因隨男子早起,只能孤獨落淚。

2564 【承前,百二卌八。】

 夜干玉之 妹之鉐 今夜毛加 吾無床爾 靡而宿良武

 烏玉(ぬばたま)の 妹(いも)が鉐(くろかみ) 今夜(こよひ)もか 我(あ)が無(な)き床(とこ)に 靡(なび)けて寢(ぬ)らむ

 漆遽╋滅掘^某庸┗鉐矣 想來今夜亦 獨守空閨寐床上 青絲披靡而寢哉

佚名 2564

「烏玉(ぬばたま)の」,鉐之枕詞。或許比喻戀人在漆鄰羹録臟荊蟷僉

「今夜(こよひ)もか」,想必今晚亦是...。可知作者已然數日未訪戀人香閨。

「靡(なび)け」,長長披靡之狀。其後有2631「鉐敷きて」亦表女方不堪等待,力疲而眠。






2565 【承前,百二卌九。】

 花細 葦垣越爾 直一目 相視之兒故 千遍嘆津

 花細(はなぐは)し 葦垣越(あしかきご)しに 唯一目(ただひとめ) 相見(あひみ)し兒故(こゆゑ) 千度嘆(ちたびなげ)きつ

 纖細優美兮 葦花牆垣相隔而 唯瞥見一目 萍水相逢伊人故 吾已哀嘆千百度

佚名 2565

2565

「花細(はなぐは)し」,花容優美。「細し」表纖細之美感。或將葦花與花穗柔和美麗之荻同一視。

2566 【承前,百二五十。】

 色出而 戀者人見而 應知 情中之 隱妻波母

 色(いろ)に出(いで)て 戀(こ)ひば人見(ひとみ)て 知(し)りぬべし 心中(こころのうち)の 隱妻(こもりづま)はも

 若夫作色而 思念人為人見 當遭世所知 千情萬種藏心頭 所慕隱妻今何如

佚名 2566

2566

「色(いろ)に出(いで)て」,顯露於表情之上。「て」乃表狀態程度之連用格。

「隱妻(こもりづま)はも」,「はも」為現今何如之意。

2567 【承前,百二五一。】

 相見而者 戀名草六跡 人者雖云 見後爾曾毛 戀益家類

 相見(あひみ)ては 戀慰(こひなぐさ)むと 人(ひと)は言(い)へど 見(み)て後(のち)にそも 戀(こひま)さりける

 若得相會者 可慰戀情解憂思 人雖云如是 豈知 一旦相逢後 戀慕未減更徒

佚名 2567

2567

相見(あひみ)ては」,「ては」之は為係助詞。與「相見(あひみ)てば」之假定用法有別。

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2018-07-30-月

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本棚新調

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万葉集試訳

2477 【承前,九三六三。】

 足引 名負山菅 押伏 君結 不相有哉

 足引(あしひき)の 名(な)に負(お)ふ山菅(やますげ) 押伏(おしふ)せて 君(きみ)し結(むす)ばば 逢(あ)はざらめやも

 足曳勢險峻 負名穴師山山菅 押伏之所如 君若暴強欲結契 妾又何由不予逢

柿本人麻呂 2477

「足引(あしひき)の 名(な)に負(お)ふ山菅(やますげ)」,背負著山名之山菅。「足引(あしひき)の」為山之枕詞

「押伏(おしふ)せて」,借壓倒踏平山菅,比喻強暴地將對方之身體壓倒。

「君(きみ)し結(むす)ばば」,指若有此覺悟與激情,想與對方結合的話。站在女方視角個性溫吞之戀人所言之語。


2478 【承前,九三六四。】

 秋柏 潤和川邊 細竹目 人不顏面 公无勝

 秋柏(あきかしは) 潤和川邊(うるわかはへ)の 篠目(しののめ)の 人(ひと)には忍(しの)び 君(きみ)に堪無(あへな)くに

 秋柏霑露兮 潤和川畔細竹編 篠目之所如 吾雖隱忍避人目 此情豈抑在君前

柿本人麻呂 2478

「秋柏(あきかしは)」,以秋柏為露水霑濕,而為潤之枕詞

篠目(しののめ)」,覆於古代豎穴住居出入口之竹條編織。與「忍(しの)ぶ」雙關。

「人(ひと)には忍(しの)び 君(きみ)に堪無(あへな)くに」,雖然能在他人面前隱藏這份戀情,但無法在心上人之前壓抑。

2479 【承前,九三六五。】

 核葛 後相 夢耳 受日度 年經乍

 真葛(さねかづら) 後(のち)も逢(あ)はむと 夢(いめ)のみに 誓約渡(うけひわた)りて 年(とし)は經(へ)につつ

 真葛遠長兮 今非逢時後有期 吾鮑〔汗蝓)樟秋水度日徃 不覺月異已經年

柿本人麻呂 2479

「真葛(さねかづら)」,以期藤蔓長遠,而為「後(のち)も逢(あ)はむ」之枕詞

相信夢占顯示雖然現在並非逢時,有朝一日必得相會,而日復一日等待,已然屢經年歲。


2480 【承前,九三六六。】

 路邊 壹師花 灼然 人皆知 我戀孋【或本歌曰,灼然,人知爾家里,繼而之念者。】

 道邊(みちのへ)の 壹師花(いちしのはな)の 灼然(いちしろ)く 人皆知(ひとみなし)りぬ 我(あ)が戀妻(こひづま)は【或本歌曰(またふみのうたにいふ)、灼然(いちしろ)く、人知(ひとし)りにけり、繼(つ)ぎてし思(おも)へば。】

 道邊路旁之 所咲壹師花所如 灼然昭顯矣 人盡皆知不得隱 吾心所繫戀妻者【或本歌曰,灼然昭顯矣,人盡皆知天下察,吾常懸心所念者。】

柿本人麻呂 2480

「壹師花(いちしのはな)」,未詳,藉類音引出「灼然(いちしろ)く」之序。

2481 【承前,九三六七。】  大野 跡狀不知 印結 有不得 吾眷

 大野藪(おほのら)に 跡狀(たどき)も知(し)らず 標結(しめゆ)ひて 在克(ありかつ)ましじ 我(あ)が戀(こ)ふらくは

 大原野藪間 漫無目的不知去 茫然標印結 如斯苦痛不得生 吾所朝暮眷戀者

柿本人麻呂 2481

「跡狀(たどき)」,狀態、樣子。

「標結(しめゆ)ひ」,占有女性。在沒想清楚出將來而與女方結婚或相戀。

「我(あ)が戀(こ)ふらくは」,「戀(こ)ふらく」原文「眷」者,『萬象名義』云:「戀也。」

2482 【承前,九三六八。】

 水底 生玉藻 打靡 心依 戀比日

 水底(みなそこ)に 生(お)ふる玉藻(たまも)の 打靡(うちなび)き 心(こころ)は寄(よ)りて 戀(こ)ふる此頃(このころ)

 其猶滄溟下 所生玉藻之所如 隨波而蕩漾 寄情舉手投足間 一喜一憂戀此頃

柿本人麻呂 2482

「生(お)ふる玉藻(たまも)の」,以上乃用以帶出「打靡(うちなび)き」之序。

「打靡(うちなび)き」,玉藻隨河水流動或隨波浪蕩樣搖擺之狀。指受到心上人吸引,因其一舉手一投足而一喜一憂之狀。

類歌3267。


2483 【承前,九三六九。】

 敷栲之 衣手離而 玉藻成 靡可宿濫 和乎待難爾

 敷栲(しきたへ)の 衣手離(ころもでか)れて 玉藻成(たまもな)す 靡(なび)きか寢(ぬ)らむ 我(わ)を待難(まちかて)に

 白妙敷栲兮 纖纖衣手兩相離 玉藻之所如 伊人萎靡今寢哉 望穿秋水甚難待

柿本人麻呂 2483

「衣手離(ころもでか)れて」,相隔兩地,無緣觸及心上人之衣袖。「離(か)れ」除物理上之距離,亦有比喻兩者關係疏遠,不復從前之意。

「我(わ)を待難(まちかて)に」,「難(かて)に」表不可能

2484 【承前,九三七十。】

 君不來者 形見為等 我二人 殖松木 君乎待出牟

 君來(きみこ)ずは 形見(かたみ)に為(せ)むと 我(わ)が二人(ふたり) 植(う)ゑし松木(まつのき) 君(きみ)を待出(まちいで)む

 君若不來者 以為緣物偲君形 吾等倆相助 所殖栽培松木矣 常駐待君有驗哉

柿本人麻呂 2484

「君來(きみこ)ずは 形見(かたみ)に為(せ)むと」,在植樹之時做作者(女性視角)所述之言語

「我(わ)が」,我們。上代一般以「あれ」為單數形「われ」為複數形。

「君(きみ)を待出(まちいで)む」,松、待相關,是否有等待的意義呢。


2485 【承前,九三七一。】

 袖振 可見限 吾雖有 其松枝 隱在

 袖振(そでふ)らば 見(み)つべき限(かぎ)り 我(あれ)は在(あ)れど 其松(そのまつ)が枝(え)に 隱(かく)らひにけり

 振袖揮手者 放眼可望之極地 吾雖身在此 無奈以彼松枝故 隱吾形姿不得見

柿本人麻呂 2485

「袖振(そでふ)らば 見(み)つべき限(かぎ)り 我(あれ)は在(あ)れど」,雖然自己待在只要丈夫揮手就一定還看得見的距離

「其松(そのまつ)」,「其(その)」乃指示現場用法


2486 【承前,九三七二。】

 珍海 濱邊小松 根深 吾戀度 人子姤

 千沼海(ちぬのうみ)の 濱邊小松(はまへのこまつ) 根深(ねふか)めて 我戀渡(あれこひわた)る 人兒故(ひとのこゆゑ)に

 和泉千沼海 濱邊小松根深紮 無方以自拔 吾之朝思復暮想 所戀既是人子故

 或本歌曰:「血沼之海之,鹽干能小松,根母己呂爾,戀屋度,人兒故爾。」

 或本歌曰(またふみのうたにいふ):「千沼海(ちぬのうみ)の、潮干小松(しほひのこまつ)、懇(ねもころ)に、戀(こ)ひや渡(わた)らむ、人兒故(ひとのこゆゑ)に。」

 和泉千沼海 潮干瀉生小松根 懇切之所如 吾之朝思復暮想 所戀是為人子故

柿本人麻呂 2486

「濱邊小松(はまへのこまつ) 根深(ねふか)めて」,至於「根」為止為序詞,然序詞主題之轉換並不強烈。

「潮干小松(しほひのこまつ)」,潮干指退潮之痕跡。以上乃藉「松根」引出「懇(ねもころ)」之序。


2487 【承前,九三七三。】

 平山 子松末 有廉敘波 我思妹 不相止者

 奈良山(ならやま)の 小松(こまつ)が末(うれ)の うれむぞは 我(あ)が思妹(おもふいも)に 逢(あ)はず止(や)み無(な)む

 大和奈良山 小松末梢之所如 何以致如此 吾與朝暮懸心頭 所戀伊人不得逢

柿本人麻呂 2487

小松(こまつ)が末(うれ)の」,末梢,藉同音而為「うれむぞは」之序。

「うれむぞは」,未詳,反語性疑問副詞

「止(や)み無(な)む」,底本原文「止看」蓋訛,依『類聚古集』等作「止者」。

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2488 【承前,九三七四。】

 礒上 立迴香樹 心哀 何深目 念始

 礒上(いそのうへ)に 立(た)てる迴香木(むろのき) 懇(ねもころ)に 何(なに)しか深(ふか)め 思初(おもひそ)めけむ

 佇立荒磯上 所生迴香樹所如 根深情懇切 何以深邃難自拔 瘋狂依戀至如此

柿本人麻呂 2488

「迴香木(むろのき)」,原文底本「迴香瀧」,依『萬葉考』以為「迴香樹」之訛。「懇(ねもころ)」之序。


2489 【承前,九三七五。】

 橘 本我立 下枝取 成哉君 問子等

 橘(たちばな)の 本(もと)に我(わ)が立(た)ち 下枝取(しづえと)り 成(な)らむや君(きみ)と 問(と)ひし兒等(こら)はも

 非時香菓之 橘樹根元我倆立 手取其下枝 可與君能成果哉 如是探問姑娘矣

柿本人麻呂 2489

「我(わ)が立(た)ち」,「我(わ)」乃第一人稱複數。

「成(な)らむや君(きみ)と」,藉由橘子結實,比喻兩人之愛結果。女方詢問之語。

「問(と)ひし兒等(こら)はも」,「はも」為今當何如之語。當年甜言蜜語之對象,不知現在過得如何。男方對於不實之戀之回想。

2490 【承前,九三七六。】

 天雲爾 翼打附而 飛鶴乃 多頭多頭思鴨 君不座者

 天雲(あまくも)に 翼打附(はねうちつ)けて 飛鶴(とぶたづ)の 多頭多頭(たづたづ)しかも 君(きみ)し坐(いま)さねば

 久方天雲間 摶翅翱翔遊蒼穹 飛鶴之所如 忐忑不安心難靜 唯因君之不在此

柿本人麻呂 2490

「天雲(あまくも)に 翼打附(はねうちつ)けて」,鶴飛翔高空之狀。

「飛鶴(とぶたづ)の」,以上乃「多頭多頭(たづたづ)し」之序。「たづたづし」表心不在焉、忐忑不安之狀。

2491 【承前,九三七七。】

 妹戀 不寐朝明 男為鳥 從是此度 妹使

 妹(いも)に戀(こ)ひ 寐(い)ねぬ朝明(あさけ)に 鴛鴦(をしどり)の 此(こ)ゆ如斯渡(かくわた)る 妹(いも)が使(つかひ)か

 此心懸伊人 輾轉無眠迎朝明 見得鴛鴦之 大群從此渡如斯 蓋是伊人信使

柿本人麻呂 2491

鴛鴦(をしどり)」,雁鴨科小形水鳥。五六月間,移住山間,秋則至平原過冬。以雌雄和睦著稱。雄稱為鴛而雌唯鴦。

「此(こ)ゆ如斯渡(かくわた)る」,「ゆ」表經由點。

「妹(いも)が使(つかひ)か」,將鴛鴦比擬作他鄉戀人之信使。轉自前漢蘇武雁信之典故


2492 【承前,九三七八。】

 念 餘者 丹穗鳥 足沾來 人見鴨

 思(おも)ひにし 餘(あま)りにしかば 丹穗鳥(にほどり)の 滯來(なづさひこ)しを 人見(ひとみ)けむかも

 慕情不能止 餘念潰堤似氾濫 丹穗貌鳥兮 千里跋涉滯來者 蓋為他人所見哉

柿本人麻呂 2492

「思(おも)ひにし」,此「思ひ」為名詞形,「し」表強調。

「丹穗鳥(にほどり)の」,「滯(なづ)さ」之枕詞一般「滯さ」表水路難涉,但亦泛指跨越障礙物,不辭辛勞前去之意。此云一心想與戀人相逢,不加迂迴,直接翻山越水而來。

2947左注所云『人麻呂歌集』歌,即為此曲。以上三曲,寄鳥述情。

2493 【承前,九三七九。】

 高山 峯行宍 友眾 袖不振來 忘念勿

 高山(たかやま)の 峰行(みねゆ)く氈鹿(しし)の 友(とも)を多(おほ)み 袖振(そでふ)らず來(き)ぬ 忘(わす)ると思(おも)ふ勿(な)

 此猶向高山 頂峰行徃氈鹿者 以其夥友眾 故不振袖而來矣 莫思吾人忘情也

柿本人麻呂 2493

「峰行(みねゆ)く氈鹿(しし)の」,「しし」多指豬、鹿之疇,此蓋指氈鹿。原文「宍」,古寫本多似「完」字而上下稍隔。

「袖振(そでふ)らず來(き)ぬ」,揮袖乃愛情表現

寄獸述情。



2494 【承前,九三七十。】

 大船 真楫繁拔 榜間 極太戀 年在如何

 大船(おほぶね)に 真楫繁貫(まかぢしじぬ)き 漕間(こぐあひだ)も 幾許戀(ここだこ)ふるを 年(とし)にあらば如何(いか)に

 堂皇大船之 真梶繁貫蹈滄溟 划槳榜船間 戀慕不止至幾許 不覺經年當何如

柿本人麻呂 2494

「漕間(こぐあひだ)も」,連划槳的須臾之間都...。

「年(とし)にあらば」,如果不知不覺過了一整年的話。或為七夕類歌。


2495 【承前,九三八一。】

 足常 母養子 眉隱 隱在妹 見依鴨

 垂根(たらつね)の 母(はは)が養蠶(かふこ)の 繭隱(まよごも)り 隱(こも)れる妹(いも)を 見(み)む由欲得(よしもがも)

 育恩垂乳根 慈母生業所養蠶 隱繭之所如 伊人藏身在深閨 欲得逢由與相晤

柿本人麻呂 2495

「垂根(たらつね)の」,母之枕詞。乃「垂乳根(たらちね)の」之音轉。

「母(はは)が養蠶(かふこ)の」,養蠶乃主婦生業

「繭隱(まよごも)り」,「繭(まよ)」乃「繭(まゆ)」之古形。以上乃藉桑蠶藏身繭中,比喻女子閉居家中


2496 【承前,九三八二。】

 肥人 額髮結在 染木綿 染心 我忘哉【一云,所忘目八方。】

 肥人(こまひと)の 額髮結(ぬかがみゆ)へる 染木綿(しめゆふ)の 染(し)みにし心(こころ) 我忘(あれわす)れめや【一云(またにいふ)、忘(わす)らえめやも。】

 筑紫肥人之 相結額髮染木綿 深沁之所如 汝情渲染沁我心 此念不渝豈忘懷【一云,此念豈能忘懷哉。】

柿本人麻呂 2496

「肥人(こまひと)の」,上古居於南九州異人種。『續日本紀』文武四年六月:「薩末比賣、久賣、波豆,衣評督衣君縣,助督衣君弖自美,又肝衝難波,從肥人等,持兵剽劫覓國使刑部真木等。於是敕竺志惣領,准犯決罰。」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/syokki/syokki01.htm#skk01_06 或云與隼人同。此歌所云肥人者,蓋移住畿內而祀奉宮廷者。

「額髮結(ぬかがみゆ)へる 染木綿(しめゆふ)の」,額髮乃前髮。染木綿為染色之木棉。肥人有以染木綿結髮之風俗。以上,引出「染・沁」之序。

「染(し)みにし心(こころ)」,此云深深闖入作者思念的戀人之心。


2497 【承前,九三八三。】

 早人 名負夜音 灼然 吾名謂 孋恃

 隼人(はやひと)の 名(な)に負(お)ふ夜聲(よごゑ) 灼然(いちしろ)く 我(わ)が名(な)は告(の)りつ 妻(つま)と(たの)ませ

 隼人宮墻傍 盛名犬吠獻夜聲 灼然之所如 妾身已然告己名 汝當恃吾為妻矣

柿本人麻呂 2497

隼人(はやひと)」,上古居於薩摩大隅地方異民族。時而叛亂,然每六年徵召勤務於隼人司,擔任宮廷警衛行幸警蹕。

「名(な)に負(お)ふ夜聲(よごゑ)」,隼人警衛宮廷行幸時,夜吠為事。『日本書紀神代下:「兄既窮途,無所逃去,乃伏罪曰:『吾已過矣。從今以往,吾子孫八十連屬,恒當為汝俳人。【一云,狗人。】請哀之。』弟還出涸瓊,則潮自息。於是兄知弟有神,遂以伏事其弟。是以火酢芹命苗裔諸隼人等,至今不離天皇宮墻之傍,代吠狗而奉事者也。」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/syoki/syoki02.htm#sk02_10 以上乃引出「灼然」之序。

「我(わ)が名(な)は告(の)りつ」,將自身的名諱告知對方,代表結婚意志

以上二首,寄情異族風俗

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2018-07-12-木

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万葉集試訳

2438 【承前,九三廿四。】

 人事 蹔吾妹 繩手引 從海益 深念

 人言(ひとごと)は 暫(しま)しぞ我妹(わぎも) 綱手引(つなてひ)く 海(うみ)ゆ(ま)さりて 深(ふか)くしそ思(おも)ふ

 流言蜚語者 不過一時片刻爾 親親無妹矣 較於所繫綱手之 滄溟更深此念矣

柿本人麻呂 2438

綱手引(つなてひ)く 海(うみ)ゆ」,「綱手」乃曳航船隻之繩索。「綱手引く海」指深海。小船無以自力航行深海,需藉大船曳航。「ゆ」為比較之基點。

嘆訴自我情深,遠過深海之曲。

2439 【承前,九三廿五。】

 淡海 奧嶋山 奧儲 吾念妹 事繁

 近江(あふみ)の 沖島山(おきつしまやま) 奧(おく)まけて 我(あ)が思妹(おもふいも)が 言繁(ことのしげ)けく

 近江淡海之 瀛津島山之所如 雖然戀伊人 吾納此思深奧處 奈何流言蜚語繁

柿本人麻呂 2439

沖島(おきつしま)」,以上乃藉同音而為「奧(おく)」之序。沖つ島山乃今近江八幡市奥島山。 http://blowinthewind.net/manyo/manyo-okitsushimayama.htm

「奧設(おくま)けて」,深藏心中。類歌2728作「奧(お)まへて」。

「我(あ)が思妹(おもふいも)が 言繁(ことのしげ)けく」,世間傳言不斷。


2440 【承前,九三廿六。】

 近江海 奧滂船 重下 藏公之 事待吾序

 近江海(あふみのうみ) 沖漕舟(おきこぐふね)の 碇下(いかりおろ)し 忍(しの)びて君(きみ)が 言待(ことま)つ我(われ)ぞ

 近江淡海之 瀛津遠處泊滂船 下碇之所如 妾身隱忍避人目 久俟靜待君言矣

柿本人麻呂 2440

「碇下(いかりおろ)し」,將船停在遠洋人目所不及之處。比喻自身隱藏戀情之狀。

「忍(しの)びて君(きみ)が」,「忍(しの)び」原文「藏」,『萬象名義』云:「深匿也。」

以上七首,寄戀於海。


2441 【承前,九三廿七。】

 隱沼 從裏戀者 無乏 妹名告 忌物矣

 隱沼(こもりぬ)の 下(した)ゆ戀(こ)ふれば 術(すべ)を無(な)み 妹(いも)が名告(なの)りつ 忌(ゆゆ)しき物(もの)を

 隱沼下通兮 隱匿戀情竊思者 情溢誠難止 不覺口漏伊人名 雖知禁忌難自已

柿本人麻呂 2441

「隱沼(こもりぬ)の」,「下(した)ゆ戀(こ)ふ」之枕詞。無出入口,看上去並無流動,實際上卻在水面下有所進出之沼澤。用以比喻不顯露於外之戀情。

「下(した)ゆ」,內心深處。

「忌(ゆゆ)しき物(もの)を」,古人避忌講述自身或戀人之名諱。

類歌2719。

2442 【承前,九三廿八。】

 大土 採雖盡 世中 盡不得物 戀在

 大地(おほつち)は 取盡(とりつく)すとも 世中(よのなか)の 盡(つく)し得(え)ぬ物(もの)は 戀(こひ)にしありけり

 六合大地間 萬物採盡雖有竭 然而此世間 悠悠無盡不絕者 其是所謂戀也矣

柿本人麻呂 2442

「大地(おほつち)は 取盡(とりつく)すとも」,即便大地之土有取盡之時。假定不可能之事,藉以襯托有更為困難之物。

「世中(よのなか)の」,'世上最重要的。

2443 【承前,九三廿九。】

 隱處 澤泉在 石根 通念 吾戀者

 隱處(こもりど)の 澤泉(さはいづみ)なる 岩根(いはね)をも 通(とほ)してそ思(おも)ふ 我(あ)が戀(こ)ふらくは

 縱令隱國之 秘境溪壑湧泉間 岩磐可穿矣 如是堅毅所念者 是即吾之所戀矣

柿本人麻呂 2443

「隱處(こもりど)」,人目不及之處。類歌2794有「隱(こも)りづ」之語。

「澤泉(さはいづみ)」,谷間湧泉。澤乃溪谷之意。『日本靈異記』上十二話訓注「溪,さは爾。」

岩根(いはね)をも 通(とほ)してそ思(おも)ふ」,強烈而可貫通岩磐。


2444 【承前,九三三十。】

 白檀 石邊山 常石有 命哉 戀乍居

 白真弓(しらまゆみ) 石邊山(いしへのやま)の 常磐(ときは)なる 命(いのち)なれやも 戀(こ)ひつつ居(を)らむ

 白檀真弓兮 石邊山間常磐在 蓋是當此命 有如常磐無盡而 如是無為徒戀慕

柿本人麻呂 2444

「白真弓(しらまゆみ)」,白木所製之弓。藉射箭(射る=いる)而為地名「石邊(いしへ)」之枕詞

常磐(ときは)なる」,如岩磐般恆久不變。

「命(いのち)なれやも 戀(こ)ひつつ居(を)らむ」,以為有永恆之壽命,而持續單戀不去相會。自責並警生命有限之語。


2445 【承前,九三卅一。】

 淡海海 沈白玉 不知 從戀者 今益

 近江海(あふみのうみ) 沈(しづ)く白玉(しらたま) 知(し)らずして 戀為(こひせ)しよりは 今(いま)こそ(ま)され

 近江淡海間 所沉白玉無人曉 相較不識時 今雖相識情更切 相思之情徒畆

柿本人麻呂 2445

「沈(しづ)く白玉(しらたま)」,以沉入水底之白珠比喻深窗令孃。

「知(し)らずして」,不知對方之出自背景。

比起還不知對方姓氏,單獨暗戀之時,雙方相識之後卻不得相見,則更為難受。

2446 【承前,九三卅二。】

 白玉 纏持 從今 吾玉為 知時谷

 白玉(しらたま)を 卷(ま)きて持(も)てたる 今(いま)よりは 我(わ)が玉(たま)に為(せ)む 知(し)れる時(とき)だに

 晶瑩白玉矣 纏持手上不離身 自今而後者 以為吾玉常相伴 至少此時為我

柿本人麻呂 2446

「知(し)れる時(とき)だに」,「知(し)れる」於茲為所有之意。雖然不知將來如何,至少現在為我所有。

2447 【承前,九三卅三。】

 白玉 從手纏 不忘 念 何畢

 白玉(しらたま)を 手(て)に卷(ま)きしより 忘(わす)れじと 思(おも)ひし事(こと)は 何(なに)か終(をは)らむ

 晶瑩白玉矣 自於纏持手上起 誓言永不忘 此情此意當恆久 何有一旦竟渝哉

柿本人麻呂 2447

「何(なに)か終(をは)らむ」,「何か」為反語語句。原文「何畢」,舊訓「いつか止むべき」。此依『伊勢物語』第十段「頼むの雁を、何時か忘れむ」訓之。

2448 【承前,九三卅四。】

 白玉 間開乍 貫緒 縛依 後相物

 白玉(しらたま)の 間開(あひだあ)けつつ 貫(ぬ)ける緒(を)も 括寄(くくりよ)すれば 後(のち)も合物(あふもの)そ

 晶瑩白玉矣 雖然貫之結時 縱設間以隔 然而一旦縛依者 其後必當相合矣

柿本人麻呂 2448

白玉(しらたま)」,原文烏玉,則當訓ぬばたま,此依『萬葉考』以為白玉之訛。

「間開(あひだあ)けつつ」,在貫緒之時,稍留間隔不令其過於緊密。


2449 【承前,九三卅五。】

 香山爾 雲位桁曳 於保保思久 相見子等乎 後戀牟鴨

 香具山(かぐやま)に 雲居棚引(くもゐたなび)き 欝(おほほ)しく 相見(あひみ)し兒等(こら)を 後戀(のちこ)ひむかも

 天香具山間 雲居霏霺之所如 迷濛飄渺而 雖與佳人相會晤 其後仍當苦戀煩

柿本人麻呂 2449

「雲居棚引(くもゐたなび)き」,雲居指雲掛於其上,或指雲本身。此歌為後者。以上乃引出「欝(おほほ)しく」之序。

「欝(おほほ)しく」,對象物遭遮蔽而無法清晰可見。

類歌1909。 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m10.htm#1909


2450 【承前,九三卅六。】

 雲間從 狹化月乃 於保保思久 相見子等乎 見因鴨

 雲間(くもま)より 狹渡(さわた)る月(つき)の 欝(おほほ)しく 相見(あひみ)し兒等(こら)を 見(み)む由欲得(よしもがも)

 其猶自雲間 游移渡御明月也 迷濛飄渺而 驚鴻一瞥伊人矣 欲得逢由冀相見

柿本人麻呂 2450

「狹渡(さわた)る月(つき)の」,「狹(さ)」乃接頭語。「い渡る」只得用於人,而「さ渡る」則可用於月、雲、鳥、蟇等物。以上乃「欝(おほほ)しく」之序。

2451 【承前,九三卅七。】

 天雲 依相遠 雖不相 異手枕 吾纏哉

 天雲(あまくも)の 寄合遠(よりあひとほ)み 逢(あ)はずとも 異(あた)し手枕(たまくら) 我捲(われま)かめやも

 唯有久方兮 遙遙天雲相寄處 方得兩相逢 吾人孤寢雖戀苦 豈渝情枕異手哉

柿本人麻呂 2451

「天雲(あまくも)の 寄合遠(よりあひとほ)み」,猶如天雲相依之天邊,意指戀人所在遙遠。

「異(あた)し手枕(たまくら)」,以他人之手為枕。此云移情別戀或不貞之狀。

2452 【承前,九三卅八。】

 雲谷 灼發 意追 見乍居 及直相

 雲(くも)だにも 著(しる)くし立(た)たば 心遣(こころや)り 見(み)つつも居(を)らむ 直(ただ)に逢迄(あふまで)に

 雖然兩相隔 不若見雲湧灼發 奉為慰鬱情 長居望遠觀雲霞 直至有朝相逢時

柿本人麻呂 2452

「雲(くも)だにも」,就算所待之心上人不來,至少看著天上之雲,以慰藉鬱情。原文「意追」指驅逐負面情感。


2453 【承前,九三卅九。】

 春楊 葛山 發雲 立座 妹念

 春柳(はるやなぎ) 葛城山(かづらきやま)に 立雲(たつくも)の 立(た)ちても居(ゐ)ても 妹(いも)をしそ思(おも)ふ

 春柳垂絲兮 大河葛城山頂上 雲湧之所如 吾人坐立不得安 心頭總念懸伊人

柿本人麻呂 2453

「春柳(はるやなぎ)」,地名葛城(かづらき)」之枕詞。以音近而為之。

「立雲(たつくも)の」,用以引出下文「立(た)ち」之序。


2454 【承前,九三四十。】

 春日山 雲座隱 雖遠 家不念 公念

 春日山(かすがやま) 雲居隱(くもゐかく)りて 遠(とほ)けども 家(いへ)は思(おも)はず 君(きみ)をしそ思(おも)ふ

 春日山頂上 雲湧遮蔽之所如 雖然相隔遠 吾今所念非家族 懸心總是掛伊人

柿本人麻呂 2454

「雲居(くもゐ)り」,「雲居(くもゐ)る」之連用終止形

「君(きみ)をしそ思(おも)ふ」,慣例而言,對象使用君者表示作者為女性。然民謠時有犯律之處。

2455 【承前,九三卌一。】

 我故 所云妹 高山之 岑朝霧 過兼鴨

 我(わ)が故(ゆゑ)に 言(い)はれし妹(いも)は 高山(たかやま)の 峰朝霧(みねのあさぎり) 過(す)ぎにけむ哉(かも)

 一度因吾故 受人流言蜚語繁 親親吾妹矣 蓋猶高峰朝霧之 消逝無蹤情渝哉

柿本人麻呂 2455

「峰朝霧(みねのあさぎり)」,以上,引出「過(す)ぎ」之序文

「過(す)ぎにけむ哉(かも)」,過去、消逝。指情人已然變心。


2456 【承前,九三卌二。】

 烏玉 鉐山 山草 小雨零敷 益益所思

 烏玉(ぬばたま)の 鉐山(くろかみやま)の 山菅(やますげ)に 小雨降頻(こさめふりし)き 頻頻(しくし)く思(おも)ほゆ

 漆遽╋妄臓●鉐山中山菅上 小雨零紛紛 猶彼霪雨降頻繁 吾思益益未嘗止

柿本人麻呂 2456

「山菅(やますげ)」,百合多年草藪蘭。或云生於山間之菅草。

「小雨降頻(こさめふりし)き」,「頻頻(しくし)く思(おも)ほゆ」之序。藉雨下不斷比喻思念頻頻。

2457 【承前,九三卌三。】

 大野 小雨被敷 木本 時依來 我念人

 大野藪(おほのら)に 小雨降頻(こさめふりし)く 木下(このもと)に 時時寄來(よりよりよりこ) 我(あ)が思人(おもふひと)

 大野原藪間 小雨頻零降紛紛 木下樹蔭處 還望時時可依來 朝思暮想吾念人

柿本人麻呂 2457

大野藪(おほのら)に」,大原野。而『名義抄』云「藪,のら。」故當唯有雜木點落之原野

「時時寄來(よりよりよりこ)」,「時時(よりより)」乃時常之意,刻意與寄字連續。「來(こ)」為命令語氣。


2458 【承前,九三卌四。】

 朝霜 消消 念乍 何此夜 明鴨

 朝霜(あさしも)の 消(け)なば消(け)ぬべく 思(おも)ひつつ 如何(いか)に此夜(このよ)を 明(あ)かしてむかも

 朝霜之所如 其當消逝直需逝 每每念及此 無涯漫漫長夜間 如何輾轉待天明

柿本人麻呂 2458

「朝霜(あさしも)」,「消(け)」之枕詞

「消(け)なば消(け)ぬべく」,如果會消失的話就乾脆消失算了。


2459 【承前,九三卌五。】

 吾背兒我 濱行風 彌急 急事 益不相有

 我(わ)が背子(せこ)が 濱行(はまゆ)く風(かぜ)の 彌早(いやはや)に 言(こと)を速(はや)みか 彌逢(いやあ)はざらむ

 親親吾夫子 蓋是汝傍濱行風 彌急之所如 流言蜚語傳且速 彌相離兮不得逢

柿本人麻呂 2459

「我(わ)が背子(せこ)が 濱行(はまゆ)く風(かぜ)の」,「我が背子が濱」概指男方住居近旁之濱。「行く」或指吹拂,但無類例。『萬葉集古義』以為「行」乃「吹」字之訛。以上乃「彌早(いやはや)に」之序。

「言(こと)を速(はや)みか」,流言中傷激烈。

2460 【承前,九三卌六。】

 遠妹 振仰見 偲 是月面 雲勿棚引

 遠妹(とほきいも)が 振放見(ふりさけみ)つつ 偲(しの)ふらむ 此月面(このつきのおも)に 雲勿棚引(くもなたなび)き

 相隔遠異地 吾妹翹首仰望而 騁思相念哉 是以此天原明月 還冀浮雲莫蔽之

柿本人麻呂 2460

「振放見(ふりさけみ)つつ」,原文「振仰見」。2068有「天原 降放見れば」之語。

類歌2669,改第一句為「我が背子が」,為女性視角

2461 【承前,九三卌七。】

 山葉 追出月 端端 妹見鶴 及戀

 山端(やまのは)を 追出(おひいづ)る月(つき)の 端端(はつはつ)に 妹(いも)をそ見(み)つる 戀(こ)ほしき迄(まで)に

 其猶西山端 傾注追出月所如 端端稍瞥見 萍水相逢拜一面 竟戀伊人至幾許

柿本人麻呂 2461

「山端(やまのは)を 追出(おひいづ)る月(つき)の」,「山端」乃山之稜線。此云月落之西山。「追ひ」為凝視、追焦。

「端端(はつはつ)に」,瞥見,不完全之狀態。表示期望能見得全貌之心情。


2462 【承前,九三卌八。】

 我妹 吾矣念者 真鏡 照出月 影所見來

 我妹子(わぎもこ)や 我(われ)を思(おも)はば 真十鏡(まそかがみ) 照出(てりいづ)る月(つき)の 影(かげ)に見(み)え來(こ)ね

 吾妻妹子矣 汝若相思念我者 無曇真十鏡 照出明月可見之 以為面影緩憂思

柿本人麻呂 2462

「我妹子(わぎもこ)や」,原文「我妹」,此添呼喊親暱對象之「や」。

「真十鏡(まそかがみ)」,「照出(てりいづ)る」之枕詞

「影(かげ)に見(み)え來(こ)ね」,「影(かげ)」指稱明月自身,「ね」為表希求之終助詞


2463 【承前,九三卌九。】

 久方 天光月 隱去 何名副 妹偲

 久方(ひさかた)の 天照(あまて)る月(つき)の 隱(かく)りなば 何(な)に擬(なそ)へて 妹(いも)を偲(しの)はむ

 遙遙久方兮 玄天照覽明月者 所為浮雲蔽 吾當擬何為面影 以思伊人光儀哉

柿本人麻呂 2463

「天照(あまて)る月(つき)の」,『拾遺和歌集』有「天照る月も 隠れ行く」云云。或此亦可讀做「天照る月も」。

「擬(なそ)へて」,藉由眼前之事務擬為不在之人以發思念

2464 【承前,九三五十。】

 若月 清不見 雲隱 見欲 宇多手比日

 三日月(みかづき)の 清(さや)にも見(み)えず 雲隱(くもがく)り 見(み)まくそ欲(ほ)しき 別樣此頃(うたてこのころ)

 稚齡三日月 光儀莫以見清晰 其猶雲隱之 朝思暮想欲相見 胸懷別樣此頃時

柿本人麻呂 2464

「雲隱(くもがく)り」,以上以遭浮雲遮蔽之三日月比喻無法端見其姿容之女性

「別樣(うたて)」,失去平常心之意。


2465 【承前,九三五一。】

 我背兒爾 吾戀居者 吾屋戶之 草佐倍思 浦乾來

 我(わ)が背子(せこ)に 我(あ)が戀居(こひを)れば 我(わ)が宿(やど)の 草(くさ)さへ思(おも)ひ 衷振(うらぶ)れにけり

 蓋因我鍾情 戀慕伊人吾夫子 不得報之故 吾宿庭草感此心 惻隱悲懷垂萎矣

柿本人麻呂 2465

「衷振(うらぶ)れにけり」,意氣消沉之狀。時以植物萎靡之狀,擬人以為同情作者遭遇。

2466 【承前,九三五二。】

 朝茅原 小野印 空事 何在云 公待

 淺茅原(あさぢはら) 小野(をの)に標結(しめゆ)ひ 空言(むなこと)を 何(いか)なりと言(い)ひて 君(きみ)をし待(ま)たむ

 標結淺茅原 叢生小野之所如 虛渺無益矣 吾當如何誑空言 枯待薄情君臨哉

柿本人麻呂 2466

「淺茅原(あさぢはら) 小野(をの)に標結(しめゆ)ひ」,「空言(むなこと)」之序。「標結」乃佔為所有,而淺茅原之利用價值不高,故以之做為徒然之比喻。

「空言(むなこと)」,無意義之言語

「何(いか)なりと言(い)ひて 君(きみ)をし待(ま)たむ」,作者痴痴等待戀人來訪,而戀人薄情不至,對於感到詫異而來詢問之人,當如何自圓其說。

2467 【承前,九三五三。】

 路邊 草深白合之 後云 妹命 我知

 道邊(みちのへ)の 草深百合(くさふかゆり)の 後(ゆり)もと言(い)ふ 妹(いも)が命(いのち)を 我知(あれし)らめやも

 道邊所叢生 草深百合之所如 雖云後日者 人生苦短是無常 吾妹壽者豈知哉

柿本人麻呂 2467

「草深百合(くさふかゆり)の」,以上乃藉同音而為「後(ゆり)」之序。「百合(ゆり)」原文,底本作「百合」而嘉曆傳承本等非仙覺系底本作「白和」,『新撰字鏡』亦如,蓋為古體。


2468 【承前,九三五四。】

 湖葦 交在草 知草 人皆知 吾裏念

 湊葦(みなとあし)に 交(ま)じれる草(くさ)の 知草(しりくさ)の 人皆知(ひとみなし)りぬ 我(あ)が下思(したおも)ひは

 水戶湊葦間 所以雜生交在草 知草之所如 吾人深埋藏內心 此情人盡已皆知

柿本人麻呂 2468

「湊葦(みなとあし)」,生長於河口附近之蘆葦。「湊」為水之出入口。

「知草(しりくさ)」,莎草科三角藺。以上為以「知草(しりくさ)」與「知(し)りくさ」同音,而為「人皆知(ひとみなし)りぬ」之序。

2469 【承前,九三五五。】

 山萵苣 白露重 浦經 心深 吾戀不止

 山萵苣(やまぢさ)の 白露重(しらつゆおも)み 衷振(うらぶ)れて 心(こころ)に深(ふか)く 我(あ)が戀止(こひや)まず

 其猶山萵苣 白露置之積重而 萎靡之所如 意志消沉鬱不樂 吾心深戀不得止

柿本人麻呂 2469

「山萵苣(やまぢさ)」,生於山中之萵苣。

白露重(しらつゆおも)み」,因白露之重量而下垂。以上乃比喻「衷振(うらぶ)れ」之序。

2470 【承前,九三五六。】

 湖 核延子菅 不竊隱 公戀乍 有不勝

 湊(みなと)に 小根延小菅(さねばふこすげ) 竊隱(ぬすま)はず 君(きみ)に戀(こ)ひつつ 在克(ありか)つましじ

 湖湊河口間 蔓根小菅之所如 此情難竊隱 吾人戀君情甚切 不克久藏埋心中

柿本人麻呂 2470

「後(ゆり)もと言(い)ふ」,女方委婉拒絕之言語。「後(ゆり)」乃後日,之後再說。

「小根延小菅(さねばふこすげ)」,「小(さ)」為接頭語。「根延(ねば)ふ」指根蔓延之狀。

「竊隱(ぬすま)はず」,「竊隱ふ」為不為人知隱密行動之狀。

「在克(ありか)つましじ」,仙覺系諸本、類聚古集作「有不勝鴨」,此依嘉曆傳承本作「有不勝」。


2471 【承前,九三五七。】

 山代 泉小菅 凡浪 妹心 吾不念

 山背(やましろ)の 泉小菅(いづみのこすげ) 凡浪(なみなみ)に 妹(いも)が心(こころ)を 我(わ)が思(おも)は無(な)くに

 苗木繼根生 山城泉川流域間 菅浪之所如 吾戀我妹情深切 豈如凡俗並尋常

柿本人麻呂 2471

「山背(やましろ)の 泉小菅(いづみのこすげ)」,以上乃用以帶出「凡浪(なみなみ)」之序。小菅隨風偃如浪,又以浪、並同音承接後文。

「凡浪(なみなみ)」,普遍一般尋常。與「菅浪」雙關。

2472 【承前,九三五八。】

 見渡 三室山 石穗菅 惻隱吾 片念為【一云,三諸山之,石小菅。】

 見渡(みわた)しの 三室山(みむろのやま)の 巖菅(いはほすげ) 懇我(ねもころあれ)は 片思(かたもひ)そする【一云(またにいふ)、三諸山(みもろのやま)の、岩小菅(いはこすげ)。】

 放眼望見者 神奈備兮三室山 巖菅根所如 吾人懇意投真情 無奈只為單相思【一云,神奈備兮三諸山,岩上小菅根所如。】

柿本人麻呂 2472

「見渡(みわた)しの」,由現在位置眺望對面之處。

「巖菅(いはほすげ)」,生於巨石上之菅。一書作「岩小菅(いはこすげ)」。皆為連續「懇(ねもこ)ろ」之序。

「懇(ねもこ)ろ」,一心一意,真情流露。

2473 【承前,九三五九。】

 菅根 惻隱君 結為 我紐緒 解人不有

 菅根(すがのね)の 懇君(ねもころきみ)が 結(むす)びてし 我(あ)が紐緒(ひものを)を 解人(とくひと)も無(な)し

 菅根之所如 真情懇意吾君之 所以躬手結 吾人紐緒自貞潔 豈有他人能解哉

柿本人麻呂 2473

「菅根(すがのね)の」,「懇(ねもこ)ろ」之枕詞

「我(あ)が紐緒(ひものを)を 解人(とくひと)も無(な)し」,發誓堅守貞操之語。


2474 【承前,九三六十。】

 山菅 亂戀耳 令為乍 不相妹鴨 年經乍

 山菅(やますげ)の 亂戀(みだれこひ)のみ 為(せ)しめつつ 逢(あ)はぬ妹(いも)かも 年(とし)は經(へ)につつ

 山菅漫草兮 千頭萬緒情意亂 狂戀猶如此 伊人無意與相逢 不覺經年齒徒長

柿本人麻呂 2474

「山菅(やますげ)の」,「亂(みだ)る」之枕詞。以菅根漫生雜亂之狀喻之。


2475 【承前,九三六一。】

 我屋戶 甍子太草 雖生 戀忘草 見未生

 我(わ)が宿(やど)は 甍羊齒草(いらかしだくさ) 生(お)ひたれど 戀忘草(こひわすれぐさ) 見(み)るに未生(いまだお)ひず

 吾戶屋簷上 甍間羊齒草雖生 然云能解憂 忘情效驗戀忘草 見之幾度仍未生

柿本人麻呂 2475

「甍羊齒草(いらかしだくさ)」,「甍」為屋頂棟樑,茅、板、瓦葺皆可用之。

「戀忘草(こひわすれぐさ) 見(み)るに未生(いまだお)ひず」,此云無論過了多久皆無法自相思之苦中超脫。

2476 【承前,九三六二。】

 打田 稗數多 雖有 擇為我 夜一人宿

 打田(うつた)に 稗(ひえ)はし數多(あまた) 有(あり)と云(い)へど 選(えら)えし我(あれ)そ 夜獨寢(よるひとりぬ)る

 雖云耕田間 田稗雜生生無數 何以巧如此 萬中擇一除我去 只得孤寢度長夜

柿本人麻呂 2476

打田(うつた)」,「打(うつ)」乃耕作之意。

「稗(ひえ)」,稻科一年草,有旱田之稗畑與水田之田稗兩種。雖可食用,但與稻穀同生則為農害。將遭拔除。

「選(えら)えし」,遭到選別、拔除。

歌垣中不受女性青睞之人所歌。類歌2999。

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2018-06-19-火

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万葉集試訳

2387 【承前,卌七二十。】

 日位 人可知 今日 如千歲 有與鴨

 日並(ひなら)べば 人知(ひとし)りぬべし 今日日(けふのひ)は 千年如(ちとせのごと)も 有與(ありこ)せぬ哉(かも)

 日復一日者 此戀當為眾人察 相逢在今宵 但願今日此一日 能猶千秋萬歲長

柿本人麻呂 2387

「日並(ひなら)べば」,日復一日相見。原文「位」,『萬象名義』云:「列也。」

今日日(けふのひ)は」,久久相逢之今日

「有與(ありこ)せぬ哉(かも)」,「與(こ)せ」與「くれ」同,ぬかも表希求


2388 【承前,卌七廿一。】

 立座 態不知 雖念 妹不告 間使不來

 立(た)ちて居(ゐ)て 態(たどき)も知(し)らず 思(おも)へども 妹(いも)に告(つ)げねば 間使(まつかひ)も來(こ)ず

 坐立咸不安 手足無措不知方 吾雖戀伊人 落花有意水無情 未聞其言無使至

柿本人麻呂 2388

「立(た)ちて居(ゐ)て」,心情忐忑,修飾第三句「思」字。

「態(たどき)」,方法手段、狀態、樣子。

2389 【承前,卌七廿二。】

 烏玉 是夜莫明 朱引 朝行公 待苦

 烏玉(ぬばたま)の 此夜莫明(このよなあ)けそ 赤(あか)らひく 朝行(あさゆ)く君(きみ)を 待(ま)たば苦(くる)しも

 漆遽╋妄臓\夜春宵願莫明 赤輝朱曜兮 朝日送君離歸去 俟君復臨甚艱辛

柿本人麻呂 2389

「烏玉(ぬばたま)の」,夜之枕詞

「赤(あか)らひく」,朝、日之枕詞赤色光耀之狀。

雖知當晚將再度來訪,但必須等整整一日才能再度相逢,是故心願春宵莫明。



2390 【承前,卌七廿三。】

 戀為 死為物 有者 我身千遍 死反

 戀(こひ)するに 死(しに)する物(もの)に 有(あ)らませば 我(あ)が身(み)は千度(ちたび) 死(し)に反(かへ)らまし

 若以戀慕情 得至一死殞命者 度吾日所念 能令己身千遍死 巧使吾人百重生

柿本人麻呂 2390

「戀(こひ)するに」,原文「戀為」,舊訓作「戀(こひ)をして」,今依嘉曆傳承本改之。

「死(し)に反(かへ)らまし」,「反(かへ)る」表反覆。『游仙窟』有「能令公子百重生,巧使王孫千回死。」

類歌0603 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m04.htm#0603



2391 【承前,卌七廿四。】

 玉響 昨夕 見物 今朝 可戀物

 玉限(たまかぎ)る 昨日夕(きのふのゆふへ) 見(み)し物(もの)を 今日朝(けふのあした)に 戀(こ)ふべき物(もの)か

 玉剋魂極兮 昨日之夕才相見 春宵總苦短 今日之朝一旦離 竟已相思至幾許

柿本人麻呂 2391

「玉限(たまかぎ)る」,「夕」之枕詞。原文「玉響」,以玉之玲瓏聲響比喻閃閃發光之斷續。

今日朝(けふのあした)に」,此歌以日出之時為一日之始,同於現代。而上代多以日沒唯一日之始。

「戀(こ)ふべき物(もの)か」,「べき物(もの)か」與「べしや」同,此為自責用句。

自嘲昨夕方才見面,怎知今朝就思念不已。


2392 【承前,卌七廿五。】

 中中 不見有 從相見 戀心 益念

 中中(なかなか)に 見(み)ざりしよりも 相見(あひみ)ては 戀(こひ)しき心(こころ) (ま)して思(おも)ほゆ

 相較憖片而 不得相逢之時者 自於相見起 戀心絲毫未稍退 反而徒畊浩誇

柿本人麻呂 2392

「中中(なかなか)に」,不上不下,有所殘欠。或有作「反而」,而用於修飾「相見(あひみ)」之說。

2393 【承前,卌七廿六。】

 玉桙 道不行為有者 惻隱 此有戀 不相

 玉桙(たまほこ)の 道行(みちゆ)かずあらば 惻隱(ねもころ)の 斯(か)かる戀(こひ)には 逢(あ)はざらましを

 玉桙華道兮 康莊大道不行者 如今所胸懷 由衷惻隱此戀慕 無由逢之豈傷神

柿本人麻呂 2393

「道行(みちゆ)かずあらば」,反事實假定。

「惻隱(ねもころ)の」,由衷的。原文惻隱乃發自內心深處之悲哀。

2394 【承前,卌七廿七。】

 朝影 吾身成 玉垣入 風所見 去子故

 朝影(あさかげ)に 我(あ)が身(み)は成(なり)ぬ 玉限(たまかき)る 仄(ほの)かに見(み)えて 去(い)にし兒故(こゆゑ)に

 稀薄淡闇兮 晨曦朝影吾身成 玉剋魂極兮 風聞朦朧一瞥而 不知所向之子故

柿本人麻呂 2394

「朝影(あさかげ)に 我(あ)が身(み)は成(なり)ぬ」,朝影乃晨曦時受薄明之光照耀所產生的淡影。影於茲表不確定、渺茫之物。

「玉限(たまかき)る」,「仄(ほの)か」之枕詞

「仄(ほの)かに」,無法清楚看見、聽見之狀。原文「風」字來自「風聞」。

3085重出。『日本靈異記』狐為妻令生子緣有「戀は皆 我が上に落ちぬ たまかぎる はろかに見えて 去にし子ゆゑに」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/ryoiki/ryoiki01a.htm#02 之曲。

2395 【承前,卌七廿八。】

 行行 不相妹故 久方 天露霜 沾在哉

 行(い)けど行(い)けど 逢(あ)はぬ妹故(いもゆゑ) 久方(ひさかた)の 天露霜(あまつゆしも)に 濡(ぬ)れにけるかも

 行訪無絕日 卻不予會之子故 遙遙久方兮 天之露霜沾吾衣 漬濡令濕更寂寥

柿本人麻呂 2395

「行(い)けど行(い)けど」,無論行訪幾度。

「天露霜(あまつゆしも)」,「露霜(つゆしも)」乃露之雅語。


2396 【承前,卌七廿九。】

 玉坂 吾見人 何有 依以 且一目見

 偶(たま)さかに 我(わ)が見(み)し人(ひと)を 如何(いか)にあらむ 依(よ)しを持(も)ちてか 且一目見(またひとめみ)む

 不意所邂逅 吾所一見傾心人 魂牽復夢縈 當以何由依何機 得以再逢復見哉

柿本人麻呂 2396

「偶(たま)さかに」,偶然,有幸邂逅。

「依(よ)しを持(も)ちてか」,「依(よ)」乃機緣。

「且一目見(またひとめみ)む」,「且」或本原文書「亦」,此依廣麕棔『日本紀私記』乙本訓「且」作「また」。

2397 【承前,卌七三十。】

 蹔 不見戀 吾妹 日日來 事繁

 蹔(しましく)も 見(み)ねば戀(こひ)しき 我妹子(わぎもこ)を 日(ひ)に日(ひ)に來(く)れば 言繁(ことのしげ)けく

 縱使蹔須臾 片刻不見令人戀 相思吾妹者 若是日日來逢者 唯恐流言蜚語繁

柿本人麻呂 2397

「言繁(ことのしげ)けく」,く句法終止乃詠嘆文末語氣。

2398 【承前,卌七卅一。】

 年切 及世定 恃 公依 事繁

 年極(としきは)る 世迄(よまで)と定(さだ)め (たの)みたる 君(きみ)に因(よ)りては 言繁(ことしげ)くとも

 既是積年歲 定情此世永不渝 憑魎鷓\検_羹蠑畩雜齋者 縱令蜚語無所懼

柿本人麻呂 2398

「年極(としきは)る」,漸漸積年累月而去。蓋與枕詞「玉極はる」有關。

「世迄(よまで)と定(さだ)め」,心中決意相戀至壽命結束之日。此「世」表人生生命

「君(きみ)に因(よ)りては」,若是因汝之故。

「言繁(ことしげ)くとも」,其後省略「無所謂、無所懼」之語。


2399 【承前,卌七卅二。】

 朱引 秦不經 雖寐 心異 我不念

 赤引(あからひ)く 肌(はだ)も觸(ふ)れずて 寢(ね)たれども 心(こころ)を異(け)には 我(わ)が思(おも)は無(な)くに

 姝麗紅顏兮 嬌嫩肌膚雖不觸 孤枕而眠者 我心鍾情未嘗改 絲毫無異仍懸君

柿本人麻呂 2399

「赤引(あからひ)く」,「肌(はだ)」之枕詞。發出赤色光輝,紅顏之意。

「肌(はだ)も觸(ふ)れずて」,原文「秦不經」之「秦、經」乃借訓。祝詞大祓詞「生膚斷」於『倭姬命世記』做「生秦斷」。經乃下二段ふ之已然型。

「心(こころ)を異(け)には 我(わ)が思(おも)は無(な)くに」,「異(け)」表對對方無實意或有貳心。なくに乃詠嘆用法


2400 【承前,卌七卅三。】

 伊田何 極太甚 利心 及失念 戀故

 乞何(いでなに)か 幾許甚(ここだはなは)だ 利心(とごころ)の 失(う)する迄思(までおも)ふ 戀故(こひゆゑ)にこそ

 何以如此者 吾人喪心甚幾許 理性盡失而 千頭萬緒所念哉 蓋以真情所戀故

柿本人麻呂 2400

「乞何(いでなに)か」,「乞(いで)」乃有求之時所發的感動詞,即便是捫心自問。「何(なに)か」乃追尋理由之疑問副詞

「利心(とごころ)」,理性。「利(と)」乃敏銳、聰明之意。

2401 【承前,卌七卅四。】

 戀死 戀死哉 我妹 吾家門 過行

 戀死(こひし)なば 戀(こひ)も死(し)ねとや 我妹子(わぎもこ)が 我家門(わぎへのかど)を 過(す)ぎて行(ゆ)くらむ

 君意蓋如茲 若苦相思欲戀死 戀死而可哉 落花有意水無情 伊人素過我家門

柿本人麻呂 2401

「過(す)ぎて行(ゆ)くらむ」,「過(す)ぎ」乃過而不入。「らむ」表推量他人意圖。

2402 【承前,卌七卅五。】

 妹當 遠見者 恠 吾戀 相依無

 妹(いも)が邊(あた)り 遠(とほ)くも見(み)れば 恠(あやし)くも 我(あれ)は戀(こ)ふるか 逢由(あふよし)を無(な)み

 窈窕伊人許 每當遙遙望見者 奇也恠矣哉 吾人戀慕難自已 分明相隔無逢由

柿本人麻呂 2402

「恠(あやし)くも 我(あれ)は戀(こ)ふるか」,無由、詭譎,作者自我批評、自嘲之語。「か」為詠嘆。

既然無以相逢,相思如此又有何益?


2403 【承前,卌七卅六。】

 玉久世 清川原 身秡為 齋命 妹為

 玉曲(たまくせ)の 清川原(きよきかはら)に 禊(みそぎ)して 齋命(いはふいのち)は 妹(いも)が為(ため)こそ

 玲瓏玉曲鵝\産妃苫川原間 吾人祓身禊 清淨潔齋此命者 一為吾所慕伊人

柿本人麻呂 2403

「玉曲(たまくせ)の」,「玉(たま)」乃美稱接頭語,「曲(くせ)」為表多砂川原之地形語。

「禊(みそぎ)」,至水邊淨身之行為。漸漸與祓除擠身罪孽之禊払混同

「齋命(いはふいのち)」,「命(いのち)」與身同。


2404 【承前,卌七卅七。】

 思依 見依物 有 一日間 忘念

 思寄(おもひよ)り 見寄(みよ)りて物(もの)は ある物(もの)を 一日間(ひとひのあひだ)も 忘(わす)れて思(おも)へや

 雖云世常理 思案相依能生情 吾等雖兩隔 縱然一日不得近 豈有片刻忘此情

柿本人麻呂 2404

「思寄(おもひよ)り 見寄(みよ)りて物(もの)は ある物(もの)を」,反覆思考,漸漸接近,近水樓台,方能生情。雖說如此,縱然無法相逢,豈有忘情之理。


2405 【承前,卌七卅八。】

 垣廬鳴 人雖云 狛錦 紐解開 公無

 垣穗為(かきほな)す 人(ひと)は言(い)へども 高麗錦(こまにしき) 紐解開(ひもときあ)けし 君(きみ)なら無(な)くに

 眾聚如垣穗 慮穿慮跖繁雜 然天地為證 端莊潔淨高麗錦 君非擅解其紐人

柿本人麻呂 2405

「垣穗為(かきほな)す」,眾人圍成高牆責難之狀。

「紐解開(ひもときあ)けし」,相互解開對方衣紐,共度春宵之意。

女方對於他人之慮穿慮譟ぜ臘ジ平交際潔白之曲。

2406 【承前,卌七卅九。】

 狛錦 紐解開 夕谷 不知有命 戀有

 高麗錦(こまにしき) 紐解開(ひもときあ)けて 夕(ゆふへ)だに 知(し)らざる命(いのち) 戀(こ)ひつつやあらむ

 端莊高麗錦 衣紐解兮盼君臨 不知此命者 可以堪至夕暮哉 如是焦戀苦相思

柿本人麻呂 2406

「紐解開(ひもときあ)けて」,古俗以為,下紐自解乃戀人將訪之兆。亦有解開衣紐,以祈伊人速來之俗信。

「夕(ゆふへ)だに 知(し)らざる命(いのち)」,不知此命可否撐到夕暮相會之時。原文「夕谷」或做「夕戶」,按『萬葉考』訛也。


2407 【承前,卌七四十。】

 百積 船潜納 八占刺 母雖問 其名不謂

 百積(ももさか)の 船隱入(ふねかくりい)る 八占指(やうらさ)し 母(はは)は問(と)ふとも 其名(そのな)は告(の)らじ

 百積堂皇兮 大船隱入浦所如 八占探天機 縱令家母問言繁 妾身豈輙告君名

柿本人麻呂 2407

「百積(ももさか)の 船隱入(ふねかくりい)る」,足以容納積載百石之大船停靠之海浦。藉「浦(うら)」與「占(うら)」同音而為「八占」之序。「正述心緒」歌中用序者實屬罕見。

「八占指(やうらさ)し」,以各式各樣之占卜探問。「指(さ)し」乃設置之意。


2408 【承前,卌七卌一。】

 眉根削 鼻鳴紐解 待哉 何時見 念吾

 眉根搔(まよねか)き 鼻鳴紐解(はなひひもと)け 待(ま)つらむか 何時(いつ)かも見(み)むと 思(おも)へる我(あれ)を

 想君今何如 蓋是搔眉鼻鳴而 解紐鄉待哉 心念伊人欲相逢 兩隔異地俟吾矣

柿本人麻呂 2408

「眉根搔(まよねか)き 鼻鳴紐解(はなひひもと)け」,古俗以為,打噴嚏與下紐自解,乃戀人將至之徵。「眉根」同「眉」。

男子因生病而無法前去與戀人相會,擬戀人心意所作之曲。類歌2808。

2409 【承前,卌七卌二。】

 君戀 浦經居 悔 我裏紐 結手徒

 君(きみ)に戀(こ)ひ 衷觸居(うらぶれを)れば 悔(くや)しくも 我(わ)が下紐(したびも)の 結手徒(ゆふていたづら)に

 戀君情甚苦 沉溺憂思鬱抑時 懊悔悲恨矣 徒解下紐復結兮 夜夜盼君君不來

柿本人麻呂 2409

「結手徒(ゆふていたづら)に」,「徒(いたづら)に」表徒然、無效。古俗以為解去內衣之紐,則可令戀人早至。然而戀人不臨,解而結之,全無效驗,盡皆空虛。屬閨怨之語。


2410 【承前,卌七卌三。】

 璞之 年者竟杼 敷白之 袖易子少 忘而念哉

 新(あらた)まの 年(とし)は果(は)つれど 敷栲(しきたへ)の 袖交(そでか)へし兒(こ)を 忘(わす)れて思(おも)へや

 雖日新月異 一年既竟歲已暮 白妙敷栲兮 曾相交袖共枕眠 窈窕娘子豈忘哉

柿本人麻呂 2410

「年(とし)は果(は)つれど」,「果(は)つれ」原文「竟」者,古本『玉篇』云:「終也。」

「敷栲(しきたへ)の」,床、枕、衣手、袖之枕詞

「袖交(そでか)へし兒(こ)を」,「交(か)へ」乃交錯、交纏。

「忘(わす)れて思(おも)へや」,「思(おも)へや」乃反語自身情意濃厚、真切,縱然久不相見,豈會無情忘之。


2411 【承前,卌七卌四。】

 白細布 袖小端 見柄 如是有戀 吾為鴨

 白栲(しろたへ)の 袖(そで)を小端(はつはつ) 見(み)しからに 如是戀(かかるこひ)をも 我(あれ)はする哉(かも)

 素妙白栲兮 衣手小端稍瞥見 不過如此者 竟然心懸猶刻骨 如是焦戀將為哉

柿本人麻呂 2411

「小端(はつはつ)」,稍微。形容觀看或接觸程度之少,令人無法滿足。

「見(み)しからに」,表原因輕微而導致之結果重大。(不過忘了一眼,卻難忘得焦於苦戀。)


2412 【承前,卌七卌五。】

 我妹 戀無乏 夢見 吾雖念 不所寐

 我妹子(わぎもこ)に 戀術無(こひすべな)がり 夢(いめ)に見(み)むと 我(あれ)は思(おも)へど 寢(い)ねら得無(えな)くに

 雖然戀伊人 苦無逢猶隔異地 雖然有所思 欲將相會在夢田 無奈輾轉不得眠

柿本人麻呂 2412

「戀術無(こひすべな)がり」,「術無(すべな)がり」與「術無(すべな)み」同。不知如何是好。

「寢(い)ねら得無(えな)くに」,「ら得(え)」乃表可能助動詞「らゆ」之未然型。

2413 【承前,卌七卌六。】

 故無 吾裏紐 令解 人莫知 及正逢

 故(ゆゑ)も無(な)く 我(わ)が下紐(したびも)を 解(と)けしめて 人(ひと)に莫知(なし)らせ 直(ただ)に逢迄(あふまで)に

 無故亦無由 令吾下紐自解矣 其為所徵哉 莫令人知勿張揚 迄於直相來逢矣

柿本人麻呂 2413

「解(と)けしめて」,自動辭下二段未然型。古俗以為,內衣衣紐自解,乃戀人將訪之兆。


2414 【承前,卌七卌七。】

 戀事 意追不得 出行者 山川 不知來

 戀(こ)ふる事(こと) 慰兼(なぐさめか)ねて 出(いで)て行(ゆ)けば 山(やま)を川(かは)をも 知(し)らず來(き)にけり

 心欲慰戀事 意拂不得難撫平 因而出行者 不辨山川心神亂 竟然不覺至此處

柿本人麻呂 2414

「慰兼(なぐさめか)ねて」「慰(なぐさ)め」原文「意追」,乃指趕走憂欲之情。2452將之訓作「こころやり」。

「山(やま)を川(かは)をも」,「山をも川をも」之略。

男子嘆訴不知不覺走到心儀女性家前心境之曲。

2415 寄物陳思 【九三第一。】

 處女等乎 袖振山 水垣乃 久時由 念來吾等者

 娘子等(をとめら)を 袖振山(そでふるやま)の 瑞垣(みづかき)の 久(ひさ)しき時(とき)ゆ 思(おも)ひけり我(あれ)は

 娘子揮袖振 布留山座石上振 神宮瑞垣之 歷時彌久洽所如 吾亦慕君自遠昔

柿本人麻呂 2415

娘子等(をとめら)を」,以揮袖而為地名布留之枕詞

「瑞垣(みづかき)の」,經年不變,清潔無暇之比喻。石上神宮樓門題字「萬古彌新」。

異傳歌0501注人麻呂所做。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m04.htm#0501

2416 【承前,九三第二。】

 千早振 神持在 命 誰為 長欲為

 千早振(ちはやぶ)る 神持(かみのも)たせる 命(いのち)をば 誰(た)が為(ため)にかも 長(なが)く欲為(ほりせ)む

 千早振稜威 神靈所授此命者 三界如火宅 吾耐無常不如意 苟延憂世所為

柿本人麻呂 2416

千早振(ちはやぶ)る」,神之枕詞

「誰(た)が為(ため)にかも 長(なが)く欲為(ほりせ)む」,反問語句。忍受世間苟活為誰,除你之外不有他人


2417 【承前,九三第三。】

 石上 振神杉 神成 戀我 更為鴨

 石上(いそのかみ) 布留神杉(ふるのかむすぎ) 神(かむ)さぶる 戀(こひ)をも我(あれ)は 更(さら)にするかも

 石上神宮 布留神杉之所如 蒼然蘊古意 泰然自若抑情熱 斯戀吾更將為之

柿本人麻呂 2417

「布留神杉(ふるのかむすぎ)」,以上,引出「神(かむ)さぶる」之序。

「神(かむ)さぶる 戀(こひ)」,「神さぶ」乃神聖、古意盎然、莊嚴之意,於茲表進入老境,自娑婆俗世之慾望脫卻之狀。

雖然年事已高,但仍戀於戀情之曲。


2418 【承前,九三第四。】

 何 名負神 幣嚮奉者 吾念妹 夢谷見

 如何(いか)ならむ 名(な)に負神(おふかみ)に 手向(たむけ)せば 我(あ)が思妹(おもふいも)を 夢(いめ)にだに見(み)む

 當與負何名 潔齋祈禱奉幣饗 方能如所願 朝思暮想懸伊人 欲與妹逢在夢田

柿本人麻呂 2418

「名(な)に負神(おふかみ)に」,盛名、以之為名。

「手向(たむけ)せば」,「手向」乃祈神時所奉獻之祭品。多指旅人於路途中祈求道中安穩,於茲則為祈求戀情。原文「幣嚮」與「幣饗」同。

以上四首,將戀情寄於神祇。

2419 【承前,九三第五。】

 天地 言名絕 有 汝吾 相事止

 天地(あめつち)と 云(い)ふ名絕(なのた)えて あらばこそ 汝(いまし)と我(あれ)と 逢事止(あふことや)まめ

 此情至不渝 直至天地名將絕 海枯石爛際 汝命與我常相會 止逢唯在末世時

柿本人麻呂 2419

「天地(あめつち)と 云(い)ふ名絕(なのた)えて」,「名」與「語」通。古人不單以名為記號,意識之為本體此云直至天地毀滅。

將戀情寄於天地之曲。類歌2004。


2420 【承前,九三第六。】

 月見 國同 山隔 愛妹 隔有鴨

 月見(つきみ)れば 國(くに)は同(おな)じそ 山隔(やまへな)り 愛(うつく)し妹(いも)は 隔(へな)りたるかも

 仰首望明月 身居處處似同國 然顧地上者 吾與所戀伊人間 山巒險阻隔異地

柿本人麻呂 2420

月見(つきみ)れば 國(くに)は同(おな)じそ」,「國」指雨天上相對之地上世界,同一平面之國土。往後大伴家持越中守時,贈越前國掾大伴持主歌4073「月見れば 同國也...」題詞「古人云」者,或指此歌。

於天上看來,無論身在地上何處皆無異,然以地上觀之,則高山遠阻,難以相會。

2421 【承前,九三第七。】

 縿路者 石蹈山 無鴨 吾待公 馬爪盡

 來(く)る道(みち)は 岩踏(いしふ)む山(やま)も 無(な)くも欲得(がも) 我(あ)が待君(まつきみ)が 馬躓(うまつまづ)くに

 妾身有所思 還願來訪路途間 莫有石蹈山 吾所待君未至者 延宕蓋以馬躓故

柿本人麻呂 2421

「來(く)る道(みち)は」,「來(く)る」原文「縿」者,「繰」之古形。此為「來(く)る」之借訓。

「岩踏(いしふ)む」,地勢巖險,寸步難行之狀。


2422 【承前,九三第八。】

 石根踏 重成山 雖不有 不相日數 戀度鴨

 岩根踏(いはねふ)む 重(かさ)なる山(やま)は あらねども 逢(あ)はぬ日數(ひまね)み 戀渡(こひわた)るかも

 吾觀其山勢 雖非岩根累盤踞 必須踏破者 然而逢日苦無多 必然戀渡常相思

柿本人麻呂 2422

岩根(いはね)」,巨岩。或云「岩根(いはがね)」。

「逢(あ)はぬ日數(ひまね)み」,「數(まね)し」之み句法。

伊勢物語』第七十四段,男恨女之男逢而詠歌「岩根踏み 重なる山に あらねども 逢はぬ日多く 戀渡哉」為其異傳。


2423 【承前,九三第九。】

 路後 深津嶋山 蹔 君目不見 苦有

 道後(みちのしり) 深津島山(ふかつしまやま) 蹔(しまし)くも 君(きみ)が目見(めみ)ねば 苦(くる)しかりけり

 吉備道後國 深津島山之所如 稍暫須臾間 相離不得拜君顏 相思戀苦至如此

柿本人麻呂 2423

「道後(みちのしり)」,律令國制規模大者,或分道前、道後,以示距京遠近。此為吉備備後國。

「深津島山(ふかつしまやま)」,以上乃以「島(しま)」之音帶出「蹔(しまし)く」之序。


2424 【承前,九三第十。】

 紐鏡 能登香山 誰故 君來座在 紐不開寐

 紐鏡(ひもかがみ) 能登香山(のとかのやま)も 誰(た)が故(ゆゑ)か 君來坐(きみきま)せるに 紐解(ひもと)かず寢(ね)む

 紐鏡莫解兮 能登山名所如 為誰故也哉 君雖來坐在此地 不解衣紐孤自寢

柿本人麻呂 2424

「紐鏡(ひもかがみ)」,背面附有繩紐之鏡子。以莫解其紐「莫解(なと)か」,帶出類音「能登香山(のとかのやま)」。

「誰(た)が故(ゆゑ)か」,反語

「紐解(ひもと)かず寢(ね)む」,雖然心上人在身邊,卻不邂甓鰆茵じ斧彈寢。表示受到薄情郎之無情待遇

地名能登香山感興之作。

2425 【承前,九三十一。】

 山科 強田山 馬雖在 步吾來 汝念不得

 山科(やましな)の 木幡山(こはたのやま)を 馬(うま)は在(あ)れど 徒步(かち)ゆそ我(あ)が來(こ)し 汝(な)を思兼(おもひか)ねて

 宇治山科之 山城青旗木幡山 雖有馬可乘 吾人徒步緩行來 以念汝情不能

柿本人麻呂 2425

「徒步(かち)ゆそ我(あ)が來(こ)し」,「徒步(かち)」表不用車馬,徒步前去。


2426 【承前,九三十二。】

 遠山 霞被 益遐 妹目不見 吾戀

 遠山(とほやま)に 霞棚引(かすみたなび)き 彌遠(いやとほ)に 妹(いも)が目見(めみ)ねば 我戀(あれこ)ひにけり

 遙遙久方兮 遠山批霞之所如 彌遠彌久長 不見伊人日已久 自然戀慕無以止

柿本人麻呂 2426

「霞棚引(かすみたなび)き」,以上乃以空間之遙,引出時間久遠之序。

「彌遠(いやとほ)」,原文「遐」者,『一切經音譯』云:「遠也。」

以上七首,寄情於山。

2427 【承前,九三十三。】

 是川 齲敷浪 布布 妹心 乘在鴨

 宇治川(うぢかは)の 齲敷浪(せぜのしきなみ) 頻頻(しくしく)に 妹(いも)は心(こころ)に 乘(の)りにけるかも

 菟道宇治川 齲敷浪之所如 頻頻陣陣兮 伊人光儀莫得忘 漸乘吾心踞吾情

柿本人麻呂 2427

宇治川(うぢかは)の」,原文「是川」者,以「是」「氏」同音而相通,意指和文與「氏」同訓之「宇治」。

敷浪(しきなみ)」,一波一波而至之浪。宇治川注入巨椋池支流多有。

「頻頻(しくしく)に 妹(いも)は心(こころ)に 乘(の)りにけるかも」,此云心上人猶頻浪般一波坡地佔據作者之心靈。

2428 【承前,九三十四。】

 千早人 宇治度 速鵝”堊衢 後我孋

 千早人(ちはやひと) 宇治渡(うぢのわた)りの (せ)を速(はや)み 逢(あ)はずこそあれ 後(のち)も我(わ)が妻(つま)

 千早逸靈威 菟道宇治渡濟間 湍鶺浤鄲 今雖水險不得會 其後必逢吾妻

柿本人麻呂 2428

千早人(ちはやひと)」,武威強暴之人,以表示激烈之「うぢはやし」相關而為宇治枕詞

「(せ)を速(はや)み」,因水流暴急而無以會面。


2429 【承前,九三十五。】

 早敷哉 不相子故 徒 是川鵝‐憺潤

 愛(は)しきやし 逢(あ)はぬ兒故(こゆゑ)に 徒(いたづら)に 宇治川(うぢがはのせ)に 裳裾濡(ものすそぬ)らしつ

 憤矣愛憐哉 落花有意水無情 伊人不予逢 吾在宇治川鶸屐‥餅漆裳苦相思

柿本人麻呂 2429

「愛(は)しきやし」,令人愛憐。此則用於對不予相逢之對象之憤慨。

「逢(あ)はぬ兒故(こゆゑ)に」,一般和歌中以「兒」指年輕女性,又訪妻制往往為男性造訪女性,故作者該為男性。然末句「裳」者多為女性所著,或為傳詠間之混淆。

類歌2705。


2430 【承前,九三十六。】

 是川 水阿和逆纏 行水 事不反 思始為

 宇治川(うぢかは)の 水沫逆纏(みなあわさかま)き 行水(ゆくみづ)の 事返(ことかへ)らずそ 思始(おもひそ)めてし

 菟道宇治川 水沫逆纏渦卷兮 逝水如斯夫 一但事成不復返 始念追悔已莫及

柿本人麻呂 2430

「行水(ゆくみづ)の」,以上為引出「不復返」、「無法挽回」之序。

「事返(ことかへ)らずそ」,已然深切地無法回頭。


2431 【承前,九三十七。】

 鴨川 後齔弌仝總蝓)綣垈罅♀不今

 鴨川(かもがは)の 後齔(のちせしづ)けく 後(のち)も逢(あ)はむ 妹(いも)には我(われ)は 今(いま)ならずとも

 賀茂鴨川之 後黐靜之所如 其後將逢之 愛也吾妹我倆者 不會當下亦可哉

柿本人麻呂 2431

「後齔(のちせしづ)けく 後(のち)も逢(あ)はむ」,後鷸下流水釋較緩之湍鵝ぬ犠窿┝平穩之未來。與2428「後も我妻」、0394「後も我松」,表示就算現在無法,但未來必定能達成心願。

類歌3018。


2432 【承前,九三十八。】

 言出 云忌忌 山川之 當都心 塞耐在

 言(こと)に出(いで)て 言(い)はば忌忌(ゆゆ)しみ 山川(やまがは)の 激心(たぎつこころ)を 塞耐(せか)へたりけり

 世俗避言舉 揚言出口忌不吉 故如山川之 耐塞激越此情而 深埋胸懷方寸間

柿本人麻呂 2432

「忌忌(ゆゆ)しみ」,形容詞「忌忌(ゆゆ)し」之み句法。忌諱、不吉之事。古俗以為,將密藏心中之愛戀與戀人之名諱說出,將會招致不幸。

「激心(たぎつこころ)」,以水流激越之狀,比喻激昂澎湃之情。

「塞耐(せか)へたりけり」,「塞耐(せか)へ」乃「「塞敢(せきか)へ」」之略。「敢(か)へ」有抵抗之意。

2433 【承前,九三十九。】

 水上 如數書 吾命 妹相 受日鶴鴨

 水上(みづのうへ)に 數書(かずか)く如(ごと)き 我(わ)が命(いのち) 妹(いも)に逢(あ)はむと 誓約(うけひ)つるかも

 其猶畫流水 隨畫隨合不留痕 我命甚虛渺 是身雖短苦無常 仍常誓約逢伊人

柿本人麻呂 2433

水上(みづのうへ)に 數書(かずか)く如(ごと)き」,「數書く」指記數之時,在木板上刻畫記號之狀。畫記於水上,為虛渺不實在之比喻。『古今和歌集』戀歌有「行水に 數書くよりも 儚きは 思はぬ人を 思ふなりけり」之曲。 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/kokin/kk11.htm#522涅槃經』有云:「是身無常念念不住。猶如電光暴水幻炎。亦如畫水隨畫隨合。 」

誓約(うけひ)つるかも」,向神祇乞求願望實現ˇ。


2434 【承前,九三二十。】

 荒礒越 外徃波乃 外心 吾者不思 戀而死鞆

 荒礒越(ありそこ)し 外行浪(ほかゆくなみ)の 外心(ほかごころ) 我(あれ)は思(おも)はじ 戀(こ)ひて死(し)ぬとも

 翻越荒礒而 外徃駭浪之所如 汝心不在此 另有屬意在他方 我縱戀死亦無驗

柿本人麻呂 2434

「荒礒越(ありそこ)し」,「荒礒(ありそ)」乃「荒礒(あらいそ)」之略,荒漫無人而礁岩聳立之水邊。

「外行浪(ほかゆくなみ)」,「外」表脫逸出某範圍之領域。以上乃「外心」之序。

「外心(ほかごころ)」,愛上特定之人以外之邪心。外遇之情。

絲絽絲絽 2018/07/10 23:54 浦木さん
御無沙汰しております。
死ぬまでゲーマー希望さんのところでたまたま久遠の絆が話題になり、浦木さんのお話をさせて頂いたのですが、
まさかあちらにお越しいただいているとは思わず、一寸びっくりしました。
書き込みするのは多分10年ぶりぐらい? で一寸恥ずかしいのですが、(前のHN忘れましたw)
浦木さんのサイト自体は実はたまにこっそり覗かせて頂いておりました。
例えば専門書の文献引用などで原文を確認する際に文書検索が出来て助かっております。
(デジタルライブラリーだと細かい検索が出来ないので)

以下、あちらの書き込みのご返事をさせて頂きます。
ゲーマー希望さんのところで話題に上がった『神咒神威神楽』に関しましては
体験版はクリアーして気に入り、製品も購入したのですがアクチベーション関連でサポートと揉めまして、
何とかインストールは出来たのですが嫌な目にあった事もあり製品版は殆どプレーをしていないのが現状です。

『神咒神威神楽』は当方が現在扱っているアカイイトとアオイシロという和風伝奇ゲームの製作者の麓川氏も進めていたのですよね。
アオイシロ自体も記紀や源平盛衰記、椿説弓張月といった古典文学や柳田國男、谷川健一、松前健、フレーザー等の著書やケルトやクトゥルフ神話まで取り入れた何でもアリな作品だったのですが、
『神咒神威神楽』も通じるところがあったのかも知れませんね。
『神咒神威神楽』では確か伊弉諾と伊弉冉尊の神話に関する原文が登場してフレーザーの言う類感呪術的な効力を発揮するシーンがあったと思いますが、
是は使えると思い、当方もアオイシロの二次創作ゲームを作製した時に記紀や先代旧事本紀の原文を祝詞的に使って神話の再現→必殺技。あるいは召喚みたいなノリで使わせて頂きましたw

私も職業柄、会社のみならず家や通勤時間も勉強する必要がある為、更新が滞りがちで特に創作は1年出来ていませんが、気負わず、お互いマイペースに続けて行きましょう。

kuonkizunakuonkizuna 2018/07/11 10:43 絲絽さん:

お疲れ様です。コメントありがとうございます。
敝サイト、使っていただいて光栄です。いつでもどうぞお願いいたします。
自分が今は半導体関係の仕事をやっていて、何気に仕事時間が長く、以前のように自由の時間がなかなかできません。多分、社会人になってから皆そうなる可能性が高いですね。(今日は台風休みで『万葉集』の訳をやっています。)
『神咒神威神楽』、アクチベーション関連でサポートと揉めたんですが...(汗)
『神咒神威神楽』は記紀神話のみならず、いろんな民話、伝説もまたインド教関係も触れたので、いつかその気に向いたらやっぱりプレイをお勧めです。

クトゥルフ神話について、確かに『神咒神威神楽』まで正田氏はクトゥルフ神話を読んでないと公言していますが、似通な表現がいくつあって、思うにクロウリイ流のオカルトにかかわたんのではないかと思います。(ラブクラフトはクロウリイ流のオカルトに影響された説があります。)ただし、八命陣以降は明らかにクトゥルフ神話を取り込んでいます。

>記紀や先代旧事本紀の原文を祝詞的に使って神話の再現→必殺技。
それはいいですね。
『Dies Irae』や『神咒神威神楽』に関して、人々の技というのものは、その人の根源なる渇望、つまり価値観そのものです。己の全存在を、オペラと祝詞や神典という集合意識を経て、ぶつかり合うわけです。それはもう堪りません。(『八命陣』も己そのもの、ですが、己の渇望のみならず、おのれが避忌するものにもありうるので少々ややこしか.....)

今後ともよろしくおねがいいたします。

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2018-05-30-水

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万葉集試訳

2348 【承前,十二十二。】

 和射美能 嶺徃過而 零雪乃 猒毛無跡 白其兒爾

 和射美(わざみ)の 嶺行過(みねゆきす)ぎて 降雪(ふるゆき)の 厭(いと)ひも無(な)しと 申(まう)せ其兒(そのこ)に

 徃過不破關 和射美嶺遭雪降 豈猶彼零雪 吾人無由厭汝命 還願傳申訴其兒

佚名 2348

「降雪(ふるゆき)の」,以上乃「厭(いと)ふ」之序。

「厭(いと)ひも無(な)しと」,沒有討厭妳的理由。翻山越嶺之時,若遇雪降自然生厭,然無論如何避不會討厭心上人

「申(まう)せ其兒(そのこ)に」,請人代為傳言。「申(まう)せ」古形為「申(まを)せ」,然見金石文平城京二條大路木簡,當時「申(まう)す」已是主流。

2349 寄花

 吾屋戶爾 開有梅乎 月夜好美 夕夕令見 君乎社待也

 我(わ)が宿(やど)に 咲(さ)きたる梅(うめ)を 月夜良(つくよよ)み 夕夕見(よひよひみ)せむ 君(きみ)をこそ待(ま)て

 吾宿屋戶間 庭院咲有白梅者 以月夜甚美 還欲每夕令君翫 是以夜夜盼君臨

佚名 2349

「夕夕見(よひよひみ)せむ」,每晚令心上人觀之。主語女性

2350 寄夜

 足檜木乃 山下風波 雖不吹 君無夕者 豫寒毛

 足引(あしひき)の 山嵐(やまのあらし)は 吹(ふ)かねども 君無(きみな)き夕(よひ)は 豫(かね)て寒(さむ)しも

 足曳勢險峻 山嵐於今雖不拂 然君不在側 孤寢難眠甚寂寥 此夕心冷感天寒

佚名 2350


真字萬葉集 卷第十 四時雜歌、四時相聞 終

山嵐(やまのあらし)」,自山上向下吹拂之山風。

「豫(かね)て」,早已。已然。


真字萬葉集 卷十一 古今相聞往來歌類之上

古今相聞往來歌類之上


2351 旋頭歌 【十七第一。】

 新室 壁草苅邇 御座給根 草如 依逢未通女者 公隨

 新室(にひむろ)の 壁草刈(かべくさか)りに 御座給(いましたま)はね 草如(くさのごと) 寄合娘子(よりあふをとめ)は 君(きみ)が隨(まにま)に 

堂構畚孳 鴻猶丕展開煥然 可臨新室苅壁草 偃草之所如 依逢娘子慕傾心 隨君恣意順所欲

柿本人麻呂 2351

「新室(にひむろ)」,新築之居室。

「壁草(かべくさ)」,用以葺新室之壁之草。彌生、股墳時代之住居以藁、草束為壁。

「御座給(いましたま)はね」,「御座」乃「來」之敬語,「ね」表希求

「寄合娘子(よりあふをとめ)」,如草偃般傾心之女子

奉祝新室之曲,以下旋頭歌亦充滿民謠色彩。

2352 【承前,十七第二。】

 新室 踏靜子之 手玉鳴裳 玉如 所照公乎 內等白世

 新室(にひむろ)を 踏鎮(ふみしづ)む兒(こ)し 手玉(ただま)を鳴(な)すも 玉如(たまのごと) 照(て)りたる君(きみ)を 內(うち)にと申(まう)せ

 堂構畚孳 鴻猶丕展開煥然 鎮地娘子鳴手珠 美玉之所如 輝耀照臨汝命矣 恭迎吾君請入內

柿本人麻呂 2352

「踏鎮(ふみしづ)む」,新築之際,踏故地面以鎮祭地靈之俗。

「照(て)りたる君(きみ)を」,光輝俊俏之男子

「內(うち)にと申(まう)せ」,召請男子入內之語。

2353 【承前,十七第三。】

 長谷 弓槻下 吾所隱在妻 赤根刺 所光月夜邇 人見點鴨【一云,人見豆良牟可。】

 泊(はつせ)の 弓月(ゆつき)が下(した)に 我(わ)が隱(かく)せる妻(つま) 茜指(あかねさ)し 照(て)れる月夜(つくよ)に 人見(ひとみ)てむかも【一云(またにいふ)、人見(ひとみ)つらむか。】

 長谷泊麈掘‥燦弓槻山之下 吾所藏嬌隱在妻 暉曜緋茜射 所光照臨月夜間 可將遭人所見哉【一云,蓋為他人所見哉。】

柿本人麻呂 2353

「弓月(ゆつき」,弓月山,即纏向山。該山有二峰,未知孰是。

「我(わ)が隱(かく)せる妻(つま)」,未獲得雙親允許,而私奔安置於人目所不至之處的妻子。

「茜指(あかねさ)し」,發出黃赤色光芒。


2354 【承前,十七第四。】

 健男之 念亂而 隱在其妻 天地 通雖光 所顯目八方【一云,大夫乃,思多雞備弖。】

 大夫(ますらを)の 思亂(おもひみだ)れて 隱(かく)せる其妻(そのつま) 天地(あめつち)に 通照(とほりて)るとも 顯(あらは)れめやも【一云(またにいふ)、大夫(ますらを)の、思猛(おもひたけ)びて。】

 愧為大丈夫 神魂顛倒情意亂 所以藏嬌隱其妻 雖然天地間 光儀通照晃六合 豈使露顯令人知【一云,愧為大丈夫,孤注一擲奮其意。】

柿本人麻呂 2354

大夫(ますらを)の」,堂堂大丈夫,於茲為自嘲用法

「天地(あめつち)に 通照(とほりて)るとも」,美貌貫徹天地。讚美女性容姿之最高級表現


2355 【承前,十七第五。】

 惠得 吾念妹者 早裳死耶 雖生 吾邇應依 人云名國

 愛(うるは)しと 我(あ)が思(おも)ふ妹(いも)は 早(はや)も死(し)なぬか 生(い)けりとも 我(あれ)に寄(よ)るべしと 人言(ひとのこと)は無(な)くに

 朝思暮想之 愛也吾所念妹者 汝可玉殞早死耶 縱令生於世 無人祝福同我倆 不若早逝去他界

柿本人麻呂 2355

「愛(うるは)しと」,原文「惠」與「愛」通。舊訓作「めぐまとむ」,然慣例承接「我(あ)が思(おも)ふ」時,必為「愛(うるは)し」。

「早(はや)も死(し)なぬか」,「ぬか」為希求語氣。表現自暴自棄之心情。

「生(い)けりとも 我(あれ)に寄(よ)るべしと 人言(ひとのこと)は無(な)くに」,就算活著也沒有人鼓勵妳和我在一起。無人支持之戀情。


2356 【承前,十七第六。】

 狛錦 紐片敘 床落邇祁留 明夜志 將來得云者 取置待

 高麗錦(こまにしき) 紐片方(ひものかたへ)ぞ 床(とこ)に落(お)ちにける 明日夜(あすのよ)し 來(き)なむと言(い)はば 取置(とりお)きて待(ま)たむ

 艷華高麗錦 織紐一對其片方 落於寢床在地矣 若云明日夜 仍將復來纏綿者 吾將取置以恭待

柿本人麻呂 2356

高麗錦(こまにしき)」,舶來品之織物

「紐片方(ひものかたへ)ぞ」,一對之織紐中的其中之一。蓋云男子之衣紐,但不明上衣或袴之用。

明日夜(あすのよ)し」,此尋上代以日沒為一日之始知觀念而言。

曉別之際,女方男性所詠之曲。


2357 【承前,十七第七。】

 朝戶出 公足結乎 閏露原 早起 出乍吾毛 裳下閏奈

 朝戶出(あさとで)の 君(きみ)が足結(あゆひ)を 濡(ぬ)らす露原(つゆはら) 早起(はやくお)き 出(いで)つつ我(われ)も 裳裾濡(もすそぬ)らさな

 纏綿春宵後 朝戶出歸君足結 所以潤濡露原矣 心願能成偶 早起送行吾裳裾 亦請霑漬令衣濕

柿本人麻呂 2357

「足結(あゆひ)」,為求活動便利,於膝邊繫袴之紐。

裳裾濡(もすそぬ)らさな」,「な」表意識。請沾濕夫君之露,亦漬濡己身之衣。


2358 【承前,十七第八。】

 何為 命本名 永欲為 雖生 吾念妹 安不相

 何為(なにせ)むに 命(いのち)を元無(もとな) 長(なが)く欲為(ほりせ)む 生(い)けれども 我(あ)が思妹(おもふいも)に 易(やす)く逢(あ)は無(な)くに

 吾人有所思 何為將欲此身命 冀祈無由長壽哉 縱令得苟活 我所朝朝暮暮念 伊人無緣可逢矣

柿本人麻呂 2358

「何為(なにせ)むに」,為何。多呼應反語

「元無(もとな)」,缺乏理由、徒然。

「易(やす)く逢(あ)は無(な)くに」,無法輕易相逢。



2359 【承前,十七第九。】

 息緒 吾雖念 人目多社 吹風 有數數 應相物

 息緒(いきのを)に 我(あれ)は思(おも)へど 人目多(ひとめおほ)みこそ 吹風(ふくかぜ)に 在(あ)らば數數(しばしば) 逢(あ)ふべき物(もの)を

 吾雖不惜命 所以熱切念伊人 然恐人目蜚語繁 避諱不得見 若值吹風拂數數 只求應可相逢矣

柿本人麻呂 2359

「息緒(いきのを)」,守住生命之鋼索。「息」乃生命之象徵。

「吹風(ふくかぜ)に 在(あ)らば」,反事實假定。

2360 【承前,十七第十。】

 人祖 未通女兒居 守山邊柄 朝朝 通公 不來哀

 人親(ひとのおや)の 娘子兒据(をとめこす)ゑて 守山邊(もるやまへ)から 朝(あさ)な朝(あさ)な 通(かよ)ひし君(きみ)が 來(こ)ねば悲(かな)しも

 呵護垂乳根 人祖雙親護娘子 所謂深窗守山邊 日日復朝朝 不絕往來伊人者 今不復臨令人悲

柿本人麻呂 2360

「人親(ひとのおや)の 娘子兒据(をとめこす)ゑて」,地名守山」有監視之義,遂以之為序。此處之「親」概指母親

「朝(あさ)な朝(あさ)な」,訪妻制時,男子於夜間來訪較為普遍


2361 【承前,十七十一。】

 天在 一棚橋 何將行 穉草 妻所云 足壯嚴

 天(あめ)なる 一(ひと)つ棚橋(たなはし) 如何(いか)にか行(ゆ)かむ 若草(わかくさ)の 妻所(つまがり)と言(い)はば 足飾為(あしかざりせ)む

 懸於久方天 獨木棚橋跨銀漢 如何渡之越行乎 親親猶若草 吾妻之許將徃者 自當飾足壯嚴矣

柿本人麻呂 2361

「天(あめ)なる」,「天(あめ)にある」之略。蓋唯七夕歌。

「一(ひと)つ棚橋(たなはし)」,一枚板之棚橋。不用心渡之則極為危險之橋。

若草(わかくさ)の」,妻之枕詞

「足飾為(あしかざりせ)む」,「飾(かざ)り」指裝備,原文「狀嚴」乃佛語表現

2362 【承前,十七十二。】

 開木代 來背若子 欲云余 相狹丸 吾欲云 開木代來背

 山背(やましろ)の 久世若子(くせのわくご)が 欲(ほ)しと言(い)ふ我(われ) 輙爾(あふさわ)に 我(われ)を欲(ほ)しと言(い)ふ 山世久世(やましろのくせ)

 苗木繼根生 山城久世稚子矣 所云好裘傾心余 輕浮輙爾兮 所云愛慕欲我者 山城久世稚子矣

柿本人麻呂 2362

 右十二首,柿本朝臣人麻呂之歌集出。

「山背(やましろ)の」,原文「開木代」之「開木」指伐木開山。

「若子(わくご)」,年輕人。此限定於高社會地位之者。

「輙爾(あふさわ)に」,未深思熟慮。

高潔女性受其所不青睞之男子求婚,而落花有意流水無情之民謠。


2363 【承前,十七十三。】

 岡前 多未足道乎 人莫通 在乍毛 公之來 曲道為

 岡崎(をかさき)の 迴(た)みたる道(みち)を 人莫通(ひとなかよ)ひそ 在(あり)つつも 君(きみ)が來坐(きま)さむ 避道(よきみち)に為(せ)む

 丘岬岡崎之 崎嶇迂迴小徑矣 莫令人往來通之 願常跡罕至 以為有朝君臨時 規避人目密道也

佚名 2363

岡崎(をかさき)の」,岡之突起。『日本書紀』神武帝前紀有「丘岬(をかさき)」云云。

「迴(た)みたる道(みち)を」,「迴(た)む」乃巡迴之意。

「在(あり)つつも」,持續維持此一狀態。

「避道(よきみち)」,避開人目,竊下通行之路。

2364 【承前,十七十四。】

 玉垂 小簾之寸雞吉仁 入通來根 足乳根之 母我問者 風跡將申

 玉垂(たまだれ)の 小簾隙間(こすのすけき)に 入通來(いりかよひこ)ね 垂乳根(たらちね)の 母(はは)が問(と)はさば 風(かぜ)と申(まう)さむ

 請自玉垂之 小簾隙間通入來 慎之莫令他人覺 呵護垂乳根 母君若問何簾動 我將佯申風拂之

佚名 2364

「玉垂(たまだれ)」,玉簾,修飾小簾之同格雅語。

「隙間(すけき)」,未詳。暫解為縫隙。

「入通來(いりかよひこ)ね」,ね乃希求祝詞

垂乳根(たらちね)の」,母之枕詞

2365 【承前,十七十五。】

 內日左須 宮道爾相之 人妻姤 玉緒之 念亂而 宿夜四曾多寸

 內日射(うちひさ)す 宮道(みやぢ)に逢(あ)ひし 人妻故(ひとづまゆゑ)に 玉緒(たまのを)の 思亂(おもひみだ)れて 寢(ぬ)る夜(よ)しそ多(おほ)き

 內日照臨兮 康莊宮道瞬一會 不期瞥見人妻故 魂絲命緒矣 神魂顛倒情意亂 孤枕難眠夜多矣

佚名 2365

「內日射(うちひさ)す」,「宮」之枕詞

「宮道(みやぢ)」,首都之大路。

人妻故(ひとづまゆゑ)に」,別人之妻是即原因。原文「姤」,按『廣雅』『萬象名義』,「姑,故也。」

「玉緒(たまのを)の」,長、亂、絕之枕詞


2366 【承前,十七十六。】

 真十鏡 見之賀登念 妹相可聞 玉緒之 絕有戀之 繁比者

 真十鏡(まそかがみ) 見(み)しかと思(おも)ふ 妹(いも)も逢(あ)はぬかも 玉緒(たまのを)の 絕(た)えたる戀(こひ)の 繁(しげ)き此頃(このころ)

 無曇真十鏡 吾人由衷寔欲見 可惜伊人不予逢 魂絲命緒矣 情斷覆水誠難收 其戀仍繁比昔時

佚名 2366

「真十鏡(まそかがみ)」,「見(み)る」之枕詞

「見(み)しかと思(おも)ふ」,「しか」乃表願望之終助詞。夾帶完了助動詞「つ」之連用形「今も見てしか」較為一般

「妹(いも)も逢(あ)はぬかも」,「ぬかも」表希求,「妹(いも)も逢(あ)ふ」乃「妹(いも)に逢(あ)ふ」之相類表現

「絕(た)えたる戀(こひ)の」,已然破局、斷絕之戀情。


2367 【承前,十七十七。】

 海原乃 路爾乘哉 吾戀居 大舟之 由多爾將有 人兒由惠爾

 海原(うなはら)の 道(みち)に乘(の)りてや 我(あ)が戀居(こひを)らむ 大船(おほぶね)の 緩(ゆた)にあるらむ 人子故(ひとのこゆゑ)に

 吾人之所戀 其猶水路滄海原 險象環生駭浪起 何以為之者 以其安穩乘大船 自若無憂伊人故

佚名 2367

 右五首,古歌集中出。

「海原(うなはら)の 道(みち)に乘(の)りてや」,「道(みち)に乘(の)る」乃步上某一旅程。此云自己踏上了令人迷惘的戀情。

「我(あ)が戀居(こひを)らむ」,詠嘆疑問詞。

大船(おほぶね)の」,不動搖之譬喻。與首句相對。

「緩(ゆた)に」,安然自若。不知作者苦於戀慕相思之情,而自在安穩的生活著。

「人子故(ひとのこゆゑ)に」,為家長或丈夫呵護之女,表無法觸及之女性


2368 正述心緒 【卌七第一。】

 垂乳根乃 母之手放 如是許 無為便事者 未為國

 垂乳根(たらちね)の 母(はは)が手離(てはな)れ 如是許(かくばか)り 術無(すべな)き事(こと)は 未為無(いまだせな)くに

 自離垂乳根 母堂之手獨立起 如是愁幾許 手足無措不得方 茫然無助未嘗有

柿本人麻呂 2368

「母(はは)が手離(てはな)れ」,此云懂事以來。

「術無(すべな)き事(こと)は」,表不知如何是好。此云苦戀。

「未為無(いまだせな)くに」,「無(な)くに」為詠嘆文末句法。



2369 【承前,卌七第二。】

 人所寐 味宿不寐 早敷八四 公目尚 欲嘆【或本歌云,公矣思爾,曉來鴨。】

 人寢(ひとのぬ)る 甘睡(うまい)も寢(ね)ずて 愛(は)しきやし 君(きみ)が目(め)すらを 欲(ほ)りし嘆(なげ)かふ【或本歌云(あるふみのうたにいはく)、君(きみ)を思(おも)ふに、明(あ)けにけるかも。】

 無以猶他人 不得甘睡度春宵 慎矣愛憐哉 心願與君會一面 孤寢難眠嘆終夜【或本歌云,心念伊人苦相思,不覺夜更天將明。】

柿本人麻呂 2369

「甘睡(うまい)も寢(ね)ずて」,「甘睡(うまい)」為好眠。男女談情之床第。

「君(きみ)が目(め)すらを」,「すら」表至少。


2370 【承前,卌七第三。】

 戀死 戀死耶 玉鉾 路行人 事告無

 戀死(こひし)なば 戀(こ)ひも死(し)ねとや 玉桙(たまほこ)の 道行人(みちゆきひと)の 言(こと)も告(つ)げ無(な)き

 君意蓋如茲 若苦相思欲戀死 戀死而可哉 玉桙華道往來人 未嘗傳言信杳然

柿本人麻呂 2370

「戀(こ)ひも死(し)ねとや」,「も」為伴隨希求命令用法

「道行人(みちゆきひと)の 言(こと)も告(つ)げ無(な)き」,連經由通行人之傳言皆無。男方非但不親自來訪,亦無遣使,甚至連託付往來人傳言都不做。


2371 【承前,卌七第四。】

 心 千遍雖念 人不云 吾戀孋 見依鴨

 心(こころ)には 千重(ちへ)に思(おも)へど 人(ひと)に言(い)はぬ 我(あ)が戀妻(こひづま)を 見(み)む由欲得(よしもがも)

 埋藏方寸間 雖念千遍了於胸 未嘗與人訴 可有朝思復暮想 所戀愛妻逢由哉

柿本人麻呂 2371

「我(あ)が戀妻(こひづま)を」,「妻(つま)」原文「孋」乃組合「女」「麗」之造字。


2372 【承前,卌七第五。】

 是量 戀物 知者 遠可見 有物

 如是許(かくばか)り 戀(こ)ひむ物(もの)そと 知(し)らませば 遠(とほ)くも見(み)べく ありける物(もの)を

 後悔不當初 早知戀慕如此許 不能自已者 別離之時當遠望 轉瞬不移惜拜眉

柿本人麻呂 2372

「遠(とほ)くも見(み)べく ありける物(もの)を」,反事實假定。早知現今為相思所苦,當初多看一遠、多送遠一點就好了。

類歌3739。

2373 【承前,卌七第六。】

 何時 不戀時 雖不有 夕方任 戀無乏

 何時(いつ)はしも 戀(こひ)せぬ時(とき)は あらねども 夕片設(ゆふかたま)けて 戀(こひ)は術無(すべな)し

 捫心以自問 雖然無時不戀慕 伊人常懸心 然而每夕將近晚 相思情潰難自抑

柿本人麻呂 2373

「何時(いつ)はしも 戀(こひ)せぬ時(とき)は あらねども」,雖然無時不相思,然而現在殊更難止。

「夕片設(ゆふかたま)けて」,「片設(かたま)け」表將近。

類歌2877。第十三卷3329長歌中亦有類似表現


2374 【承前,卌七第七。】

 是耳 戀度 玉切 不知命 歲經管

 如是(かく)のみし 戀(こ)ひや渡(わた)らむ 玉限(たまきは)る 命(いのち)も知(し)らず 年(とし)は經(へ)につつ

 如是傾吾心 居常戀慕念伊人 玉剋魂極兮 此命不知至何夕 不覺月累年已經

柿本人麻呂 2374

「玉限(たまきは)る」,命、世之枕詞

「命(いのち)も知(し)らず」,不知自己能活到何時。


2375 【承前,卌七第八。】

 吾以後 所生人 如我 戀為道 相與勿湯目

 我(あ)が後(のち)に 生(う)まれむ人(ひと)は 我(あ)が如(ごと)く 戀(こひ)する道(みち)に 逢(あ)ひこす莫努(なゆめ)

 在於我以後 所生之人後輩矣 當以前車鑑 莫逢戀路猶吾人 辛酸迷走總勞苦

柿本人麻呂 2375

「戀(こひ)する道(みち)に」,此以戀情之苦痛、迷茫比喻為艱險之道路

「逢(あ)ひこす莫努(なゆめ)」,奉勸晚輩別走上該路。

2376 【承前,卌七第九。】

 健男 現心 吾無 夜晝不云 戀度

 大夫(ますらを)の 現(うつ)し心(ごころ)も 我(あれ)は無(な)し 夜晝(よるひる)と云(い)はず 戀(こ)ひし渡(わた)れば

 丈夫益荒男 彰顯之心我不備 愧對壯士名 朝思暮想懸慕情 日夜不分念伊人

柿本人麻呂 2376

「現(うつ)し心(ごころ)も」,平常心、正常的姿態。

「夜晝(よるひる)と云(い)はず」,晝夜不分。

2377 【承前,卌七第十。】

 何為 命繼 吾妹 不戀前 死物

 何為(なにせ)むに 命繼(いのちつ)ぎけむ 我妹子(わぎもこ)に 戀(こひ)せぬ前(さき)に 死(し)な益物(ましもの)を

 應當何所為 方能苟延續此命 比來有所思 若得未戀伊人前 既死者何苦來哉

柿本人麻呂 2377

「戀(こひ)せぬ前(さき)に」,原文「不戀前」。「前(さき)」表以前。若自己在愛上對象前就死去的話,就不會如現在般痛苦了。


2378 【承前,卌七十一。】

 吉惠哉 不來座公 何為 不猒吾 戀乍居

 吉(よ)しゑやし 來坐(きま)さぬ君(きみ)を 何為(なにせ)むに 厭(いと)はず我(あれ)は 戀(こ)ひつつ居(を)らむ

 一了而百了 不若果斷絕此情 君既不來訪 何以吾人不改悛 鍾情總戀無情人

柿本人麻呂 2378

「吉(よ)しゑやし」,不管了,之捨缽氣氛感動詞

2379 【承前,卌七十二。】

 見度 近渡乎 迴 今哉來座 戀居

 見渡(みわた)せば 近渡(ちかきわた)りを 徘迴(たもとほ)り 今(いま)か來坐(きま)すと 戀(こ)ひつつそ居(を)る

 放眼望見者 不過相隔去咫尺 然以忌人目 朝朝暮暮期伊人 迂迴避道相來會

柿本人麻呂 2379

「見渡(みわた)せば」,眺望。

「近渡(ちかきわた)りを」,所去不遠。或一水相隔,或一路之遙。

「徘迴(たもとほ)り」,迂迴,避開人目而刻意繞遠路。

「今(いま)か來坐(きま)すと」,期待對方立刻出現。

2380 【承前,卌七十三。】

 早敷哉 誰障鴨 玉桙 路見遺 公不來座

 愛(は)しきやし 誰(た)に障(さは)れかも 玉桙(たまほこ)の 道見忘(みちみわす)れて 君(きみ)が來坐(きま)さぬ

 慎矣愛憐兮 是為誰人所障哉 玉桙華道兮 忘失來路迷千衢 久俟吾君不來會

柿本人麻呂 2380

「愛(は)しきやし」,諷刺所愛男子變心不來之曲。

「誰(た)に障(さは)れかも」,「障(さは)れかも」乃疑問條件語。

「忘(みちみわす)れて」,原文「遺」,『萬象名義』云:「忘失也。」


2381 【承前,卌七十四。】

 公目 見欲 是二夜 千歲如 吾戀哉

 君(きみ)が目(め)の 見(み)まく欲(ほ)しけく 此二夜(このふたよ) 千年如(ちとせのごと)も 我(あ)は戀(こ)ふるかも

 難堪相思情 欲拜君眉守空閨 短短此二夜 猶如千秋萬歲長 誠因妾身焦戀矣

柿本人麻呂 2381

「見(み)まく欲(ほ)しけく」,「見(み)まく欲(ほ)し」之く句法,中古語願望助詞「まほし」之古型。

「此二夜(このふたよ)」,苦苦等待男方來訪的兩晚,猶如千年之久。


2382 【承前,卌七十五。】

 打日刺 宮道人 雖滿行 吾念公 正一人

 內日射(うちひさ)す 宮道(みやぢ)を人(ひと)は 滿行(みちゆ)けど 我(あ)が思君(おもふきみ)は 唯一人(ただひとり)のみ

 內日照臨兮 康莊宮道猶若市 雖然行人眾 然吾朝思且暮想 鍾情掛心唯君耳

柿本人麻呂 2382

「宮道(みやぢ)を人(ひと)は 滿行(みちゆ)けど」,自平城京正面玄關羅城門至平城宮朱雀大路平城京人口約十萬,宮內勤務者蓋一萬餘。

路上人口再多,鍾情只為一人。類歌3248、3249。


2383 【承前,卌七十六。】

 世中 常如 雖念 半手不忘 猶戀在

 世中(よのなか)は 常如是(つねかく)のみと 思(おも)へども 片手忘(かたてわす)れず 猶戀(なほこ)ひにけり

 雖知空蟬兮 火宅世間總猶是 不能如所願 然而此情不能忘 尚猶戀慕盡徒然

柿本人麻呂 2383

「世中(よのなか) 常如是(つねかく)のみと」,世間不如意。雖然知道如此,卻難控制自己的心情。

2384 【承前,卌七十七。】

 我勢古波 幸座 遍來 我告來 人來鴨

 我(わ)が背子(せこ)は 幸座(さきくいま)すと 歸來(かへりき)て 我(あれ)に告(つ)げ來(こ)む 人(ひと)も來(こ)ぬかも

 杳然無音訊 誰能歸來報佳音 言吾夫子者 安然無恙總安平 來告之人不有哉

柿本人麻呂 2384

「我(わ)が背子(せこ)は 幸座(さきくいま)すと」,「幸(さき)く」為無恙之意。羈旅之人於異地見到作者丈夫,傳達其無事之語。

「人(ひと)も來(こ)ぬかも」,「ぬか」表希求。「も」有至少之意。

2385 【承前,卌七十八。】

 麤玉 五年雖經 吾戀 跡無戀 不止恠

 新(あらた)まの 五年經(いつとせふ)れど 我(あ)が戀(こ)ふる 跡無(あとな)き戀(こひ)の 止(や)ま無(な)く怪(あや)し

 萬象復更新 五年光陰雖已逝 吾之所戀慕 渺茫無跡此情之 至今不絕甚恠矣

柿本人麻呂 2385

「跡無(あとな)き戀(こひ)の」,毫無行跡,意旨夢幻渺茫、難以依髻


2386 【承前,卌七十九。】

 石尚 行應通 建男 戀云事 後悔在

 巖(いはほ)すら 行通(ゆきとほ)るべき 大夫(ますらを)も 戀(こひ)と云(い)ふ事(こと)は 後悔(のちのくい)あり

 縱令堅巖兮 尚能貫通行越之 巍峨大丈夫 唯有情關總難過 徒留追悔恨相逢

柿本人麻呂 2386

「巖(いはほ)すら 行通(ゆきとほ)るべき」,無論如何障礙都可排除之壯士。

「後悔(のちのくい)あり」,後悔陷於戀情無法自拔。

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万葉集試訳

2339 【承前,十二第三。】

 吉名張乃 野木爾零覆 白雪乃 市白霜 將戀吾鴨

 吉隱(よなばり)の 野木(のぎ)に降覆(ふりおほ)ふ 白雪(しらゆき)の 灼然(いちしろ)くしも 戀(こ)ひむ我(あれ)かも

 初鶺誹間 野中立木所零覆 皓雪之所如 明目張膽顯灼然 公諸之戀吾豈為

佚名 2339

野木(のぎ)」,豎立於原野間之樹木

白雪(しらゆき)の」,以上,帶出「灼然(いちしろ)く」之序。

「灼然(いちしろ)くしも 戀(こ)ひむ我(あれ)かも」,「灼然(いちしろ)く」表顯著,本劇為反語,表示自己無論內心多麼戀慕對方,皆無法顯現於外令外人察覺。

2340 【承前,十二第四。】

 一眼見之 人爾戀良久 天霧之 零來雪之 可消所念

 一目見(ひとめみ)し 人(ひと)に戀(こ)ふらく 天霧(あまぎ)らし 降來(ふりく)る雪(ゆき)の 消(け)ぬべく思(おも)ほゆ

 轉瞬所瞥見 戀彼一會伊人者 猶如天霧之 曇空沫雪降零來 可消心意更鬱沉

佚名 2340

「人(ひと)に戀(こ)ふらく」,「戀(こ)ふらく」乃「戀(こ)ふ」之く句法。

類歌2342。


2341 【承前,十二第五。】

 思出 時者為便無 豐國之 木綿山雪之 可消所念

 思出(おもひいづ)る 時(とき)は術無(すべな)み 豐國(とよくに)の 木綿山雪(ゆふやまゆき)の 消(け)ぬべく思(おも)ほゆ

 每逢憶出時 手足無措不知方 洽猶豐國之 木綿山間所零雪 可消心意更鬱沉

佚名 2341

「時(とき)は術無(すべな)み」,複合形容詞「術無み」之く句法。

「木綿山雪(ゆふやまゆき)の」,以上兩句乃引出「消(け)ぬ」之序,借用豐後國之山者,蓋以暖國降雪稀少而言。

類歌3036。


2342 【承前,十二第六。】

 如夢 君乎相見而 天霧之 落來雪之 可消所念

 夢如(いめのごと) 君(きみ)を相見(あひみ)て 天霧(あまぎ)らし 降來(ふりく)る雪(ゆき)の 消(け)ぬべく思(おも)ほゆ

 如夢又似幻 轉瞬逢晤吾君者 猶如天霧之 曇空沫雪降零來 可消心意更鬱沉

佚名 2342

「君(きみ)を相見(あひみ)て」,此處之「相(あひ)」屬接頭語,相互意味較輕。

類歌2340。

2343 【承前,十二第七。】

 吾背子之 言愛美 出去者 裳引將知 雪勿零

 我(わ)が背子(せこ)が 言愛(ことうるは)しみ 出(いで)て行(い)かば 裳引(もび)き著(しる)けむ 雪勿降(ゆきなふ)りそね

 親親吾夫子 愛憐睦言引心弦 因而出去者 不欲衣裳班跡著 還望皓雪莫紛降

佚名 2343

「言愛(ことうるは)しみ」,愛字之訓有「うつはし」與「うつくし」兩說。「うるはし」多用於讚美,而「うつくし」多在於庇護

「裳引(もび)き著(しる)けむ 雪勿降(ゆきなふ)りそね」,希望雪末降至衣服斑駁。「著(しる)」於茲乃顯著之意。


2344 【承前,十二第八。】

 梅花 其跡毛不所見 零雪之 市白兼名 間使遣者【一云,零雪爾,間使遣者,其將知奈。】

 梅花(うめのはな) 其(それ)とも見(み)えず 降雪(ふるゆき)の 灼然(いちしろ)けむな 間使遣(まつかひや)らば【一云(またにいふ)、降雪(ふるゆき)に、間使遣(まつかひや)らば、其(それ)と知(し)らなむ。】

 孰為梅花哉 混淆難辨盡斑白 降雪之所如 如斯灼然引人目 若遣間使前去者【一云,零雪覆第時,若遣間使以往者,人見足跡將知哉。】

佚名 2344

「梅花(うめのはな) 其(それ)とも見(み)えず」,雪與白梅相參,難以辨別。

「灼然(いちしろ)けむな」,顯著、明瞭。

間使(まつかひ)」,代為傳達書信或口訊之人。

「其(それ)と知(し)らなむ」,主語他人。本歌云若遣使者探問,則兩人之關係如大雪般引人側目,將為天下所知。一云則以雪中若遣使人,必留足跡而將為他人所知。


2345 【承前,十二第九。】

 天霧相 零來雪之 消友 於君合常 流經度

 天霧(あまぎ)らひ 降來(ふりく)る雪(ゆき)の 消(け)なめども 君(きみ)に逢(あ)はむと 流(なが)らへ渡(わた)る

 天霧曇空而 零來沫雪之所如 雖然將消逝 一心欲與君再逢 延命流離在人世

佚名 2345

「天霧(あまぎ)らひ」,複合動詞「天霧(あまぎ)る」之持續態。

「降來(ふりく)る雪(ゆき)の」,以上乃引出「消(け)」之序。

「消(け)なめども」,「め」乃推量助動詞「む」之已然型。下接第五句。

「流(なが)らへ渡(わた)る」,「流らふ」為「流る」之持續態。表面上指雪持續隨風飄揚,比喻雖然苦戀欲死仍勉強活下去之狀。

2346 【承前,十二第十。】

 窺良布 跡見山雪之 灼然 戀者妹名 人將知可聞

 窺狙(うかねら)ふ 跡見山雪(とみやまゆき)の 灼然(いちしろ)く 戀(こ)ひば妹(いも)が名(な) 人知(ひとし)らむかも

 竊狙望聲色 跡見山雪之所如 灼然引人目 若是猶此戀伊人 蓋遭天下人週知

佚名 2346

「窺狙(うかねら)ふ」,「跡見」之枕詞。亦見於1576「此岡に 雄鹿踏起し 竊狙ひ 左右もすらく 君故にこそ」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1576

「跡見山雪(とみやまゆき)の」,普通名詞之「跡見」指觀察獵物足跡推測其經過之時間、方向。以上乃帶出「灼然(いちしろ)く」之序文


2347 【承前,十二十一。】

 海小船 泊麈技骸ぁ〕鄒稠掘消長戀師 君之音曾為流

 海人小舟(あまをぶね) 泊鷸(はつせのやま)に 降雪(ふるゆき)の 日長(けなが)く戀(こ)ひし 君(きみ)が音(おと)そする

 海人小舟泊 長谷泊鷭山間 降雪消融之 戀慕時日日已久 未見伊人音訊來

佚名 2347

海人小舟(あまをぶね)」,以泊舟而為地名「泊鵝彷枕詞

「降雪(ふるゆき)」,以上,以降雪之「消(け)」同音作為「日(け)」之序文

「君(きみ)が音(おと)そする」,「音(おと)」指動作帶來之聲音,動靜。

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2018-04-18-水

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万葉集試訳

2258 【承前,八首第七。】

 秋芽子之 枝毛十尾爾 置霧之 消毳死猿 戀乍不有者

 秋萩(あきはぎ)の 枝(えだ)も撓(とをを)に 置露(おくつゆ)の 消(け)かもしな益(まし) 戀(こひ)つつ有(あ)らずは

 不若猶秋萩 枝葉末梢垂撓屈 置露之所如 俄然消逝絕命緒 勝過苦戀愁斷腸

佚名 2258

「枝(えだ)も撓(とをを)に」,枝葉因露水之重而低垂之狀。

「置露(おくつゆ)の」,以上三句,用以引出「消(け)」之序。


2259 【承前,八首第八。】

 秋芽子之 上爾白露 每置 見管曾思怒布 君之光儀呼

 秋萩(あきはぎ)の 上(うへ)に白露(しらつゆ) 置(お)く每(ごと)に 見(み)つつそ偲(しの)ふ 君(きみ)が姿(すがた)を

 秋萩芽子之 枝葉之上置白露 每見彼露置 觸景生情有所偲 更念君之光儀矣

佚名 2259

「君(きみ)が姿(すがた)を」,原文「光儀」,乃美稱形姿之漢語。

2260 寄風 【二首第一。】

 吾妹子者 衣丹有南 秋風之 寒比來 下著益乎

 我妹子(わぎもこ)は 衣(ころも)に有(あ)らなむ 秋風(あきかぜ)の 寒(さむ)き此頃(このころ) 下(した)に著(き)ましを

 願得吾妹子 肌身著衣為形見 蕭瑟秋風之 冷冽凍骨寒此頃 冀著衣下貼膚暖

佚名 2260

「衣(ころも)に有(あ)らなむ」,原文「衣丹有南」,而衣字或訓做「きぬ」。一般而言,「衣(きぬ)」往往只人目可觸及之外衣,而「衣(ころも)」則為蔽於外衣之下之服。「なむ」乃希求表現,此用於反事實期望句。

「秋風(あきかぜ)の 寒(さむ)き此頃(このころ)」,感受秋風寒冷,乃影射孤獨之常套用法。「此頃(このころ)」原文「比來」為漢籍俗語表現

「下(した)に著(き)ましを」,若得將心上人之內衣肌身不離地穿在自己身上就好了。「下(した)」表人目所無以觸及之處。古俗以為相別之時,與對方交換內衣著之,有早速相逢之效。


2261 【承前,二首第二。】

 泊麌 如是吹三更者 及何時 衣片敷 吾一將宿

 泊麌(はつせかぜ) 如是吹(かくふ)く宵(よひ)は 何時迄(いつまで)か 衣片敷(ころもかたし)き 我(あ)が獨寢(ひとりね)む

 長谷泊麌 如是吹拂三更夜 當及於何時 吾人片敷衣裳而 孤寢輾轉總難眠

佚名 2261

「泊麌(はつせかぜ)」,奈良櫻井市東部,初麈恵禄蠖畴敬。

「如是吹(かくふ)く宵(よひ)は」,「宵(よひ)」原文「三更」者,唐土更點時法之深夜。

「衣片敷(ころもかたし)き」,「片敷(かたし)き」於『萬葉集』計有五例,皆用於孤獨寂寞之情狀。或為等待男方來訪之閨怨之曲。

2262 寄雨 【二首第一。】

 秋芽子乎 令落長雨之 零比者 一起居而 戀夜曾大寸

 秋萩(あきはぎ)を 散(ち)らす長雨(ながめ)の 降(ふ)る頃(ころ)は 獨起居(ひとりおきゐ)て 戀(こ)ふる夜(よ)そ多(おほ)き

 每摧秋萩而 令其凋散長雨之 零落此頃者 吾人隻身獨起居 憂思愁夜寔多矣

佚名 2262

「長雨(ながめ)」,「長雨(ながあめ)」之略。『和名抄』云「霖,三日以上雨也。和名長雨(ながあめ)。」中古以降,多將之與詠嘆(詠め=ながめ)做連結,然『萬葉集』未有此例。

2263 【承前,二首第二。】

 九月 四具禮乃雨之 山霧 烟寸吾胷 誰乎見者將息【一云,十月,四具禮乃雨降。】

 九月(ながつき)の 時雨雨(しぐれのあめ)の 山霧(やまぎり)の 烟(いぶせ)き我(あ)が胸(むね) 誰(た)を見(み)ば止(や)まむ【一云(またにいふ)、十月(かむなづき)、時雨雨降(しぐれのあめふ)り。】

 長月九月矣 時雨之雨所致兮 山霧之所如 吾胸抑鬱烟瀰漫 見乎誰者才方歇【一云,神無十月之,時雨之雨降紛紛。】

佚名 2263

「山霧(やまぎり)の」,以上三句,帶出「烟(いぶせ)き」之序。

「烟(いぶせ)き我(あ)が胸(むね)」,此句以上,言山霧瀰漫不明朗。此句以下,述心情鬱鬱寡歡不晴。底本多作「烟寸吾告胷」,此依『萬葉集略解』以告為衍字。

「誰(た)を見(み)ば止(や)まむ」,此云這份憂鬱之情,在見到心上人之前無以喝止。


2264 寄蟋

 蟋蟀之 待歡 秋夜乎 寐驗無 枕與吾者

 蟋蟀(こほろぎ)の 待喜(まちよろこ)ぶる 秋夜(あきのよ)を 寢(ぬ)る験無(しるしな)し 枕(まくら)と我(あれ)とは

 雖是蟋蟀之 歡喜引領所期盼 愉待秋夜者 雖寢無驗誠空虛 與枕相對無人伴

佚名 2264

「待喜(まちよろこ)ぶる」,上代語「喜(よろこ)ぶる」為上二段活用形,平安初期宣命亦有「朕のみや此を喜備む」之語。此文明言蟋蟀喜備秋日到來,暗喻女方等待男子來訪。

「寢(ぬ)る験無(しるしな)し」,驗表效驗。雖然歡喜等待,然而伊人不至,獨守空閨。

2265 寄蝦(かはづ)

 朝霞 鹿火屋之下爾 鳴蝦 聲谷聞者 吾將戀八方

 朝霞(あさがすみ) 鹿火屋(かひや)が下(した)に 鳴(な)く蛙(かはづ) 聲(こゑ)だに聞(き)かば 我戀(あれこ)ひめやも

 朝霞瀰漫兮 鹿火田畑屋之下 所鳴川蛙矣 若得稍聞彼鳴聲 吾豈相思愁如此

佚名 2265

朝霞(あさがすみ)」,「鹿火屋(かひや)」之枕詞。以雲霞比喻驅蚊煙火。

「鹿火屋(かひや)」,燃燒鹿火之小屋。鹿火之用以阻嚇豬鹿搗壞田地而燃燒之火,或驅蚊之蚊火。類歌3818書香火屋。

「鳴(な)く蛙(かはづ)」,以上為引出「聲(こゑ)」之序。「蛙(かはづ)」為「蛙(かえる)」之雅語。

類歌3818。

2266 寄鴈

 出去者 天飛鴈之 可泣美 且今日今日云二 年曾經去家類

 出(いで)て去(い)なば 天飛(あまと)ぶ雁(かり)の 泣(な)きぬべみ 今日今日(けふけふ)と言(い)ふに 年(とし)そ經(へ)にける

 羈旅出去者 其猶騰空飛雁之 離情催鳴泣 每道今日今日 不覺月累復經年

佚名 2266

「出(いで)て去(い)なば」,主語為作者。

「泣(な)きぬべみ」,主語女性。「べみ」為「べし」之み句法。

今日今日(けふけふ)と言(い)ふに」,每逢作者將出門,戀人不堪離情哭泣不止而作罷,日日接道今日將往,卻未嘗成行。原文「且今日今日」乃併記事實之漢籍用法。


267 寄鹿 【二首第一。】

 左小壯鹿之 朝伏小野之 草若美 隱不得而 於人所知名

 佐雄鹿(さをしか)の 朝伏(あさふ)す小野(をの)の 草若(くさわか)み 隱(かく)らひ兼(か)ねて 人(ひと)に知(し)らゆな

 其猶小壯鹿 所以朝伏小野之 草稚未深故 不得隱匿之所如 為人所知天下悉

佚名 2267

「草若(くさわか)み」,春稚草未深,鹿雖欲棲身其中卻無以完全匿身。

「隱(かく)らひ兼(か)ねて」,難以隱藏兩人之關係。

本歌與次歌,皆寄於春鹿,而詠鹿伏草之曲。

2268 【承前,二首第二。】

 左小壯鹿之 小野之草伏 灼然 吾不問爾 人乃知良久

 佐雄鹿(さをしか)の 小野草伏(をののくさぶ)し 灼然(いちしろ)く 我(あ)が問(と)は無(な)くに 人(ひと)の知(し)れらく

 其猶小壯鹿 身伏小野所寢之 寐跡歷然矣 吾之比日不問者 為人所知天下悉

佚名 2268

小野草伏(をののくさぶ)し」,以上,帶出「灼然(いちしろ)く」之序。鹿之所寢,押靡野草,自其跡而歷歷可見。

「我(あ)が問(と)は無(な)くに」,「問(と)」ふ指訪妻。

「人(ひと)の知(し)れらく」,「知れり」之く句法終止型。

2269 寄鶴

 今夜乃 曉降 鳴鶴之 念不過 戀許甕很

 今夜(こよひ)の 曉降(あかときぐた)ち 鳴鶴(なくたづ)の 思(おも)ひは過(す)ぎず 戀(こひ)こそ(ま)され

 其猶今宵之 曉時將盡欲拂曉 鳴鶴之所如 相思之情不能止 徒痍慕更焦身

佚名 2269

「今夜(こよひ)の 曉降(あかときぐた)ち」,「今夜(こよひ)」乃依古時以日沒為一日之始之觀念而言。「曉(あかとき)」即為「明時(あかとき)」,拂曉天亮之前。「降(ぐた)ち」乃盛時已過,將終之意。

「鳴鶴(なくたづ)の」,以上,比喻下兩句之序文。聞得拂曉前之鶴鳴,想像其與自身相同,悲於慕妻相思之情。

「思(おも)ひは過(す)ぎず」,「過(す)ぐ」乃消亡之意。


2270 寄草

 道邊之 乎花我下之 思草 今更更爾 何物可將念

 道邊(みちのへ)の 尾花(をばな)が下(した)の 思草(おもひぐさ) 今更更(いまさらさら)に 何(なに)をか思(おも)はむ

 洽猶道邊之 芒草尾花下蔭生 思草之所如 至於今日此時頃 將念何物憂至此

佚名 2270

「尾花(をばな)が下(した)の 思草(おもひぐさ)」,「思草(おもひぐさ)」未詳所指,而此歌置於秋相聞,亦有尾花之下云云,或為寄生芒草之根而秋日開花之浜靫科之南蠻煙管焉。以上三句,引出「思(おも)ひ」之序。

「今更更(いまさらさら)に 何(なに)をか思(おも)はむ」,反語表現。原文「何物」乃唐土俗語,與「何」字同。


2271 寄花 【廿三第一。】

 草深三 蟋多 鳴屋前 芽子見公者 何時來益牟

 草深(くさぶか)み 蟋蟀澤(こほろぎさは)に 鳴(な)く宿(やど)の 萩見(はぎみ)に君(きみ)は 何時(いつ)か來坐(きま)さむ

 盎然草木深 蟋蟀繁鳴聲不斷 我宿屋戶前 來翫荻花吾君矣 至於何時可相見

佚名 2271

「草深(くさぶか)み」,複合形容詞「草深(くさぶか)し」之み句法。

「何時(いつ)か來坐(きま)さむ」,期盼早日來會之語。


2272 【承前,廿三第二。】

 秋就者 水草花乃 阿要奴蟹 思跡不知 直爾不相在者

 秋就(あきづ)けば 水草花(みくさのはな)の 散(あ)えぬがに 思(おも)へど知(し)らじ 直(ただ)に逢(あ)はざれば

 每逢秋就者 便如水草花所如 散盡殆殞身 焦慕如焚君不知 莫得直逢相晤者

佚名 2272

「秋就(あきづ)けば」,相關於第三句「散(あ)えぬがに」。

水草花(みくさのはな)の」,以上二句,「散(あ)えぬがに」之序。然比喻與主題之連結處並不明確。

「散(あ)えぬがに」,「がに」乃承受活用與終止型而有「至於如此」之意。水邊之犬蓼花等,破碎凋零之狀稱「散(あ)ゆ」。與形容陷於憂思之人之「あえぬがに」蓋為同源。


2273 【承前,廿三第三。】

 何為等加 君乎將猒 秋芽子乃 其始花之 歡寸物乎

 何(なに)すとか 君(きみ)を厭(いと)はむ 秋萩(あきはぎ)の 其初花(そのはつはな)の 嬉(うれ)しき物(もの)を

 當為何事而 可以嚴顏厭君哉 秋荻芽子之 始咲初華之所如 歡愉不及無由嫌

佚名 2273

「何(なに)すとか」,何故。於茲為反語用法。

2274 【承前,廿三第四。】

 展傳 戀者死友 灼然 色庭不出 朝容皃之花

 臥轉(こいまろ)び 戀(こひ)は死(し)ぬとも 灼然(いちしろ)く 色(いろ)には出(いで)じ 朝顏花(あさがほがはな)

 縱令身輾轉 苦心焦戀殆毀滅 不欲令人之 豈將作色現灼然 朝顏之華過艷矣

佚名 2274

「臥轉(こいまろ)び」,「臥(こ)ゆ」乃倒臥之意,「轉(まろ)び」為輾轉。仙覺本系原文做「輾轉」,此依元曆校本做「展傳」。轉、傳二字通,「展傳」、「輾轉」意同。

「朝顏花(あさがほがはな)」,牽牛花。花大而色艷,常為作色之比喻。


2275 【承前,廿三第五。】

 言出而 云者忌染 朝皃乃 穗庭開不出 戀為鴨

 言(こと)に出(い)でて 言(い)はば忌(ゆゆ)しみ 朝顏(あさがほ)の 穗(ほ)には咲出(さきで)ぬ 戀(こひ)もするかも

 不當輕言矣 甚忌揚言不吉矣 豈當如朝顏 吾穗不咲隱戀忍 深埋心中莫張揚

佚名 2275

「忌(ゆゆ)しみ」,當以為忌憚。此云與言語相關之禁忌。古俗以為,不堪慕情,揚言心中戀情、伊人之名者,將招致不幸。


2276 【承前,廿三第六。】

 鴈鳴之 始音聞而 開出有 屋前之秋芽子 見來吾世古

 雁(かり)が音(ね)の 初聲聞(はつこゑき)きて 咲出(さきで)たる 宿秋萩(やどのあきはぎ) 見(み)に來我(こわ)が背子(せこ)

 其隨飛雁之 鳴泣初啼聲可聞 因而咲綻放 我宿秋萩妍華矣 還冀來賞吾夫子

佚名 2276

「見(み)に來我(こわ)が背子(せこ)」,「來(こ)」乃「來(く)」之命令型。

2277 【承前,廿三第七。】

 左小壯鹿之 入野乃為酢寸 初尾花 何時加妹之 手將枕

 佐雄鹿(さをしか)の 入野芒(いりののすすき) 初尾花(はつをばな) 何時(いつ)しか妹(いも)が 手(て)を枕(まく)らかむ

 小壯雄鹿之 入野之芒所叢生 初尾花所如 窈窕淑女吾好裘 何時可枕汝手哉

佚名 2277

「佐雄鹿(さをしか)の」,「入野(いりの)」之枕詞。以鹿押開草原前進之意象為之。

入野(いりの)」,所在未詳。或云與1272「大刀の後鞘に入野」同為京都西京區大原野上羽町入野神社一帶,然入野一般用以形容地形,指深入群山間之平地,非指特定地點。

「初尾花(はつをばな)」,剛結穗之尾花,形容嬌羞女性之姿。

2278 【承前,廿三第八。】

 戀日之 氣長有者 吾苑囿能 辛藍花之 色出爾來

 戀(こ)ふる日(ひ)の 日長(けなが)くしあれば 我(わ)が苑(その)の 韓藍花(からあゐのはな)の 色(いろ)に出(い)でにけり

 吾人憂戀慕 相思既久時日長 以故我苑間 韓藍花開盛綻放 顯色將為他人知

佚名 2278

「我(わ)が苑(その)の」,底本原文書「三苑囿能」,此依元曆校本作「吾苑囿能」。「囿」、「苑」相通。

「韓藍花(からあゐのはな)」,雞頭花。莧科一年草,秋日生有如雄雞之花冠而為名。其花之汁可做為染料,故用於出色之比喻。

「色(いろ)に出(い)でにけり」,秘藏心中之情愛,因表情而暴露


2279 【承前,廿三第九。】

 吾鄉爾 今咲花乃 娘部四 不堪情 尚戀二家里

 我(わ)が里(さと)に 今咲(いまさ)く花(はな)の 女郎花(をみなへし) 堪(あ)へぬ心(こころ)に 尚戀(なほこ)ひにけり

 吾鄉故里間 今時滿咲遍綻放 窈窕女郎花 吾心難堪相思愁 尚戀不止更煎熬

佚名 2279

女郎花(をみなへし)」,底本原文「娘部四敝之」,或書「娘部四」,或書「娘敝之」,今從「敝之」乃校異雜入之說。概譬喻戀人之語。

「堪(あ)へぬ」,「堪(あ)ふ」乃中古語「堪(た)ふ」之古形。

2280 【承前,廿三第十。】

 芽子花 咲有乎見者 君不相 真毛久二 成來鴨

 萩花(はぎのはな) 咲(さ)けるを見(み)れば 君(きみ)に逢(あ)はず 誠(まこと)も久(ひさ)に 成(な)りにけるかも

 每見秋荻之 滿山盛咲遍地者 觸景有所念 與君相隔在異地 離別時日誠久矣

佚名 2280

「誠(まこと)も久(ひさ)に」,「久(ひさ)」將本為く活用之形容此「久し」轉作名詞之用。

2281 【承前,廿三十一。】

 朝露爾 咲酢左乾垂 鴨頭草之 日斜共 可消所念

 朝露(あさつゆ)に 咲樂溢(さきすさび)たる 月草(つきくさ)の 日斜(ひくた)つ共(なへ)に 消(け)ぬべく思(おも)ほゆ

 迷濛朝霧間 盎然盛咲避人目 月草之所如 欲與日斜相共傾 沒入朦朧隱此身

佚名 2281

「咲樂溢(さきすさび)たる」,「樂溢(すさ)ぶ」乃放任自然、縱情地之意。『新撰字鏡』云:「樂溢,すさぶ。」恣意綻放之狀。

「月草(つきくさ)の」,露草科一年草,秋日綻放藍色小花

「日斜(ひくた)つ共(なへ)に」,名義抄云:「日斜,ひくだつ。」


2282 【承前,廿三十二。】

 長夜乎 於君戀乍 不生者 開而落西 花有益

 長夜(ながきよ)を 君(きみ)に戀(こ)ひつつ 生(い)けらずは 咲(さ)きて散(ち)りにし 花(はな)なら益(まし)を

 恨秋之夜長 焦戀慕君苦相思 苟延殘喘者 不若如花咲而散 凋零殞命得百了

佚名 2282

「長夜(ながきよ)を」,八月至正月之夜晚,此蓋指秋之夜長而論。

「生(い)けらずは」,比起痛苦地活下去,不如...。


2283 【承前,廿三十三。】

 吾妹兒爾 相坂山之 皮為酢寸 穗庭開不出 戀度鴨

 我妹子(わぎもこ)に 逢坂山(あふさかやま)の 旗芒(はだすすき) 穗(ほ)には咲出(さきで)ず 戀渡(こひわた)るかも

 親親吾妹子 逢坂間所叢生 旗芒之所如 穗不咲出隱心中 默默暗戀埋胸懷

佚名 2283

「我妹子(わぎもこ)に」,以相逢而為「逢坂山(あふさかやま)」之枕詞。亦與第五句「戀渡(こひわた)るかも」相關。

「旗芒(はだすすき)」,以上,引出「穗(ほ)には咲出(さきで)ず」之序。

「穗(ほ)には咲出(さきで)ず」,「穗(ほ)」與「秀(ほ)」同,引人注目之事物。此云避開人目,偷偷愛著對方之意。

2284 【承前,廿三十四。】

 率爾 今毛欲見 秋芽子之 四搓二將有 妹之光儀乎

 率(ゆくりな)く 今(いま)も見(み)が欲(ほ)し 秋萩(あきはぎ)の 搓(しな)ひにあるらむ 妹(いも)が姿(すがた)を

 倉促急率爾 且今速欲得拜眉 秋荻之所如 嬌撓窈窕柔華奢 心懸吾妹光儀哉

佚名 2284

「率(ゆくりな)く」,原文「率爾」乃表突如之漢語。『名義抄』云:「率爾,俄かに、ゆくりなし。」

「今(いま)も見(み)が欲(ほ)し」,希望立刻相逢。

「搓(しな)ひにあるらむ」,枝葉撓垂之狀,比喻女子嬌柔婀娜之姿。


2285 【承前,廿三十五。】

 秋芽子之 花野乃為酢寸 穗庭不出 吾戀度 隱嬬波母

 秋萩(あきはぎ)の 花野芒(はなののすすき) 穗(ほ)には出(いで)ず 我(あ)が戀渡(こひわた)る 隱妻(こもりづま)はも

 秋荻所盛咲 百花絢爛原野間 芒薄不出穗 吾竊長相所戀慕 親親隱妻今何如

佚名 2285

花野芒(はなののすすき)」,花野指花朵盛開之原野,以上乃引出下句「穗(ほ)」之序文。

「隱妻(こもりづま)はも」,「隱妻」指來訪男子尚未公表雙方關係之女方「はも」乃推量不在眼前之現今狀態之語。

2286 【承前,廿三十六。】

 吾屋戶爾 開秋芽子 散過而 實成及丹 於君不相鴨

 我(わ)が宿(やど)に 咲(さ)きし秋萩(あきはぎ) 散過(ちりす)ぎて 實(み)になる迄(まで)に 君(きみ)に逢(あ)はぬかも

 至於吾屋戶 所咲秋萩芽子花 凋散零落而 結實之日為止矣 未嘗得與君相逢

佚名 2286

「散過(ちりす)ぎて」,「過(す)ぎ」表消散不見。

「實(み)になる迄(まで)に」,隱喻便為秋萩結實至此,語該人卻遲無結果。



2287 【承前,廿三十七。】

 吾屋前之 芽子開二家里 不落間爾 早來可見 平城里人

 我(わ)が宿(やど)の 萩咲(はぎさ)きにけり 散(ち)らぬ間(ま)に 早來(はや)きて見(み)べし 奈良里人(ならのさとびと)

 吾宿屋前之 秋萩芽子已盛咲 在其未散間 宜當速來共相翫 寧樂奈良里人矣

「早來(はや)きて見(み)べし」,催促語句。但上代語無將之視為命令行之確例。

奈良里人(ならのさとびと)」,里表市街地。居於飛鳥舊京,對平城京之友人或戀人所發之語。


2288 【承前,廿三十八。】

 石走 間間生有 皃花乃 花西有來 在筒見者

 石橋(いしばし)の 間間(まま)に生(お)ひたる 顏花(かほばな)の 花(はな)にし在(あり)けり 在(あり)つつ見(み)れば

 砌磴石橋之 走石間間所生有 貌花之所如 雖然開花不結實 見彼徒花嘆欷歔

佚名 2288

石橋(いしばし)の」,置於淺水,藉以渡越之踏石。

「顏花(かほばな)」,未詳。或云水草。而「石橋(いしばし)」或書作「砌、磴」,是以或為石疊、石段所生之花草。

「在(あり)つつ」,一直如此。(開花而不結果。)


2289 【承前,廿三十九。】

 藤原 古鄉之 秋芽子者 開而落去寸 君待不得而

 藤原(ふぢはら)の 古(ふ)りにし里(さと)の 秋萩(あきはぎ)は 咲(さ)きて散(ち)りにき 君待兼(きみまちか)ねて

 舊都藤原京 人去樓空故里間 秋萩芽子者 咲而落去散凋零 不堪久待君不來

佚名 2289

藤原(ふぢはら)の 古(ふ)りにし里(さと)の」,和銅三年遷京平城後,藤原是即舊都。

「君待兼(きみまちか)ねて」,主語為荻,而隱射持續等待之作者本身。

2290 【承前,廿三二十。】

 秋芽子乎 落過沼蛇 手折持 雖見不怜 君西不有者

 秋萩(あきはぎ)を 散過(ちりす)ぎぬべみ 手折持(たをりも)ち 見(み)れども寂(さぶ)し 君(きみ)にしあらねば

 吾見秋萩之 芽子盛過將凋零 折枝持身徬 雖然相翫仍寂寥 以其花者非君也

佚名 2290

「散過(ちりす)ぎぬべみ」,原文「落過沼蛇」之「蛇」乃へみ之借訓。

「見(み)れども寂(さぶ)し」,「寂(さぶ)し」乃「寂(さび)し」之古形。雖見荻花,能稍慰情懷,然相思之愁卻不能解。

「君(きみ)にしあらねば」,欲見伊人,而荻花難以代用。


2291 【承前,廿三廿一。】

 朝開 夕者消流 鴨頭草乃 可消戀毛 吾者為鴨

 朝咲(あしたさ)き 夕(ゆふへ)は消(け)ぬる 月草(つきくさ)の 消(け)ぬべき戀(こひ)も 我(あれ)はするかも

 朝開夕消逝 轉瞬凋零不久長 月草誠虛渺 如是黯然痛傷神 苦戀吾人為之矣

佚名 2291

「月草(つきくさ)の」,以上為引出「消(け)ぬ」之序。

「消(け)ぬべき戀(こひ)も」,磨耗身心殆至毀滅之憂戀。

類歌3039。


2292 【承前,廿三廿二。】

 蜒野之 尾花苅副 秋芽子之 花乎葺核 君之借廬

 秋津野(あきづの)の 尾花刈添(をばなかりそ)へ 秋萩(あきはぎ)の 花(はな)を葺(ふ)かさね 君(きみ)が假廬(かりほ)に

 蜻蛉秋津野 割苅尾花更添副 秋萩芽子之 妍花折之飾屋葺 為君所寢假廬上

佚名 2292

秋津野(あきづの)」,所在未詳。『萬葉集』中秋津野有奈良吉野宮瀧、及紀州田邊秋津町兩處,未詳孰是。原文「蜒野」之「蜒」乃「蜻蛉・蜻蜓(あきづ)」之略。

「尾花刈添(をばなかりそ)へ...花(はな)を葺(ふ)かさね」,葺假廬之頂時,除尾花更添秋萩已飾之趣。「ね」為希求助詞


2293 【承前,廿三廿三。】

 咲友 不知師有者 默然將有 此秋芽子乎 令視管本名

 咲(さ)けりとも 知(し)らずしあらば 默(もだ)もあらむ 此秋萩(このあきはぎ)を 見(み)せつつ元無(もとな)

 若不知其咲 豈將觸景更生情 本可默然而 不巧誰叫君無由 令我觀此秋荻哉

佚名 2293

「咲(さ)けりとも」,此「とも」乃表引用之「と」與も之組合,非表逆接。

「默(もだ)もあらむ」,無感之心理狀態。

「見(み)せつつ元無(もとな)」,訪友人宅,見秋萩盛咲而曲折感嘆。更愛荻花而難捨


2294 寄山

 秋去者 鴈飛越 龍田山 立而毛居而毛 君乎思曾念

 秋去(あきさ)れば 雁飛越(かりとびこ)ゆる 龍田山(たつたやま) 立(た)ちても居(ゐ)ても 君(きみ)をしそ思(おも)ふ

 每逢秋臨時 鳴雁翔空所飛越 秋稼龍田山 坐立不安心忐忑 無時無刻不念君

佚名 2294

「龍田山(たつたやま)」,以上藉同音帶出「立(た)ち」之序。

「立(た)ちても居(ゐ)ても」,「居(ゐ)る」乃居坐之意,行住坐臥無所間息。

2295 寄黃葉 【三首第一。】

 我屋戶之 田葛葉日殊 色付奴 不來座君者 何情曾毛

 我(わ)が宿(やど)の 葛葉日(くずはひ)に異(け)に 色付(いろづ)きぬ 來坐(きま)さぬ君(きみ)は 何心(なにごころ)そも

 吾宿屋庭間 葛葉日異添新色 黃變至如此 然而吾君遲不來 汝心究竟做何想

佚名 2295

「葛葉日(くずはひ)に異(け)に」,「日(ひ)に異(け)に」表與日俱瓠3潅稽ナ牝久,不得相逢。

2296 【承前,三首第二。】

 足引乃 山佐奈葛 黃變及 妹爾不相哉 吾戀將居

 足引(あしひき)の 山實葛(やまさなかづら) 黃變迄(もみつまで) 妹(いも)に逢(あ)はずや 我(あ)が戀居(こひを)らむ

 足曳勢險峻 及於峻山山實葛 轉俄黃變矣 吾仍無由與妹逢 唯有戀慕愁相思

佚名 2296

「山實葛(やまさなかづら)」,常冖∪植物

「黃變迄(もみつまで)」,山實葛晚秋不落葉而轉濃紅色。舊葉於春日發新芽時掉落。

「妹(いも)に逢(あ)はずや 我(あ)が戀居(こひを)らむ」,詠嘆疑問。


2297 【承前,三首第三。】

 黃葉之 過不勝兒乎 人妻跡 見乍哉將有 戀敷物乎

 黃葉(もみちば)の 過兼(すぎか)てぬ子(こ)を 人妻(ひとづま)と 見(み)つつやあらむ 戀(こ)ひしき物(もの)を

 黃葉零落兮 難以忘懷彼佳人 自今而後者 誠當視作人妻哉 戀慕至此甚惆悵

佚名 2297

「黄葉(もみちば)の」,「過(す)ぐ」之枕詞

「過兼(すぎか)てぬ子(こ)を」,無法放下、忘去之人。「兼(か)てぬ」表無法克服。

「見(み)つつやあらむ」,詠嘆疑問。

「戀(こ)ひしき物(もの)を」,與第二句同義之別語表現

慕然回首,伊人已作他人嫁,枉然戀慕情難忘。

2298 寄月 【三首第一。】

 於君戀 之奈要浦觸 吾居者 秋風吹而 月斜焉

 君(きみ)に戀(こ)ひ 萎心荒振(しなえうらぶ)れ 我(あ)が居(を)れば 秋風吹(あきかぜふ)きて 月傾(つきかた)ぶきぬ

 慕君情意亂 心力憔悴志消沉 居坐待君者 秋風吹拂沁骨寒 月傾將明人不來

佚名 2298

「萎心荒振(しなえうらぶ)れ」,「萎(しな)ゆ」乃草木枯萎,人心憔悴之狀。「心荒振(うらぶ)れ」乃心情憂悶之狀。

「月傾(つきかた)ぶきぬ」,期待心上人月光而至,然終不來。

類歌2667。


2299 【承前,三首第二。】

 秋夜之 月疑意君者 雲隱 須臾不見者 幾許戀敷

 秋夜(あきのよ)の 月(つき)かも君(きみ)は 雲隱(くもがく)り 須臾(しまし)く見(み)ねば 幾許戀(ここだこ)ひしき

 吾度我君者 蓋似秋夜月矣哉 雲隱匿形姿 須臾悄然不見者 戀慕幾許念如斯

佚名 2299

「秋夜(あきのよ)の 月(つき)かも君(きみ)は」,倒置。指心上人宛如秋月。「かも」原文「疑意」乃意訓用字

「雲隱(くもがく)り」,比喻暫時無法見得戀人。


2300 【承前,三首第三。】

 九月之 在明能月夜 有乍毛 君之來座者 吾將戀八方

 九月(ながつき)の 有明月夜(ありあけのつくよ) 在(あり)つつも 君(きみ)が來坐(きま)さば 我戀(あれこ)ひめやも

 長月九月間 有明月夜之所如 若能常在此 得君時時來訪者 吾豈苦戀愁如斯

佚名 2300

有明月夜(ありあけのつくよ)」,以上二句以同音引出「在(あり)」之序。

「在(あり)つつも」,一直如此。

2301 寄夜 【三首第一。】

 忍咲八師 不戀登為跡 金風之 寒吹夜者 君乎之曾念

 良(よ)しゑやし 戀(こ)ひじとすれど 秋風(あきかぜ)の 寒吹(さむくふ)く夜(よ)は 君(きみ)をしそ思(おも)ふ

 一了而百了 吾新決意不復戀 然而當秋風 沁骨吹拂天寒夜 不覺思君更抑鬱

佚名 2301

「良(よ)しゑやし」,怨恨無情郎,表示己心已死,隨便如何都好之感嘆詞

下定決心不顧對方,但在天寒枝葉仍不免相思。

2302 【承前,三首第二。】

 或者之 痛情無跡 將念 秋之長夜乎 寤臥耳

 或人(あるひと)の 嗚呼心無(あなこころな)と 思(おも)ふらむ 秋長夜(あきのながよ)を 寢覺伏(ねざめふ)すのみ

 蓋是或人念 嗚呼春宵不識趣 以為夜短故 吾人更傷秋夜長 孤寢難眠寤覺爾

佚名 2302

「或人(あるひと)の」,此云覺得秋夜苦短之人。

嗚呼心無(あなこころな)と」,與愛人相語,則縱是漫長秋夜,亦覺苦短。恨夜不識香而早過。

「寢覺伏(ねざめふ)すのみ」,「寢覺(ねざめ)」指半夜醒來,該睡時睡不著


2303 【承前,三首第三。】

 秋夜乎 長跡雖言 積西 戀盡者 短有家

 秋夜(あきのよ)を 長(なが)しと言(い)へど 積(つも)りにし 戀(こひ)を盡(つ)くせば 短(みじ)かくありけり

 縱觀人世間 雖然總云秋夜長 然吾有所思 此戀憂情積久長 若欲盡之恨夜短

佚名 2303

「戀(こひ)を盡(つ)くせば」,「盡(つ)くす」乃消解、盡全。情話綿綿,一解長久以來所累積之思念。


2304 寄衣

 秋都葉爾 爾寶敝流衣 吾者不服 於君奉者 夜毛著金

 秋葉(あきつは)に 匂(にほ)へる衣(ころも) 我(あれ)は著(き)じ 君(きみ)に奉(まつ)らば 夜(よる)も著(き)るがね

 秋葉現火紅 染作朱艷此衣裳 吾者不服之 若以此裳奉君者 漫漫長夜可著哉

佚名 2304

秋葉(あきつは)」,秋日紅葉

「匂(にほ)へる衣(ころも)」,染作鮮紅或鮮黃之服。一般「衣(ころも)」指貼身衣物。

「夜(よる)も著(き)るがね」,「がね...」於此為「將會為己而...」期待戀人穿著自身之衣物,夜寢之時能想念自身之心情。

2305 問答 【四首第一。】

 旅尚 襟解物乎 事繁三 丸宿吾為 長此夜

 旅(たび)に尚(すら) 紐解(ひもと)く物(もの)を 言繁(ことしげ)み 丸寢(まろね)そ我(あ)がする 長此夜(ながきこのよ)を

 羈旅在異地 尚有豔遇解紐者 然吾畏蜚語 不解衣襟丸寢而 隻身孤度此長夜

佚名 2305

「旅(たび)に尚(すら) 紐解(ひもと)く物(もの)を」,此云,有些人就算在外地亦解紐而寢。亦即在羈旅之間,有意外豔福,與結識織女子共寢。

「丸寢(まろね)」,穿著衣物,包裹得一絲不露而孤獨入睡。比喻伸守節操

男子受人妨害,不得訪心上人之閨,所詠之曲。

2306 【承前,四首第二。】

 四具禮零 曉月夜 紐不解 戀君跡 居益物

 時雨降(しぐれふ)る 曉月夜(あかときづくよ) 紐解(ひもと)かず 戀(こ)ふらむ君(きみ)と 居(を)ら益物(ましもの)を

 時雨降紛紛 天將曙前曉月夜 衣紐無由解 若得與吾引領盼 戀君與共豈傷神

佚名 2306

「曉月夜(あかときづくよ)」,拂曉前之月夜,比喻等待情人來訪,終夜未眠,而待人不至。

「紐解(ひもと)かず」,前首「丸寢」之置換。

2307 【承前,四首第三。】

 於黃葉 置白露之 色葉二毛 不出跡念者 事之繁家口

 黃葉(もみちば)に 置白露(おくしらつゆ)の 色葉(いろは)にも 出(いで)じと思(おも)へば 言繁(ことのしげ)けく

 豈如黃葉上 置有白露色葉之 灼然顯於色 吾度自身隱此情 怎知流言蜚語傳

佚名 2307

「置白露(おくしらつゆ)の」,以上乃引出下文「色葉(いろは)にも」之序。

「色葉(いろは)」,發紅之樹葉。原文「色葉二毛」或云乃「色二葉毛」之文字倒轉而訓「色(いろ)に葉(は)も」。

「出(いで)じと思(おも)へば」,「思へば」乃逆接用語。


2308 【承前,四首第四。】

 雨零者 瀧都山川 於石觸 君之摧 情者不持

 雨降(あめふ)れば 激山川(たぎつやまがは) 岩(いは)に觸(ふ)れ 君(きみ)が碎(くだ)けむ 心(こころ)は持(も)たじ

 若逢雨零者 山川猛爆水勢狂 觸岩碎激越 然吾心柔情不堅 無由摧君碎如斯

佚名 2308

 右一首,不類秋歌,而以和載之也。

「岩(いは)に觸(ふ)れ」,以上乃「碎(くだ)けむ」之序。

「君(きみ)が碎(くだ)けむ 心(こころ)は持(も)たじ」,「碎(くだ)けむ」指心如刀割。此云作者心軟,沒有讓對方因自身情感不實而失望心碎的狠心。


2309 譬喻歌

 祝部等之 齋經社之 黃葉毛 標繩越而 落云物乎

 祝等(はふりら)が 齋社(いはふやしろ)の 黃葉(もみちば)も 標繩越(しめなはこ)えて 散(ち)ると云物(いふもの)を

 縱令祝部等 所以潔齋嚴守戊 大社黃葉者 亦有飄散越神域 凋零標繩外時矣

佚名 2309

「祝等(はふりら)が 齋社(いはふやしろ)の」,「祝(はふり)」乃次於禰宜之下級神官。原文底本作「祝部」,或本作「呪部」取詠唱咒文祈禱之意。「齋社(いは)ふ」乃淨身齋戒慎不觸穢,努於保持聖性之謂也。此社或與1517「味酒 三輪祝が 山照らす 秋黃葉の 散らまく惜しも」同指三輪山。 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1517

「標繩越(しめなはこ)えて」,標繩乃用以標示所有所設之繩。此劇概指女子偷偷躲過親人之監視,潛出住居而與戀人逢晤。

男子誂誘女子,縱為雙親管控嚴格之深窗明珠,亦希望能時而偷偷逢麈袈福

2310 旋頭歌 【二首第一。】

 蟋蟀之 吾床隔爾 鳴乍本名 起居管 君爾戀爾 宿不勝爾

 蟋蟀(こほろぎ)の 我(あ)が床邊(とこのへ)に 鳴(な)きつつ元無(もとな) 起居(おきゐ)つつ 君(きみ)に戀(こ)ふるに 寐兼(いねか)て無(な)くに

 唧唧復唧唧 吾之所寐床緣處 蟋蟀無由鳴不斷 輾轉又反覆 想戀起居倍思君 更不得眠夜將明

佚名 2310

「床邊(とこのへ)」,或云「床隔(とこのへ)」,由壁垣、衝立所區隔之空間

「鳴(な)きつつ元無(もとな)」,毫無道理地鳴聲不斷。

「寐兼(いねか)て無(な)くに」,「兼(か)て無(な)く」表不可能之「克(か)てず」之く句法。



2311 【承前,二首第二。】

 皮為酢寸 穗庭開不出 戀乎吾為 玉蜻 直一目耳 視之人故爾

 旗芒(はだすすき) 穗(ほ)には咲出(さきで)ぬ 戀(こひ)を我(あ)がする 玉限(たまかぎ)る 唯一目(ただひとめ)のみ 見(み)し人故(ひとゆゑ)に

 旗芒之所如 黯然隱忍穗不咲 秘藏幽戀我為之 玉限魂極兮 奉為轉瞬所瞥見 一期一會伊人故

佚名 2311

「旗芒(はだすすき)」,「穗(ほ)」之枕詞

「穗(ほ)には咲出(さきで)ぬ」,不結穗。「穗(ほ)」與「秀(ほ)」通,此句隱喻不形於色。

「玉限(たまかぎ)る」,以美玉一瞬間發出光芒修飾只見得一面之人。不過「玉限(たまかぎ)る」常用作修飾「命、魂」之枕詞,或有種不惜霍出性命,或是因相思之情痛不欲生之隱喻。


冬雜歌

2312 雜歌 【四首第一。】

 我袖爾 雹手走 卷隱 不消有 妹為見

 我(わ)が袖(そで)に 霰(あられ)た走(ばし)る 卷隱(まきかく)し 消(け)たずてあらむ 妹(いも)が見(み)む為(ため)

 吾袖衣手間 霰雪奔騰零來矣 今欲包取之 裹持呵護不令消 奉為將來使妻見

柿本人麻呂 2312

「霰(あられ)た走(ばし)る」,「た走(ばし)る」乃猛烈飛跳之意。た為接頭語,「走(はし)る」本意即為奔騰、炸裂之意。「霰(あられ)」包含冰雹,原文作「雹」。

「卷隱(まきかく)し」,此云以衣物包裹之。

「消(け)たずてあらむ」,「消(け)つ」乃「消(け)す」之古形。雖然作者性別相反,此乃近於1833「梅花 降覆ふ雪を 包持ち 君に見せむと 取れば消につつ」之用法。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m10.htm#1833


2313 【承前,四首第二。】

 足曳之 山鴨高 卷向之 木志乃子松二 三雪落來

 足引(あしひき)の 山(やま)かも高(たか)き 卷向(まきむく)の 崖小松(きしのこまつ)に 御雪降來(みゆきふりく)る

 足曳勢險峻 蓋是此山高故哉 纏向穴師之 崖之小松末梢上 御雪落來降紛紛

柿本人麻呂 2313

「山(やま)かも高(たか)き」,類似疑問文之疑問條件語。此山概指與三輪山一谷之隔的穴師山。

「崖小松(きしのこまつ)に」,崖乃介於三輪山、穴師山間之卷向川之河岸。


2314 【承前,四首第三。】

 卷向之 檜原毛未 雲居者 子松之末由 沫雪流

 卷向(まきむく)の 檜原(ひはら)も未(いま)だ 雲居(くもゐ)ねば 小松(こまつ)が末(うれ)ゆ 沫雪流(あわゆきなが)る

 分明寧樂之 纏向檜原雲未居 何以轉瞬間 自於小松末梢上 沫雪飄零流轉哉

柿本人麻呂 2314

「雲居(くもゐ)ねば」,「雲居(くもゐ)る」乃雲一時停滯於某一場所之意。

「沫雪流(あわゆきなが)る」,「流(なが)る」乃雨、雪、花瓣、木葉之類,隨風飄散之狀。


2315 【承前,四首第四。】

 足引 山道不知 白柯杙 枝母等乎乎爾 雪落者【或云、枝毛多和多和。】

 足引(あしひき)の 山道(やまぢ)も知(し)らず 白橿(しらかし)の 枝(えだ)も撓(とをを)に 雪降(ゆきのふ)れれば【或云(あるはいふ)、枝(えだ)も撓撓(たわたわ)。】

 足曳勢險峻 山道亦不知所蹤 何以如此者 白橿之枝亦撓曲 雪降紛紛遂所以【或云、白橿枝亦曲撓撓。】

柿本人麻呂 2315

 右,柿本朝臣人麻呂之歌集出也。但,件一首,或本云:「三方沙彌作。」

「山道(やまぢ)も知(し)らず」,因大雪而無以分別道路

「枝(えだ)も撓(とをを)に」,因積雪之重而撓曲。

「枝(えだ)も撓撓(たわたわ)」,「撓撓(たわたわ)」乃屈折。

「件一首」,此云2315。

2316 詠雪 【九首第一。】

 奈良山乃 峯尚霧合 宇倍志社 前垣之下乃 雪者不消家禮

 奈良山(ならやま)の 峰尚霧(みねなほき)らふ 宜(うべ)しこそ 籬下(まがきのもと)の 雪(ゆき)は消(け)ずけれ

 吾觀寧樂之 奈良山峰霧尚籠 理宜灼然矣 無怪籬下前垣許 積雪仍置未消熔

佚名 2316

「峰尚霧(みねなほき)らふ」,「霧(き)らふ」乃「霧(き)る」之持續形。山為雪雲覆蓋,備感嚴寒。

「宜(うべ)しこそ」,表以下所述合理。難怪。

「籬下(まがきのもと)の」,「籬(まがき)」乃以竹、柴所編織之壁垣。

2317 【承前,九首第二。】

 殊落者 袖副沾而 可通 將落雪之 空爾消二管

 殊降(ことふ)らば 袖(そで)さへ濡(ぬ)れて 通(とほ)るべく 降(ふ)らなむ雪(ゆき)の 空(そら)に消(け)につつ

 吾人有所嘆 既然天雪必零者 不若濡袖濕 當應豪降落雪者 飄渺消熔逝空中

佚名 2317

「殊降(ことふ)らば」,既然都要下的話。「殊(こと)」於此與「如(こと)し」類。「こと...ば」有希求之意。


2318 【承前,九首第三。】

 夜乎寒三 朝戶乎開 出見者 庭毛薄太良爾 三雪落有【一云,庭裳保杼呂爾,雪曾零而有。】

 夜(よ)を寒(さむ)み 朝戶(あさと)を開(ひら)き 出見(いでみ)れば 庭(には)も薄垂(はだら)に 御雪降(みゆきふ)りたり【一云(またにいふ)、庭(には)も斑(ほどろ)に、雪(ゆき)そ降(ふ)りたる。】

 冬夜天寒故 敞開朝戶出見者 放眼之所望 庭間薄垂置斑駁 御雪飄零降紛紛【一云,庭間斑駁積薄垂,御雪飄零降置矣。】

佚名 2318

「薄垂(はだら)」,雪、霜薄薄降置之狀。

「斑(ほどろ)」,與「斑(はだら)」交互使用之類字。

2319 【承前,九首第四。】

 暮去者 衣袖寒之 高松之 山木每 雪曾零有

 夕去(ゆふさ)れば 衣手寒(ころもでさむ)し 高松(たかまつ)の 山木每(やまのきごと)に 雪(ゆき)そ降(ふ)りたる

 每逢夕暮時 衣袖寒之涼刺骨 寧樂高松之 山間木木無遺漏 株株雪零置斑駁

佚名 2319

「衣手(ころもで)」,衣袖,引申為全體衣物之雅語表現


2320 【承前,九首第五。】

 吾袖爾 零鶴雪毛 流去而 妹之手本 伊行觸粳

 我(わ)が袖(そで)に 降(ふ)りつる雪(ゆき)も 流行(ながれい)きて 妹(いも)が手本(たもと)に い行觸(ゆきふ)れぬか

 吾人衣袖上 所以降置沫雪者 可以更流離 乘風扶搖更飄零 行觸吾妹手袖哉

佚名 2320

「降(ふ)りつる雪(ゆき)も」,同為完了動詞,「ぬ」與「つ」用法大異,此蓋云雪片正於眼前飄過。

藉由風、雨、雪等流離之物為媒介,期望間接地與戀人相觸之曲,亦見於1090、2858


2321 【承前,九首第六。】  沫雪者 今日者莫零 白妙之 袖纏將干 人毛不有君

 淡雪(あわゆき)は 今日(けふ)は莫降(なふ)りそ 白栲(しろたへ)の 袖枕乾(そでまきほ)さむ 人(ひと)も有(あ)ら無(な)くに

 還冀沫雪者 在於今日莫零之 素妙白栲兮 衣袖為枕為我乾 伊人如今不在茲

佚名 2321

「袖枕乾(そでまきほ)さむ」,願意以吾濡濕之衣袖為枕,將之曬乾之人。


2322 【承前,九首第七。】  甚多毛 不零雪故 言多毛 天三空者 陰相管

 甚多(はなはだ)も 降(ふ)らぬ雪故(ゆきゆゑ) 言痛(こちた)くも 天御空(あまつみそら)は 曇(くも)らひにつつ

 分明其雪者 稀疏所降不甚多 何以蜚語繁 浮雲蔽日遮天際 御空陰鬱曇不散

佚名 2322

「言痛(こちた)くも」,人之慮穿慮譟に魄申作誇張地之意。

2323 【承前,九首第八。】  吾背子乎 且今且今 出見者 沫雪零有 庭毛保杼呂爾

 我(わ)が背子(せこ)を 今(いま)か今(いま)かと 出見(いでみ)れば 沫雪降(あわゆきふ)れり 庭(には)も斑(ほどろ)に

 心念吾夫子 且今且今將臨乎 出門迎見者 沫雪飄零降稀疏 庭中薄垂置斑駁

佚名 2323

「我(わ)が背子(せこ)を 今(いま)か今(いま)かと」,其後省略等待之語。

2324 【承前,九首第九。】

 足引 山爾白者 我屋戶爾 昨日暮 零之雪疑意

 足引(あしひき)の 山(やまに)に白(しろ)きは 我(わ)が宿(やど)に 昨日夕(きのふのゆふへ) 降(ふ)りし雪哉(ゆきかも)

 足曳勢險峻 遠山所以素白者 蓋是吾宿之 昨日誰彼夕暮時 所零皓雪所為哉

佚名 2324

「昨日夕(きのふのゆふへ)」,古時多半以日沒作為一日之始,而本歌以日出為之,堪屬少數。

「降(ふ)りし雪(ゆき)かも」,原文「零之雪疑意」之「疑意」乃意訓表現

2325 詠花 【五首第一。】

 誰苑之 梅花毛 久堅之 消月夜爾 幾許散來

 誰(た)が園(その)の 梅花(うめのはな)そも 久方(ひさかた)の 清(きよ)き月夜(つくよ)に 幾許散來(ここだちりく)る

 其是誰苑之 所咲梅花也矣哉 遙遙久方兮 清冽冷邨醋覺屐ヾ許散來降斑駁

佚名 2325

「誰(た)が園(その)の 梅花(うめのはな)そも」,與末句呼應,指飄散於此者蓋為何處之梅花。或有以梅御雪之可能。

「久方(ひさかた)の」,天之枕詞,於茲修飾「月夜(つくよ)」。

2326 【承前,五首第二。】

 梅花 先開枝乎 手折而者 裹常名付而 與副手六香聞

 梅花(うめのはな) 先咲(まづさ)く枝(えだ)を 手折(たを)りてば 裹(つと)と名付(なづ)けて 寄(よそ)へてむかも

 暗香浮動兮 手取梅花率先咲 折枝而裹者 周遭速噂為饋贈 流言蜚語傳不斷

佚名 2326

「手折(たを)りてば」,「て」乃完了助動詞「つ」之未然型,主語乃作者。

「裹(つと)と名付(なづ)けて」,「裹(つと)」為贈禮,「名付(なづ)け」於茲有視作之意。

「寄(よそ)へてむかも」,來說三道四。平時無多交流,看見作者折枝,則來興口舌,說是將贈戀人之物。因而猶豫是否該贈梅枝與心上人


2327 【承前,五首第三。】

 誰苑之 梅爾可有家武 幾許毛 開有可毛 見我欲右手

 誰(た)が園(その)の 梅(うめ)にかありけむ 幾許(ここだ)くも 咲(さ)きてあるかも 見(み)が欲(ほ)し迄(まで)に

 其是誰苑之 所咲梅花也矣哉 幾許復幾許 盛咲如斯無所惜 令人神往欲翫之

佚名 2327

「誰(た)が園(その)の 梅(うめ)にかありけむ」,收受他人所折梅枝,見其華盛咲,而欲前去觀翫。



2328 【承前,五首第四。】

 來可視 人毛不有爾 吾家有 梅之早花 落十方吉

 來(き)て見(み)べき 人(ひと)も有(あ)ら無(な)くに 我家(わぎへ)なる 梅初花(うめのはつはな) 散(ち)りぬとも良(よ)し

 近頃有所思 既然無人可來翫 我家庭院中 暗香浮動梅初花 汝縱散盡亦可也

佚名 2328

「人(ひと)も有(あ)ら無(な)くに…散(ち)りぬとも良(よ)し」,放任表現。既無可來賞翫之人,不如就這樣散去亦無嘗不可。


2329 【承前,五首第五。】

 雪寒三 咲者不開 梅花 縱比來者 然而毛有金

 雪寒(ゆきさむ)み 咲(さ)きには咲(さ)かず 梅花(うめのはな) 縱此頃(よしこのころ)は 然而(かくて)もあるがね

 以雪嚴寒故 縱令咲者不得開 暗香梅花矣 縱情比來含苞者 如斯未放可矣也

佚名 2329

「雪寒(ゆきさむ)み 咲(さ)きには咲(さ)かず」,懼於雪之嚴寒,縱欲開花卻無法如意。

「縱此頃(よしこのころ)は」,「縱(よし)」乃放任、許容。不避勉強開花,按這樣下去亦無妨。


冬相聞

2333 相聞 【二首第一。】

 零雪 虛空可消 雖戀 相依無 月經在

 降雪(ふるゆき)の 虛空(そら)に消(け)ぬべく 戀(こ)ふれども 逢由無(あふよしな)しに 月(つき)そ經(へ)にける

 洽猶零雪之 逝於虛空意消沉 吾雖慕不止 苦無逢由莫得見 不覺日久月已經

柿本人麻呂 2333

「降雪(ふるゆき)の」,「露の...」、「雪の...」有意志消沉,怠將如雪露般消逝無蹤之意。而此曲間置空字,稍屬特殊。

2334 【承前,二首第二。】

 阿和雪 千重零敷 戀為來 食永我 見偲

 沫雪(あわゆき)は 千重(ちへ)に降敷(ふりし)け 戀(こひ)しくの 日長(けなが)き我(あれ)は 見(み)つつ偲(しの)はむ

 細碎沫雪者 千重零敷累降置 戀慕日時久 不止相思我情長 望彼積雪騁所偲

柿本人麻呂 2334

 右,柿本朝臣人麻呂之歌集出。

「見(み)つつ偲(しの)はむ」,見雪而思人。

類歌4475。

2335 寄露  咲出照 梅之下枝爾 置露之 可消於妹 戀頃者

 咲出照(さきでて)る 梅下枝(うめのしづえ)に 置露(おくつゆ)の 消(け)ぬべく妹(いも)に 戀(こ)ふる此頃(このころ)

 咲出發艷華 梅之下枝上所置 玉露之所如 吾苦相思怠消逝 心戀伊人此頃矣

佚名 2335

「咲出照(さきでて)る」,「照(て)る」表花果美麗鮮豔之狀。於茲讚賞梅花光耀美麗。

「置露(おくつゆ)の」,以上乃帶出「消(け)ぬ」之序。

「此頃(このころ)」,原文「頃者」與「比日」皆為漢語表現


2336 寄霜  甚毛 夜深勿行 道邊之 湯小竹之於爾 霜降夜焉

 甚(はなはだ)も 夜更(よふ)けて勿行(なゆ)き 道邊(みちのへ)の 齋笹上(ゆざさのうへ)に 霜降(しものふ)る夜(よ)を

 逢鷓╋戝察’甚歸去在夜深 於此道邊之 潔齋小竹笹葉上 霜降天寒此夜間

佚名 2336

「甚(はなはだ)も 夜更(よふ)けて勿行(なゆ)き」,挽留將於深夜歸去之男子之語。

「齋笹上(ゆざさのうへ)に」,笹與榊皆為神事時手執之採物。原文「於」者,與「上」同。『續日本紀』大寶元年正月山上億良作山於億良。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/syokki/syokki02.htm

霜降(しものふ)る夜(よ)を」,將「笹」與「霜」、「霰」、「雪」結合而詠之曲多有。

2337 寄雪 【十二第一。】

 小竹葉爾 薄太禮零覆 消名羽鴨 將忘云者 益所念

 笹葉(ささのは)に 薄垂降覆(はだれふりおほ)ひ 消(け)なばかも 忘(わす)れむと言(い)へば (ま)して思(おも)ほゆ

 若猶笹葉上 薄垂降覆沫雪之 消逝無蹤者 吾冀可忘淡此情 無奈思慕唯徒

佚名 2337

「薄垂降覆(はだれふりおほ)ひ」,「薄垂」乃薄薄堆積之雪霜,以上乃引出「消(け)」之序。

「消(け)なばかも 忘(わす)れむ」,若得一死則將可不再受相思之苦。然而只要活著,就飽受戀慕之煎熬。類於0947「慣れなばか 一日も君を 忘れて思はむ」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m06.htm#0947


2338 【承前,十二第二。】

 霰落 板敢風吹 寒夜也 旗野爾今夜 吾獨寐牟

 霰降(あられふ)り 板間風吹(いたまかぜふ)き 寒夜(さむきよ)や 旗野(はたの)に今夜(こよひ) 我(あ)が獨寢(ひとりね)む

 霰落冰霜零 板間風吹冷刺骨 冰凍寒夜也 今夜大和旗野間 寂寞孤身我獨寢

佚名 2338

「板間風吹(いたまかぜふ)き」,原文「板敢」有諸說。或云「板玖(甚く)」之訛,或云「板聞(甚も)」、「板暇(いたま)」之訛,未衷一是,此按原文解作板葺小屋之屋頂隙縫。

「寒夜(さむきよ)や」,「や」乃呼應末句「む」之詠嘆用法。

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2018-03-29-木

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万葉集試訳

2222 詠河

 暮不去 河蝦鳴成 三和河之 清鷁燦叩(校婬般

 夕去(ゆふさ)らず 蛙鳴(かはづな)くなる 三輪川(みわがは)の 清鷁(きよきせのおと)を 聞(き)かくし良(よ)しも

 每逢夕暮時 河鹿蛙聲鳴不斷 御室三輪川 潺潺流水響清遏(溝串鷁燦秧環

佚名 2222

「夕去(ゆふさ)らず」,每夕不遺。

「蛙鳴(かはづな)くなる」,「蛙」概指河鹿蛙,「なり」乃傳聞推定

2223 詠月 【七首第一。】

 天海 月船浮 桂梶 懸而滂所見 月人壯子

 天海(あめのうみ)に 月舟浮(つきのふねう)け 桂楫(かつらかぢ) 懸(か)けて漕見(こぐみ)ゆ 月人壯士(つきひとをとこ)

 遙遙久方兮 天海滄溟泛月舟 手執桂楫而 榜在星林狀可見 岐嶷月人壯士矣

佚名 2223

天海(あめのうみ)に 月舟浮(つきのふねう)け」,以天為海,以月為舟之譬喻表現

「桂楫(かつらかぢ)」,以月中巨桂之枝為船楫。『懷風藻』文武帝詩云:「月舟移霧渚 楓楫泛霞濱」。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/kaifuu/kaifuu01.htm#monmu

類歌1068。 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m07.htm#1068

2224 【承前,七首第二。】

 此夜等者 沙夜深去良之 鴈鳴乃 所聞空從 月立度

 此夜等(このよら)は 小夜更(さよふ)けぬらし 雁(かり)が音(ね)の 聞(き)こゆる空(そら)ゆ 月立渡(つきたちわた)る

 吾度此夜等 其夜更晚深去矣 何以知悉者 今聞雁音蕩太虛 月渡中天狀可見

佚名 2224

「聞(き)こゆる空(そら)ゆ」,「ゆ」表經由點。

「月立渡(つきたちわた)る」,「月立(つきた)ち」表明月現其姿形。

類歌1701。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m09.htm#1701


2225 【承前,七首第三。】

 吾背子之 插頭之芽子爾 置露乎 清見世跡 月者照良思

 我(わ)が背子(せこ)が 髻首(かざし)の萩(はぎ)に 置露(おくつゆ)を 清(さや)かに見(み)よと 月(つき)は照(て)るらし

 親親吾夫子 所以髻首秋萩上 晶瑩置露矣 蓋欲使妾觀甚詳 明月照臨歷清清

佚名 2225

「髻首(かざし)の萩(はぎ)に」,「髻首(かざし)」指以花木插於髮上以為裝飾。

「清(さや)かに見(み)よと」,推測明月照覽之緣由。


2226 【承前,七首第四。】

 無心 秋月夜之 物念跡 寐不所宿 照乍本名

 心無(こころな)き 秋月夜(あきのつくよ)の 物思(ものおも)ふと 寐寢(いのね)らえぬに 照(て)りつつ元無(もとな)

 不能識時務 頑冥無心秋月夜 當吾苦憂思 輾轉不得寐寢時 無由徒照更煩心

佚名 2226

「心無(こころな)き」,欠缺思慮,無法為人著想。無法體會作者鬱悶之心情。

「寐寢(いのね)らえぬに」,無法入睡。

2227 【承前,七首第五。】

 不念爾 四具禮乃雨者 零有跡 天雲霽而 月夜清焉

 思(おも)はぬに 時雨雨(しぐれのあめ)は 降(ふ)りたれど 天雲晴(あまくもは)れて 月夜清(つくよさや)けし

 始料雖未及 時雨之雨忽驟降 然而仰首望 叢雲排開天既霽 明月照臨夜清清

佚名 2227

「思(おも)はぬに」,「ぬに」用於逆接,卻不如「ねど」強烈。此同時發生事項之上位呈現。


2228 【承前,七首第六。】

 芽子之花 開乃乎再入緒 見代跡可聞 月夜之清 戀益良國

 萩花(はぎのはな) 咲撓(さきのををり)を 見(み)よとかも 月夜清(つくよのきよ)き 戀(こひま)さらくに

 秋荻芽子花 亂咲絢爛撓枝垂 蓋欲詳端之 明月照覽夜清清 其戀更添當何如

佚名 2228

「咲撓(さきのををり)」,「撓(をを)り」表花咲絢爛、枝葉重垂等植物茂盛之狀。

「戀(こひま)さらくに」,翫荻之心更瓠Y真換弘Σ而無法平常心。

2229 【承前,七首第七。】

 白露乎 玉作有 九月 在明之月夜 雖見不飽可聞

 白露(しらつゆ)を 玉(たま)に作(な)したる 九月(ながつき)の 有明月夜(ありあけのつくよ) 見(み)れど飽(あ)かぬかも

 晶瑩白露矣 怠作珠玉誠難辨 長月九月之 曉闇有明之月夜 雖見百度未嘗厭

佚名 2229

「玉(たま)に作(な)したる」,「作(な)す」表錯作、混作。

有明月夜(ありあけのつくよ)」,拂曉之際仍掛於天空之月。農曆廿日之後之景象。

2230 詠風 【三首第一。】

 戀乍裳 稻葉搔別 家居者 乏不有 秋之暮風

 戀(こひ)つつも 稻葉搔別(いなばかきわ)け 家居(いへを)れば 乏(とも)しくも非(あら)ず 秋夕風(あきのゆふかぜ)

 思鄉戀至親 隻身在外別稻葉 苅搔秋稔間 身居假廬不所乏 秋之暮風吹瑟瑟

佚名 2230

「戀(こひ)つつも」,此云收割之時,在外搭設假廬,而思念家裡。

「家居(いへを)れば」,對於暫居假廬之誇張表現

「乏(とも)しくも非(あら)ず 秋夕風(あきのゆふかぜ)」,不乏涼爽之秋風。多少有自嘲、諷刺意味


2231 【承前,三首第二。】

 芽子花 咲有野邊 日晚之乃 鳴奈流共 秋風吹

 萩花(はぎのはな) 咲(さき)たる野邊(のへ)に 蜩(ひぐらし)の 鳴(な)くなる共(なへ)に 秋風吹(あきのかぜふ)く

 秋萩芽子花 所以盛咲野邊間 其隨日晚之 暮蟬鳴泣聲與共 蕭瑟秋風吹戚戚

佚名 2231

「蜩(ひぐらし)」,或為初秋之茅蜩(かなかな蟬),或為寒蟬(つくつく法師)。

「鳴(な)くなる共(なへ)に」,「なり」乃傳聞推定,「なへ」表與共。


2232 【承前,三首第三。】

 秋山之 木葉文未 赤者 今旦吹風者 霜毛置應久

 秋山(あきやま)の 木葉(このは)も未(いま)だ 赤變(もみ)たねば 今朝吹(けさふ)く風(かぜ)は 霜(しも)も置(お)きぬべく

 吾望秋山之 山間木葉未黃變 還思秋未深 怎知今旦吹風者 其寒若要置霜冷

佚名 2232

木葉(このは)も未(いま)だ 赤變(もみ)たねば」,「ねば」乃逆接用法

「霜(しも)も置(お)きぬべく」,其下省略「寒しあり」。


2233 詠芳

 高松之 此峯迫爾 笠立而 盈盛有 秋香乃吉者

 高松(たかまつ)の 此峰(このみね)も狹(せ)に 笠立(かさた)てて 滿盛(みちさか)りたる 秋香(あきのか)の良(よ)さ

 寧樂高松之 此峰迫狹地不廣 茸蓋立笠而 滿生遍布盈盛之 秋香濃郁豈非善

佚名 2233

「芳(か)」,此云松茸之香味。

「此峰(このみね)も狹(せ)に」,此峰地狹,卻似將之填滿。

「秋香(あきのか)の良(よ)さ」,原文者字雖為助字,亦有さ之音假名之作用


2234 詠雨 【四首第一。】

 一日 千重敷布 我戀 妹當 為暮零所見

 一日(ひとひ)にも 千重(ちへ)に頻(しくし)く 我(あ)が戀(こ)ふる 妹(いも)が邊(あたり)に 時雨降(しぐれふ)る見(み)ゆ

 短短一日間 相思憂情敷千重 吾之所戀慕 朝思暮想伊人許 時雨紛降今可見

柿本人麻呂 2234

 右一首,柿本朝臣人麻呂之歌集出。

「一日(ひとひ)にも」,原文唯誌「一日」,舊訓多採「一日には」,此依元曆校本作「一日にも」,有短短一之內幾度思念不止之意。

「頻(しくし)く」,持續反覆、頻繁地。

時雨降(しぐれふ)る見(み)ゆ」,原文或書「為暮零禮見」,此依『萬葉集略解』以「禮」為「所」之訛。

2235 【承前,四首第二。】

 秋田苅 客乃廬入爾 四具禮零 我袖沾 干人無二

 秋田刈(あきたか)る 旅廬(たびのいほり)に 時雨降(しぐれふ)り 我(わ)が袖濡(そでぬ)れぬ 乾(ほ)す人無(ひとな)しに

 為苅秋田而 旅居假廬客異地 時雨降紛紛 我袖漬濡凍淒涼 無人乾之更寂寥

佚名 2235

「旅廬(たびのいほり)に」,旅乃宿泊自家之外的地點。此云收割前後,暫居田野邊之假廬。

「乾(ほ)す人無(ひとな)しに」與「袖まき干さむ 人もあら無くに」相類。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m10.htm#2321


2236 【承前,四首第三。】

 玉手次 不懸時無 吾戀 此具禮志零者 沾乍毛將行

 玉襷(たまだすき) 懸(か)けぬ時無(ときな)き 我(あ)が戀(こひ)は 時雨(しぐれ)し降(ふ)らば 濡(ぬ)れつつも行(ゆ)かむ

 玉襷掛手繦 無時不刻莫懸心 吾戀常曝外 若逢時雨驟降者 必然將沾為濡濕

佚名 2236

「玉襷(たまだすき)」,以珠玉裝飾之襷,「懸(か)く」之枕詞

「懸(か)けぬ時無(ときな)し」,原文「不懸時無」舊訓「懸(か)けぬ時無(ときな)し」,若此則第三句為倒置而第一二句之主格。

「我(あ)が戀(こひ)は」,其下或省略「と思ふばかりぞ」之語。

2237 【承前,四首第四。】

 黃葉乎 令落四具禮能 零苗爾 夜副衣寒 一之宿者

 黃葉(もみちば)を 散(ち)らす時雨(しぐれ)の 降(ふ)るなへに 夜(よ)さへそ寒(さむ)き 獨(ひとり)し寢(ぬ)れば

 欲摧秋黃葉 令散零落時雨降 和之相與共 今宵夜冷凍骨寒 孤寢難眠更添愁

佚名 2237

「降(ふ)るなへに」,「なへに」於茲為繼起用法

「夜(よ)さへそ寒(さむ)き」,非但日間冷冽,連包裹著寢具之夜間亦異常寒冷。

2238 詠霜

 天飛也 鴈之翹乃 覆羽之 何處漏香 霜之零異牟

 天飛(あまと)ぶや 雁翼(かりのつばさ)の 覆羽(おほひば)の 何處漏(いづくも)りてか 霜降(しものふ)りけむ

 翱翔飛天也 飛雁之翼馳虛空 蓋是其覆羽 漏於何處所致哉 霜之零矣降斑白

佚名 2238

「天飛(あまと)ぶや」,「や」乃用於連體格之下的間投助詞

「雁翼(かりのつばさ)の」,多數寫本原文作「鴈之翅乃」,此依元曆校本作「鴈之翹乃」。『楚辭』招魂王逸注云「翹,羽也。」3345亦同。

「何處漏(いづくも)りてか」,「漏(も)る」乃四段活用自動詞

相聞

2239 相聞 【五首第一。】

 金山 舌日下 鳴鳥 音谷聞 何嘆

 秋山(あきやま)の 下緋(したひ)が下(した)に 鳴鳥(なくとり)の 聲(こゑ)だに聞(き)かば 何(なに)か嘆(な)げかむ

 蕭瑟秋山間 下緋紅葉之蔭處 鳴鳥之所如 啼鳴之聲若可聞 何須愁嘆哀如此

柿本人麻呂 2239

秋山(あきやま)の」,原文「金山」依陰陽五行說而致。

「下緋(したひ)が下(した)に」,「下緋(したひ)」乃染上紅色之「したふ」之名詞態。與卷九「下緋山」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m09.htm#1792 同。又卷二0217「したへる妹」乃動詞型。

「鳴鳥(なくとり)の」,以上三句,引出下文「聲(こゑ)」之序。

「聲(こゑ)だに聞(き)かば」,だに有至少之意。有雖然無法立刻見面之餘韻。


2240 【承前,五首第二。】

 誰彼 我莫問 九月 露沾乍 君待吾

 誰彼(たそかれ)と 我(あれ)を莫問(なと)ひそ 九月(ながつき)の 露(つゆ)に濡(ぬ)れつつ 君待(きみま)つ我(あれ)を

 所在誰彼哉 切莫以此言問我 九月秋夜長 強忍雨露沾漬濕 殷切待君妾身矣

柿本人麻呂 2240

「誰彼(たそかれ)」,所在何人。「そ」與「か」同義,乃伴隨疑問與之係助詞。「彼(か)」、「彼(かれ)」、「彼(かの)」乃遠稱指示語。雖有上代語中遠稱未發達之說,然『古事記』中既有多例。金以「誰彼(たそかれ)」為黃昏者,乃其衍伸之意。

「我(あれ)を莫問(なと)ひそ」,上代語「問(と)ふ」以「を」連結,不似現代之「に」。


2241 【承前,五首第三。】

 秋夜 霧發渡 凡凡 夢見 妹形矣

 秋夜(あきのよ)の 霧立渡(きりたちわた)り 欝(おほほ)しく 夢(いめ)にそ見(み)つる 妹(いも)が姿(すがた)を

 洽猶秋夜間 所湧迷霧之所如 晦澀迷濛而 邯鄲夢田得瞥見 相思吾妹光儀矣

柿本人麻呂 2241

「霧立渡(きりたちわた)り」,以上,引出「欝(おほほ)しく」之序。

「欝(おほほ)しく」,迷濛不明瞭之狀。原文或作「夙夙」,按『萬夜考』則為「凡凡」之訛。

2242 【承前,五首第四。】

 秋野 尾花末 生靡 心妹 依鴨

 秋野(あきのの)の 尾花(をばな)が末(うれ)の 生靡(おひなび)き 心(こころ)は妹(いも)に 寄(よ)りにけるかも

 蕭瑟秋野間 尾花芒草末穗者 風行草自偃 所靡一方似何者 猶吾鍾情唯寄汝

柿本人麻呂 2242

「生靡(おひなび)き」,以上乃引出最後二句之序。

「心(こころ)は妹(いも)に 寄(よ)りにけるかも」,此心只作者之心。



2243 【承前,五首第五。】

 秋山 霜零覆 木葉落 歲雖行 我忘八

 秋山(あきやま)に 霜降覆(しもふりおほ)ひ 木葉散(このはち)り 年(とし)は行(ゆ)くとも 我忘(われわす)れめや

  寂寥秋山間 冰霜降置覆斑駁 木葉凋零而 不與君逢年雖暮 吾常懸心豈忘哉

柿本人麻呂 2243

 右,柿本朝臣人麻呂之歌集出。

「年(とし)は行(ゆ)くとも」,其上省略「妹に逢はずて」或「君に逢はずて」之類。


2244 寄水田 【八首第一。】

 住吉之 岸乎田爾墾 蒔稻 乃而及苅 不相公鴨

 住吉(すみのえ)の 岸(きし)を田(た)に墾(は)り 蒔(ま)きし稻(いね) 斯(か)くて刈(か)る迄(まで) 逢(あ)はぬ君(きみ)かも

 墨江住吉之 崖岸開墾以為田 於茲所蒔稻 及於熟稔將苅時 不得與逢吾君矣

佚名 2244

「岸(きし)を田(た)に墾(は)り」,住吉之「岸(きし)」或書作「崖(きし)」(例:0069、3197等。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m01.htm#0069 )。當時,住吉海岸有海蝕崖地形,作者或在其上台地開墾田圃

「蒔(ま)きし稻(いね)」,奈良時代之水田,已非直播而採田植方式

「斯(か)くて刈(か)る迄(まで)」,原文「乃而及苅」之「乃而」現代多讀作「さて」,而上代語無此確例。故此訓做「斯(か)くて」,與2329之「然而」同。古本『玉篇』作「乃猶而」。


2245 【承前,八首第二。】

 剱後 玉纏田井爾 及何時可 妹乎不相見 家戀將居

 太刀後(たちのしり) 玉纏田居(たままきたゐ)に 何時迄(いつまで)か 妹(いも)を相見(あひみ)ず 家戀居(いへこひを)らむ

 華飾剱鞘兮 玉纏沃地田居間 不得與妻逢 形單影孤苦思鄉 直至何時得止歟

佚名 2245

太刀後(たちのしり) 玉纏田居(たままきたゐ)に」,「太刀後(たちのしり)」概指刀鞘,「玉纏(たまま)き」指鑲嵌寶玉。伊勢神宮神寶有「玉纏堙瓠廖け刀鞘嵌上約三百箇寶石。故此以「太刀後(たちのしり)」作為地名「玉纏(たままき)」之枕詞。玉纏,所在未詳。田居乃田地之意,「居(ゐ)」指堰止流水,轉作水田之呼稱。

蓋為離家獨居田邊假廬之男子之曲。


2246 【承前,八首第三。】

 秋田之 穗上置 白露之 可消吾者 所念鴨

 秋田(あきのた)の 穗上(ほのうへ)に置(お)ける 白露(しらつゆ)の 消(け)ぬべくも我(あれ)は 思(おも)ほゆるかも

 熟稔秋田之 穗稍之末上所置 白露之所如 吾身猶露將消散 念君我心怠毀滅

佚名 2246

白露(しらつゆ)の」,以上三句乃下句「消(け)ぬべく」之序。

「消(け)ぬべくも我(あれ)は」,因強烈之思念而痛不欲生。

類歌1564。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1564


2247 【承前,八首第四。】

 秋田之 穗向之所依 片緣 吾者物念 都禮無物乎

 秋田(あきのた)の 穗向(ほむき)の寄(よ)れる 片寄(かたよ)りに 我(あれ)は物思(ものおも)ふ 由緣無(つれな)き物(もの)を

 禾稼秋田之 稻穗撓靡寄一方 吾欲如穗傾 單戀無報苦憂思 徒然寄心無情人

佚名 2247

「穗向(ほむき)の寄(よ)れる」,如稻穗往一個方向撓曲般一方地。

「由緣無(つれな)き物(もの)を」,無緣、無關心,落花有意流水無情。

類歌114 https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m02.htm#0114

2248 【承前,八首第五。】

 秋田苅 借廬作 五百入為而 有藍君叫 將見依毛欲得

 秋田刈(あきたか)る 假廬作(かりいほつく)り 廬(いほ)りして あるらむ君(きみ)を 見(み)む由欲得(よしもがも)

 奉為苅秋田 權設假廬築田居 草枕在外地 形單影隻吾君矣 還願有由能相晤

佚名 2248

秋田刈(あきたか)る」,仙覺系底本原文作「秋田𠮧」,舊訓「秋田(あきのた)を」,此按『萬葉考』以叫為苅之訛。元曆校本等非仙覺系底本原文或作「秋山𠮧」,與題詞「寄水田」不合,蓋誤。

「廬(いほ)りして」,建築假廬居之。收割前後,設屋田邊。

蓋擬農夫之妻之趣。


2249 【承前,八首第六。】

 鶴鳴之 所聞田井爾 五百入為而 吾客有跡 於妹告社

 鶴(たづ)が音(ね)の 聞(き)こゆる田居(たゐ)に 廬(いほ)りして 我旅也(あれたびなり)と 妹(いも)に告(つ)げこそ

 鶴鳴蕩虛空 啼聲可聞田居間 吾人假廬而 草枕客在於茲也 還望傳言告妻知

佚名 2249

「廬(いほ)りして」,原文與前歌皆為「五百入為而」,當是問答之作。

「我旅也(あれたびなり)と」,此處「也(なり)」乃「に在(あ)り」之略。

「妹(いも)に告(つ)げこそ」,「こそ」表希求助詞。蓋為囑託鳴鶴傳言之趣。


2250 【承前,八首第七。】

 春霞 多奈引田居爾 廬付而 秋田苅左右 令思良久

 春霞(はるかすみ) 棚引(たなび)く田居(たゐ)に 廬築(いほつ)きて 秋田刈(あきたか)る迄(まで) 思(おも)はしむらく

 自於春霞湧 霏霺懸引田居間 以至設假廬 秋稔結穗收割頃 單戀相思無止哉

佚名 2250

「春霞(はるかすみ) 棚引(たなび)く」,雖為過去事項,但依恆常事實而作現在形。

「廬築(いほつ)きて」,『和名鈔』云:「農人作廬,以便田事。」

「思(おも)はしむらく」,「思(おも)はしむ」之く句法。主語女性

以作者單戀怪罪對方之內容,而田圃景色由春霞至秋田之時節更迭乃趣味之中旨。

2251 【承前,八首第八。】

 橘乎 守部乃五十戶之 門田年稻 苅時過去 不來跡為等霜

 橘(たちばな)を 守部里(もりへのさと)の 門田早稻(かどたわせ) 刈(か)る時過(ときす)ぎぬ 來(こ)じとすらしも

 吾人有所思 非時香菓橘實兮 守部里門田 早稻苅時早過矣 蓋是移情不復來

佚名 2251

「橘(たちばな)を」,守部之枕詞。往時橘為高級果物,故常設有戍衛守之。

「守部里(もりへのさと)」,所在未詳。「里」之原文「五十戶」者,依五十戶為一里之制度,略見於七世紀後半至八世紀初頭。

「來(こ)じとすらしも」,應當不復在來。農忙時期早已過去,如今不復來應當不以無暇,蓋是已然移情別戀。


2252 寄露 【八首第一。】

 秋芽子之 開散野邊之 暮露爾 沾乍來益 夜者深去鞆

 秋萩(あきはぎ)の 咲散(さきち)る野邊(のへ)の 夕露(ゆふつゆ)に 濡(ぬ)れつつ來(き)ませ 夜(よ)は更(ふ)けぬとも

 一心盼君臨 秋荻咲散小野中 還願君有情 暮露沾襟越野來 縱令夜深不辭勞

佚名 2252

「咲散(さきち)る野邊(のへ)の」,複合語「咲散(さきち)る」之「咲(さ)き」幾近無義。

本曲與『古今和歌集』秋歌上0224「萩花 散るらむ小野の 露霜に 濡れてを行かむ 小夜は更くとも」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/kokin/kk04.htm#224 宛若唱和。


2253 【承前,八首第二。】

 色付相 秋之露霜 莫零根 妹之手本乎 不纏今夜者

 色付(いろづ)かふ 秋露霜(あきのつゆしも) 莫降(なふ)りそね 妹(いも)が手本(たもと)を 枕(ま)かぬ今夜(こよひ)は

 為木添新色 秋之冷冽露霜矣 還願莫零降 隻身孤寢無人伴 不枕妻腕今夜者

佚名 2253

「色付(いろづ)かふ」,「色付(いろづ)く」之持續態。群樹木葉因而添色之意。秋山染色乃秋露之功,亦同時指其寒冷。

「妹(いも)が手本(たもと)を」,「手本(たもと)」指手腕。

「枕(ま)かぬ今夜(こよひ)は」,孤寢寂寞,倍感寒冷。

2254 【承前,八首第三。】

 秋芽子之 上爾置有 白露之 消鴨死猿 戀乍不有者

 秋萩(あきはぎ)の 上(うへ)に置(お)きたる 白露(しらつゆ)の 消(け)かもしな益(まし) 戀(こ)ひつつ有(あ)らずは

 不若猶秋萩 葉上所置白露之 消散不留蹤 一了百了絕命緒 勝過苦戀愁斷腸

佚名 2254

白露(しらつゆ)の」,以上三句,帶出「消(け)」之序。

「消(け)かもしな益(まし)」,「な」為完了助動詞「ぬ」之未然形

「戀(こ)ひつつ有(あ)らずは」,原文或作「戀爾不有者」,依『元曆校本』以為「戀乍不有者」之訛。

1608弓削皇子歌重出。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1608


2255 【承前,八首第四。】

 吾屋前 秋芽子上 置露 市白霜 吾戀目八面

 我(わ)が宿(やど)の 秋萩上(あきはぎのうへ)に 置露(おくつゆ)の 顯著(いちしろ)くしも 我戀(あれこ)ひめやも

 吾宿屋前之 庭園秋萩芽子上 置露引側目 如此顯著令人知 張揚之戀豈為哉

佚名 2255

「置露(おくつゆ)の」,以上三句,引出「顯著(いちしろ)くしも」之序。

「顯著(いちしろ)くしも」,顯著的,「顯著(いちしろ)し」乃く活用形。


2256 【承前,八首第五。】

 秋穗乎 之努爾押靡 置露 消鴨死益 戀乍不有者

 秋穗(あきのほ)を 繁(しの)に押靡(おしな)べ 置露(おくつゆ)の 消(け)かもしな益(まし) 戀(こ)ひつつ在(あ)らずは

 不若猶秋穗 豐稔撓屈末穗上 置露之所如 俄然消逝絕命緒 勝過苦戀愁斷腸

佚名 2256

「繁(しの)に押靡(おしな)べ」,「繁(しの)」表毫無間隙。『萬葉集』中,除此處以外,皆採「心を繁(しの)に」之用法。「靡(な)べ」乃「靡(な)びかせ」之意。

2257 【承前,八首第六。】

 露霜爾 衣袖所沾而 今谷毛 妹許行名 夜者雖深

 露霜(つゆしも)に 衣手濡(ころもでぬ)れて 今(いま)だにも 妹許行(いもがりゆ)かな 夜(よ)は更(ふ)けぬとも

 一心繫伊人 雖然露霜濕衣袖 吾不以為意 只願即刻赴妹許 縱令夜深不辭勞

佚名 2257

「衣手濡(ころもでぬ)れて」,衣手乃衣之雅語。

「今(いま)だにも」,表達現在立刻之願望。

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2018-03-10-土

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万葉集試訳

2183 【承前,卌一第六。】

 鴈音者 今者來鳴沼 吾待之 黃葉早繼 待者辛苦母

 雁(かり)が音(ね)は 今(いま)は來鳴(きな)きぬ 我(あ)が待(ま)ちし 黃葉速繼(もみちはやつ)げ 待(ま)たば苦(くる)しも

 鴻雁之音者 既已來鳴報秋至 吾所引領盼 黃葉可否速繼之 久待難堪心甚苦

佚名 2183

「待(ま)たば苦(くる)しも」,原文「待者辛苦母」,舊訓「待(ま)てば苦(くる)しも」,然依3682「麻多婆久流思母」,訓作此。


2184 【承前,卌一第七。】

 秋山乎 謹人懸勿 忘西 其黃葉乃 所思君

 秋山(あきやま)を 努人懸(ゆめひとか)く勿(な) 忘(わす)れにし 其黃葉(そのもみちば)の 思(おも)ほゆらくに

 吾人有所冀 莫與人訴秋山事 魂牽夢所縈 其黃葉者怠將忘 勿令相思情復燃

佚名 2184

「努人懸(ゆめひとか)く勿(な」,「懸(か)く」乃舉言、與他人相語之意。此云作者對紅葉之愛甚於常人,難以平復。

「其黃葉(そのもみちば)の 思(おも)ほゆらくに」,逆接用法,一旦聽聞人論及秋山之事,便將想起紅葉美景無法自已。


2185 【承前,卌一第八。】

 大坂乎 吾越來者 二上爾 黃葉流 志具禮零乍

 大坂(おほさか)を 我(わ)が越來(こえく)れば 二上(ふたかみ)に 黃葉流(もみちばなが)る 時雨降(しぐれふ)りつつ

 大坂穴蟲峠 翻山越嶺跋涉來 寧樂二上山 黃葉流轉隨風飄 時雨不止降紛紛

佚名 2185

大坂(おほさか)」,穴蟲峠。二上山奈良大阪之交界。

「黃葉流(もみちばなが)る」,流表木葉或花瓣隨風飄舞之狀。


2186 【承前,卌一第九。】

 秋去者 置白露爾 吾門乃 淺茅何浦葉 色付爾家里

 秋去(あきさ)れば 置(お)く白露(しらつゆ)に 我(わ)が門(かど)の 淺茅(あさぢ)が末葉(うらば) 色付(いろづ)きにけり

 每逢秋日臨 白露降置告天冷 吾戶屋前之 淺茅末葉受露催 儵然黃變添新色

佚名 2186

「我(わ)が門(かど)の」,門指戶前周遭之道路

「淺茅(あさぢ)が末葉(うらば)」,淺茅指矮小之茅,末葉為末梢之意。茅葉於晚秋轉為赤褐色特別在周緣部與先端呈現顯著之濃赤色


2187 【承前,卌一第十。】

 妹之袖 卷來乃山之 朝露爾 仁寶布黃葉之 散卷惜裳

 妹(いも)が袖(そで) 卷來山(まききのやま)の 朝露(あさつゆ)に 匂(にほ)ふ黃葉(もみち)の 散(ち)らまく惜(を)しも

 妹袖為枕兮 纏綿卷來之山間 朝霧罩瀰漫 露催葉黃紅似錦 一旦零落甚可惜

佚名 2187

「妹(いも)が袖(そで)」,以妻子之衣袖為枕,地名「卷來」之枕詞

「卷來山(まききのやま)」,所在未詳。

「散(ち)らまく惜(を)しも」,仙覺本等底本作「散卷惜裳」,元曆校本作「散莫惜裳」。莫於茲訓「まく」,類例見於2200。

2188 【承前,卌一十一。】

 黃葉之 丹穗日者繁 然鞆 妻梨木乎 手折可佐寒

 黃葉(もみちば)の 匂(にほ)ひは繁(しげ)し 然(しか)れども 妻梨木(つまなしのき)を 手折髻首(たをりかざ)さむ

 秋日黃葉之 絢麗斑紅奪人目 雖然如此者 可憐零丁妻梨木 手折髻首以相伴

佚名 2188

「匂(にほ)ひは繁(しげ)し」,「匂(にほ)ひ」乃添上赤色之意。「繁(しげ)し」蓋表種類繁多。

「妻梨木(つまなしのき)」,名喚「妻無(つまな)し」之妻梨木。


2189 【承前,卌一十二。】

 露霜乃 寒夕之 秋風丹 黃葉爾來毛 妻梨之木者

 露霜(つゆしも)の 寒夕(さむきゆふへ)の 秋風(あきかぜ)に 黃葉(もみち)にけりも 妻梨木(つまなしのき)は

 露霜降至兮 蕭瑟天寒夕暮間 秋風拂悽悽 當其冷氣葉黃變 無妻孤寂妻梨木

佚名 2189

「黃葉(もみち)にけりも」,原文「黃葉爾來毛」,或訓「黃葉(もみち)にけらし」,此依古寫本讀之。


2190 【承前,卌一十三。】

 吾門之 淺茅色就 吉魚張能 浪柴乃野之 黃葉散良新

 我(わ)が門(かど)の 淺茅色付(あさぢいろづ)く 吉隱(よなばり)の 浪柴野(なみしばのの)の 黃葉散(もみちち)るらし

 吾戶屋前之 淺茅末葉色已添 初鶺誹之 寧樂榛原浪柴野 黃葉凋零今舞散

佚名 2190

「浪柴野(なみしばのの)の」,所在未詳。或云奈良宇陀郡榛原櫻井長谷寺間之角柄、柳一帶。

類歌2207。

2191 【承前,卌一十四。】

 鴈之鳴乎 聞鶴奈倍爾 高松之 野上乃草曾 色付爾家留

 雁(かり)が音(ね)を 聞(き)きつる共(なへ)に 高松(たかまつ)の 野上草(のうへのくさ)そ 色付(いろづ)きにける

 飛燕秋來鳴 耳聞鳥囀聲與共 寧樂高圓之 高松之野原上草 不覺添色染黃變

佚名 2191

「聞(き)きつる共(なへ)に」,「共(なへ)に」表同時或將或即將。


2192 【承前,卌一十五。】

 吾背兒我 白細衣 徃觸者 應染毛 黃變山可聞

 我(わ)が背子(せこ)が 白栲衣(しろたへころも) 行觸(ゆきふ)れば 匂(にほ)ひぬべくも 黃變山(もみつやま)かも

  吾夫兄子之 白妙素栲細衣矣 若為徃觸者 當為所染沾赤艷 絢爛黃變之山矣

佚名 2192

「白栲衣(しろたへころも」,「栲」乃自桑科植物楮類之樹皮所採纖維,或以之紡成之布類。然白麻布或亦用之。

「行觸(ゆきふ)れば 匂(にほ)ひぬべくも」,亦見於1539「草枕 旅行人も 行觸れば 匂ひぬべくも 咲ける萩かも」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1532


2193 【承前,卌一十六。】

 秋風之 日異吹者 水莖能 岡之木葉毛 色付爾家里

 秋風(あきかぜ)の 日(ひ)に異(け)に吹(ふ)けば 水莖(みづくき)の 岡木葉(をかのこのは)も 色付(いろづ)きにけり

 蕭瑟秋風之 與日俱畊洪痊帖磐城水莖兮 岡之木葉為風催 已然黃變添唐紅

佚名 2193

「水莖(みづくき)の」,「岡」之枕詞

『歌經標示』柿本若子秋歌「阿岐可是能 比爾計爾不氣馬 美豆倶基能(秋風(あきかぜ)の 日(ひ)に異(け)に吹(ふ)けば)」,與本歌同。https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/33259/1/9_P91-105.pdf 案柿本若子及人麻呂,奈良朝後期以此歌為柿本人麻呂所作

2194 【承前,卌一十七。】

 鴈鳴乃 來鳴之共 韓衣 裁田之山者 黃始南

 雁(かり)が音(ね)の 來鳴(きな)きし共(なへ)に 韓衣(からころも) 龍田山(たつたのやま)は 黃葉始(もみちそ)めたり

 其與飛燕之 來鳴之際怠同時 妙裁韓衣兮 秋日錦織龍田山 絢麗斑駁葉始黃

佚名 2194

「韓衣(からころも)」,「龍田」之枕詞。韓衣乃唐土傳來之衣服,「龍田=たつた」與「裁斷=たつ(亦引申有編織、製作之意)」音類而名之。



2195 【承前,卌一十八。】

 鴈之鳴 聲聞苗荷 明日從者 借香能山者 黃始南

 雁(かり)が音(ね)の 聲聞(こゑき)く共(なへ)に 明日(あす)よりは 春日山(かすがのやま)は 黃葉始(もみちそ)めなむ

 其與飛雁之 鳴啼之際相與共 自於明日起 寧樂奈良春日山 絢麗斑駁葉始黃

佚名 2195

「聲聞(こゑき)く共(なへ)に」,一般「共(なへ)に」往往用於同時或伴隨發生之確定事項,如本曲連續未來推量之用法屬特例。


2196 【承前,卌一十九。】

 四具禮能雨 無間之零者 真木葉毛 爭不勝而 色付爾家里

 時雨雨(しぐれのあめ) 間無(まな)くし降(ふ)れば 真木葉(まきのは)も 爭兼(あらそひか)ねて 色付(いろづ)きにけり

 時雨之雨矣 紛降無間莫所止 縱令真木葉 難與抗衡不得勝 已然添色褪葉黃

佚名 2196

「真木(まき)」,檜、杉等長針葉樹

「爭兼(あらそひか)ねて」。此云長針葉樹時雨相抗,而不得勝,遂稍轉褐而言。

2197 【承前,卌一二十。】

 灼然 四具禮乃雨者 零勿國 大城山者 色付爾家里【謂大城者,在筑前御笠郡大野山頂。號曰大城者也。】

 灼然(いちしろ)く 時雨雨(しぐれのあめ)は 降(ふ)ら無(な)くに 大城山(おほきのやま)は 色付(いろづ)きにけり【大城(おほき)と謂(い)ふは、筑前御笠郡(ちくぜんのくにみかさのこほり)の大野山頂(おほののやまのいただき)に在(あ)り。號(なづ)けて大城(おほき)と曰(い)ふ也(なり)。】

 今觀時雨者 其雨並未零灼然 雖然勢非豪 筑前御笠大城山 已添黃葉織錦紅【謂大城者,在筑前御笠郡大野山頂。號曰大城者也。】

佚名 2197

「灼然(いちしろ)く」,顯著。


2198 【承前,卌一廿一。】

 風吹者 黃葉散乍 小雲 吾松原 清在莫國

 風吹(かぜふ)けば 黃葉散(もみちち)りつつ 少(すく)なくも 吾松原(あがのまつばら) 清(きよ)から無(な)くに

 蕭瑟秋風吹 拂落黃葉零紛紛 隨彼紅葉落 神風伊勢松原 環堵蕭然寂更清

佚名 2198

「黃葉散(もみちち)りつつ」,「つつ」表持續反覆。

「少(すく)なくも 吾松原(あがのまつばら) 清(きよ)から無(な)くに」,「少(すく)なくも......無(な)くに」表「非止於些微」,「甚是」之意。吾之松原所在未詳,按1030聖武帝「妹に戀ひ 吾松原 見渡せば 潮乾潟に 鶴鳴渡る」https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m06.htm#1030 則或當在伊勢三重郡


2199 【承前,卌一廿二。】

 物念 隱座而 今日見者 春日山者 色就爾家里

 物思(ものおも)ふと 隱(こも)らひ居(を)りて 今日見(けふみ)れば 春日山(かすがのやま)は 色付(いろづ)きにけり

 時時有所思 隱籠幽居不出戶 今日望見者 奈良寧樂春日山 不覺添色染唐紅

佚名 2199

「物思(ものおも)ふと」,「と」乃「として」。

「隱(こも)らひ」,「隱(こも)り」之持續態。

類歌1568。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1568


2200 【承前,卌一廿三。】

 九月 白露負而 足日木乃 山之將黃變 見幕下吉

 九月(ながつき)の 白露負(しらつゆお)ひて 足引(あしひき)の 山黃變(やまのもみ)たむ 見(み)まくしも吉(よ)し

 其受長月之 九月白露摧冷冽 足曳勢險峻 目前山之將黃變 悠然眺之豈不善

佚名 2200

「見(み)まくしも吉(よ)し」,相較於「見(み)らくし吉(よ)しも」本句更著眼於未來將發生之預想推量。


2201 【承前,卌一廿四。】

 妹許跡 馬桉置而 射駒山 撃越來者 紅葉散筒

 妹許(いもがり)と 馬(うま)に鞍置(くらお)きて 生駒山(いこまやま) 打越來(うちこえく)れば 紅葉散(もみちち)りつつ

 欲往妹妻許 設置馬鞍啟行而 寧樂生駒嶺 翻山策馬越來者 紅葉既盛凋零矣

佚名 2201

「妹許(いもがり)と」,「許(がり)と」乃前往...之處。第三句「生駒山(いこまやま)」或隱含「行く」之寓意,而『萬葉集』中多做「行(ゆ)く」少用「行(い)く」,或云「行(い)く」蓋為俗語

「打越來(うちこえく)れば」,「打」表鞭策。

紅葉散(もみちち)りつつ」,原文「紅葉散筒」。『萬葉集』中,不書「黃葉」而記紅葉者,唯此一例而已。「つつ」,仙覺本系統作「筒」,而元曆校本作「管」,類聚古集作「箇」。

2202 【承前,卌一廿五。】

 黃葉為 時爾成良之 月人 楓枝乃 色付見者

 黃葉(もみち)する 時(とき)に成(な)るらし 月人(つきひと)の 桂枝(かつらのえだ)の 色付(いろづ)く見(み)れば

 見微能知著 蓋是黃葉時節矣 觀月人壯士 廣寒宮前散芬芳 桂枝添色見可悉

佚名 2202

「黃葉(もみち)する」,此云人間蓋至黃葉時節。站在月人視角所書。

「桂枝(かつらのえだ)の」,中國六朝以來傳說,云月中有桂之巨木。楓、桂本為異種,於茲通用


2203 【承前,卌一廿六。】

 里異 霜者置良之 高松 野山司之 色付見者

 里(さと)ゆ異(け)に 霜(しも)は置(お)くらし 高松(たかまつ)の 野山丘(のやまづかさ)の 色付(いろづ)く見(み)れば

 迥異與人里 霜者置之良可察 寧樂高松地 野山之丘頂峰間 木葉添色觀可知

佚名 2203

「里(さと)ゆ異(け)に」,里表人煙所在之鄉里。

「野山丘(のやまづかさ)の」,「丘(づかさ)」或書作「阜」,隆起之場所


2204 【承前,卌一廿七。】

 秋風之 日異吹者 露重 芽子之下葉者 色付來

 秋風(あきかぜ)の 日(ひ)に異(け)に吹(ふ)けば 露(つゆ)を重(おも)み 萩下葉(はぎのしたば)は 色付(いろづ)きにけり

 蕭瑟秋風之 與日俱畊洪痊帖玉露重懸梢 以故秋荻下葉者 黃變添色報潮時

佚名 2204

「露(つゆ)を重(おも)み」,露重葉垂之狀。『古今和歌集』戀歌四有「宮城野の 本あらの小萩 露を重み 風を待つ如 君をこそ待て」之曲。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/kokin/kk14.htm#694

2205 【承前,卌一廿八。】

 秋芽子乃 下葉赤 荒玉乃 月之歷去者 風疾鴨

 秋萩(あきはぎ)の 下葉赤變(したばもみち)ぬ 新(あらた)まの 月經(つきのへ)ぬれば 風(かぜ)を疾(いた)みかも

 秋荻芽子之 下葉赤變染唐紅 何以為之者 日新月異更經時 風吹無情太疾哉

佚名 2205

「月經(つきのへ)ぬれば」,日經月改之故。

「風(かぜ)を疾(いた)みかも」,「みかも」乃み句法之疑問條件詞。


2206 【承前,卌一廿九。】

 真十鏡 見名淵山者 今日鴨 白露置而 黃葉將散

 真十鏡(まそかがみ) 南淵山(みなぶちやま)は 今日(けふ)もかも 白露置(しらつゆお)きて 黃葉散(もみちち)るらむ

 無曇真十鏡 飛鳥南淵之山者 吾度其今日 蓋當白露置頂上 黃葉將散飄零落

佚名 2206

「真十鏡(まそかがみ)」,以「見之」而與「南淵山(みなぶちやま=見名淵山)」雙關之枕詞。原文十字訓「そ」者,藉十字古語發音之表現。元曆校本書「真寸鏡」者,以中古以降訛音「真十鏡(ますかがみ)」所致。


2207 【承前,卌一三十。】

 吾屋戶之 淺茅色付 吉魚張之 夏身之上爾 四具禮零疑

 我(わ)が宿(やど)の 淺茅色付(あさぢいろづ)く 吉隱(よなばり)の 夏身上(なつみのうへ)に 時雨降(しぐれふ)るらし

 吾戶屋前之 淺茅末葉色已添 初鶺誹之 寧樂吉野菜摘處 夏身時雨今零哉

佚名 2207

「淺茅色付(あさぢいろづ)く」,藉草木變化確認時節已至晚秋。

時雨降(しぐれふ)るらし」,見得眼前事實,因以推測遠方事狀。「らし」原文「疑」乃義訓用法

類歌2190。

2208 【承前,卌一卅一。】

 鴈鳴之 寒鳴從 水莖之 岡乃葛葉者 色付爾來

 雁(かり)が音(ね)の 寒(さむ)く鳴(な)きしゆ 水莖(みづくき)の 岡葛葉(をかのくずは)は 色付(いろづ)きにけり

 自於雁鳴之 悲戚泣聲寒時起 磐城水莖兮 岡之葛葉感時節 轉俄黃葉色已添

佚名 2208

「雁(かり)が音(ね)の 寒(さむ)く鳴(な)きしゆ」,「ゆ」乃自其算起,「鳴(な)きし」為「鳴きし時」之略。

2209 【承前,卌一卅二。】

 秋芽子之 下葉乃黃葉 於花繼 時過去者 後將戀鴨

 秋萩(あきはぎ)の 下葉黃葉(したばのもみち) 花(はな)に繼(つ)ぎ 時過去(ときすぎゆ)かば 後戀(のちこ)ひむかも

 秋萩芽子花 下葉之色隨華褪 黃葉色已添 吾度時節過去者 後日憶之戀更

佚名 2209

「下葉黃葉(したばのもみち) 花(はな)に繼(つ)ぎ」,在花落之後,葉子亦轉黃。

「後戀(のちこ)ひむかも」,其後想起已逝的荻花,應該會更添相思之情。



2210 【承前,卌一卅三。】

 明日香河 黃葉流 葛木 山之木葉者 今之落疑

 明日香川(あすかがは) 黃葉流(もみちばなが)る 葛城(かづらき)の 山木葉(やまのこのは)は 今(いま)し散(ち)るらし

 河內飛鳥川 黃葉流轉織緞紅 蓋是葛城之 二上山木葉者 今之零落逐流哉

佚名 2210

明日香川(あすかがは) 黃葉流(もみちばなが)る」,蓋指河內之飛鳥河。河內飛鳥川源自河內、大和國境之二上山西南麓,流經近飛鳥而注入石川。或云,流經明日香明日香藤原京而注入大和川大和明日香川。而於茲依0165題詞「葛城二上山」,採前者之說。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m02.htm#0165

「今(いま)し散(ち)るらし」,しら之用法,義訓同2207。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m10.htm#2207



2211 【承前,卌一卅四。】

 妹之紐 解登結而 立田山 今許曾黃葉 始而有家

 妹(いも)が紐(ひも) 解(と)くと結(むす)びて 龍田山(たつたやま) 今(いま)こそ黃葉(もみち) 始(そ)めて有(あ)りけれ

 欲將解妻紐 所以誓約結紐兮 妙裁龍田山 今日斑駁始葉黃 悄悄添色報秋冷

佚名 2211

「妹(いも)が紐(ひも) 解(と)くと結(むす)びて」,以「裁斷(たつ)」之緣而為「龍田山(たつたやま)」之枕詞。古俗以為,戀人相別之時,互結衣紐,再會之間不付解之,則可盡早相會。

『歌經標式』作「妹(いも)が紐(ひも) 解(と)くと結(むす)びて 龍田山(たつたやま) 見渡(みわた)す野邊(のへ)の 黃葉(もみち)けらくは」

2212 【承前,卌一卅五。】

 鴈鳴之 寒喧之從 春日有 三笠山者 色付丹家里

 雁(かり)が音(ね)の 寒(さむ)く鳴(な)きしゆ 春日(かすが)なる 御笠山(みかさのやま)は 色付(いろづ)きにけり

 自於雁鳴之 悲戚泣聲寒時起 寧樂春日之 神域御蓋三笠山 已然添色報秋冷

佚名 2212

「寒(さむ)く鳴(な)きしゆ」,底本原文「喧之從」音韻不足,遂依2208補以寒字。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m10.htm#2208


2213 【承前,卌一卅六。】

 比者之 五更露爾 吾屋戶乃 秋之芽子原 色付爾家里

 此頃(このころ)の 曉露(あかときつゆ)に 我(わ)が宿(やど)の 秋萩原(あきのはぎはら) 色付(いろづ)きにけり

 比日此頃之 五更曉露凝降置 是以吾宿間 秋之萩原為所催 不覺添色染黃變

佚名 2213

「曉露(あかときつゆ)」,原文五更露,意指寅時(三時至五時)之露。

「秋萩原(あきのはぎはら)」,類歌2182採「荻の下葉」。庭中生荻原者,蓋誇張表現https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m10.htm#2182


2214 【承前,卌一卅七。】

 夕去者 鴈之越徃 龍田山 四具禮爾競 色付爾家里

 夕去(ゆふさ)れば 雁越行(かりのこえゆ)く 龍田山(たつたやま) 時雨(しぐれ)に競(きほ)ひ 色付(いろづ)きにけり

 每逢夕暮時 飛雁越行指東去 嗚呼龍田山 奮與時雨競相爭 弩染唐紅添新色

佚名 2214

「夕去(ゆふさ)れば 雁越行(かりのこえゆ)く」,雁自西方難波東方大和飛越而去之狀。

時雨(しぐれ)に競(きほ)ひ 色付(いろづ)きにけり」,與時雨相抗,不欲散去,顯露出鮮紅之顏色。一般多指敗於時噢,黃葉而散,此歌則未必。

2215 【承前,卌一卅八。】

 左夜深而 四具禮勿零 秋芽子之 本葉之黃葉 落卷惜裳

 小夜更(さよふ)けて 時雨勿降(しぐれなふ)りそ 秋萩(あきはぎ)の 本葉黃葉(もとはのもみち) 散(ち)らまく惜(を)しも

 夜幕已深邃 還願時雨莫紛降 秋荻芽子之 本葉黃葉受雨摧 散落凋零甚可惜

佚名 2215

「本葉黃葉(もとはのもみち)」,本葉雨末葉(梢)相對,乃接近根元之枝葉。一般詠秋萩變色者,下葉是為通例。



2216 【承前,卌一卅九。】

 古鄉之 始黃葉乎 手折以 今日曾吾來 不見人之為

 故鄉(ふるさと)の 初黃葉(はつもみちば)を 手折持(たをりも)ち 今日(けふ)そ我(わ)が來(こ)し 見(み)ぬ人(ひと)の為(ため)

 故鄉飛鳥京 黃葉初現染唐紅 手折其枝葉 今日吾持之以來 奉為未見之人矣

佚名 2216

「故鄉(ふるさと)の」,此蓋云飛鳥舊京。

「見(み)ぬ人(ひと)の為(ため)」,位於平城新京,不得見舊都紅葉者。


2217 【承前,卌一四十。】

 君之家乃 黃葉者早 落 四具禮乃雨爾 所沾良之母

 君(きみ)が家(いへ)の 黃葉(もみち)は早(はや)く 散(ち)りにけり 時雨雨(しぐれのあめ)に 濡(ぬ)れにけらしも

 吾君家之許 黃葉匆匆褪其色 凋零落紛紛 蓋是其遭時雨澍 沾濡漬濕所以

佚名 2217

「君(きみ)が家(いへ)の 黃葉(もみち)は早(はや)く 散(ち)りにけり」,底本原文作「君之家乃之 黃葉早者 落」,無以訓之。蓋有誤訛、脫落之情事。今姑從紀州本,去「乃」下「之」字,並依『萬葉代匠記』以「者早」替「早者」。


2218 【承前,卌一卌一。】

 一年 二遍不行 秋山乎 情爾不飽 過之鶴鴨

 一年(ひととせ)に 二度行(ふたたびゆ)かぬ 秋山(あきやま)を 心(こころ)に飽(あ)かず 過(す)ぐしつるかも

 凡一年之內 其景不復再得見 斑駁秋山矣 翫之不足意未竟 黃葉轉瞬業已過

佚名 2218

「二度行(ふたたびゆ)かぬ」,無由重複。

「過(す)ぐしつるかも」,「過(す)ぐ」表喪失機會。蓋因某事由而錯失賞翫黃葉之機,甚是遺憾


2219 詠水田 【三首第一。】

 足曳之 山田佃子 不秀友 繩谷延與 守登知金

 足引(あしひき)の 山田作(やまだつ)くる兒(こ) 秀(ひ)でずとも 繩(なは)だに延(は)へよ 守(も)ると知(し)るがね

 足曳勢險峻 山田所作佃兒矣 田穗雖未秀 還願延繩標所領 令知戍守待結實

佚名 2219

山田作(やまだつ)くる兒(こ)」,兒一般少年少女,而此蓋意指成年男子。「作(つ)くる」原文「佃」乃耕作之意。

「秀(ひ)でずとも」,「秀(ひ)づ」乃「穗出(ほいづ)」之略。

「繩(なは)だに延(は)へよ」,以繩標誌所有範圍。類歌1353詠男子標結,此曲則指家長標結而言。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m07.htm#1353

「守(も)ると知(し)るがね」,令世人知曉女孩有所守護

類歌1353乃雙親向男子囑託女兒之將來,此歌則為年輕男子請雙親守護女兒純潔直至迎娶之日。


2220 【承前,三首第二。】

 左小壯鹿之 妻喚山之 岳邊在 早田者不苅 霜者雖零

 小雄鹿(さをしか)の 妻呼(つまよ)ぶ山(やま)の 岡邊(をかへ)なる 早稻田(わさだ)は刈(か)らじ 霜(しも)は降(ふ)るとも

 嗚呼小壯鹿 淒涼喚妻回聲盪 山之岡邊在 早稻田者莫急苅 縱令霜降秋冷時

佚名 2220

待至晚秋,不去收成早稻田者,乃是惋惜呼妻之孤鹿。然此情懷與耕種之人防止豬鹿危害者大相逕庭。

2221 【承前,三首第三。】

 我門爾 禁田乎見者 沙穗內之 秋芽子為酢寸 所念鴨

 我(わ)が門(かど)に 守(も)る田(た)を見(み)れば 佐保內(さほのうち)の 秋萩薄(あきはぎすすき) 思(おも)ほゆるかも

 每出此居室 見吾戶前禁田者 便思佐保內 秋荻與芒其繁狀 猶映眼簾我所念

佚名 2221

「我(わ)が門(かど)に 守(も)る田(た)を見(み)れば」,門外所有之田。家前隔道之田。作者蓋居於平成京近郊之官人。

「佐保內(さほのうち)の」,外京北部,佐保川、佐保山間地域。蓋作者之戀人或友人居於該處。

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2018-02-22-木

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補給物資

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万葉集試訳

2150 【承前,十六第十。】

 秋芽子之 散去見 欝三 妻戀為良思 棹壯鹿鳴母

 秋萩(あきはぎ)の 散逝見(ちりゆくみ)れば 欝(おほほ)しみ 妻戀(つまごひ)すらし 佐雄鹿鳴(さをしかな)くも

 蓋是見秋萩 芽子散華零落者 心欝悶不樂 相思情湧戀妻歟 小壯鹿兮今鳴泣

佚名 2150

「欝(おほほ)しみ」,心情鬱悶意所不快。主詞為鹿。

「妻戀(つまごひ)」,俗以鹿比秋萩為妻。

2151 【承前,十六十一。】

 山遠 京爾之有者 狹小壯鹿之 妻呼音者 乏毛有香

 山遠(やまとほ)き 都(みやこ)にし在(あ)れば 佐雄鹿(さをしか)の 妻呼(つまよ)ぶ聲(こゑ)は 乏(とも)しくもあるか

 自於去飛鳥 身在新京離山遠 久居於此者 小壯鹿之喚妻聲 已然難得罕聞矣

佚名 2151

「山遠(やまとほ)き 都(みやこ)」,或云詠於難波京,或云平成京。較於飛鳥舊京,去山甚遠。

「乏(とも)しくもあるか」,「乏(とも)し」表稀少、難得,「か」為詠嘆。


2152 【承前,十六十二。】

 秋芽子之 散過去者 左小壯鹿者 和備鳴將為名 不見者乏焉

 秋萩(あきはぎ)の 散過去(ちりすぎゆ)かば 佐雄鹿(さをしか)は 侘鳴為(わびなきせ)むな 見(み)ずは乏(とも)しみ

 一旦秋萩之 芽子華散零落者 嗚呼小壯鹿 其當哀怨侘鳴哉 不得見之催孤悲

佚名 2152

「散過去(ちりすぎゆ)かば」,「過(す)ぐ」乃花或紅葉凋零不復之狀。

「侘鳴為(わびなきせ)むな」,「侘び」乃失落、無氣力之狀。「鳴き」與「泣き」通。

「見(み)ずは乏(とも)しみ」,「乏(とも)しみ」乃「乏(とも)しかるべみ」,寂寞之意。


2153 【承前,十六十三。】

 秋芽子之 咲有野邊者 左小壯鹿曾 露乎別乍 嬬問四家類

 秋萩(あきはぎ)の 咲(さ)ける野邊(のへ)には 佐雄鹿(さをしか)そ 露(つゆ)を別(わ)けつつ 妻問(つまど)ひしける

 秋荻芽子之 所咲盛開野邊者 嗚呼小壯鹿 排開草間闢沾露 踏遍四處訪妻處

佚名 2153

「咲(さ)ける野邊(のへ)には」,此依原文「咲有野邊者」而訓,而自『萬葉代匠記』云「亦讀”咲(さ)きたる野邊(のへ)は”」以來,坊間多採此訓。然考字數、慣例,或當回復舊訓。

2154 【承前,十六十四。】

 奈何壯鹿之 和備鳴為成 蓋毛 秋野之芽子也 繁將落

 何(な)ぞ鹿(しか)の 侘鳴(わびな)きすなる 蓋(けだ)しくも 秋野萩(あきののはぎ)や 繁(しげ)く散(ち)るらむ

 何以小壯鹿 侘鳴啼泣聲悽悽 蓋是顧野間 秋荻芽子花散華 頻頻凋零傷感哉

佚名 2154

「蓋(けだ)し」,大概、應當。

「繁(しげ)く散(ち)るらむ」,「散(ち)るらむ」乃「散(ち)けばなるらむ」之略。疑問條件之變形。


2155 【承前,十六十五。】

 秋芽子之 開有野邊 左壯鹿者 落卷惜見 鳴去物乎

 秋萩(あきはぎ)の 咲(さ)きたる野邊(のへ)の 佐雄鹿(さをしか)は 散(ち)らまく惜(を)しみ 鳴行(なきゆ)く物(もの)を

 秋荻芽子之 所咲開有野邊間 嗚呼小壯鹿 惋其散華甚可惜 哀切鳴泣啼去矣

佚名 2155

「咲(さ)きたる野邊(のへ)の」,舊訓「咲(さ)きたる野邊(のへ)に」,此依『類聚古集』改之。

「鳴行(なきゆ)く物(もの)を」,文末詠嘆用法。或云「去」乃「云」字之訛。


2156 【承前,十六十六。】

 足日木乃 山之跡陰爾 鳴鹿之 聲聞為八方 山田守酢兒

 足引(あしひき)の 山常蔭(やまのとかげ)に 鳴鹿(なくしか)の 聲聞(こゑき)かすやも 山田守(やまだも)らす子(こ)

 足曳勢險峻 山之常蔭日影處 鳴鹿喚妻之 孤悲啼泣可聞哉 山田戍守娘子

佚名 2156

「常蔭(とかげ)」,「常蔭(とこかげ)」之略,總為日蔭之處。

「聲聞(こゑき)かすやも」,す乃敬語,然程度不重。

山田守(やまだも)らす子(こ)」,保護山田不為豬鹿等野獸危害女子

2157 詠蟬

 暮影 來鳴日晚之 幾許 每日聞跡 不足音可聞

 夕影(ゆふかげ)に 來鳴(きな)く蜩(ひぐらし) 幾許(ここだく)も 日每(ひごと)に聞(き)けど 飽(あ)かぬ聲(こゑ)かも

 黃昏暮影間 唧唧來鳴寒蟬者 縱然日復日 時時聞泣聽幾許 不曾飽厭其聲也

佚名  2157

「蜩(ひぐらし)」,可見於夏歌與秋歌。

「幾許(ここだく)も」,雖為第四句之修飾,但更繫於末句之聲字。


2158 詠蟋 【三首第一。】

 秋風之 寒吹奈倍 吾屋前之 淺茅之本爾 蟋蟀鳴毛

 秋風(あきかぜ)の 寒(さむ)く吹(ふ)く共(なへ) 我(わ)が宿(やど)の 淺茅(あさぢ)が本(もと)に 蟋蟀鳴(こほろぎな)くも

 其副秋風之 蕭瑟寒拂相與共 吾宿屋前之 淺茅叢生根本處 蟋蟀鳴泣聲不斷

佚名 2158

「蟋」,不止於今日之蟋蟀,亦含鈴蟲、松蟲、螽斯等。

「寒(さむ)く吹(ふ)く共(なへ)」,此云秋風之寒已讓人倍感孤獨,被隨蟲聲更覺蕭瑟。


2159 【承前,三首第二。】

 影草乃 生有屋外之 暮陰爾 鳴蟋蟀者 雖聞不足可聞

 影草(かげくさ)の 生(お)ひたる宿(やど)の 夕影(ゆふかげ)に 鳴(な)く蟋蟀(こほろぎ)は 聞(き)けど飽(あ)かぬかも

 物陰日蔭之 影草所生庭院間 黃昏暮陰時 唧唧鳴泣蟋蟀聲 雖然聞之不飽厭

佚名 2159

「影草(かげくさ)」,生於物蔭之草。

2160 【承前,三首第三。】

 庭草爾 村雨落而 蟋蟀之 鳴音聞者 秋付爾家里

 庭草(にはくさ)に 村雨降(むらさめふ)りて 蟋蟀(こほろぎ)の 鳴(な)く聲聞(こゑき)けば 秋付(あきづ)きにけり

 盎然庭草上 叢雲驟雨零落而 蟋蟀感蕭瑟 唧唧鳴泣聲可聞 俄然實感秋日臨

佚名 2160

「村雨(むらさめ)」,按『日葡辭書』,「激烈而俄然驟降之雨。」

「秋付(あきづ)き」,更添秋意。

2161 詠蝦 【五首第一。】

 三吉野乃 石本不避 鳴川津 諾文鳴來 河乎淨

 御吉野(みよしの)の 岩本去(いはもとさ)らず 鳴蛙(なくかはづ) 宜(うべ)も鳴(な)きけり 川(かは)を清(さや)けみ

 芳野吉野 瀧水處處岩本間 鳴蛙啼不斷 理宜蛙聲響如此 以其川淨河清矣

佚名 2161

「詠蝦」,蝦指蝦蟇。

「御吉野(みよしの)の」,御吉野吉野之美稱,不明吉野川之何處所詠。詠吉野川蛙者,0913、0920在上游吉野離宮一帶,1723在下游六田一帶。

岩本去(いはもとさ)らず」,岩本指巨石之下部,「去(さ)らず」表無一例外、一切。

「宜(うべ)も鳴(な)きけり」,「宜(うべ)」表理當如此。


2162 【承前,五首第二。】

 神名火之 山下動 去水丹 川津鳴成 秋登將云鳥屋

 神奈備(かむなび)の 山下響(やましたとよ)み 行水(ゆくみづ)に 蛙鳴(かはづな)く也(なり) 秋(あき)と言(い)はむとや

 稜威神奈備 聖山麓下所響徹 滔滔行水間 川蛙喧鳴聲不斷 蓋是欲言秋臨矣

佚名 2162

神奈備(かむなび)」,神靈憑坐之山,未詳此云飛鳥神奈備三輪山

「秋(あき)と言(い)はむとや」,蓋云秋日天寒,更戀伊人而鳴。

2163 【承前,五首第三。】

 草枕 客爾物念 吾聞者 夕片設而 鳴川津可聞

 草枕(くさまくら) 旅(たび)に物思(ものおも)ひ 我(あ)が聞(き)けば 夕片設(ゆふかたま)けて 鳴(な)く蛙(かはづ)かも

 草枕在異地 羈旅客鄉浸憂思 吾所耳聞者 誰彼難分夕暮時 喧鳴不斷川蛙聲

佚名 2163

「夕片設(ゆふかたま)けて」,「片設(かたま)け」只準備,將至。

2164 【承前,五首第四。】

 鷂涜見 落當知足 白浪爾 河津鳴奈里 朝夕每

 (せ)を速(はや)み 落激(おちたぎ)ちたる 白波(しらなみ)に 蛙鳴(かはづな)く也(なり) 朝夕每あ(あさよひごと)に

 川鷦棲鄲 奔流落激泵磅礡 白波滔滔間 川津蛙鳴啼喧囂 朝朝夕夕聲不斷

佚名 2164

「落激(おちたぎ)ちたる」,水流急促,飛濺磅礡之狀。


2165 【承前,五首第五。】

 上鷦ぁ河津妻呼 暮去者 衣手寒三 妻將枕跡香

 上(かみつせ)に 蛙妻呼(かはづつまよ)ぶ 夕去(ゆふさ)れば 衣手寒(ころもでさむ)み 妻枕(つままか)むとか

 每逢上鶸屐\邀晋萄瞥縞觧 吾人有所思 蓋是隻身衣手寒 欲與嬌妻相枕哉

佚名 2165

「衣手寒(ころもでさむ)み」,此「衣手」與「衣」同。將川蛙擬人化用法。指隻身孤寢,甚感寂寞

2166 詠鳥 【二首第一。】

 妹手呼 取石池之 浪間從 鳥音異鳴 秋過良之

 妹(いも)が手(て)を 取石池(とろしのいけ)の 波間(なみのま)ゆ 鳥(とり)が音異(ねけ)に鳴(な)く 秋過(あきす)ぎぬらし

 執妹之手兮 和泉國中取石池 自於其波間 鳥聲異鳴聲可聞 蓋是相告秋已盡

佚名 2166

「妹(いも)が手(て)を」,取之枕詞。於茲用以修飾地名取石池」。

「鳥(とり)が音異(ねけ)に鳴(な)く」,「異(け)に鳴(な)く」表鳴聲異於以往。百舌鳥每逢秋至而下至人里,發出尖銳鳴聲。

2167 【承前,二首第二。】

 秋野之 草花我末 鳴百舌鳥 音聞濫香 片聞吾妹

 秋野(あきのの)の 尾花(をばな)が末(うれ)に 鳴(な)く百舌鳥(もず)の 聲聞(こゑき)きけむか 片聞(かたき)け我妹(わぎも)

 蕭瑟秋野間 立諸尾花末穗上 所鳴百舌鳥 其音嘹亮可聞哉 還冀詳聽吾妹

佚名 2167

「尾花(をばな)」,原文「草花」指「萱草之花」。萬葉集多書「萱」為「草」

「聲聞(こゑき)きけむか」,原文「音聞濫香」,或訓「聲聞(こゑき)くらむか」,而元曆校本作「音聞監香」者蓋為古形。

「片聞(かたき)け我妹(わぎも)」,此「片(かた)」指「一昧」。


2168 詠露 【九首第一。】

 冷芽子丹 置白霧 朝朝 珠年曾見流 置白霧

 秋萩(あきはぎ)に 置(お)ける白露(しらつゆ) 朝(あさ)な朝(さ)な 玉(たま)としそ見(み)る 置(お)ける白露(しらつゆ)

 秋萩芽子花 枝葉所置白露者 日日朝朝間 見之晶瑩猶玉珠 枝葉所置白露

佚名 2168

「秋萩(あきはぎ)に」,「秋」之原文「冷」者,乃春暖、秋冷、冬寒之義訓表現

「朝(あさ)な朝(さ)な」,每朝。


2169 【承前,九首第二。】

 暮立之 雨落每【一云,打零者。】 春日野之 尾花之上乃 白霧所念

 夕立(ゆふだち)の 雨降(あめふ)る每(ごと)に【一云(またにいふ)、打降(うちふ)れば。】 春日野(かすがの)の 尾花(をばな)が上(うへ)の 白露思(しらつゆおも)ほゆ

 每逢夕立之 驟雨倏降零落時【一云,驟雨稍降零落者。】 寧樂春日野 尾花末穗梢所置 晶瑩白露更所念

佚名 2169

夕立(ゆふだち)の」,秋日夕暮時,短而激烈之驟雨

「打降(うちふ)れば」,「打(う)ち」有輕輕之意。

類歌3819。小鯛王閑居彈琴之曲。

2170 【承前,九首第三。】

 秋芽子之 枝毛十尾丹 露霜置 寒毛時者 成爾家類可聞

 秋萩(あきはぎ)の 枝(えだ)も撓(とをを)に 露霜置(つゆしもお)き 寒(さむ)くも時(とき)は 成(な)りにけるかも

 秋萩芽子之 枝葉撓曲垂懸盪 露霜紛降置 天寒冷冽時節者 悄悄之間既來矣

佚名 2170

「枝(えだ)も撓(とをを)に」,「撓(とをを)」表因露霜之重量而撓曲之狀。

2171 【承前,九首第四。】

 白露 與秋芽子者 戀亂 別事難 吾情可聞

 白露(しらつゆ)と 秋萩(あきはぎ)とには 戀亂(こひみだ)れ 別事難(わくことかた)き 我(あ)が心(こころ)かも

 白露瑩剔透 秋荻婉約令人憐 吾魂為所牽 高下難捨不得判 我情不知當擇何

佚名 2171

白露(しらつゆ)と 秋萩(あきはぎ)とには 戀亂(こひみだ)れ」,心為白露、荻花雙方所吸引,難分高下。

「別事難(わくことかた)き」,不知該如何取捨。當為荻花拂去白露,或為賞露而忍心見荻花為其所摧。

2172 【承前,九首第五。】

 吾屋戶之 麻花押靡 置露爾 手觸吾妹兒 落卷毛將見

 我(わ)が宿(やど)の 尾花押靡(をばなおしな)べ 置露(おくつゆ)に 手觸(てふ)れ我妹子(わぎもこ) 落(お)ちまくも見(み)む

 吾宿屋戶間 所生尾花押靡而 晶瑩置露矣 吾妹子矣當手觸 欲見其露零落也

佚名 2172

「尾花押靡(をばなおしな)べ」,尾花因露重而垂撓之狀。

「落(お)ちまくも見(み)む」,或訓「散(ち)りまくも見(み)む」,然「散(ち)り」不用於露。


2173 【承前,九首第六。】

 白露乎 取者可消 去來子等 露爾爭而 芽子之遊將為

 白露(しらつゆ)を 取(と)らば消(け)ぬべし 去來子等(いざこども) 露(つゆ)に競(きほ)ひて 萩遊(はぎのあそ)びせむ

 剔透白露矣 以手取之則消散 去來子等矣 何不與其露相競 縱情嬉戲遊萩哉

佚名 2173

「去來子等(いざこども)」,「子等(こども)」乃對複數年輕人之親暱稱呼。

「露(つゆ)に競(きほ)ひて」,不輸於露。古俗以為,露、荻之間,好似男女關係。

「萩遊(はぎのあそ)びせむ」,愛荻者之遊宴。


2174 【承前,九首第七。】

 秋田苅 借廬乎作 吾居者 衣手寒 露置爾家留

 秋田刈(あきたか)る 假廬(かりいほ)を作(つく)り 我(あ)が居(を)れば 衣手寒(ころもでさむ)く 露(つゆ)そ置(お)きにける

 奉為苅秋田 權造假廬設小屋 孤身居此者 衣袖冷冽映心寒 露霜降置更寂侘

佚名 2174

秋田刈(あきたか)る 假廬(かりいほ)」,為秋收而暫時搭建隻田屋。

「衣手寒(ころもでさむ)く」,透過衣袖感受到寒氣。比喻遠離自家,獨居假盧之寂寞心性。

蓋為『後撰和歌集天智天皇御製「秋の田の 仮庵の庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」之改作。https://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/100/100_01.htm#001

2175 【承前,九首第八。】

 日來之 秋風寒 芽子之花 令散白露 置爾來下

 此頃(このころ)の 秋風寒(あきかぜさむ)し 萩花(はぎのはな) 散(ち)らす白露(しらつゆ) 置(お)きにけらしも

 比日此頃時 秋風甚凍天氣寒 吾人有所思 想來令散秋荻之 白露已然降置哉

佚名 2175

「置(お)きにけらしも」,「けらし」乃「「けるらし」」之略。類於穗積皇子春日山 黃葉にけらし 我が心痛しhttps://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/waka/manyou/m08.htm#1513,乃遠方思鄉之作。


2176 【承前,九首第九。】

 秋田苅 苫手搖奈利 白露志 置穗田無跡 告爾來良思【一云,告爾來良思母。】

 秋田刈(あきたか)る 苫手動(とまでうご)くなり 白露(しらつゆ)し 置(お)く穗田無(ほだな)しと 告(つ)げに來(き)ぬらし【一云(またにいふ)、告(つ)げに來(く)らしも。】

 奉為苅秋田 假廬葺莚苫手動 蓋是來相告 秋寒白露欲降置 卻無穗田可結哉【一云,卻無穗田可結矣。】

佚名 2176

秋田刈かる 苫手(とまで)」,「秋田刈かる假盧の苫手」之略。苫手乃敷設屋頂之蓆薦類的下緣。原文「艸店」字乃源自「苫」之造字。

「苫手動(とまでうご)くなり」,「なり」表傳聞推定。此乃隨風搖動之聲。

「置(お)く穗田無(ほだな)しと」,此云秋田之稻穗已被收割,無處結露


2177 詠山

 春者毛要 夏者冀亜々版掘≦戎Ъそ蠍 秋山可聞

 春(はる)は萌(も)え 夏(なつ)は(みどり)に 紅(くれなゐ)の 斑(まだ)らに見(み)ゆる 秋山(あきのやま)かも

 春者色萌黃 夏日翠盎生意 今日見之者 點點斑駁染唐紅 綵色龍田秋山

佚名 2177

「萌(も)え」,此云萌黃。

「(みどり)」,此云淺僉

「紅(くれなゐ)の 斑(まだ)ら」,原文「綵色」者,古本『玉篇』云「鄭玄曰,有采文也。」色彩斑駁之狀。

按『萬葉集』中,もみぢ書黃葉者有八十八例,佔大宗。書紅、赤者各一例。於唐土六朝、先秦時期亦以黃葉為主,鮮見紅葉之曲。

2178 詠黃葉 【卌一第一。】

 妻隱 矢野神山 露霜爾 爾寶比始 散卷惜

 妻隱(つまごも)る 矢野神山(やののかむやま) 露霜(つゆしも)に 匂始(にほひそ)めたり 散(ち)らまく惜(を)しも

 金屋藏嬌兮 籠妻矢野神山者 今逢露霜摧 始染唐紅艷似錦 度其將零甚可惜

柿本人麻呂 2178

「妻隱(つまごも)る」,以用於籠妻「屋(や)」,作為地名矢野(やの)」之枕詞

矢野神山(やののかむやま)」,所在未詳。神山指神所鎮座之山、祭之為神之山。

「匂始(にほひそ)めたり」,「匂(にほ)ふ」表散發朱赤之意。

2179 【承前,卌一第二。】

 朝露爾 染始 秋山爾 鍾禮莫零 在渡金

 朝露(あさつゆ)に 匂始(にほひそ)めたる 秋山(あきやま)に 時雨莫降(しぐれな)ふりそ 在渡(ありわた)るがね

 今逢朝露摧 始染唐紅艷似錦 龍田秋山矣 還冀時雨莫紛降 在其紅葉綵色間

柿本人麻呂 2179

 右二首,柿本朝臣人麻呂之歌集出。

「在渡(ありわた)るがね」,「在渡(ありわた)る」表現在狀態(紅葉)之持續。「がね」乃希求


2180 【承前,卌一第三。】

 九月乃 鍾禮乃雨丹 沾通 春日之山者 色付丹來

 九月(ながつき)の 時雨雨(しぐれのあめ)に 濡通(ぬれとほ)り 春日山(かすがのやま)は 色付(いろづ)きにけり

 身逢九月秋 長月時雨雨所零 漬濡濕漉漉 青丹寧樂春日山 斑斑添色染唐紅

佚名 2180

「濡通(ぬれとほ)り」,將春日山擬人之表現

2181 【承前,卌一第四。】

 鴈鳴之 寒朝開之 露有之 春日山乎 令黃物者

 雁(かり)が音(ね)の 寒朝明(さむきあさけ)の 露(つゆ)ならし 春日山(かすがのやま)を 匂(にほ)はす物(もの)は

 蓋是雁鳴之 泣聲冷冽晨曦時 朝明露霜哉 所令寧樂春日山 添色黃變絢麗者

佚名 2181

「匂(にほ)はす物(もの)は」,染上赤色。原文「令黃」者,舊訓「黃變(もみ)たす」,『後撰集』秋下377亦有「雁なきて 寒き朝の 露ならし 竜田の山を もみたす物は」之曲。https://blog.goo.ne.jp/taketorinooyaji/e/01e48eded1c7ae12f13343e86ce46ce2此則依元曆校本作「匂(にほ)はす物(もの)は」。

2182 【承前,卌一第五。】

 比日之 曉露丹 吾屋前之 芽子乃下葉者 色付爾家里

 此頃(このころ)の 曉露(あかときつゆ)に 我(わ)が宿(やど)の 萩下葉(はぎのしたば)は 色付(いろづ)きにけり

 比日近頃時 拂曉露玉置葉間 吾宿屋前之 秋萩下葉受露催 已然黃變添新色

佚名 2182

「曉露(あかときつゆ)に」,夜中天未明時所結置之露。

「萩下葉(はぎのしたば)は」,下葉乃被遮掩、人目所不見之葉。萩葉往往自下葉之周緣開始轉黃。

類歌2213

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