お盆放浪、京都

■お盆放浪、京都

ついに旅行の最終日、京都。
見所が尽きぬこの地がずるいの一言。連日の旅で疲れた身で出来るだけ行って、調整の融通も効く京都は本当に重宝である。
以前留学の時は一度あった友人と8年ぶりあう約束があって、ワクワクした。会う前は取り合えず松尾大社・小倉山を見て、それから余裕があれば城南宮でも、と考案した。


京都駅で一日フリーパスのバス乗り放題切符を買って、酒造の神樣松尾大社へ!と言いながら途中の梅宮大社で先に降りた。同じく酒造の神樣・大山咋神を祀るこの神社は、松尾大社に近く街に位置する。なんと言うと...ネコが多い!早朝いったので神主が居なくて迎えてくれるのが猫、猫、猫!社務所にはお守りなど以外にネコの写真も売ってる!また、集まってる猫が梅宮大社の飼い猫で人に懐くものの勝手に餌を与えないでとの注意書きも。やっぱり時間がまだ早いのでか社務所もまだ開いてなく、一旦松尾大社に出て、戻る際にまたここに戻りご朱印を頂くことにした。


梅宮大社


梅宮大社を後に松尾橋を越えると松尾大社は目の前。松尾大社の神使と言えば龜と鯉、龜の手水社は大嶽山那賀都神社以来か...神社の奧に磐座があるが、登拝には申し込みが要る上、写真不可。結局登拝せずに、お酒の資料館を参観してから摂社の月讀神社へ。月延石、解穢水など見所も多し。一旦梅宮大社に戻り、再び嵐山へ。


松尾大社


渡月橋から降りて、目指すは長慶天皇陵の近くにある陰陽博士安倍晴明公嵯峨御墓所。住宅区の中に佇む晴明墓は、晴明神社のように騷ぐことなく、静かなところだった。隣に角倉稲荷神社があるのも人に葛葉狐伝説を思わせる。



渡月橋


晴明墓を後にして続きの目標は小倉山荘跡。調べてみればいろんな候補地があり、そのうち有力な常寂光寺へ行こうとして。途中、また例の竹林を経て、野宮神社にはいり、斎宮旧趾等を偲んでまた進む。途中新敕撰集と百人一首をテーマに、小倉百人一首文芸苑が立てた歌碑群があるものの、素通る人が多そう。大河内山荘を通過して竹林を抜けると御髮神社がある。祭神は藤原采女亮政公で境内に献髮可能の髮塚がある。説明によると「髮は人身の最上位にあって造化の神より賜った美しい自然の冠りであると共に、生前にで殘れ得る唯一の分身として大きな恩恵に感謝するなど副神として納祭れ祈拝される。」髮は神に通じる言葉を忘れずに。


野宮神社


御髮神社


ようやく、主役の常寂光寺に到着。この『小倉百人一首』を編纂した藤原定家が『明月記』に「其字如鬼」と自嘲した所で字が汚い私には親近感を湧く訳で、かの小倉百人一首を考案したのは小倉山荘である。常寂光寺を入ると直ぐに定家の和歌及び定家山荘跡と書かれる歌碑がある。庭園の緑はヤバいほど自我主張していて上まで登ると京都を一望できる見晴の場所もあり、山を降りて先の歌碑の近くに別の「小倉百人一首編纂之地」と書かれる碑がある。こんな感じでついに小倉山で百人一首の地を体験した。


寂光院



京都駅に戻り、どこでも混んでいるお盆時期けれども、京都在住の友人のおかげで京都センチュリーホテルでTea Timeを過ごし、積もり話を色々した。最後でまたべつの伏見の友人宅で時間を潰しながら夜間バスで山梨へもどる。ただし、甲府着はなんと朝四時。歩いて帰ってお風呂入ってからもう泥のように寝込んだ。我ながら長旅の疲れが出るわけ、年だな。