kurakenyaのつれづれ日記

2010-06-24 LJP: 外部性は民間で解決 by R. Coarse

僕も口蹄疫についてなんとなくいろいろと考えていたところ、平凡助教授さんからコメントをもらった。anacapさんがすでに答えてくれているが僕もちょっと書き加えたい。

http://theorist.blog6.fc2.com/blog-entry-193.html


まずは外部性の問題。これはペストとかのような人間病気場合に大きな問題になるが、口蹄疫は偶蹄類だけが感染する上、人間が食べることには支障がない。家畜の成長が遅れるなどの被害は軽度のものであり、被害者畜産農家だけなので、本来、民間の保険契約などで十分にカバーできるはずだ。 and/or、被害は民事訴訟で解決されるべきで、被害者加害者(と思われるもの)を訴えて、賠償を受けるのが筋だろう。(実際には感染症場合、難しいだろう。)


だから、リバタリアンはこの点、anacapさんがいうように、生産者消費者も守るべきではない、何もするべきではないはずだ。


さて、とても不思議に感じていたのは、感染症なのだからワクチンを打てばよさそうなのに、なぜか殺処分が当然視されているということ。生産農家に取っては単純に不経済であるようで、反対している人もいるようだし、おまけに「処分」などとeuphomism を使っているが、つまりはブタ・ウシにとっては単なるホロコーストだ。


これについて、意味があるように感じていた唯一のニュースは、「口蹄疫感染した家畜がいる場合清浄国”待遇を受けられないため、諸外国への肉の輸出ができなくなる」というものだ。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100526/biz1005262037030-n1.htm

つまり、国単位農産物輸出入が許可されているため、外部性が拡大されているということなのだ。


こういう時、国家的な産業政策というものを信奉している人は、殺処分とその損害補填にも同意しがちだろう。しかし、その場合でも、あるいはワクチン処理と、殺処分の損益を分析している人は、NHKニュースを聞いている人にはいないようだし、説明する役人も見たことがない。おそらく、いつものように、「幼稚産業論」で、何でもオーケーという程度なのだろう。


当然、そういう政策を否定するリバタリアン消費者は、「なんでオレから税金取って、畜産農家への補填をすんの?」と感じるだろう。「国家制度」を前提にして世界貿易の枠組みが許認可されているという現状自体が、そもそも外部性を大きくしている原因であり大問題なのだが、ほとんどの人はそうは思わないようだ。


とうわけで、LJPでのオチはいつものように、国家という制度が悪いのである。