kurakenyaのつれづれ日記

2016-11-22 おカネという不思議

18歳から考える経済と社会の見方

18歳から考える経済と社会の見方



みなさん,こんにちは


6講以降は,おカネの話です.貨幣というのは「価値が無いのに,価値がある」みたいな謎かけの不思議さもあるので,メジャー経済学者は一筆書いてみたくなるものなのでしょう.ケインズ始め,多くの経済学者が,貨幣と実物経済関係について書いています



確かにおカネは不思議ものですが,財の交換に特化した商品だと見ると,それほど変わったものではないとも考えられます.何がそうしたおカネになるのかという,進化ゲーム理論的な考察は難しいのでしょうが


僕が学生時代に軽く読んでいたガルブレイスの本だったかに,アメリカ南部ではタバコ通貨として使われていた話が載っていました.南部ではプランテーションが盛んだったからでしょう.理論的にはどんな商品でも通貨になりえるはずですが,金・銀・銅が多いのは,装飾具としての内在的価値・希少性・不易性などのためです.


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原始的な交換経済では,金属がそのままその場での交換に使われますが,信用経済に発展すれば,金属所有権を化体する有価証券紙幣が主流になります.その後はさらに,預金でも同じ決済業務ができるので,つまり銀行預金自体が,おカネと見なしてかまわないわけです.


これはしかし,けっこう難しくて,あまり理解されていない点です.なぜって貨幣から紙幣までは物理的に見えるが,預金残高というのは単なる抽象的な数値でしかないので,それがおカネであると考えるのはけっこうに高度な抽象的な思考必要からです.これがわかるだけでも,おそらくは大学の「金融論」とかの,最初の数時間に値するように思います


実際にヨーロッパ人預金通貨だと考えるようになったのは,おそらくは19世紀の時点であって,それ以前は「預金紙幣であるとは,まったく考えられていなかったわけです.実際,これはこれで,けっこう大きな視点の転換です.


似たような話ですが,例えば,アリストテレス時代には,力というのはすべて接触によってしか伝えることが不可能だと考えられていたようなものです.その場合重力電磁力などのように媒体のない力の伝達は不可能だということになりますが,そんなことを言うやつは今はいない.つまり力の伝達についての常識が変化したのです.同じように,通貨=交換媒体というもの銀行預金が含まれるというのは,間違いなく人類史上の,一つの思考進歩です.


で,現代通貨供給量であるM1,M2など,なんでもいいのですが,それらには必ず預金通貨量が含まれています.例えば,日本では,市中に出回っている現金が100兆円なのに,銀行預金は1300兆円もあるのですから,交換媒体の主流は圧倒的に預金なのです.まあ,こんなことはビジネスの実務を知っている人にはアタリマエのことですが,,,


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さて現代の「貨幣論」の学者たちが注目しているのは,ビットコインなどの暗号通貨で,これは国家強制力を廃しても残る「自然的秩序」としての通貨でしょう.当然ながら日本では,ほとんど流行らないと思いますが,それでも長期的には,だんだん両替手数料の有利さから普及が進むのではないかと思います.驚いたことに,すでにアルトコインにしても10種類を超えて,数多くが取引されています


オーストリア学派金本位制の復活を唱えています.それはそれで理論的には納得できるのですが,ケインズ全盛のこの時代に,国家通貨管理権を放棄するというのはありそうにもないのが残念です.同じように,暗号通貨が主流になるとも思われないのですが,脱税麻薬取引,ランサムなど犯罪取引ニーズからすれば,ドル紙幣に代わって,zcashなどの完全な暗号通貨が使われることは間違いありません.


暗号通貨が主流化することはないのでしょうがISウィキリークスのように,アメリカという領域国家と併存することは可能でしょう.中国のような全体主義国家はさておき,少なくとも,主要な国家暗号通貨禁止しなければ,そのうち金融先物市場なども整備されて,暗号通貨の利用はそれなりに維持されるでしょう.


暗号通貨国家通貨と併存する時代になるということなのでしょう.この本を書く際に調べてみると,中世オランダでは少なくとも500以上の通貨世界中から持ち込まれていたようです.とすると,それらの硬貨金属鋳造し直す業務も,それなりに繁栄ます中世と同じように,これからは多くの暗号通貨流通するようになるのかもしれません.



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