『SS』 相談:Dialogue

「まあ私も自分自身というものを十分に把握しているつもりですし? 所詮は刺身のツマと言いますか、脇役ですし。カレーだったららっきょか福神漬けかで言えば福神漬けくらいの立場なのも理解はしているつもりなのですけどね」
「で?」
「いえ、そこであなたにも相談したいと思ったんですよ、らっきょさん」
「誰がらっきょよ?!」
「人の話を聞いていたんですか? わざわざカレーに例えて私が福神漬けだって言ってるんですから、あなたがらっきょ以外に何になれるんですか」
「いや、もうちょっといい例え方ないのかって言ってるのよ!」
「そんなことはどうでもいいんですよ。細かい事に拘るんじゃありません、だから三下バックアップなんて呼ばれるんですよ」
「呼ばれた事ないよ! 初耳だよ、それ!」
「いいじゃないですか、出ると負けの雑魚キャラなのに人気は高いんですから」
「ぜ、全然良くない…………」
「まあそんな朝倉さんの眉毛力にあやかってご相談してあげるんですけど」
「何故にそこまで上から目線?! しかも眉毛力って何よ!」
「知らないんですか? 朝倉さんの半分は眉毛で出来てるんです」
「知らないわよ、どんな化け物だそれ?!」
「ちなみに残り半分は太ももです」
「私の特徴それだけなの?! もっと内面とか大事にしてよ!」
「十分じゃないですか。やはりエロが無いと人気が出ないんですかね」
「あの〜、人の事をエロ専門みたいな言い方するの止めてくれないかな?」
「で、エロ倉さんに質問ですけど」
「断言された! エロって断定しやがった、この人!」
「どうすれば私の出番が増えると思いますか?」
「しかもツッコミスルーした! おまけに普通に質問されちゃったよ! どんだけ自由なんだ、あんたは!」
「いいから質問に答えなさい、対応が遅すぎです。だからいつまでも8ビットなんですよ、あなたは」
「誰がファミコンなのよ! せめてロクヨンにしてよ!」
「うるさいですよ。早く答えなさい、バーチャルボーイ
「あからさまなランクダウンの香りがする!」
「いいから早く答えないとシメますよ」
「わ、最後は実力行使だ! でも何か怖いから答えるけど、出番ったって私はもう復活しないかもだし。まずは長門さんにお伺いを立てるしかないんじゃないかなあ」
「いえ、私が訊きたいのは長門さんのポジションになるにはどうしたらいいかって事なんですけど」
「高望み過ぎた! この人さりげなくとんでもない事言ってる!」
「やはりエロ無しでは無理ですかね?」
長門さんはエロくない! 居ないからって言いたい放題過ぎるわよ、長門さんが可哀想じゃない」
「ああ、つまりはエロ倉さんは胸の無い奴は性的に興奮しないと言いたいのですね」
「違うッ! 長門さんが聞いたら泣くような事言うな、それとエロ倉は止めて!」
「じゃああなたのようにミニスカートなのに飛んだり跳ねたりしながら『映像静止してみたら全部陰に見えるんだけど、こいつ穿いて無いんじゃないか?』って言われればいいんでしょうかね? それとももう少し私もふくよかになればいいのでしょうか」
「私はふくよかじゃないっ! しかも何その痴女っぷり! 別に見せたいとか思ってないから!」
「他に売りがないじゃないですか」
「あるよ! もっと可愛かったり家庭的だったりしてるよ!」
「ああ、おでんですね。私も作ってみました」
「あ、そうなの?」
「はい、家庭的アピールなら私にも出来そうですから」
「で、何でおでんが沸騰してるのかしら?」
「おでんですから」
「ふ〜ん、何で喜緑さんはその熱々おでんの中から一番熱そうな大根を取り出したのかしら?」
「お約束ですから」
「…………待って。何するのか分かったけど待って! そんな流れじゃなかったから! これ無茶振りだから!」
「いい振りですね」
「振りじゃない! 私そんなキャラじゃないからっ! 待って、おかしい! これはおかしいんじゃないかなーって、もう身体が動かない?!」
「うふふふ、ここは一つ私のドジっ子属性発揮で大根持ったまま転んでみたり、あーっ」
「棒読みだー! って、アーッ!!」
「ああ、すいません。大根のつもりが鍋ごとひっくり返してしまいました」
「あつっ! あっつ! 熱いっ! 熱いーっ!」
「大変です、冷やさないと。ということで都合よくこちらへ」
「何故かこんなとこに水槽が! なんて言う暇もないから飛び込んで、アッツーッ!! 熱湯! これ熱湯風呂じゃない!」
「ほら、もっと入って!」
「無理、それ無理っ! 熱い、熱いからどいてー!」
「PRできないですよ」
「何のだーっ! いいからどいてー!」
「あらあら、十二秒ですか。それではアピールタイムです。私、喜緑江美里は北高三年生で生徒会書記なんですけど実は宇宙人なんです。正確に言うと宇宙空間に存在する情報統合思念体に作成された対有機生命体コンタクト用インターフェースっていうんですけどね? それでって時間切れになっちゃったじゃないですか」
「自分のアピールなの? しかも時間ないって逆ギレされた!」
「まあいいです、よく分かりましたから。私には上島さんみたいなヨゴレは出来ませんしね」
「誰だ、上島って?!」
「上島=エロ=涼子でいいじゃないですか」
「名字まで変えちゃったよ! しかもミドルネームでエロとか付けられたし! 私の原型無くなってるじゃない!」
「ほぼ正解ですよ、二次創作的には」
「ち、違うと信じたい……」
「とりあえず驚愕を待ちますか。対昆布戦には出番ありそうですし、無ければ谷川流を情報解除して○○さんに代わりに書いてもらえばいいですし」
「黒いを越えて酷い!」
「あ、バイトの時間です」
「え? 結局私の役割って何だったの?」
「ああ、暇だったんでつい。それより片付けておいてくださいね、では行ってきます」
「最低だー! このワカメ最低ーっ!」
「誰がワカメですか」
「アーッ! 止めて、ごめんなさい! 情報解除はヤメテーッ!」
「では後はお願いしましたよ」
「うっ………うぅ………分かりましたよぅ…………」
「いい子ですね」
「何で私こんなことになってんだろ………」
「私がそう望んだからですよ」
「えっ?」
「朝倉さんが居ないと寂しいから長門さんにも内緒で復活させたんです、二回は言いませんからね」
「そ、そうなんだ…………えへへ、ちゃんと片付けておくから行ってらっしゃい!」
「はい」





























「いや、ほんとチョロイですね。しばらくは暇で困らなくて済みそうです、うふふ」