くらのすけの映画日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

日記ロゴ 「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。
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2015-02-24 映画感想「グレート・ワルツ」「アメリカン・スナイパー」「味園ユニ このエントリーを含むブックマーク

kurawan2015-02-24

「グレート・ワルツ」

昔の音楽映画特集で見に出かけた。

もっと甘ったるい映画かと思っていたのですが、切れのある演出とダイナミックなカメラワークに魅了される一本でした。監督は名匠ジュリアン・デュヴィヴィエである

物語はヨハン・シュトラウス二世がワルツばかり書くので、今の楽団を首になるところから始まる。

待っているのは恋人のポルディ。しかし、首になったからといって落ち込まないシュトラウスは自分の楽団を作り、ワルツを発表。その席で、オペラ歌手のカルラ・ドナーと知り合う。

シュトラウスとポルディ、カルラと三角関係の物語がストーリーの根幹になり、ウィンナワルツが誕生する場面、ウィーン革命などが挿入される。

森を疾走する馬車の中で、様々な音からウィンナワルツが聞こえてきて、その最初の演奏場面で踊り回る人々を、大きく移動カメラでとらえるダイナミックな映像がまず目を引く。

そして、カルラとシュトラウスの恋仲を知ったポルディが、帝国劇場のオペラのクライマックスに乗り込むクライマックス。細かいカットで客席に入ってきたポルディを短いカットでとらえ、さらに舞台上のオペラの歌声をかぶせていく豪快なシーンはすばらしい。

そして、二人でいくはずだっシュトラウスとカルラだが、カルラは一人船に乗りドナウへと消えていく。見送るシュトラウスに「美しき青木ドナウ」がひらめく。

もう一つのクライマックスが、このワルツがオーバーラップで次々と演奏される場面である

そして43年後、皇帝に謁見する年老いたシュトラウス夫妻、大群衆に答えるラストシーンはなかなかのものである

軽く見に行った作品が、これほどまで迫力があると、ものすごく得をした気分だった。これは傑作と呼べるのかもしれません。

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アメリカン・スナイパー

イラク紛争で、伝説と呼ばれた実在のスナイパークリス・カレルを描いた物語で、監督クリント・イーストウッドである

確かに、作品クオリティは抜群だし、全編気を抜くことがないほどに緊張感が持続する。しかし、なぜ今このテーマを描くのか?なぜクリント・イーストウッドが取り上げたのか?その疑問が残ってしまう一本でした。

映画は、主人公クリス・カイルの少年時代かいつまんで描かれる。弟のジェフとのショットもあり、後に、イラクに派遣されたジェフが病んだ姿を見るクリスカットもあるが、この描写はやや弱い。

物語は、アメリカ国民を救わんという使命感で軍隊に志願し、シールズに入る。そこで、狙撃の才能を発揮、イラクに四回派遣され、大勢の仲間を救った。

しかし、一方で家族との溝が開いていく。このあたりは、今更でもない展開である。初めてのイラク派遣で、爆弾をかかえた少年狙撃するCMにも使われた冒頭シーンから、何度か、見事に敵を狙撃する下りは、見ている私たちも、血圧が上がる。

さらに、イラク側に、元金メダリストのムスタファという狙撃種が登場。次々と仲間がやられる中、終盤で、ついに、ムスタファを倒すが、そのために他のアルカイダから攻撃を受け、瀕死で脱出。このあたりの下りがもう少しサスペンスフルでもよかった気がするが、終始リアリティのある重厚な映像を徹底する。息を抜かない演出はわかるが、正直しんどいのも事実だ。

自国に戻ったものの、病んでしまったクリス。何とか立ち直り、同じく帰還した兵士たちの力になるために奔走するが、一人の兵士に撃ち殺されてしまう。その葬儀の場面でエンディング

実話とはいえ、鬼気迫る緊張感が、相当見応えのある映画として完成されている。しかし、最初にも書いたが、なぜ、未だにこのテーマを選んだのかという疑問は残る。

それでも、見事な映画でした。

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味園ユニバース

最初は、これはかなり荒っぽいきゃくほんやなと思いながら見ていたのですが、紋切り型ラストシーンを見て、なるほど、これは徹底的に省略することで、人の記憶というもののはかなさ、切なさを描こうという意図があったことがわかりました。ある意味ちょっと玄人好みの作品だった気がして、とってもよかった。監督山下淳宏

映画は、主人公茂雄(ポチ男)が出所するところから始まる。なにやらいかがわしいにいちゃんらが迎えにきて、茂雄は、別れた後、複数の男にリンチされて気を失ってしまう。

気がつくと、記憶が飛んでいて、ふらふらとやってきた公園でのバンドの演奏に乱入。ワンコーラス歌って気を失う。このバンドのミキサーをしているカスミの所で暮らすようになり、カスミのバンドのボーカルになることに。

あとは、記憶が戻る下り、茂雄の過去何気なく断片的に紹介されるが、いったい、結局なんなのか、詳しい描写はどのエピソードにも描かれないのだ。

なぜ、茂雄は傷害事件を起こしたのか?実家をでていくきっかけ?なにを仕事にしていた?なぜ、やたら歌がうまい?なにもかも、断片的なせりふやシーンで写されるだけ。

結局、ラスト、またもやリンチされそうになる茂雄をカスミが助けたようなシーンもあるが、じゃあ、カスミはどうして、あの状況から茂雄を助け出せたの?

そして、ラストステージで熱唱する茂雄のカット。なにやら笑う茂雄のアップ暗転。

実は、すべてはステージで歌う茂雄のイメージだったのではないか?歌のための想像立ったのではないか?そんなすれた感想を抱いて、なぜか、よかったなぁと感じてしまった。