風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

石田三成総評

雨がパラパラ降っています。
ヘレンボナムさんから教えていただきました(ありがとうございます)。
「オトナグリコ」新CM です。
http://tv.oricon.co.jp/interview/otona_glico01.html?cat_id=cmo0909251222
二人の会話、自然でいいですね〜。これは是非、テレビで見たいですね。
記事もあります。
http://mainichi.jp/enta/mantan/entama/graph/20090929/index.html?inb=yt
社長引退?なんですね。新しいこと、始めるんだ(笑)。
「オトナグリコ」HPでも、見られます。
http://www.glico.co.jp/otona/cm.htm
なんだかちょっぴり切なくてほんわかするCM ですよね。
メールにて教えていただきました(ありがとうございます)。
東京DOGS」のスタッフブログが作られています。
http://blog.fujitv.co.jp/tokyodogs/index.html
これから注目ですね。シルエットがいいですよね。


さて「天地人」は第39回が終わり、その後三成は出ないだろうということで、
回想で出るかもしれませんが、ここで、いつもの総評を書きたいと思います。
大河ドラマ、5回目の出演でしたが、今までで一番重要な役だったので、
ドラマ自体の内容はいろいろ言われていますが(笑)、
視聴率も良い状態が続いていますし、
小栗三成、たくさんの方に見ていただけたのではないかなと思います。
まず時代劇ということで、小栗くんの立ち姿、姿勢の美しさ、所作の美しさが、
目立ちましたね。
背筋がピンとして、真っ直ぐな立ち姿、正座、あぐら、お辞儀をするところ、
すくっと立ち上がる、スタスタと歩く姿、筆を持つ手等。
隙のない優雅ともいえる立ち居振る舞いの美しさは、
三成のその真っ直ぐな性分とも相俟って、
自らが進む道への揺るぎなさにも繋がっていきました。
それから声。舞台での経験が役立っていると思わせる、
その一声で場を沈ませる力を持つ声であったり、空間を支配する声であったり、
不器用ながらも優しい声、辛辣なことを言う声も何故か素敵でした(笑)。
台詞がやはり時代劇なので、綺麗な言葉遣いというか、そこも惹かれました。
目の表情も素晴らしかったです。ものすごく語る目です。
何も言わずとも伝わってくる・・・というシーン、数々ありましたね。
曇りのない力のある美しい瞳でした。
ただストーリーは、兼続との友情を強く伝えようとするあまり、
かえってあまり伝わって来ず、私としては、
秀吉との主従関係の方に心動かされました。
あの夕焼けが差し込む屋敷の中、信長に堂々と言った佐吉の言葉。
あのときから、三成の秀吉への思いは、日に日に強まっていったように思います。
「世に伯楽あり、然る後に千里の馬ありと申します。
 私には上様が思われるほどの才覚はありません。
 私が千里の馬に見えるとすれば、それはひとえにわが主あってのこと。
 お買い被りが過ぎましょう」
隠し切れない利発さと、忠誠心がよく出た、
またお辞儀をする佐吉の俯く横顔が美しかったのをよく覚えています。
三成となってからは、大胆な柄の紫のお召し物(結構、長い間着てましたね・笑)も、
よく似合って、のちの渦巻き模様の戦装束も素敵でした。
無駄に色っぽい三成さまでしたね。
そして登りつめていく秀吉。その片腕となって仕える三成。
そんな二人のことは、小栗くんのインタビューによって、より深く読み取れます。


“三成が、豊臣を守るという信念を最後まで曲げずに戦い続けたのは、秀吉への恩義を感じていたからですが、そうした理屈以前に秀吉のことが大好きだったんだと思います。
晩年にかけての秀吉は、だんだんおかしな方向にいき始めました。ことに秀頼が生まれてからは問題が多く、そのことは一番近くにいた三成が誰よりも強く感じていたはずです。でも、太閤殿下が天下を統一したのだから、これ以上戦を起こさせてはいけない。いまより少しでも住みよい暮らしを作るために動こう。そう心に決めていたんだと思います。
今回のドラマでは、秀吉が亡くなる直前、まだ少年時代の三成が秀吉に認められた“三杯のお茶”のエピソードを連想させるやりとりがありました。ふたりにとって大事な思い出であり、そのとき三成は「この人に命を捧げてよかった」と思えた瞬間だろうなと感じられたシーンでした。”


この“三杯のお茶”の再現シーン、とても感動しました。
胸がいっぱいになり、涙が流れました。
こうやって秀吉に見込まれ、可愛がってもらったんだなあと、
その二人の何年間が、手に取るように伝わってきましたし、
秀吉にぐいっと引き寄せられ耳打ちされ、ハラハラと落ちる涙の美しさ、切なさ。
これからも秀吉への恩義のため、それこそ命を捧げる決心をする、
その三成の真っ直ぐさ、繊細さが、これからのことを思うとより哀しかったです。
終盤の「ふたつの関ヶ原」「三成の遺言」も悲劇の武将の、
誇り高さ、無念さ、悲しさ、絶望感、しかしあきらめない信念、
たくさんたくさん伝わってきましたね。まさに迫真の演技でした。
「天よ。我を守らせたまえ」
「強い者勝つ者が常に正しいとは限らぬ」
「ここをお開けくださいませぬか。正義の戦は出来ぬとも、逃がすことぐらい、
 貴方様にも、お出来になりましょう。
 小早川様!毛利様とともに、再び家康と戦いまする。
 この世の正義を今ひとたび、あやつに教えてやりまする!」
「小早川様!ならばひとつだけ、ことづけをお頼み申す。
 直江山城守にお伝えください。
 なにとぞ生きて、我らの正義を後世に伝えよと」
今回は、いつもの光の当て方ではなく、違う方向からの光の当て方による、
石田三成だったので、新鮮でしたし、その人としての魅力は、
充分、小栗くんから伝わったと思います。
台詞も明瞭でよどみなく、ベテランの方々とも堂々と渡り合い、
生来の品の良さは活かされ、その美しさと、
画面に出ると、思わず目を引く凛とした素晴らしい存在感でした。
決して世渡り上手でなく、不器用で、でも純粋に私利私欲なく、
恩義に報いるため、ただ自分の信じる理想へ向かっていった三成、
理知的で、繊細さ、心優しさもよく伝わってきました。
小栗くんならではの石田三成を見事に演じきったと思います。
幼い頃の佐吉を演じ、運命的な三成役、本当にお疲れ様でした。
そしてその小栗三成に出会えたこと、とても嬉しく思っています。