28日、「新藤兼人 百年の軌跡」で、新藤兼人監督の映画を観る。
この日、上映された作品は三本である。
そのうちの一本。
映画『強虫女と弱虫男』(1968年、近代映画協会、松竹、98分、白黒)。
出演は、乙羽信子、山岸映子、殿山泰司、観世栄夫、戸浦六宏。撮影が黒田清巳。音楽は林光。
4月プログラムに、
夫が働いていた九州の炭鉱が閉山し、妻のフミ子と娘のキミ子は京都でキャバレーのホステスとして働く。2人は策略をめぐらせて男たちから金を巻き上げ、夫に仕送りする。新藤監督のオリジナル・シナリオで、母と娘のバイタリティあふれる生き方を描く。
冒頭、炭鉱の大きなボタ山が映し出される。*1
物語は炭鉱の閉山後、そこに残り、生きている一家の話。
夫を殿山泰司が演じている。フミ子(乙羽信子)とキミ子(山岸映子)の親子が、家から出かけるシーンから始まり、鉄道で京都へ向い、キャバレーでホステスとして働きはじめる。出稼ぎである。
お客から、あの手この手と騙しながら金を巻き上げる。
時には、痛いしっぺ返しをホステス仲間や客からも受けながら、それでもめげず二人はしたたかに生きて行く姿をコミカルにバイタリティある映像で描いている。
ラストの畑のカラスのシーンで、館内に笑い声が上る。
キャバレーの支配人(戸浦六宏)が二人を軍隊式にしごくシーンがコミカルで可笑しい。