追悼・赤瀬川原平さん

 山茶花サザンカ)の花が咲き始めていた。
 花の形と紅色が見事だ。青空に紅色が映(は)える。
 
 先日、赤瀬川原平氏の訃報を新聞で知る。
 思い出しながら、氏について書いてみよう。
 最初は、雑誌「美術手帖」で千円札をモチーフにした作品の裁判の記事で、赤瀬川さんの名前は知ったのだと思うのだが、その後、季刊「デザイン批評」10号に書かれた赤瀬川さんの「欲望の反射炉」が印象的だった。
 表紙が、横尾忠則の絵で、責任編集が粟津潔の雑誌である。

 「欲望の反射炉」は、韜晦趣味満載の文体で、後の優柔不断な文体の趣がすでにあったのだ。