シコ踏んじゃった♪コクトー

シコふんじゃった。 (集英社文庫)

シコふんじゃった。 (集英社文庫)

 先日、病院に行き、診察、見舞いと、バタバタしながら、地元の図書館でチョイスしたリサイクル本、ブックオフ、ちゃんと自分で購入した本などを紙袋に入れて、数十冊病院の図書室「やすらぎ文庫」に寄贈すべく、診療受付をすませ、地下の管理課に寄り本を手渡す。知らぬ間に恒例の行事?になりました。病院の人が喜んで受け取ってくれるし、地下の図書室に寄ると結構借りた形跡がある。去年から始めたのですが、もう、五回ぐらい持って行きましたねぇ。
 帰りに地元の図書館に寄ったらリサイクル棚に又、新しい本が並んでいた。半ば自分のためと、病院用にとセレクトしているんだよね、これでは、本がなかなか減らない。その日、本は全部文庫でまとめたのですが、地元のリサイクル本でもらった本は殆ど単行本、個人全集の端本で、合計10冊。三木清全集19巻(岩波書店)は日記や書簡が収載されており、めくっていたら面白い。そんでもらって帰ったのですが、病院用にと渡辺淳一の『新釈・からだ事典』、向田邦子の『思い出トランプ』、周防政行の『シコふんじゃった。』なども一緒にとなったわけ。
 別の本を読書中だったので、読むつもりがなかったのに、にもかかわらず、読んだはずの「思い出トランプ」が哀しくなるほど、胸の内に突き当たり、結局、読み進んでしまった。そんな勢いで『シコふんじゃった。』は、かねがね映画としての面白さは伝え知っていましたが、DVDでも見ていなかったんです。それで、こちらは、高速度でめくるだけでいいと思ったのに、存外面白い、半分ぐらい読み進んでいたら、とうとうおかしくなって涙まで流してしまった(笑い泣き)。
 僕は一度だけまわしをつけて相撲をとったことがある。公式戦ですよ。と言っても中学校の市の体育祭で、柔道部員だったのに、相撲部員がいなくて、柔道部員が借り出されて試合に臨んだわけです。勝ったか負けた覚えていないけれど、まわしを締めることはいいもんです。オヤジは平成7年に亡くなったけれど、一生、フンドシで通しましたねぇ。ブリーフなんかはかない。扉にジャンコクトー堀口大学訳が掲げられているのですが、全文を読んでみたくなりました。(→『ジャンコクトー全集5巻ー評論ー』東京創元社

力士たちは、桃色の若い巨人で、シクスティン礼拝堂の天井画から抜け出して来た類稀(たぐいまれ)な人種のように思える。

 全集ものではなくて、西川正也 の『コクトー、1936年の日本を歩く』は、このあたりのことが詳しく書かれているんだろうと思う。図書館で探してみるとしますか。

コクトー、1936年の日本を歩く

コクトー、1936年の日本を歩く

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議員のみなさん、一人の政治家としての判断を

大阪社会労働運動史〈第8巻〉転換期

大阪社会労働運動史〈第8巻〉転換期

 朝日新聞関西版(6/6)で阿久沢悦子記者が署名で、「社会・労働運動の専門図書館、管理委託打ち切りへ」という特集記事を書いている。ネットでアップされていないみたいなので、僕なりにまとめて、拙コメントも付記して概略を報告します。
エル・ライブラリー関連資料
 このブログで再三言及しているので、出来るだけ重複しないところを書いてみます。
 天満橋のエルおおさかにある図書館は二つあるのです。(1)「府労働情報総合プラザ」(蔵書数2万5千冊)、(2)「大阪社会運動資料センター」(同4万5千冊)。この二つの図書館を財団法人「大阪社会運動協会」が運営しているのですが、働いているスタッフは窓口が二つですが、二つの図書館の仕事をこなしている。僕は二、三度ここでボランティア奉仕をしたことがあるのですが、司書の方にきつく言われたことは、同じ事務所内にあってこの色の電話がかかったら、「はい、大阪社会運動協会です」、あちらの色の電話では、「はい、総合プラザ」ですと使い分けるようにと言われました(笑)。
 (1)の図書館は二階にあって、同じ階に「ジョブカフェ」があるんです。ここは開架で、勿論、社会労働資料本・雑誌がメインですが、気楽に出入り出来るように、色んな人から本を寄贈してもらい、コミック、小説、実用書などもささやかながら棚差ししています。僕も新書の新刊を始め読み終わった社会評論・思想系の単行本も寄贈しています。(http://d.hatena.ne.jp/kuriyamakouji/20080608/p36
 (2)の図書館は原則閉架で前もって電話をすれば入館できます。こちらには貴重な資料が保存されており、四階にあり長時間調べもの、書きものが出来るように部屋が用意されております。これらの資料類をもとに関西の学者や在野の研究者が執筆した「大阪社会労働運動史」は8巻まで刊行され、今秋には第9巻が発刊される。ボランティアをしたおり、素朴な疑問はこの刊行中の全集を各企業図書館、大学図書館などにもっと営業すればとか、ネットとかと思ったのですが今、「はまぞう」検索したらヒットしましたねぇ。
 amazonのデータから『大阪社会労働運動史』がアップされている。品切れになっている、こりゃあ、まずい、品切れではないのに(汗)。
 そうそう、なかみ検索の登録もしたらと思う。どちらにしろ、立派な売る商品があるので、せめてネットに効果的にリンクしたらいいと思う。bk1では、書影もあるじゃあないですか、そうだ、書評も書けますよ。
 ところで、協会は、府と大阪市の年間助成金計1200万円と(1)の図書館プラザの年間委託料1000万円を使って、資料整理や司書業務をなどを進めてきたわけです。その管理委託によって成果があがり、プラザの来館者は、協会への運営委託が始まった00年から8年間で4倍の年1万4千人に増えたのです。

社会運動協会が受託以来のプラザの事業費はおよそ1400万円前後。それ以前は2500〜3000万円の事業費で、さらに府職員がいたわけですから、ごく大雑把にみて8000万円ほどの事業だったわけです。それが社運協受託以後、人件費込みで1400万円ほどに節約され、さらに利用者は4倍増、内容も充実化がはかられているわけです。その成果を全く考慮しない今回の廃止という措置には全く納得いきません。 ーhttp://rodoshomei.blog17.fc2.com/blog-entry-30.htmlーより

 こういう疑念が生まれるのは当然です。府知事は民間の知恵を積極的に導入すると言い、今朝の辛坊さんの番組に出演して来年度から府の職員採用も半数は民間からの中途採用を行うと言っていたが、まず、成果を上げたセクションを評価すると言った経済合理的な判断を最低限しめさないと、説得力がなくなると思う。
 辛坊さんも橋下さんも子供を公立学校に行かせていると言っていたが、そういう姿勢は評価するし、arisanさんがブログで問題指摘していた橋下知事は、『国の枠組みによる地方自治体のひずみは限界に来ている。道州制導入と国からの財源譲渡しか解決策はない』(同紙29面)と語ったというので、国の姿勢を問うという視点を身につけつつあるのかと思ってたのだが、片山前知事のコメントを読むと、やはり基本のところは進歩がないらしい。》
 に関しては道州制導入と国からの財源譲渡しか解決策はない」と今朝の生番組でははっきりと言い切っていましたね。信じたいと思う。そういう方向性は支援する。
 どちらにしろ、府議会で最終的に決まるのであるから、せめて、府議会の議員たちが単に人事で動く党派的な思惑で動くのではなく、冷静に合理的に短期的ではなく長期的な展望に立った一人の政治家としての判断をしてもらいたいです。

昨日、大阪府の維新プログラムが発表されました。
「プラザの措置はどこに書いてあるのか?」とご質問をいただきましたが、今回維新プログラムは出資法人についての方針のみを掲載しているようです。民間団体の委託については掲載されていません。それらはおしなべて「ゼロ」査定のようです。
 つまり、プラザは7月末で廃止という知事の方針に変更はありません。きわめて厳しい状況です。しかし、粘り強く廃止撤回に向けて努力中です。(http://shaunkyo.exblog.jp/)

平和館 FOR OLDMEN

昨日、僕は通常のエントリーで、ピースおおさか、大和ミュージアム、広島原爆平和館のことを書きましたが、いずれの館もまだ行っていないのです。
いつか行こうと思いつつ、誰かの誘い、修学旅行、社会見学という企画に便乗してとか、旅行ツアーのオプションの一つとか、そんな受け身ではなく、たった一人でそこを目指して行くというエネルギーがなかったということで、いままでなんとなく来たということになると思う。
マイミクさんが、知覧特攻平和会館について書いている。リンクしている THE BACK HORNの「コバルトブルー」を聴く。

歌詞はこちらです。
http://listen.jp/store/artword_1008382_8535.htm
メンバーが知覧特攻平和会館を訪れて衝撃を受けてつくった歌詞なんだそうです。
確かに《悪気のない純粋さ、若さのエネルギーの行き場、現今の行き詰まり感、などなどの問題をこの曲からは感じたのでした。 》っていうのがある。
一昨日、『ランボー 最後の戦場』でランボーが吐く、「目的のない生よりは、何かのために死にたい」という台詞があったけれど、

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ゼニでっせ、

 このjanjannewsの記事「橋下知事へ 非常勤職員には「給与カット」ではなく「待遇改善」を!」は、僕が言いたかったこと、訴えを過不足なく語っていますねぇ。
 記者は県庁職員として労働、福祉や医療などを担当し、私生活では非常勤労働者の問題に取り組んできた人なので、記事の端々に説得力がある。

もちろん退職手当のカットなどは、正規職員にとって人生設計が狂う話で痛いのですが、それは大阪府職員の労働組合が今後、主張していかれることでしょうから、私はあえてここでは詳しく取り上げません。

 かような禁欲的なスタンスにもかかわらず、記者は核心をついた問題点をあぶり出してくれる。このブログの[赤木の森@]カテゴリーで散々言及している正規と非正規職員・非正規社員の格差の問題でそのあたりをスルーしてまだまだ、大阪府の財源は余裕がある、夕張とは違うんだという楽観主義に裏打ちされて、別の記者によるjanjanの記事「橋下大阪府知事の削減方針に府職労が反発」で、大阪教育大学の高山新教授の「標準財政規模が1兆4035億円で一般家庭でいえば、年収のおよそ4倍の住宅ローンを抱えているようなもので、持続的な財政運営は可能です」という講演発言が採録されているが、僕はどうしてもかような発言には違和感があのです。切羽詰まってからでは遅すぎる。多少の余裕があるうちに、むしろ、非正規職員の待遇改善をはかることで、行政全体の府民サービスの底上げをアクティブに実施して戴きたいものです。

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一冊の本よりは「安全といのち」

 とうとう、僕が存続を訴えていた図書館が廃止に決定した*1ようですが、橋下知事は「削減ばかりでは大阪は元気にならない」と「大阪維新プログラム」を構成する柱の一つ「重要政策」の全容が明らかになったとの日本経済新聞の報道(5/31)がありましたが、その【08年度予算に盛り込まれる予定の主な重要政策】の一覧表を日経の記事を参照して図表してみます。

項目 重要政策 予算 拙コメント
医療 救急車の適正使用を呼びかけるキャンペーン 約1800万円 単なるキャンペーンではなく、タクシー代わりにしない制度作りが大事
妊婦搬送のためのコーディネーター 約3700万円 地域の民生委員の活用を
救急医療情報システムの改良 約4億300万円 昨年癌登録をしようとしましたが、まだ制度が整備されていなかった。
教育 教員OBらによる放課後の補習 約5400万円 むしろ民間人導入を考えた方がいい
小中学校の少人数・習熟度別授業 約4億3100万円
スクールランチ等推進協議会の運営 約500万円
景観 御堂筋でのイルミネーション実験 約4100万円 ディズニーランド化したいわけ?
堂島川や大川のライトアップ実験 約4800万円 本よりは遊園地
石畳と淡い街灯のまちづくり支援 800万円 癒しの街?
国際交流 海外でのトッププロモーション 約1200万円
上海市との人事交流 約500万円
産業振興 中小企業の販路開拓支援 約4000万円
彩都などのバイオ医薬品の開発支援 約3700万円 http://www.saito.tv/what/index.html公営カジノはどう?

 36事業に約23億円を計上したとのことです。一冊の本もいのちも、ではなくて、いずれかの選択を強いられる「動物化の時代」としての「アメニティ装置」が政治の最大の関心事なのでしょうか。一冊の本で悩むより、快適に心地よいマッサージを受けたいという人々がマジョリティだと思う。橋下知事「無痛文明の街」つくりを実践しようとすることに対して、僕たちはどんな強度のある言葉を持ち得るのか。

追記:確認しておきますと、今回廃棄の対象になっているのはプラザの図書・資料です。(スタッフから)
 社会運動資料センターの図書・資料はあくまで民間の財団法人である大阪社会運動協会の所有ですので、大阪府に決定権はありません。
 プラザの蔵書は図書25000冊、新聞・雑誌19000点で、プラザでふだん皆様の目に触れる開架コーナーにはプラザの図書5000冊に加えて社会運動資料センターの蔵書も5000冊配架しています。つまり、プラザと資料センターの資料は一体的に運用しているわけです。
続きは、http://shaunkyo.exblog.jp/8248878/

 追伸:【焚書】ふんしょとは、書物を焼き払う行為である! : 【本音トーク】 EVOLUTIONによると、「選挙公約でもあり何とか大阪府財政再建をやりたい。しかし大阪府労働組合は強固だ、そこで外郭団体、運営委託をしている施設を閉鎖する方針をだせば、大阪府労働組合も反対しないであろう。こんな戦略をたてたのではないかと考えます。」と書いていますが、僕の観測もそうですねぇ。もし、そうなら余計腹立たしい。成果を出した施設かどうかではなく、政治的な判断なんだと思う。経済的合理性での判断ならまだナットク出来る。

*1:廃止が決定したわけではなく、存続に向けて運動は続いています。

「知事への提言」メールを送りました。

 ある人が橋下府知事へ提言メールを送ったと言う。
 ある人の許可をもらって全文コピペします。
エル・ライブラリー関連資料

大阪府労働情報総合プラザの廃止・蔵書の廃棄について
労働情報総合プラザの,利用者です。
官の既製品ではなく,働く人が能動的に行動を起こすため必要な施設で,民が主体となって文化を支えるモデルと思っていました。それなのに,いきなり廃止,しかも蔵書を廃棄と聞き,非常に驚いています。
蔵書には,一般府民からの善意の寄贈本も多く含まれています。プラザで多くの人に有効利用してもらうために敢えて寄贈された本を,一旦贈ったからには大阪府に所有権があるかもしれませんが,こういう形で厚意を無にしていいのでしょうか。せめて,大阪社会運動資料センターなどに移動するなどの処置をとっていただけないでしょうか。
また,プラザ自体の存続についても,営業活動をする,民から資金を募る,ボランティアを募る等,方法は他にも考えられます。大阪府の手を離れても,別の形で存続できるように計らっていただけないでしょうか。
「みんなが支える文化」の形を実現できる施設です。よろしく配慮の程,よろしくお願いします。

本はこんなにも貶められたのか

 「廃棄だって、そんなアホな!」、僕が寄贈した本も廃棄!(涙)≒府知事の涙
 寄贈した本を思い出しながら、リストアップします。bk1に書評した本が多いのです。
(1)森岡正博著『無痛文明論』、(2)湯浅誠著『貧困襲来 』、(3)赤木智弘著『若者を見殺しにする国』、(4)生田武志著『ルポ最底辺』、(5)蔵 研也著 『リバタリアン宣言』、(6)内藤 朝雄著 『いじめと現代社会 』、(7)武田徹著『NHK問題』、(8)江 弘毅著 『「街的」ということ 』、(9)上野 千鶴子ほか著『バックラッシュ! 』、(10)桝井 英人著 『「国語力」観の変遷』、(11)本田 由紀著 他『「ニート」って言うな! 』、(12)武田 徹著 『調べる、伝える、魅せる!』、(13)酒井 順子著 『負け犬の遠吠え 』、(14)酒井 順子著 『少子』、(15)田口 久美子著 『書店風雲録』、(16)四方田 犬彦著 『ハイスクール1968』、(17)菅谷 明子著 『未来をつくる図書館』、(18)岡崎武志著『読書の腕前 』……、
 まだ、まだ一杯あるのですが、怒りにまかせてここまで書きました。少し気分が落ち着きました。後は次回に書くかも知れません。そうそう、僕の寄贈ではないのですが、(19)松岡正剛の『千夜千冊』のセットも寄贈であります。後、(20)隔月誌『風の旅人』もありました。
 本日、第124回目のbk1書評鉄人に選ばれた“SlowBird”さん は、このブログのコメントで、

有意義な図書館の存続には心情的には同意しますが、やはり金が無いという現実には勝てないと思います。死蔵でもなんでもいいから蔵書の引き取り手を捜して、「最悪の事態」だけは防げるようにしてほしいと思います。
ところで僕は(当面は)寄贈なんてしないですよ。相手方で「古くて汚い」本だからといって廃棄しないと誰が保証できますか。

 かようなことを書いていたが、現実問題になってしまった。
 追記:寄贈本♪(21)bk1with熱い書評プロジェクト著『熱い書評から親しむ感動の名著』、(22)坪内祐三著『一九七二』
 そして、今、新刊ほやほやで橋下府知事にオススメしたい本は、杉田俊介著『無能力批評』です。
 彼は書く。私は、現在の多様な労働=生存運動の文脈に、もう一度、《私の個人主義》という自由の価値を差し入れてみたいのです。(杉田p26)
 一冊の本は差し入れられた自由の価値だと思う。

2008/5/28 エルおおさか604号室

エル・ライブラリー関連資料
 昨日、エルおおさかで、司書・学芸員の人たちがスピーカーとなって、リレートークが行われ、大阪府知事宛の「大阪府の博物館・図書館の存続を求める要望書」が提出されることになったのですが、僕は一般参加として、会場にいましたが、熱気がむんむんしていました。
 この会が始める前に見学会があったのですが、僕は、もう過去に見学どころか、引っ越し作業のボランティアをしたことがあるので、パスしましたが、早々と見学会に参加した人のレポがアップされていますねぇ。
大阪府労働情報総合プラザ・大阪社会運動資料センター見学会 - ミュージアムの小径
救済としての文化(1) - 葉っぱのBlog「終わりある日常」

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1970年、大宅壮一も亡くなった

エル・ライブラリー関連資料
 こんな専門図書館ブログ『SENTOKYO』があるんですねぇ。あちらこちらにリンクしている。読むのは大変だけど、索引として図書館関連記事を調べるのに便利がいいですねぇ。特に、雑誌・新聞記事はアンテナを張るのが大変で、素人で、ものぐさの僕でも、これは使えます。
 本棚に紀田順一郎の『図書館が面白い』(ちくま文庫)があったので、パラパラめくっているのですが、最初に取り上げられているのが「大宅壮一文庫」。1971年スタートなんだよね。三島由紀夫が自栽した翌年。
 その後、衆議院の文教委員会で議員から「大宅文庫は国庫補助はできないか?」という質問があって、検討したいという政府答弁があったということです。しかし、結局、国からの補助はなく、自力救済の道を歩んだわけ。
 1992年の利用者数は62081人ですね。一日の入館者数は二百人強ですか。今はどうだろうか、→公益財団法人大宅壮一文庫

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納本制度の日(はてなダイアリー本は納本出来る?)

今日は国会図書館の『納本制度の日』なんですねぇ。六十年の節目に5月25日を記念日と定めシンボルマークも作っている。昨日は佐野眞一さんらによる座談会「出版文化と納本制度について考える」があったみたい。日経の記事によると昨年、国会図書館に入った図書約二十二万冊、雑誌や新聞約六十五万点のうち、同制度に基づく納入は約六割を占めると言う。通常の出版流通にのっかている書籍の点数は年間七万五千点ぐらいでしょう。その倍近い冊数(ただ、点数と多少ズレがあるかもしれない)ですか。
納本制度は、国内で発行された図書などの納入を発行者らに義務付けているが、強制力はないんだろうねぇ。自費出版物や企業、団体の記念誌、郷土史資料などは、発行者が制度を知らない場合もあるとして、国会図書館は「納入率向上を目指し、PRしていきたい」としているが、ブログのアーカイブを製本している人って結構いると思うんですよねぇ。僕も好奇心が強いから、だいぶ昔に「はてなダイアリー」を製本して棚にあるんですが、僕自身も読まないし、誰も読まない、死んでいるw。

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◆「蔵書館」と「図書館」の違い

 本日大阪の社会・労働関係専門図書館の存続を求める会から下記の案内がありました。

【今こそ、専門分野の司書・学芸員の“専門”を問う〜図書館・博物館における専門スタッフの役割を考える集い〜】 
 みなさまご存知のように、大阪府の改革プロジェクトチーム(PT)によって、専門情報提供機関や文化関連施設の存続が危機に直面しています。
 この問題に関してマスコミ等で取り上げられるのは、建物というハードや事業内容などにとどまり、そこで専門的業務を担っている“人”には焦点があたることはほとんどありません。
 司書や学芸員として働く専門職スタッフは何を担ってきたのか、このようなポストが失われることによって何ができなくなるのか、府民にはどんな損失があるのか。
 それぞれの分野で資料や情報収集・組織化・提供に携わる専門職が自らの“専門”をリレートーク形式で語り、分野を超えてこれからの展望を共有していきたいと考えます。図書館・博物館で働く方々だけでなく、利用者の皆様をはじめ興味をお持ちいただけるかた、どなたでも参加歓迎です。
 また、集いの前に大阪府労働情報総合プラザと大阪社会運動資料センターの見学会を開きます。集会後に会場近くで懇親会も予定していますので合わせてご参加ください。

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指定管理者制度は、希望か?

 労働情報総合プラザサイトで、指定管理者導入による図書館についての記事が紹介されていたので、読んだのですが、僕の住んでいる街はいかがなものかと調べました。指定管理者を導入している施設は結構ありますねぇ。

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少女まんが寺

私設図書館で、『少女まんが館』なんてあるんですねぇ。
雑誌『散歩の達人』のバックナンバー「本屋さんを遊ぶ!no118」を読んでいたらこんな面白い記事を店主が書いていた。(p17)

 不朽の名作から朽ちた駄作まで、あらゆる少女まんがと関連品を保存する私設図書館。家に置けなくなった大切なまんがを奉納(寄贈)する人が後を絶たず、人形寺ならぬ少女まんが寺という感じ。古民家というかボロ民家だが、ボロい状態保ったままいつもきれいにしているから、ますます寺っぽい。バックアップを重視し、同じものを二冊保管することが原則という徹底ぶり。寝読み可で、館庭にテントを張って泊まりがけで読むのも可。というわけで書店ではないが、三冊以上重複したものの一部を処分品として販売。時価数百〜数千円のまんがを、そうと知りつつ100円で売ってたりするが「一冊も売れたことがない」と豪語する。さるすべり中野(ってオレじゃん)+大井夫婦が運営。

そんで、ホームページを拝見、参詣したわけ。(http://www.nerimadors.or.jp/~jomakan/
賽銭箱もあるし、奉納(寄贈)した人の名前までアップしている。英文で世界にも発信しているんですねぇ。スゴイ!

図書館探検隊・入会案内

 そう言えば、僕はミクシィ内の「図書館探検隊」の名ばかり館長だったんだ。
 どうぞ、こちらでコメントしがたいと思われる人はミクシィの方でも歓迎します。入会はミクシィ会員の方はだれでもコミュに入れます。m(__)m
http://mixi.jp/view_community.pl?id=411491

管理運営としてのパトロン

 確かに問題解決の道筋に施設の「管理運営」と「専門性」とを分けて考える必要があると思う。意識的に僕は「管理運営」に関して智慧を絞り出そうかと思うけれど、僕も「経営」センスに弱いからなぁ、
 でも、行政が降りるなら、これをいい転換点と掴まえて「おおさか」らしいビジネスモデルを立ち上げることも可能です。ホームレスが販売している『ビッグイシュー日本版』は「おおさか」で立ち上がったのです。発行市民パトロン制度があって、パトロン達が支えているのです。パトロンとは「文化的町民」ですかねぇ。そんなパトロンがキーワードでしょう。
参照:解決すべき課題は何か... : 丸山高弘の日々是電網 The First.

<私的>マッピング 

番号 名前 レファレンス機能 蔵書機能 付記
1 「図書館」 × 本の相談ダイアル
2 「蔵書館」 × 矢祭町のは「蔵書館」?
3 一般図書館 通常の自治体の図書館
4 専門図書館 大阪社会運動資料センター
5 メガ図書館 国会・中央・有料図書館
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◆今日のお仕事:「アジア図書館 の引っ越しボランティアの募集」大阪です。

 マイミクさんからメールが来ましたので、図書館絡みとして転載します。興味のある方は直接事務局にお問い合わせ下さい。詳細はこちらへ、

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◆今日のトピック:ブロガーのチカラ(5/20)

 こんな風にアクティブな運動を起こすと一昔では考えられなかったブロガーのチカラをつくづく感じます。ネット時代は新しい民主主義時代(アクティブ民主主義)に適合するものであって、特にケータイはそんなシステム作りに大きなチカラを発揮すると思う。子供の時からケータイ「メディアリテラシー」を身につけさせることは確かに必要かもしれない。参照:http://162.teacup.com/sinopy/bbs/853

◆今日のトピック:書評のチカラ(5/19)

 僕のネット友はbk1の投稿書評から拡がっていったのです。(六次の隔たり
 僕自身は最近、投稿書評の頻度が極端に減ってはいますが、偶にbk1書評鉄人として新しい方が紹介されると、思わず「ご挨拶」を読んでしまう。烏賀陽弘道さんの『ポップの心象風景』も書評されていますねぇ。図書館の端末からブックレビューに一発でリンクするサービスがあればいいねぇ。本を検索したら、ネットで公開されている書評の一覧表がプロアマ問わず表示される。

◆今日のトピック:テレビのチカラ(5/18)

id:toroneiさんは、テレビ番組をよくトレースしている。ぼくは、角淳一情報番組「ちちんぷいぷい」は好きな番組で特に石田英司のコメントにはいつも感心することが多いですねぇ。

毎日放送の「ちちんぷいぷい」がこの日良かったのは、「大阪府大阪市では歳入の条件が違う」ということをきちんとコメンテイターが説明して、「毎年の収入が安定していて、財源がある大阪市と、法人税が主な歳入で、景気によって安定しなくなる大阪府では事情が違う」という立場の違いをきちんと解説したことと、署名活動について石田さんが、中身の深さが分からない事をきちんと指摘した事は良かった。それこそ「ワッハ上方」の署名したという、桂ざこば師匠ではないけど、本当なら「いらない」と思っている人でも、頼まれて仕方なく署名したというパターンだってあるんですからね。
ただ僕は面白いのは、平松市長が府民や市民だけでなく、マスコミにも不人気というのは今回一番面白かった、出身の毎日放送ですら、橋下知事と比べると平松市長は……、という論調に後輩のアナウンサーすらなっていたのは、面白かったです。活字で遠いニュースとして聞いている人たちには、橋下知事の「削減、削減」というのは、暗い前向きでない印象を持たれているようなのですが、大阪人の実感として平松市長の「存続するべき」って言い方の方が、何かの利権に縛られていて後ろ向きで暗い印象を持たれている、ということを少しは知って貰いたい気はする。平松市長との対比で、橋下知事の「削減」というのが、ポジティヴに受け止められる要因にはなっている。知事選の時もそうだったけど、橋下さんは対戦相手に相当恵まれているという、引きの強さもあるんですが、橋下知事対立候補が、それほど中央のメディアで人となりが報道されなかったように、平松市長の発言とかが報道されている地域と、されていない地域でも、相当に温度差はありそう。ー他の地域の人たちに大阪府の財政状況が伝わっていない問題 - 昨日の風はどんなのだっけ?よりー

存続の運動にかかわる人は、もっとテレビ報道に目配りする必要があるでしょうねぇ。活字媒体では見えないトレンドが見えるときがある。映画だってそうでしょう。映像には作り手、報道する側にも気付かない無意識の滴りがあるわけで、思わぬ発見があります。テレビをバカにしてはいけない。特に橋下知事はテレビが生んだ知事だとも言える。ちちんぷいぷい」のような番組に「存続の運動にかかわる人」が出演してメッセージを発信することが必要かもしれない。テレビのチカラは、やはり強い。

◆今日のトピック♪「虚妄の?成果主義」(5/17)

『「大阪府労働情報総合プラザ:利用者4倍」…民間委託の成果、無に? 府PT案では廃止』という記事が「毎日新聞」夕刊文化面(5/16)に掲載されていますねぇ。

 ◇社会・労働の専門図書館−−利用者が4倍に
 社会・労働関係の専門図書館「大阪府労働情報総合プラザ」の利用者数が00年から増え続け、4倍になった。府の直営から財団法人大阪社会運動協会(社運協)の委託運営になって、スタッフの専門性が生かされた。本や資料は、内容を知る人がいて初めて活用できるということを実証したが、大阪府の財政再建プログラム試案(PT案)では「今年度に廃止」とされている。【佐々木泰造】」

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◆今日のチョイス(図書館エピソードより)

♪僕はかって、ミクシィで、『週刊本』コミュに加入していましたが、かような絶版本のデータを著作権法上の問題があるが、例えばamazonの「なかみ検索」のビジネスモデルのようなものを図書館で立ち上げることが出来ないですかねぇ。マル劇トークで、著作権のモンダイを取り上げているが、コンテンツにアクセス出来るルートが有料、無料を問わず、もっともっと真剣に議論していいと思う。僕のアーカイブでこんなことを書いていたが、実現可能性はどうなんだろう。

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◆今日のトピック(5/15)♪http://rodoshomei.blog17.fc2.com/blog-entry-16.html、♪http://rodoshomei.blog17.fc2.com/blog-entry-18.html、♪http://rodoshomei.blog17.fc2.com/blog-entry-17.html

岡倉天心♪昨夜(5/14)、NHKの「その時歴史が動いた」の番組『日本人の心を守れ 〜岡倉天心・廃仏毀釈からの復興〜』を見たのですが、

きっかけは明治維新の最中に起きた仏教排斥運動、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)。仏像は壊され、薪として燃やされてしまう。
仏像を救おうと立ち上がったのが近代日本美術の発展に多大な功績を残した岡倉天心だった。急激な西欧化を批判した天心は、文部官僚として10年間で21万件もの仏像や文化財を調査、文化財保護の法律を作るよう訴えるなど、その保護に力を尽くす。

 「本を見殺しにしない国つくり」のために新たな21世紀の岡倉天心が必要かもしれない。

◆今日のトピック「横断検索」(08/5/16)

 ♪前回、大阪府Web-OPAC横断検索で、キーワード検索結果を実験しましたが、本来は「書名検索」、「著者名検索」がノーマルです。それで、まず、著者名検索をすると、NACSIS Webcat(678件)はスゴイヒット数になりました。やはり全国津々浦々の大学に赤木智弘本が蔵書されているわけかなぁ。と思ったら、そうではなくて、赤木という姓でヒットするものを全部拾っている。これじゃ困りますねぇ。

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◆今日の発掘図書館トピック(08/5/14)♪http://blog.study.jp/ygutakawashi/2006/09/post_97.html

日本ではかような寄付行為がなかなか根付かないですねぇ。こちらのブログのコメント欄に「蔵書館ならともかく図書館なんて言わないで!」という書き込みがあったが、全国から寄贈本を集めて立ち上げた矢祭町の挑戦は図書館というより蔵書館ではないかという疑念は当然生まれる。

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◆今日(08/5/13)の「図書館エピソード」(このカテゴリーは↓に隠れているので上に上げました。↓からの続きです。)

かって、2006年に共同出版新風舎について僕はこんなことを書いていた。ブラックユーモアですが…。

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◆今日の「言葉」(08/5/13)

わたし自身、高校生と中学生の息子を持つ身で、「努力が大事だ。結果を出すべく、努力をしなさい」と躾けているのに、その親が「努力し、結果を出したのに潰される」とあっては、いったい子ども達になんと言えばいいのでしょうか? 努力は報われないといえばいいのでしょうか? 橋下知事にはぜひ愚息たちに説明してほしいものです。ー「努力し、結果を出した者が報われない」ようなことは、あってはいけない(@ARG) - ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれよりー

 痛い言葉です。「自己責任云々」という以前にむしろ問題は「責任を取ろうとしない輩」、「努力しない輩」が、上手に人事で立ち回る(これを人間力と積極的に評価する人もいるが)人に(政治に)良い点がもらえるこの世のシステムが根底的に問われるべきなんでしょうねぇ。

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緊急お知らせ

約、一ヶ月間、エントリーを「図書館を考える」というテーマでフリーズします。(期間内随時追記更新します。)コメント、トラバは公開しておきますので、書き込みは大歓迎です。今回の橋下府知事(http://www.hashimoto-toru.com/osaka/index.html)が石投げをしてくれて波紋を拡げて下さったお陰で他人事ではなく「図書館行政」についてマジメに考え抜く広場をささやかながら提供しようと思いいったたわけで、ネットだからこそ、気軽にコストもかけないで、でも大きな効果が期待できるわけで、どうなることやら、思考実験・実践を期間限定でやってみようかとヒマジジィが思ったわけ。

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