東急東横線、自由が丘。
東急東横線、中央線沿線は若者、特に女性に高貴なイメージと閑散とした雰囲気が人気がある。
例にもれず自由が丘もである。他の街では珍しい、個性的な店が駅前に並ぶという風景があった。
一般的には、駅前は開発のしやすさからスーパーや量販店など生活雑貨の大手販売店が軒を連ねるのではないだろうか。しかしここ自由が丘の駅前は古くからありそうな洋服屋やチェーンではなく個人経営のカフェなどが駅を降りるとすぐに目につく。しかしMUJIUNIQLOなどの大手販売店もないわけではない。大型スーパーも存在し、午後の客足はかなり多い。生活のインフラになるような大型量販店と街の性格を決定づける個人店の両立が、自由が丘の魅力を最大限に語っている。
自由が丘は東急東横線が開通するまでは竹やぶだったが、東急グループが開発をしていった。1970年ごろには町の形がほぼ整った。元々緑の比較的多い東京であるが、住宅地だけでなく駅前にも緑は多い。コンペの対象敷地になるほど良好な住環境はこの緑の活用方法にもあるだろう。それが駅から一本入ったグリーンロード。ここにはベンチが設置され、公共に開放されている。駅前というのは通常一等地であって、収益をあげるために活用されるのが常だが、ここでは誰にでも開放することで街の状態を保っている。
駅前から少し離れると、さすがに大量量販店は存在しないが、雰囲気のある小さなカフェや雑貨屋が多くある。同心円状に広がるように店は少なくなっていき、駅前から住宅地へと静かさのグラデーションが成立している。非常にバランスのいい街だ。