猿板

遊山黒子衆SARUの記録

雪残る法皇の山の遊山 巡る事

地蔵尊

 ここは鉱毒や精錬の伐採により
森を失ったため発生した山津波
焼鉱窯の飛び火による火災により
多くの人が命を落とした山です。
◆過去のこと
法皇山脈は銅など鉱物資源に恵まれ
ここ別子銅山をはじめとする
金属鉱山が複数操業していましたが
現在までに全て閉山しています。

◆目出度町跡
 別子銅山は元禄から昭和まで
約280年間に70万トンを産出した
最深部海抜下1,000m全長700kmの坑道は
当時世界最大の規模でした。

その経営を一手に行った住友家は
日本を代表する巨大財閥となり
最盛期には1万人が暮らしていました。
                  
しかしその繁栄は昭和48年の
閉山と共に再び森に沈み
山中で静かに眠っています。

◆色即是空
 山麓の影地に残る
山道を覆う締まった雪も
やがて解けて海に還る。
                     
それぞれの人生も歴史も
全てがそれだけの事だと
改めて感じた一時でした。
      


  待春の水よりも石静かなる  倉田紘文