Web評論誌『コーラ』17号のご案内

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 ●現代思想を再考する4
 神話劇を見る視線
 
  広坂朋信(コメント:岡田有生)
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  岡田有生氏の前回の論考は、今村仁司の第三項排除効果論を取り上げて、深
 く鋭く問い直すものだったが、私は山口昌男スケープゴート論について浅薄
 かつ散漫におしゃべりしてみたい。一知半解の駄弁を読む暇のない方は、本稿
 に寄せられる岡田氏のコメントにだけ眼を通していただければ結構かと思う。
 以下、御用とお急ぎのない方だけお付き合いいただこう。
 
 今村仁司の二つの注
  さて、今村仁司はその著書『暴力のオントロギー』の最終章で「供犠(サク
 リファイス)の論理は、エディプス・コンプレックス、象徴的父親殺し、象徴
 的自殺、象徴的近親相姦ないしナルシシズム、さらにはヒトラーの政治神話的
 戦略にいたるまで、種々の形態をとりうる」としたうえで、それに次のような
 注を付していた。(以下、Webに続く)

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  ●連載〈心霊現象の解釈学〉第4回●
   少女が死霊に取り憑かれるまで――妄想「累ヶ淵」

  広坂朋信  
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/sinrei-4.html
  夏場なのでどうあっても幽霊を出したいところである。この連載コラムは、
 カント、ヘーゲルエンゲルスと来たのだから次は順当にいったらベルクソン
 あたりなんだろうが、赤毛ものばかり続くのも少し飽きてきたところだ。それ
 に、夏の幽霊と言えば日本の風物詩であるから、今回はがらりと趣向を変えて
 日本の幽霊を出したい、いや、お出でいただきたい。ということで、ハイ出ま
 した、出ていただきました。どなたかというと、「累ヶ淵」の累さんである。
 ルイじゃありませんよ、かさね、と呼んでください。実在した人物ですから
 ね、失礼のないようにしたいものです。(以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第21章  水なき空のメタフィジィク・下句
        ──ラカン三体とパース十体(急ノ伍)
 
  中原紀生
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-21.html
  ■修辞から境地へ─第二のメタフィジィク
  これより、定家十体をめぐる『初期歌謡論』の議論を駆け足で、いわば「ク
 イック・フォックストロット」のリズムでもって見ていきます。が、その前
 に、議論の前提となる事柄をひとつ、確認しておきます。
  前々章で引いた文章のなかで、吉本隆明氏は、壬生忠岑の和歌体十種と定家
 十体との「二世紀半ほどのあいだに、歌をつくることは、表現を媒介にしてあ
 る心の境地を、いいかえればメタフィジィクを獲得することだというところに
 踏みこんでいったのだ」と書いていました。(以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●
   記憶遺産/破れた世界と、ヴェルテップ

  寺田 操
http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/singanbutusousi-7.html
  2011年5月、ユネスコの「世界記録遺産」に登録された山本作兵衛の筑
 豊炭鉱画は、地下労働者の生活がリアルに描かれた貴重な生活記録であった。
 記録遺産とは、人々の営みを記録した歴史的な文章の保存を目的として
 1992年にはじまり、アンネの日記など76ケ国190件以上が登録されて
 いる。
  炭坑産業の記録は、政府の公文書や企業の記録として残っている。何しろ
 「石炭なくしては国家の発展はなく、文化の興隆はありません」などと言った
 国家エネルギー・プロジェクトだったのだから。けれども、実際に炭坑の現場
 で働いていた労働者のリアルな行為は、ここでは記述されてはいないだろう。
 わたくしは『まっくら―女坑夫からの聞き書き―』(森崎和江著・山本作兵衛
 画/1970・8/現代思潮社)で、炭坑産業とそこで働き暮らす人々の記録
 と文化を知った。それにもまして山本作兵衛が92歳で亡くなるまで描いた2
 千枚近い絵は、実際に現場にいた者にしか分からない死と隣り合わせの地下世
 界を、精緻なタッチで伝達してくれた。(以下、Webに続く)