「英雄伝説 閃の軌跡」感想①(総評)

タイトル通り、軌跡シリーズの新作「閃の軌跡」をクリアしたので、
シリーズの大ファンとして感想を書いておこうかなと。

ネタバレはなるべく避けていますが、一応格納しておきます。

とりあえず結論からいうと……大満足でした!

いやぁ、正直なところ零碧の出来にやや不満が多かったうえ、
その大きな要因だった絆システムの続投、
舞台が学校でメインパーティはみんな学生、
シリーズの大きな魅力だった2Dちびキャラから低レベルな3Dモデルへの変更、
糞みたいな手抜きパッケージと主人公にまつわるシナリオをドラマCDに分離……etc。
といった具合にとにかく不安要素が多くて、
今回は待ちに待った帝国編なのに酷いものになるんじゃないかなと不安ばかりが募っていたんですが、
進めていくうちにガンガン没頭していって、最後までプレイする手は一切止まらなかった。
間違いなくここ数年プレイしたRPGで一番熱中した作品だったと思います。
散々指摘されているロード地獄やグラフィック等確かに欠点も多いのですが、
個人的にこのシリーズに一番求めているシナリオ・キャラ・世界観が非常に優れていたので、
僕にとっては零碧よりも魅力的に映りましたね。続編が楽しみで仕方ないです。

以下、要素要素を切り取って良い点悪い点を述べていきます。
零碧を比較に持ち出して批判することが多くなりそうなので、そちらのファンの方にはごめんなさい。

世界観

零碧の評価が低い理由の一つにクロスベルに魅力を感じなかったというのがあるのですが、
今回は流石今まで散々存在をアピールしてきた大帝国だけに魅力豊かでした。
ヘイムダルの圧倒的な都会っぷりとか、帝国側から見たガレリア要塞の迫力とか、
まさにこれぞ大陸最強の国ってな感じでワクワクしっ放しでした。
それ以外の都市にもそれぞれ魅力があってよかった、
というかやっぱりいろんな街を巡れるのが楽しいのよね。クロスベルだけに閉じこもってるのはやっぱつまんなかったなと。
特にノルド高原の雄大さは素晴らしかった。広すぎて段々移動がめんどくさくなっていったけどw

世界観という点では5大都市がそれぞれ個性満点で、それを歩いて巡れるリベールが最高だったので、
エレボニアもあんな感じで巡ってみたかったなとも思うのですが、
まあ小国リベールと違って広大なエレボニアを作り切れるわけもないし、
長時間の列車移動でその大きさを感じさせたり、
特別実習で他班が別の街に行くことで、他にもこれだけいろんな場所があるんだよとアピールするのは上手かったと思います。
それに列車の旅というのもなかなか情緒があってよかったですし。
続編はいつも通りマップ使い回しになりそうですけど、
オルディスとかジュライ特区とか、他の街にも行けるといいなー。

一つ気がかりなのは、シリーズが進むごとに凄い兵器がバンバン出てくるようになって、
ロボットゲームみたいな様相を成してきたところですね。
個人的に軌跡にはあんまりそういう要素を望んでないのでほどほどにしてほしいんですが……。

シナリオ

毎章続く士官学院の生活に加えて、
空FCと同じく各章で新しい土地を訪れ、そこで起きる事件を解決しつつ、
それが後に起こる大きな流れに繋がっていくという形でしたね。
空FC大好きだからこの流れは楽しかったし、一つ一つの事件の規模も大きくなっていて途中の盛り上がりもこれまでの前篇(空FC・零)以上。
最後まで続きが気になって仕方ない、非常に楽しめるシナリオでした。
ボリュームも一通りコンプリート要素を抑えるプレイングで一周57時間と、これまでの前篇ものより充実していましたし。
ただそのうちロード時間がどれだけ占めているのか気にな(ry

ラストの締め方には賛否分かれているようで、批判意見もよく分かりますが、
個人的にはあの終わり方もまあアリかなと。
ただ、ラスダン・ラスボス戦がこれまでで一番盛り上がりに欠けていたのは間違いないですね。
FC零は各章の事件がラスボス戦へと収束し、デカい騒動を解決するという形でしたが、
今回はこれまでの話が収束していなかったし、動機もこれまでよりずっとショボイものだった。
その後で物凄い展開を見せてくれたから僕はあんまり不満ないんですが、
前篇であっても一つまとまったシナリオをやりたいって人から批判が集まるのは納得できます。

後、今作で素晴らしかったのは過去作とのリンク
空や零碧で強大な敵のように描かれていた帝国を舞台として、
その内部から人々や社会の状況を描くというだけで面白いというのに、
今作は碧の軌跡と同時進行というギミックまでありましたからね。
クロスベル側での動きがある度に、
「あー、この事件が来るとその後の帝国の状況が変わるだろうなあ」とか、
「うおおおお、ここであの話がきちゃったかー」とかドキドキワクワクしてました。
お互いがお互いの補完のような形になっていて、両方やると碧も閃より一層楽しくなりますね。
元々初見お断りみたいな感じのあるシリーズだけど、
今作は特に、少なくとも零碧はやってなきゃ面白さ激減ってレベルだよなあこれ。
商売としてはもちろん新規ユーザーへの配慮もいるでしょうけど、
僕としてはそんなの気にしてないからいいぞもっとやれって感じだったりw

キャラクター(メイン)

メインが全員学生、しかもいきなり9人揃っているということで、
相当薄っぺらいものになるんじゃないかと危惧していたんですが、
思ったよりもずっと厚みのある描かれ方で、全員それなりに好感を持てました。
主人公以外のキャラ同士の対立や友情描写があったり、
部活等でそれぞれクラス外でも絆を育んでいたり、
各キャラの故郷をめぐることでそのキャラの出自や昔馴染みとの関係を知れたりと、
零碧よりもずっとキャラクターごとの繋がりが充実していたのがよかったですね。
絆システムの弊害も零碧よりは幾分マシになっていたよう感じましたが、
やっぱりまだ引っかかる部分はそれなりにありますね(後述)。

一方やはり危惧していた通り、全員が学生というのは、
話のスケールに反して視野や世界が狭い感じがしたなあと。
今作一のお気に入りキャラはサラ教官なんですが、
それもリィンたちにはない、深い大人のドラマが感じられたからという側面があるのよねえ。
まあ全員同年代の仲間だからこその青春的空気感というのは、これまでにない新しい魅力でしたけど。
学院生活という舞台で育んだ若者たちの絆というのが、
次作の強大な事件を前にどういう形で活かせるのというのがこの点の評価を分けることになるかな。

キャラクター(サブ)

公式サイトで紹介されているそこそこ重要ポジションのキャラクターが、
既出のオリビエ・オズボーンを除いても20人もいましたが、
この全員に見せ場があり、忘れそうになるようなキャラが一人もいなかったし、
EDまでに全員の立ち位置や関係が一通り整理されているというのが素晴らしかった。
メインキャラと同等以上に魅力を感じる、次作で是非パーティにってキャラが何人もいました。
あそこに載っていないキャラクターでも、
貴族生徒のリーダーパトリックや学院の教官達などなど存在感ある良キャラがたくさんいましたし、
Ⅶ組の生徒たちだけでなく
次作での彼ら全員の物語が本当に楽しみで仕方ありません。

キャラクター(モブ)

毎度モブとの会話がめちゃくちゃ作り込まれていて面白いことがアピールポイントの軌跡ですが、
特にこの点について今作はずば抜けた出来だったのではないかなと。
各章で訪れる街のモブは空と同じくらいか少し下って感じの描写でしたが、
終始滞在する学院&トリスタの住人の魅力はもう本当に素晴らしい。
今作は時間の概念が明確にあるから、
彼ら一人一人にも入学して、部活に入って、トラブルを起こしたり、成長したり……という流れがあって、
モブキャラの一人一人にまでストーリーと呼べるレベルの動きがあるんですよね。l
3D化されるに従い生徒たちには一人一人固有のモデルや設定画まで用意されてますし、
もう今回の学院モブに関してはモブという言葉を使うのが失礼なレベルにまで感じられますわ。
部活等でメインメンバーともガンガン絡んできましたしね。
今作のモブ会話の楽しさは軌跡シリーズNo.1、
どころかRPG史上最もNPC会話が面白いゲームとまで言っていいのではないでしょうか。
というかそもそもこの点で軌跡を超えるゲームは無いんじゃないかって気もするけど。

シナリオとキャラについては、後にネタバレ全開記事で改めてガッツリ書く予定です。

ロード時間

うん、まあここを批判しないわけにはいかないよなと。
軌跡は毎回携帯機でやってきたので今回も、と思ってvita版をプレイしましたが、いやあもう酷かった。
開始直後のガレリア要塞イベントで、シーンとシーンの切り替えに20秒くらいかかったのにいきなりぶったまげましたわ。
発売一週間後に配信されたパッチで多少マシにはなりましたが、それでも相当長い。
一昔前ならこういうゲームもそこそこあったけど、
最近はもうこんなにロードが酷いゲームをお目にかかることが無かったしなあ……。
そりゃもうボロッボロに叩かれるのも道理かと。

軌跡は特に、お使い要素が多く何度もいろんな場所を往復してモブと会話するのが売りなゲームなだけに、
その度に多大なストレスをかけるのはいただけないでしょう。
屋上⇔中庭間はロードが無いからこの順番で移動しようとか、
一通り外の住人と話終えた後に□ボタンで建物間を移動しようとか、
プレイ中も自然とロードを少なくすることを意識させられて、こんなことを考えさせてる時点でアカンよなーと。

逆にこれだけロードが酷くても最後まで全く意欲が途切れなかったというのが、
今作の内容が僕にとって如何に魅力的だったかを物語っているようにも思えますが、
だからといってそれはそれ、これはこれ。
このロードだけでやる気を無くしてしまうプレイヤーも少なからずいたでしょうし、
ロードへの批判がせっかくよく出来ていた作品の評価に水を差してしまった。もうひたすら残念です。

碧で終盤のシリアスを台無しにするバグがあったり、
零evoの発売当初がフリーズ地獄だったり、
最近は毎度直ぐに発覚するようなドデカい欠陥が相次いでますよね。
こんなことを続けているようでは信頼なくしちゃいますよホント。
このシリーズにファルコムの社運がかかっているとかよく聞きますけど、
だったら納期に間に合わせることよりも、しっかり出来上がったものを大長編に付いて来てくれるユーザーに提供することを優先してくださいよと。
まあそれでも面白いから買っちゃうんですけど。だから反省しないのかしら。
今作で今までにないレベルのバッシングの嵐になったのが薬になってきれることを期待しよう。

グラフィック

今回から3Dモデルに移行して従来から一新したわけですが、
まあ一目見て分かるように、昨今のゲームの水準からするとまだまだ低レベルって感じでした。
とはいうものの、個人的にモーションの拙さとかはそこまで気にならなかったり。
ラウラさんの攻撃モーションがスイカ割りとか言われまくってたけど、それ見るまで特に意識してなかったし。

ただ、現在のレベルならやっぱりまだ2Dモデル時代の方がよかったなあというのが正直なところ。
あれが軌跡の大きな魅力の一つでしたし、
単純にちびキャラ+一枚絵の方がキャラが可愛くカッコよく見えた。
それに、動かしづらいモデルになったことで一部演出がパワーダウンしたのは否めない。
4章の某タイマン決闘シーンとか、2Dならそれこそ空SCのヨシュアVSレーヴェみたいな熱いイベントアクションシーンを作れたんじゃないかなと。

しかし一方、3Dならではのカメラワークを活かしたりといった新しい演出方法も見られましたし、
ノルド高原の過去にない雄大なフィールドなどまさに3Dだからこそという光景もあった。
現時点ではまだ2D派だけど、もっとパワーアップすれば将来的には3Dの方がいいのかなとも思って、
まあ今作は将来への投資のようなものだと考えればそれほど悪くないかなと。
もっとグラフィック関連の技術があがったら、
将来的に3Dモデルでリメイクされた空の軌跡とか発売してほしいなーなんて妄想したりw

BGM

ここは売りにしているだけあって、今作も文句なしに素晴らしかったです。
最初のガレリア要塞からもういきなり熱すぎましたわ。
あと今作のED曲は非常に素晴らしかったと思います。
メロディはカッコいいけど歌詞は切ないという今までにない感じで好印象。
EDの余韻に浸させてくれる良曲でした。

あと、今作は過去のボーカル曲をいくつか使ってくれるファンサービスが嬉しかったかな。
ただ、某シーンの歌が声優さんの声じゃなかったのはどうなんだよって感じでした。
せっかくcv増量したのに肝心なところでそれかい、と。

キャラクターボイス

今作から戦闘に出ないキャラも含め、ボイス量増でガンガン喋るようになりましたね。
CV自体に否定派ではないし、戦闘ではやっぱりあった方が盛り上がると思うんですが、
問題はキャラクターのイメージに声が合ってなかった場合でして。
具体名を挙げると、クレア大尉とエリゼの声にはどうも違和感があって、
彼女らが喋る度そこが気になってちょっとだけイベントが台無しになったような気分でした。
とはいえまあⅦ組はじめメインメンバーにはどれも気になりませんでしたし、
オズボーン宰相の演説などは声が加わってより迫力が……って感じだったのでまあ総合的にはアリじゃないかなと。

オーブメント

賛否が分かれているらしい今作のオーブメントの仕様変更ですが、
僕としては正直今までのライン制の方が好きでしたね。
あのアーツ表を見ながらあーでもないこーでもないと組み合わせを模索するのが楽しかったですし、
ライン数の少ないアーツキャラの優位点がEPの多さだけってのもなんだかあなあ。
今作はキャラの数が多いうえ入れ替わりも激しいので、
その都度いちいち頭を悩ませるのも大変だから簡略化しようという配慮もあってのことかもしれませんが……。

戦闘

散々言われているようですが、今回はもう完全にクラフトゲーでしたね。
攻撃クラフトは付与効果が多く全体的に協力、
補助や回復のクラフトも充実しており、CP回復手段まで充実している。
加えて物理攻撃のみで繰り出せる戦術リンクシステムの登場や、
オーブメントの仕様変更等もあって、アーツよりもクラフトの方が断然使いやすかったですわ。

戦術リンクシステムは単純に爽快感があるし、
キャラ同士の絆という趣旨を表現する演出としても悪くない。
ユーシス&マキアスとか、作中で取り上げられるペアはついついリンクを狙いたくなっちゃいました。
強さ自体もゲームバランスブレイカーってほどではなく、この新要素についてはわりと好印象でした。

今回一つ嬉しかったのが、状態異常が効く・効かないの2択ではなく、
耐性を数字で設定するシステムになったことで、ボスであろうと状態異常技が無効化されなくなったことですね。
ボスにも毒や眠り技が使えるっていうゲームはいいもんだと思います。
ただ、そのせいで状態異常が猛威を振いしぎてヌルゲーになってしまった感もありますね。
特に遅延と気絶は強すぎて、この2つを集中して叩き込めばラスボス相手でもノーダメクリアできそうな勢いですし。
そうでなくとも、今回は単純に強いクラフトが多すぎて中盤以降くらいはもうワンサイドゲームの様相を呈していたような。
僕は最終的に、リィン・ラウラ・エリオット・アリサ(ユーシス)というパーティで、
リィンラウラはひたすらクラフト攻撃、エリオットはディフェクターと補助、
そしてアリサとユーシスを交代させながら使ってノーブルとヘブンズを交互にかけるっていう戦術をとっていたんですが、
何かもう盤石すぎてラスボス戦なんかも全く緊張感がありませんでした。

ただし、敵のSクラ威力だけはヤバくてそれを喰らえば一気に壊滅寸前って感じでしたが、
基本的にはこちらが圧倒するのに、Sクラだけトンデモ威力で一挙逆転されるという調整の仕方はちょっと間違っているような・・・・・・。碧のときもここは酷かったですね。
戦闘のバランスの良さは
空>零>>>閃>碧って感じで、回を進めたり新要素を足したりするごとにドンドン悪化していってる気がします。
状態異常の仕様は保ったまま、なんとか上手い具合に調整を効かしてほしいですね。難しい注文だとは思いますが。

あと、零碧ではコンビクラフトやマスターアーツにお株を奪われていたSクラが、
今作では久しぶりにとっておきの必殺技というポジションに復権していたのが嬉しかったです。
やっぱり軌跡のとっておきといえばSクラだよなあと。
ただ、全員が1種類しか覚えないのと、全員が攻撃技ってのはちょい残念でした。
全体的に威力高めで、空の某放蕩王子のような産廃Sクラは流石になかったですけど、
それでもどうしても火力のあるキャラ無いキャラでSクラの価値に差が出ちゃうので、
低火力キャラには緊急回復や障壁展開のような補助Sクラを与えてあげてほしかったなと。
まあたださえ簡単な今作でその辺のSクラを設定しちゃうとさらにゲームバランス崩れちゃうかもですが。

絆システム

僕の中で零碧、特に碧の評価が低めな最大の要因がこの絆システムでして。
これがあるから仲間全員にとっての一番大事なキャラが主人公になって、他のキャラ同士の繋がりが薄くなる。
加えてルート分岐性みたいな形になるから、主人公と特定のキャラとの関係をメインシナリオで深めることもできない。
本編でまるで異性として誰かを意識している様子を見せないロイドさんが、
絆イベントでいきなり好きだみたいなことを言い始めたときはもう呆れ果ててましたわ。

そんな絆が閃にも続投されると聞いてもう悪い予感しかしていなかったのですが、
まあ零碧のときよりはマシだったかなと。
自由行動日の絆イベントはキャラの日常を知れる小話という程度だったし、
絆システムに遠慮して本編で主人公以外のキャラ同士の絡みが激減することも無かった。
まあこのくらいだったら許せるレベルかなあ。

しかし、後夜祭でのダンス+EDの小変化で、ルート分岐みたいなのが今回もあったのには顔をしかめてしまいました。
まあ僕が選べた異性のキャラ(エマ・フィー・サラ)とはどれも恋愛色が抑え目で、
零碧みたいな突発ギャルゲーイベントな感じにならなかったので安心しました。
リィンが「勇気を出して誘おう」みたいなことを言い出したのには引っかかったけど。
ただ、アリサ・ラウラ・トワ辺りのヒロイン色が強いキャラのものは確認できなかったので、
その辺のキャラだともしかしたらギャルゲー分岐みたいなことになっちゃってるかもしれませんが。
というかあの後夜祭の誘える条件は、よく分からないけど厳しすぎじゃないかと。
リンクレベル5で人物ノートも埋めてるキャラが選べないってのはなあ。僕はアリサを選びたかったんだけど……。

あと、零→碧がそうだったように、後篇では分岐で恋人に・・・・・・みたいなのをやらかすんじゃないかという不安はありますね。
最悪分岐エンディングをやるにしても、せめて恋人になるのはメインヒロインのアリサだけにしてほしいです。
やっぱりそういうのは固定されたシナリオでちゃんとやってほしいのよねえ。
空のカップル量産みたいなのも人によっては拒否感あるかもしれませんが、
僕はあれが大好きで大歓迎だったし、碧の女性キャラ全員が主人公に惚れて恋人になるみたいなのは気持ち悪くてしょうがないです。
ああいう分岐ギャルゲーみたいなのやるくらいだったら、もういっそ恋愛色を完全排除してくれた方がまだよっぽどマシかな。

パッケージ・ドラマCD

本編が素晴らしかったからこそ、なんでパッケージ画像があんなにやる気ないんだろうかと改めて怒りが湧いてくる。
零碧の時はしっかり描き下ろしで主要キャラ全員をカッコよく描いていてくれたというのに、
なんですか今回の「女性キャラ(特にフィー)の既存立ち絵を適当に並べてプッシュしました」みたいなやる気のない糞パッケージは。
最初に公開された時はてっきりとりあえず用意した仮のものなんだと思い込んでいましたが、
発売直前になっても更新されないから、「まさか本当にこれでいくのか……」とズッコケましたわ。
最悪既存絵を使い回すにしても、せめてⅦ組全員を集合させるのが筋というものでしょう……。

売り方に関して言えば、
「本編に収録できなかった重要シナリオをドラマCD化」などと恥ずかしげもなく売り出すのもどうなんだよと。
実際今作は相当なボリュームでしたし、確かにこのうえユミルのマップまで作ってプレイさせるのは作る側もやる側も厳しいかもしれない。
だから収録を見送ったこと自体には理解も示しています。もちろんプレイしたかったという思いはありますが。
ドラマCDのメインとして売り出されていたリィンの過去の詳細も、まあ本編だけでだいたい推測できるレベルのものではあって、
これを聴かないと本編を楽しむうえで大きな支障が生じるというほどのものでもなかった。
しかし、一方でドラマCDで初出の重要そうな情報なんかもいくつかあって。
限定盤を買った一部の人しか聴けないところだけでそれをやっちゃうのはどうなんだろうなあと。
せめて、リィンの過去話も含めユミルでこういうことがありましたというドラマCDの一通りのあらすじ・初出情報を、
一枚絵とテキストだけでもいいから一通り本編で紹介して、
その詳細をドラマCDで聴けます、という形にするべきだったんじゃないかと思います。
次作ではこういうのはやらないでほしい、やるにしてもせめて本編との関係を見直してほしいところ。

その他いろいろ

・フィールドアクション
零のときはロイドで正面から殴る→硬直してる間に回り込んでもう一度殴る、で簡単に先制取れましたが、
今回は硬直時間が短くなった(?)のに加え、カメラが若干見づらいのも加わって非常に厄介でした。
特に、常にパーティにいるリィンのフィールドアクションが糞性能なのはちょっとなあ。
まあ剛キャラは正面から殴っても気絶させられるという新仕様でカバーできましたし、
何よりリーダーを交代すると敵がこちらを見失うというバグのおかげで結局どうにかなったんですが。
ザコ戦は無駄なくサクサク進めたい派ですし、次作もできればこのバグは意図的に残しておいてほしいなw

・アクティブボイス
なかなかよい演出になっていたと思います。
ノルドを馬で駆けているときにアリサがハイテンションになっているとか、
軍の飛行艇が見えたときにこれで各自の反応を示すとか、
一々イベントシーンに移行せずテンポよく状況描写ができるというのはなかなか良いなと。

ただ、これが出ている間はNPCに話しかけられない、宝箱を調べられないないなど、
短い時間ではあるものの立ち止まって待ちぼうけをくらうのはちょっとストレスだったかな。
イデア自体は悪くないと思うので、この点だけ次作で見直してほしいところ。

・釣り
ボタンを押すだけの従来のシステムよりゲーム性が増してましたが、
連打は無駄に指がつかれるのではっきり言って苦痛でした。ここにゲーム性とか求めた無かったし・・・・・・。

・ブレード
後攻が圧倒的優位+最初の手持ちで戦局が大方決まるので、あまり戦略性が無かったような。
おまけのミニゲームなんぞに大して完成度を期待してないから別に構わないんですけど。

・人物ノート
さりげないけれど、文句なしに面白い追加要素でした。
ただでさえ楽しいモブ会話が、これを埋めていく目的が加わることでより一層素晴らしいものに!
ただ、どう頑張っても一周目では埋めきれない仕様なのはちょっと不満。
絆システムに配置するの自体はいいんだけど、上手いこと分散させてほしかったなと。

各要素の賞賛・批判はひとまずこんなところでしょうか。
後は別途記事でネタバレ全開のシナリオ・キャラ語りや次作妄想なんぞを書き連ねたいと思います。