めぐりあいクロニクル

2016-01-21

ワールドトリガーの面白さを語り倒したい(後編)

この記事は少年ジャンプで絶賛連載中「ワールドトリガー」のここがこう面白いんだとアチコチから語り倒す記事…の後半戦となっております。
偶然こちらにたどり着いた方は、できれば前編(↓)からお先にどうぞ

ワールドトリガーの面白さを語り倒したい(前編)

政治描写の充実

バトルが超面白いけど、バトル以外でも楽しませるのがワールドトリガー
その一つとして、「政治的な描写の面白さ」というのがあるように感じています。
打ち切られた前作「賢い犬リリエンタール」でも、
リリエンタールを狙う悪の組織の組織体制や上司の人となり等の描き方がやたら上手くて、「組織と人」の描写に定評があった葦原先生ですが、
今作における「ボーダーという組織の描き方」でもやはりその手腕は発揮されていまして。

トップの城戸司令、開発室長の鬼怒田さん、メディア対策室長の根付さん、
営業部長の唐沢さん、防衛隊指揮官の忍田本部長、玉狛支部長の林藤さん。
この6人の大人たちがボーダー上層部として組織の中核を担っているのだけれど、皆一枚岩という訳では無く、
f:id:kurumizaka:20160119212052j:image:w360
城戸司令らを中心とした近界民の排除を目的とする最大大手の城戸派
近界民どうこうよりも街の平和を第一とする忍田派
近界民とも仲良くしようぜという異端児の玉狛派、の三勢力に分かれているのです。
中でも考え方が正反対の城戸派・玉狛派が必然的に対立し、忍田派が中立という感じ。
基本的には勢力規模が城戸派>玉狛派で落ち着いているので日常的に激しくぶつかったりとかはしないんですが、
序盤の展開では近界民の遊真が玉狛支部入隊を希望し、さらに遊真が組織内のパワーバランスをひっくり返す黒トリを所持しているが故に、この勢力争いが浮上してくるようになる。
叩きのめすべき敵ではなく、あくまで味方の中での主導権争いということで、
水面下で互いの思惑を静かにぶつけ合い、
なんとか屁理屈で隊務規定の穴をついて不本意な命令を退けたり、強攻策に出たり、
戦闘を免れ得なくなっても、何とか穏便な形で事後処理を済ませられないか考えながら戦ったり。
一筋縄ではいかないボーダーという組織の勢力模様と、その中での大人たちの少年漫画らしからぬ戦いが何とも面白くて。
序盤はまだ個人的にも世間的にもあんまりバトルの面白さを評価されてなかったこともあって、
ワールドトリガーは戦闘してるよりも会議してる方が面白い」なんて言われたりもしました。
実際私も序盤はなかなかエンジンかからないなーと思っていた中、最初に「おっ、流石リリエンタールの葦原先生だ」と光るものを感じたのが、
隊務規定を犯して市民を救った修の処遇について上層部が話し合う第10話でしたからね…w

また、ボーダーは単に近界民と戦うだけじゃなく、いろんな角度からその運営ぶりを描写されていて。
前述した少年隊員を危険から遠ざける装置の発明、
仲間内で競い合って楽しく強くなれる、いい意味での「ゲーム感覚」で隊員達に重荷を背負わせないシステム作りだとか。
あとは組織を維持・発展させていくためのスポンサー集め等の資金繰り
市民の理解を得て、新入隊員やスポンサーをより集めるための広報戦略、及びそれに伴う対マスコミ対策などなど。
「少年兵だらけで構成された防衛組織」って時点でもういかにも漫画的ファンタジーではあるんだけど、
こういういろんな側面から組織の成り立ちを描くことで、リアリティを強化して現実的だと錯覚させるわけです。
f:id:kurumizaka:20160119213343j:image:w360
大規模進行の後、戦いで生じた犠牲についてのマスコミの追求と、それに対するボーダーの対策なんかが描かれた記者会見エピソードなんかは非常に読み応えありました。

また、組織が成り立つのための背景をしっかり描くということは、それだけ裏方業務に当たる大人達の有能さにもスポットが当たっているわけで。
実際、ボーダー上層部の大人達は皆ちゃんと仕事のできる有能なキャラクターとしてしっかり格を保っているんですよね。
水面下で勢力争いをしていても、有事にはちゃんとお互い無言で手を取り合える、きちんと全体の利益を考えられる大人だし、
何より皆、個々の業務においてその手腕を発揮していて、必要不可欠な人材だと感じさせてくれるのが素晴らしい。
忍田本部長は人柄も司令官としての手腕も有能で、いざという時にはには自身も最強クラスの駒として戦える頼もしき大人。
林藤支部長は遊び心を残した大人として飄々と玉狛の地位を守り、主人公たちの戦いを陰ながら支えている。
城戸司令はどっしり構えた揺るがぬトップであると同時に、かつて遊真に牙をむいた油断ならない人としての威厳も残している。
唐沢さんはボーダー全体を俯瞰して、冷静に損得を判断してベストな選択肢を考えられる有能営業マン。
鬼怒田さんと根付さんは会議シーンだと司令の取り巻きA・Bって感じだけど、
自分の担当分野ではボーダートリガー技術の根幹を支える凄腕エンジニア
汚れ役も買いながら「正義のヒーロー」という組織イメージを守る敏腕スポークスマンとしてそれぞれ手腕を発揮している。
少年少女の華やかな戦いの裏で、こういう大人達の働きも見られるのがワートリの面白さだと思います。

ボーダーの話ばかりしてきたけれど、政治的な事情等が描かれているのは侵略してくる近界民達も同じで。
基本的に侵略してくる近界民達は、トリオンそのもの、もしくはトリオン量が優秀な者を兵隊として育てるために攫っていくのだけれど、
大規模進行編等で大々的にやってくる人型近界民達は、それ以外にも何らかの政治的背景を抱えています。
f:id:kurumizaka:20160119212053j:image:w360
玄界*1側の世界の人間から見れば恐るべき侵略者だけれど、
彼らにも彼らの事情があり、その独自の目的を優先して行動しているのが一つ面白いポイントでして。
大規模進行編で襲ってきたところなんかは、全力を注げばボーダーを壊滅させられるくらいの強力な兵力を持っているように思われるのですが、
けれどそんなことしたって費用対効果は決してよくないし、彼らの主目的ともズレるから、そんな手には出ない。
敵も破壊や侵略を目的とする分かりやすい"悪"では無いってのがいいところなんですよね。

最近の展開で新しく攻めてきたところが、大規模進行編の敵国の属国に当たるところなんだけど、
宗主国の命令だから無視するわけにもいかず、玄界襲わなきゃいけないけど、
被害少なめにとどめたいし、復讐の可能性を考えるとボーダーからの恨みも極力買いたくないから、
市街地や玄界人にはなるべく危害を加えず、
サクッとボーダー基地だけに破壊工作して、『ボーダーの足止めしろ』っていう命令に最低限応えて義理立てしとこうぜ」
みたいな、何とも中間管理職の悲哀を感じるような内情がバトル前から明かされていて。
久々の近界民侵攻展開なのに、いきなりこんな拍子抜けさせかねない話をして大丈夫なんだろうかと心配しつつも、
個人的にはこういう敵それぞれに微妙な政治的背景があって、そのうえで攻めて来てるのが凄く楽しいのです。
敵それぞれミッションが違うから、戦闘の展開にバリュエーションが生まれて飽きさせないってのもありますしね。

f:id:kurumizaka:20160119212050j:image:w360
そういえば、最近ワートリの政治的描写の秀逸さを感じた描写として、
大規模進行編で捕らえた敵の捕虜から、そういった敵国の事情を聞き出すために「拷問を加えるか」を話合うシーンがありまして。
捕虜は所詮敵司令官の命令で動いていた一兵卒に過ぎないんだから、進行による被害の責を負わせるのもお門違いだ」ってのはちゃんとみんな分かってて、
穏健派の忍田さんなんかは実際そういった事を口にするだけれど、
近界民許さないよ派の城戸司令たちが、「かわいそうだから拷問はしないよ」っていうのもキャラ的にどうなのってところあって。
しかし少年漫画の主人公サイド、しかも弁えた大人達が拷問するシーンというのも当然描きづらいわけで。
そこで、近界民世界での戦争経験が豊富な遊真に、
「1人相手への拷問は非合理的。"憂さ晴らし"にしかならないよ」って解説させることで、
城戸さん達の態度を緩めることなく、説得力ある形で拷問展開を回避。こういうやり口が実に上手いなあと。
この後、ちゃんと捕虜以外に別の情報を得るアテを用意していたことで、首脳陣の有能ぶりを崩さないフォローまでしっかりしてますしね。
にしても、連載2周年記念の巻頭カラーという中堅作品にとっては貴重な機会で、
政治回メイン、しかもこんな拷問論を中学生主人公の口から淡々と持ち出してくる辺りはホント異質な漫画だなあと思わされますね…w

膨大なキャラクター数と魅力的な裏設定

ワールドトリガーはとにかく、ものっっっすごくキャラクターの数が多い
f:id:kurumizaka:20160117133357j:image:w600(画像は拾い物)
ボーダーのA級・B級チームが合計で約30隊ほどあり、
1チームが平均戦闘員3人+オペレーター1人の構成だから、それだけで単純計算で4×30で120人いることになる。
(最新126話現在で、既に内80人ほどが登場済み)
他にもC級隊員とか、上層部幹部、ボーダー外の人間、異世界の人型近界民なども合わせていったらさらに数は膨れ上がるわけで。
そんなたくさんのキャラクター達を話の展開に合わせてガンガン投入して、
後から徐々に掘り下げていくようなタイプの作りになっているので、
何気なくパラパラっと読んでいると、「あれ、このキャラ誰だっけ? どこで出てきたっけ?」って現象が起きたりする。
さらに、ワートリには「キャラの書き分けが出来てないから、誰が誰だか覚えられない」という三大dis文句*2の一つがありまして。
信者としては、「『数多いうえに、みんな現実にいそうな中〜大学生』っていう縛りがあるから難しいんや!」と擁護したいところだけど、
私もそこまで真剣に読んでなかった頃は、時枝・菊池原・奈良坂辺りのきのこ族がちょいごっちゃになってたし、
序盤から登場するメインキャラの迅・嵐山が髪型丸被りなのはどうなんだとか思ったりもするので、流石に葦原先生にちょっとそこのところの力が足りてないのは認めざるを得ない。
f:id:kurumizaka:20160117133352j:image:w360
というか迅・嵐山の件は作者本人も自虐してましたからね…w

しかし、キャラデザがやや被り気味なことを認めた上でも、
真剣に読み始めたファン目線ではちゃんとどのキャラも個性的に映って、きちんと差別化出来ているわけで。
単純にコミックス何度も読み返すようになったってのもあるんでしょうけど、
その他の理由としては、前述のように「○○隊所属、どこのポジション、ソロポイントがいくらで攻撃手○位」みたいに諸々の肩書きと紐付けてインプット出来ることが一つ。
汎用武器をどう使うかといった戦闘スタイルで差別化できることが一つ。
所属部隊のチームメイトや同い年のコミュニティ師匠と弟子などキャラ同士の関係性で個性が立ってくるのが一つ。
そして、ファンとして外せないのがコミックスカバー裏のキャラ紹介
葦原先生の愉快なネーミングセンスと台詞回しでみんな弄り倒されるとともに、
本編では触れられないままであろうこぼれ話とか、時にはすごく重要な設定もサラッと明かされたりして、この短文で一気にキャラを立ててくるのです。
f:id:kurumizaka:20160119212520j:image:w360
例えばこの時点ではまだ顔見せしただけで、戦闘シーンもろくに描かれていなかった加古隊の二人が、
11巻発売後に一気に殺人チャーハン職人、田舎出身の元野生児として定着して、ついでに諏訪隊堤さんもチャーハンで死ぬ男として属性を上乗せしてきたりとか。
加古さんはそれまで断片的な情報から一部でハイエースレズ女みたいなキャラ付けをされてたのが、この炒飯ショックで一気に上書きされて完全に風化しましたからね。
最新13巻では、シリアスネタキャラとして脚光を浴びていたB級1位隊長二宮さんがどんな角度から弄られるのか期待されていたところに、
「実は昔○○隊所属で○○、○○とチームメイトだった」という重大設定が明かされて斜め上をいかれたこととかも印象深い。
あと個人的には9巻の、人型美女近界民ミラさんが本国ではなまはげ女みたいな扱いで恐れられている、っていうネタが大好きだったり。
私はこの辺の話をネットで見かけてコミックス購入を決意しましたし、
他にもキャラプロフィールや隊別の作戦室設定画、Q&Aコーナー等等コミックスはおまけ満載で凄くサービスが充実してますよ。ジャンプ本誌でだけ読んでる方も是非!(宣伝)

…なんか若干話が逸れましたが、ともあれそんな風に熱心に読み込んだり、いろんな情報追っかけたりしていると、
ちゃんとどのキャラも凄く個性があって魅力的に映ってくるわけです。
まあ、本誌でサラッと読むだけで自然とキャラが頭に入ってくるっていうのがもちろん理想的なんでしょうけど。
そして、まだちゃんとキャラを覚えきっていなかった大規模進行編に比べて、
全キャラしっかりインプットした今の近界民進行編は、一人また一人と隊員が投入される度に「○○きたー!」「ここに○○を配置するかぁ!」とか大盛り上がりしているので、
「キャラ多すぎて覚えられないンゴ」が「これだけの数のキャラクターが重なって織り成す物語楽しい!」に変わると、何倍にも物語が魅力的に映るっていうのを私自身肌で実感しました。
このキャラを覚える・魅力に気づくっていう点がワートリを楽しむ上での一つ大きなラインであり、
熱心なファンとそれ以外で最も温度差があるところじゃないかなあと思ったり……。

頼れる仕事人とかわいい女の子達

キャラクター全般に共通する魅力を一つ挙げると、
繰り返すようですが、どのキャラも頭を使ってしっかり格に見合った自分の仕事を果たしてくれるので、
「頼もしい仕事人」イメージで渋い持ち味のキャラが非常に多い気がします。
一人で無双するスーパーヒーローみたいなのがほとんどいない一方で、
そういう燻し銀的な魅力の光るキャラクター達が、ちゃんと作中でも読者からも高く評価される漫画ですからね。
私もこの作品を読んでいるうちに、どんどんそういう魅力を放つキャラに惹かれるようになっていきましたからね。

あと、忘れちゃいけないのが女の子が凄くカワイイこと。
これはもう個人の好みですけど、葦原先生の描く女の子は非常に可愛らしいと思いますね。
f:id:kurumizaka:20160117145513j:image:w480
(拾い物画像。一部男の子とか別作品のキャラとかも混ざってます。カラーの子はだいたいアニオリキャラ
前述のように、少年漫画にしては凛々しく可愛い「戦う女の子」が充実している漫画ですし、
あとは各隊に必ず一人、可愛い女性オペレーターがついている*3のも嬉しいところ。
f:id:kurumizaka:20160117151031j:image:w240f:id:kurumizaka:20160117151019j:image:w190
f:id:kurumizaka:20160119212049j:image:w280f:id:kurumizaka:20160117151017j:image:w200
個人的にはゆるふわゲーマーの太刀川隊の国近ちゃん(Eカップ)、
画に描いたような正統派優等生美少女・嵐山綾辻さん(Cカップ)、
「アタシがいなきゃなんにもできねーなー! 」「なるべく粘って死ね!」の二言で即話題を集めた影浦隊の仁礼光(まだ不明)、
ファッションモデル飴玉ガール、諏訪隊のおサノ(Cカップ)、辺りがお気に入り。
ちなみにオペ子のカップ数はコミックスカバー裏で公開されています(宣伝)
新しい部隊が出てくるときは、すなわち新しいオペレーターをお目にかかることが出来るのも一つの楽しみですね。
戦闘員では前述した小南先輩と那須さんが二強な感じですが、
f:id:kurumizaka:20160119212048j:image:w360
しかし一番破壊力の高い一コマは、グラスホッパーで跳ぶ千佳ちゃんの太ももだと思います。
千佳ちゃんはちんちくりんヒロインのくせに、何気に一番いやらしい隊服だよねこれ…。

あとはとりあえずガンガンキャラを出して、後から後から魅力を深めていく作風とかも相まって、
一目で鮮烈なインパクトを残すキャラクターよりも、
話が進むほど、噛めば噛むほどどんどん味わいが出てくるキャラの方が多い印象もありますね。
私も序盤ではあんまりキャラの魅力に気づかなくて、
読み切り版の主人公だった迅のカリスマ性で持ってる*4ところあるよなー」とか思ってたんですが、
だんだんいろんなキャラの魅力を掘り下げていくうちに、気づけばその迅がお気に入りベスト10から漏れてたりしますからね。
ちなみに今のベスト10は、上から順に「東、小南、レイジ、那須、荒船、出水、修&遊真、太刀川、諏訪」って感じでしょうか。
ランク戦編で株を上げたB級隊員が多く名を連ねてるので、今後の展開次第でまだまだ変動しまくると思います。

ドラマの宝庫たる群像劇

膨大な数のキャラクターがいて、
皆で力を合わせて戦う・皆に見せ場のあるワールドトリガーは、
誰もが主役でキャラの数・チームの数だけドラマがある、群像劇的な味わいに満ちています。
修・遊真・千佳が出会い入隊するところから物語は始まるけれど、
それ以前からボーダーにいる他のキャラクター・チームには、おそらく既に膨大なドラマの蓄積があるはずで。
そして作者の性格的におそらく一人一人にきっちりそういう物語設定が用意されているのだけれど、
サブキャラの話一つ一つにそこまで尺を割く余裕はないから、そのほとんどはチラ見せだったり眠ったままだったりして。
そんな中でチラッと垣間見える過去のドラマを味わったり、断片的な情報から妄想を広げ語り合ったりするのがたまらなく楽しいわけです。
f:id:kurumizaka:20160119212519j:image:w360
例えば本編では唯一、A級3位の風間隊だけ断片的な結成秘話が描かれていますが、
他の隊にも一つ一つこういうエピソードがあるのだろう、とか考えると非常に熱いわけですよ。
メンバー全員が読書好きな諏訪隊はそこら辺に結成理由があるのだろうかとか、
熊谷が茜の兄と同級生」「熊谷が結成の立役者」という断片的な情報から那須隊結成経緯を推理してみたりとか。
あとは太刀川隊の新参者・唯我がやたらと玉狛第一の烏丸を敵視しているので、
実は烏丸は元太刀川隊所属で、唯我と入れ替わりで出入りしたんじゃないだろうかとか、色んな切り口からの妄想合戦眺めてるとワクワクしてきますね。

それから、群像劇といったら外せないのがキャラクターの関係性の広がり
さっきもちょろっと書いたけど、
チームメイトはもちろん、友人、ライバル、師弟関係などなどワートリでは様々な角度からキャラクター同士が繋がっています。
キャラクターは関係性の中で活きてくるものなので、
「こいつとあいつはライバル」みたいな新しい繋がりが明かされる度にドラマが生まれ、それぞれのキャラクター性がより深まり魅力が増していくわけです。
修・遊真・千佳の3人が新しくボーダーの先輩達と関係を築いていく様子を見るのも楽しかったりしますね。
f:id:kurumizaka:20160117170524j:image:w360(画像は拾い物。最新の状態だともうちょい複雑化してます)
狙撃手の始祖・東さんから始まる師弟関係の系譜なんかが熱いドラマの脈絡を感じさせてくれる分かりやすい好例でしょうか。

それと、この点で個人的に凄く印象的なのが、第92話(コミックス11巻収録)を読んだときの事
この回はランク戦とランク戦の間の幕間話で、戦闘も新キャラのお披露目もなくひたすらキャラ同士が会話しているだけなんだけれど。
遊真・修が先輩隊員達と初めて会ってコネクションを築いていくとともに、
双葉がなぜか木虎には冷たくて、年下に慕われたい木虎はそれにダメージを受けているとか、
一方で緑川はフレンドリーに接してくれるからホッとしているとか、
古寺栞ちゃんに憧れているとか、
ど間隊を離れた栞に構ってもらいたい菊地原は憎まれ口を叩いて、
イ修鵑糞特聾兇慮斉阿魑じいのできる歌川がフォローしているとか、
Χ鵡第二の面々は自分を大切に思ってもらうためにあえて千佳を甘やかしていて、
Г修譴鯤垢い師匠のレイジさんが千佳の教育方針を見直したりとか、
┨櫃塙啻イ琉縁めいたものが示唆されたりとか、
…長々と並べたけど、要はいろんなキャラの関係を見せ続ける回だったんですよね。
ひたすら会話、会話で一見すると地味な繋ぎ回なんだけど、しかしこれが私にはめっっっちゃ面白くて
この一話だけで、自分の中で印象薄かった古寺や歌川がキャラ立ったり、
人間味のある姿を見てより木虎の好感度が上がったりといろんなプラス効果があった。
ボーダーという舞台がそういう良い可能性を生む、人間関係ドラマの宝庫であることに気づいた。
そして、ワールドトリガーという作品が群像劇スキーの自分にとってどストライクであることをようやく完全に悟ったのでした。
この回の衝撃以降から、ワートリに加速度的にのめり込んでいって今があるわけで、
つまり私の2015年ワートリショックのきっかけを作った、非常に印象深い一話なのでした。

緻密な描写による圧倒的情報量

バトルの戦略性の高さや、
キャラクターの数の多さ、人間関係ドラマの多彩さによって一話辺りの情報量が半端ないワートリですが、
よく読み込んでみると、言語化されていない画だけの部分にもいろんな情報が詰まっているんですよね。
f:id:kurumizaka:20160119212745j:image:w360
例えば狙撃手が使うスナイパーライフルには、
射程重視の万能型イーグレット、威力重視の重砲アイビス、弾速重視のチクチク型ライトニングの三種類がありまして。
ほとんどのキャラが使い勝手のいいイーグレットデフォルトで使用しているんですが、
優秀な狙撃手は、状況に応じてさり気なくアイビスライトニングに持ち替えていたりするんですよね。
そういう細かい描写に気づくと嬉しいし、より作品を隅から隅まで味わい尽くせて楽しめるわけです。
f:id:kurumizaka:20160117195707j:image:w720
最近特に感心したのが、118話における的中数・被弾数を競う狙撃手訓練の結果発表シーン。
狙撃手界隈では、訓練はてきとーにこなすけど実践での戦績が圧倒的な天才・当真と、
訓練で常に1位を取り続けている秀才・奈良坂の2人がトップ2という扱い。
このシーンでもダントツトップの奈良坂と、唯一被弾0でやり過ごしている当真の凄さに目が行くわけですが、
よりじっくり読むと、当真が的中させているキャラは奈良坂も含めた強ネームドキャラばかりで、
気になる相手だけを的確に狙撃している当真の奔放さ・天才ぶりが際立ってくる。
そしてさらに目を皿のようにして読み返すと、
このシーンに登場するキャラクターはおそらくみんな当真にヘッドスナイプを決められているようで、
さらにその狙撃の精密っぷりが実感できる一方、
一人だけ肩に被弾=頭を回避している奈良坂もやっぱり他とは格が違うことが分かる。
……と、当真と奈良坂の2人に注目するだけでもこれだけ次から次へと発見が出てくるわけです。
他にも、ストレートに得点を見れば荒船隊の面々がA級にも遜色ない結果を出していたり。
ブース番号を見れば、千佳出穂以外にも隣り合ってる荒船隊トリオ・佐鳥別役古寺の同学年トリオの繋がりとか、
絵馬を気にかけている当真が近づいてきてるけど、絵馬は一個距離開けて座ったんだろうなあという光景が浮かんできたり。
あとは、当真の的中番号の中で唯一正体不明の338番はまだ見ぬ新キャラの伏線だろうか…とかも。
とにかくもう、この2ページにどれだけ情報量詰め込むんだというくらいの濃密ぶりで、
しかもそれをさり気なく散りばめることで、軽く一読する分にはサラッと読める設計なのがまた上手い。
情報量の多さをあからさまにアピールしないことで、何の気なしに読む人にはつっかえる障害を作らず、
しかし熱心に読み込む人に対しては物凄く濃密なページに化ける。いろんな読者層に対応している素晴らしい設計ではないかと。

ゆる〜く和やかな空気感と、冴えた台詞回しのセンス

元々ハートフルホームコメディという、ジャンプでは異色の漫画「リリエンタール」を連載していた葦原先生。
次作のワートリが始まった時は、「葦原先生もバトルものでジャンプ色に合わせてきたかー」と思ったものですが、
しかしそのジャンプらしくない和やかなコメディセンスは、ワートリにもきちんと継承されていて。
f:id:kurumizaka:20160119212517j:image:w600
ワートリの会話シーンは、良くも悪くもジャンプのバトル漫画らしくない感じがするんですよね。
バトルシーンではギラギラとした熱さを感じさせず、淡々とクールな言い回しが出てきて、
コメディシーンでもあからさまに笑いを取りに行かず、のんびりと愉快な台詞回しで楽しい気分にさせてくれる。
どんな時も全力感が無い、肩肘張らず脱力しているところがあって、それが個人的には気に入っていたりします。
f:id:kurumizaka:20160119212515j:image:w360
特に、遊真や修が初めて会った相手と話す際に、
いつも「どうもどうも、はじめまして」みたいな挨拶から入るところとか、実に和やかな感じで好きですねえ。ほっこりするしキャラにも好感持てる。

遊真といえば、相手のことを「ときえだ先輩」「ミドリカワ」とかひらがなやカタカナで呼ぶのも、いい感じにゆる〜い空気になって良いと思います。
というか呼称やニックネームの付け方全般の言語センスが素敵
「黒トリの白チビ」「トリオン怪獣」「落ち着いた筋肉」
「土下座返し先輩」「ミスターブラックトリガー
女子高生(斧)」「さわやかジェットゴリラ」「本物の悪」…etc。
人型近界民との緊迫した戦いの最中でも、「わくわく動物野郎」とか秀逸なネーミングが出てくるとついそっちに意識持って行かれちゃったりw

そんな脱力した会話を展開する一方で、時に台詞回しの巧さにドキッとさせられることもあったりして。
一例としては、バトルのときの話題で出した「気持ちの強さは勝負に関係ない」→「気持ちの強さで勝負が決まるって言ったら、負けた方の気持ちはショボかったのかって話になるだろ」の反転させ方とか。
あと、いくつかのキャラが持つ、印象的な決め台詞的の使いどころが上手いなーと。
f:id:kurumizaka:20160119212733j:image:w360
最も代表的なのが、一話から登場する遊真の「おまえ つまんないウソつくね」なんですが、
当初は近界民としての遊真の底知れなさを表す台詞って感じだったのが、
後々、実際に遊真が嘘を見抜くサイドエフェクトを持っていて、その力で苦しい思いもしてきたというバックボーンが明かされることでより台詞のドラマ性が強化されたり、
f:id:kurumizaka:20160119212901j:image:w360f:id:kurumizaka:20160119212514j:image:w280
敵の作戦を見抜く決め台詞としてバッチリハマったり、
時には相棒の修を諭す意味合いを持たせたり、バリュエーションの持たせ方に感心させられます。特に対修のときは痺れましたね。

遅効性SF

f:id:kurumizaka:20160119214348j:image:w480
以前キャッチコピー大賞という、ワートリのコミックス各巻に相応しいキャッチコピーをつけようという公募企画があったのですが、
その大賞に選ばれた作者公認の絶妙なフレーズが、「遅効性SF
つまり、じわじわと面白さが効いてくる、噛めば噛むほど美味しくなってくるスルメ漫画的な作品であると公式自らアピールしているわけです。
一方で、序盤の展開なんかはスローペースで中々エンジンがかからなかったりするから、
意地悪な見方をすれば、「話が進めば段々面白さに気づいてくるから、序盤で微妙だなーって思ってもすぐ切らないでね」ってメッセージに聞こえてくる気もw
序盤は特に打ち切りの壁を乗り越えるためなスピード感・インパクト重視が原則なジャンプの、しかもバトル漫画としては凄く異端児なマイペースっぷり。
実際しばらくは結構掲載順危うい感じだった気がするし、よくこのスタンスで生き残ってくれたなあと。
(のわりに何故かアニメ化が異様に早く決まったのはビックリでしたが)

こういう構造になってる理由の一つとして、まず一つはやっぱり設定の多さがあるからなあと。
ここまでこの記事読んできたら何となく分かると思うけど、独自の設定やら用語やらがなかなか多い漫画なんですよね。故にこの記事書くのすごく難しい…
だからまずはそういう設定を一通り紹介して、作品をちゃんと楽しんでもらうための土台作りに尺を費やす必要があったのでは。
「オリジナルなスポーツ競技的バトル」もその競技のルールや見方が分かんないと楽しめないもの。
スローペースでフックに欠けたという序盤も、アニメで見返してみると、
ボーダーと近界民」「トリオン兵と人型近界民」「トリガーとトリオン体」
ボーダーの運営形態」「サイドエフェクト」「黒トリガー」…等々の重要設定がだいたい一話に一つくらいのペースでバランスよく公開されていって、
あれはあれで、話を展開しながら上手いこと少しずつ設定を見せていっていたんだなあと。
ともあれ、そういう諸々の設定が話を読み進める中でだんだん浸透していき、
さらに、スポーツ観戦をするときのように自分なりの"醍醐味"を見つけていくことで、じわじわとワートリワールドの楽しさが沁みてくるんじゃないでしょうか。
あと、きっちり設定を固めて序盤から随所に後々への布石を張っている漫画*5なので、
1巻のキャッチコピー「やがてその意味に気づく物語」が主張するよう、後々読み返すと「あーこの時のこれはこういうことだったのか」「ここはあの展開へのフラグだったんだなあ」みたく新しい発見があって、再読することで奥深さに気づいていくというのもあるかな。
ボーダー設立経緯とか上層部の因縁とかはまだまだ伏せられていて謎だらけなので、
そこが明かされた後で読み返せば、特に序盤の内輪揉め展開なんかはまたさらに面白く読めるんじゃないかなあと期待しています。

キャラクターの描写の仕方なんかも、後からじわじわ効いてくる作劇を作り上げている要因の一つかしら。
キャラのところで書いた内容とも重複するけれど、
とにかくガンガン新キャラを出して、後から後から色んな設定を明かして魅力を深めていくっていうのがワートリのスタンス。
インフレしない殺さないキャラを切り捨てない作風も相まって、物語が進むごとにどんどん一人一人の魅力が強化され、魅力的な集団が織り成す物語として全体の強度を増していくのです。
当時は気に留めていなかった脇役の活躍も、後々そのキャラの魅力に気づいた後で読むと楽しいっていう再読性の面でも旨みがありますね。
黒トリ争奪戦とか当時は「なんかいっぱい新キャラ出てきた」くらいにしか思ってなかったけれど、
今読み返すと超豪華メンバーによる夢のドリームマッチ的な様相を帯びてきますからねー。
こういう「後から後から魅力が強化されていく」形式の代表例はやはりB級6位隊長の東さんでしょうか。
所詮B級隊員の人
→未知の敵に捉えられそうな仲間を、即フレンドリーファイアでベイルアウトさせて助けるちょっと出来る人
→A級や人型近界民からも一目置かれる有能指揮官・B級隊員では抜きん出た存在
→「狙撃手の始祖」として多くの弟子・孫弟子がいてなんか凄い人っぽい
…と出てくる度どんどん株を上げていって、ついに積み上げた期待感にふさわしい「元○○」という肩書きと実力がランク戦でお披露目された流れは非常に熱くて、強烈な印象を刻み込まれたものです。

あと、個人的にもう一つ「だんだん魅力を強化していく」印象的な例として外せないのが、同じくB級隊長の荒船さん
荒船は東さんと同時に狙撃手志望新入隊員への指南シーン(34話)で初登場しているのだけれど、
f:id:kurumizaka:20160119213423j:image:w360
当時は名前が明かされることもない背景チョイ役扱い。ぶっちゃけ私もこの時登場していたことを認知していなかった。
その後、大規模進行編の人型近界民戦で再登場し、ようやく荒船隊隊長・荒船として正式に紹介される。
この時は、瞬殺されたチームメイト2人に比べれば生き残った分それなりに仕事していたんだけど、
あくまで東さん率いるB級合同隊の一員でしかない感じで、有象無象のB級隊員としてそれほど記憶にも残らない。
f:id:kurumizaka:20160119213408j:image:w200
しかしコミックスおまけで「ハリウッド映画好きで、やたらカッコよくビルから飛び降りる"アクション派狙撃手"」という設定が公開されて、「ちょっと面白いなこの人」というフックが一つ出来る。
そしてB級ランク戦の敵チームとして本格的にスポットが当たると、
狙撃だけではなく攻撃手としてもかなりの腕前を誇る、希少な遠近両対応隊員という味のある肩書きを披露
剣・狙撃共にその名に恥じぬ痺れる立ち回りも見せてくれて、一気に株が急上昇していきました。
戦闘後も同い年の友人・村上鋼とのエピソードなどで人間関係の面から掘り下げられていき、
f:id:kurumizaka:20160119212513j:image:w360
極めつけは「遠・中・近全てを高いレベルで極めたうえでその方法を理論化して、現在一人しかいない遠中近全対応パーフェクトオールラウンダーを量産する」という遠大な野望を抱いているという衝撃の事実。
この強烈なエピソードで、ついにお気に入りベスト5にくい込むくらい魅力的なキャラに化けたのです。
B級と言いつついろいろ重大なポストにいる東さんと違って、荒船はあくまで一介のB級中位隊員に過ぎない程度のキャラなので、
そんなキャラにもこれだけ面白い設定やドラマが眠っている作劇の凄みがよりダイレクトに実感できたのです。
そしてこの設定を知った上で読み返すと、最初の訓練シーンにさり気なく荒船を配置してたのは、指導者志向のあるキャラだからなのかという発見もあったりして。
設定が一つまた一つ明かされるたびにキャラがどんどん魅力的になっていく、
それを踏まえて読み返すと新しい気付きがあってより楽しくなっていく。この辺の仕様も遅効性たる所以ではないかと。

それから、個人的に遅効性を一番身にしみて実感できたのはキャラクターの強さの見せ方でしょうか。
ワートリって後から後からパワーカーストの下位層を掘り下げていく、パワーインフレを逆を行っているようなところがありまして。
序盤ではいきなり黒トリ使いの遊真・迅がA級の精鋭隊員達を圧倒するので、
「A級隊員」という肩書きにも対して凄みを感じなかったのですが、
大規模進行編に入ると、サクサクやられるB級隊員と違ってA級は皆頼もしく働いてくれるので、
「あ、やっぱA級隊員って凄いんだなー。B級とはちょっと格が違うわ」とA級の株が上がる。
しかし、B級ランク戦に突入すると、B級中位辺りでもそれなりの戦略性と練度をしっかり兼ね備えていて、
「あれ、B級も十分凄いじゃん」…と。
すると、そんなB級の上に立つA級隊員はさらに凄みが増していくると、
B級・A級が力を合わせてなんとか倒した人型近界民の危険さも説得力をましてくるし、
A級集団を圧倒していた黒トリ使いの遊真・迅なんかはとんでもない存在だったんだなあと。
黒トリ一つの存在でてんやわんや勢力争いしていた理由も、ここに来てより確かに実感できてくるわけです。
「B級が雑魚なのではなくA級が強い」「A級がショボイのではなく黒トリがチートクラス」
下に向かって強さを描いていくことで相対的に"みんな凄いヤツ"になっていて、凄い奴同士の戦うバトルシーンが段々面白く読めるようになっていったのでした。
現状エンタメ的な盛り上がりの最高潮は大規模進行編のクライマックスだと思うのですが、
B級ランク戦編に入った2015年になってから本格的にワートリにのめり込んでいったのは、
こうした遅効性を実感させてくれる要素がランク戦編に多かったから…って気がしますね。

「序盤はぶっちゃけなかなかエンジンかからないんだよなー」
「オリジナル設定が多いけど、頭に入ってから読むと面白んだなこれが」
「じわじわ面白くなってくるだって! ホントホント!」とか言ってるのを見てもわかるように、
一発で引き込める分かりやすいフックが無いワールドトリガーという作品は、ぶっちゃけ他人に薦めるのがけっこう難しいと思います。この記事書いていて凄くそれを実感しました。
まあ、もちろん私の筆力不足って問題も多大にあるのでしょうけれど……。

何だかんだそれなりにコミックス売れて、アニメもアニオリで食いつなぐ程度に支持されていてとそれなりに軌道に乗ってきた感じはしますが、
逆を言うとこれ以上、一気に読者層を広げられる機会というのももう無いように思えて。
ヒロアカとかがジャンプ漫画の王道を進んで看板になっていく影で、
一部のマニアが細々と語り合っている中堅下位ポジションくらいに落ち着いているイメージしかもう湧かない今日この頃です。
「それはそれでいいじゃない」「むしろそれがワートリのいいところじゃない」とか思わなくもないですが、
一ファンとしてはやっぱり、「このとんでもなく面白い漫画が、もっと多くの人に読まれてほしい」っていう気持ちの方が強いわけで。
打ち切りの可能性だってまだ消えたわけではないですし。
(この漫画の場合、それよりもDグレみたく作者の体調面の問題で移籍とかになる危険性のが大きいけど…)

まだ未読で、かつこのクソ長い記事に最後までついてきてくれた人がいるのかどうか怪しいものだけれど、
ともあれ、「こんな長文エントリーを垂れ流してしまうくらい、訴えかける力のある漫画なんだ」ってことだけ伝わってればいいなーと思います。

もし試しに読んでみたくなったら、漫喫なりレンタルなりで10巻くらいまでまとめ読みしてみるのがオススメだよ!
ジャンプで既に読んでて、「あーけっこう面白よね」くらいの評価の人も、
もっかい読み返してみると奥深さに気づいて見違えるように楽しくなる可能性があるから試してみよう! ではではさようなら。

※2016.1/21 19:10追記
そういえば「作風やファン層考えれば、おそらくジャンプ史上最もデータブックの需要が高い漫画でじゃないかなー。超欲しい!」って話を書き忘れてたなあと思いながら帰ってきたら、
なんとホントにデータブックが出るみたいでビックリ仰天。
預言者になり損ねたなーとちょい悔しがりつつも、嬉しすぎてニヤニヤが止まらないです。
この記事が想定外に多くの方に読んでいただけたのもすっっごく喜ばしいのだけど、完全にデータブックの衝撃で上書きされてしまった…w
この漫画好きな人って、私がそうであるように
ゲームのステータス画面とか攻略本とか眺めてニヤニヤしてるような人種が多そうなので一大イベント感ありますねえ。家宝にするわ…。


ただ、かつて2ヵ月連続単行本刊行でボロボロになった葦原先生の体調面が心配になってもきますね。
絶対に需要あるだろうと確信しつつも、データブック出るかどうか読めなかったのはその辺の問題が大きかったわけですし。多少の休載は覚悟しておこう……。

書きそびれた話は他にも、
・B級中位隊長諏訪さんの扱い方に「B級を大切にする」この作品のコンセプトが現れてるよね
・キャラの精神年齢がやたら高いよね
・葦原先生はたぶんショートカットフェチだよね
…等々いくつかあるんだけど、ただでさえドン引きレベルの長文なんだしかえって良かったかもしれませんね。

*1:主人公たち・ボーダーのいる"こちら側の世界"を近界民たちはこう呼んでいる

*2:あと一つはたぶん、「デフォルメ顔(3の口)の多用がキモい、ムカつく」辺りだと思う

*3:厳密にはオペレーターは必ずしも女性限定ではないのですが、ほぼ全員が女性という設定があり現状登場しているのは100%女の子。理由は「女性の方が並列処理能力に優れているから」だとか

*4:序盤の展開で迅が一番鮮烈に活躍するキャラ、ってのが大きかったんでしょうけど

*5:ごく一部、ここ序盤はまだあんま設定固まってなかったんだろうなーと思ってしまう描写もあったりはするけど

sketchsketch 2016/01/21 17:15 筆者さんは本当によくワールドトリガーを読まれていて、共感するところや、新しい発見もありました。このとんでもなく面白い漫画を是非多くの人に広めて頂きたいです。

kurumizakakurumizaka 2016/01/21 22:04 >sketchさん
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
私自身いろんな方の感想を読みあさって、共感したり新しい読み方を見つけたりするのが大好きな人間なので、そういう楽しみを届けられたなら幸いです。

kwnkwn 2016/01/21 23:54 拝読させて頂きただただ共感致しました。
disのひとつである命を懸けない(=淡白、気持ちが乗らない)、描き分け云々に対し
論破する論拠が不足していた自分を不甲斐なく思うと共に
今後自信を持ってワートリを推していきたい!という気持ちになりました!
どうもありがとうございました!!

kurumizakakurumizaka 2016/01/22 21:05 >kwnさん
お付き合いいただきありがとうございました。
個人的には、感じ方は人それぞれ、「書き分け出来てないからダメ」「永久退場するリスク無いから緊張感ない」って意見も出てくるのは仕方ないなって思うので、
論破というよりは「それはそうかもしれないけど、でもこういう魅力もあるんだよ」ってアプローチができたらいいなあという気持ちで書いてました。
自信を持って推せる素晴らしい漫画なのは間違いなのでガンガンやっていきましょう!

kankan 2016/01/23 00:49 前編・後編ともに最初から最後まで読ませて頂きました!
私も1話から本誌でずっと追っていて、そこそこ好きぐらいの作品ではあったのですが、ランク戦が始まったぐらいで見事に沼にハマりました…(笑)
確かに作風や作画上、好みが分かれそうな漫画なので他人になかなか薦めづらいですが、こんなにも面白い作品なのに今の知名度のまま終わってしまうのは勿体無いですもんね!

2016年、ワートリにハマる方が1人でも多く増えますように……。

いぬいぬ 2016/01/23 01:06 二宮さんが雪だるま山盛り作ってたこと書いてくださいー

kurumizakakurumizaka 2016/01/23 11:47 >kanさん
お付き合いいただきありがとうございました。
個人的にはジャンプ漫画は「序盤でガッツリ掴まれて、連載が進むにつれて若干冷めていく」みたいなパターンが基本だったので、ワートリのじわじわ面白さが浸透してくる感覚は新鮮でした。
合わない人は仕方ないけど、
ハマる人はとことんハマるだけのものはある漫画だと思うので、そういう層にはしっかり届いて欲しいなあと思いますね。

>いぬさん
スーツ隊服に改造バッグワーム、ポケットインでオシャレ分割アステロイドに極めつけは謎雪だるまとネタの宝庫な二宮さんについても語りたかったところですが、長くなりすぎた関係もあって泣く泣くカットしました。
雪だるまのシーンは画像使おうとするとランク戦結果のモロネタバレにもなっちゃいますしね…w

風神丸風神丸 2016/01/23 14:18 はじめまして。

自分もジャンプ自体はもう8年くらい前から毎週購入してて、ワートリ連載してからも軽く読むだけな感じだったのですが、昨年何気なく録画してたワートリのアニメを観て「あれ、ワートリってこんなに面白かったっけ?」と思い全巻購入し再読。
それからワートリにハマりにハマって今ではワートリの為にジャンプを買ってるようなものですw

そんな私事は置いといて……前編後編読まさせていただきました!
うんうんと頷きたくなるような部分が多く、よくこんなに長文を書けるなーと感心しました!自分が文章力ないのもそうですが、筆者さんが本当にワートリ好きなんだということが伝わってきます!

筆者さんの書かれたとおりワートリは新規が入りづらいのがスゴく悔しいです。
毎週キャラの繋がりだったりトリガーの仕組みだったり新しい情報が提供されてはいますが、それで新規が入るかと言われると難しいですもんね……。ワートリファンにはたまらない内容なのですがw
筆者さんの熱烈なこの記事を見て少しでも多くのワートリファンが生まれると嬉しいですね!

tsukadtsukad 2016/01/23 17:35 はじめまして、twitterから流れてここへ辿り着きました。

凄い量かつ熱のこもった文章、本当に凄かったです。
しかも内容も的確というか読んでいて「そう、そこがワールドトリガーの魅力だよね!」というポイントをビシビシ突いていて「ああ、やっぱり自分と同じように感じてる人がいるんだ」と安心したというか心強さを感じました。

コミックカバー裏のアレを見てしまうと、ファンブックでもキャラの何かしらの情報がさらりと投下されそうなので今から楽しみです。

kurumizakakurumizaka 2016/01/23 20:04 >風神丸さん
お付き合いいただきありがとうございました。
私もアニメが面白さを見つめ直す契機の一つになった感じはありますねー。
書いてる側としてはあまりに長文すぎて、我ながら誰が読むんだこれ…と途中から思い始めていたのですが、
予想外に多くの方が付き合ってくれたようで、ワートリファンの熱意とあたたかさに頭が下がる思いです。

>tsukadさん
お付き合いいただきありがとうございました。
私自身も、いろんな感想を読みあさって「そうだよね、そこが面白いよね」と自信を深めながらこのエントリー書いてたので、そういういろんな人の声のおかげでこうして自分なりに整理することが出来た感じですね。
コミックスおまけのちょっとした情報だけでもお祭り騒ぎなので、
データブックはどれだけの爆弾が飛び出してくるのかワクワクドキドキが止まりませんわ…。

すわすわ 2016/01/28 19:29 前編・後編ともに共感する所が多数ありとても楽しく読ませていただきました。
僕がジャンプを買い始めたのもワンピースアラバスタ編の頃でしたけど、ここまでハマれる漫画は他になかったです!!!
ワールドトリガーは、考察するのが楽しい漫画だと認識しています。
例えば、ユーマのサイドエフェクト使用時の眼の色一つとっても知ってる人は更に楽しめる要素として、知らないかったとしても問題なく話が理解できる葦原先生の話の作り方にゾッとします(*^^*)
そして、一度そういう要素を見つけてしまうと今週のジャンプには?もしかすると先週のにも・・・と何度も何度も読み返してしまいます笑
先述のワンピース等の作品と比べると、ワールドトリガーはどちらかと言うと週刊で読む方が楽しめる漫画だと思うので人にすすめるのが難しいのですが、このように今までを振り返りつつその魅力を細かく伝える文章やレイアウトに感動しました(≧∇≦)

チベットスナギツネチベットスナギツネ 2016/01/29 17:47 初めまして、ワートリ愛に満ちた熱いエントリー、読ませていただきました。
自分が今まで感じてきたけれど、なかなか人に伝えられずにいたワートリの魅力が言葉になってズラリと並んでいるのを見るのは胸がすく思いでした。
これからもワートリの素晴らしさをどんどん発信していって下さい。この記事をお手本に、自分も知人にオススメしてみようと思います。

自分としては更なるワートリの魅力として、芦原先生の「焦らし」上手も挙げたいと思います。
関係者の台詞からその存在と強者の匂いをチラつかせ、ファンの期待値が上がりきったところで満を持して登場した冬島さん&カゲ。
未だその全貌を見せていない風刃使い候補者達。
いよいよ非実在説や少年誌で見せられないビジュアルだよ説まで一部で囁かれだした草壁隊及びレイジさんの全武装などなど、
つい最近本誌で判明したアタッカー3位のあの人は個人的にはズコーでしたが(実力的には妥当だと思う、思うんだけど……!)、
【名前だけ出てたキャラのお披露目回への期待】も、ワートリの楽しみの一つといえるのではないでしょうか。

kurumizakakurumizaka 2016/01/30 00:46 >すわさん
お付き合いいただきありがとうございました。
遊真のサイドエフェクトの発現シーンとかもさり気なく描写されてて、
気づくと楽しくなってくる演出の一つですよね。
この先また新しい設定が開示されれば、
そういう気付きも増えてきてまた読み返す楽しみが増えるんだろうなーっていうワクワク感あります。

>チベットスナギツネさん
お付き合いいただきありがとうございました。
普段はほとんどアイドルマスターの話しかしてないようなブログなので、
客層的にワートリの話書いても読む人いるのかなー的なところあるんですが、
今回で味をしめたのでまたいずれ何か書くかもしれませんね…w

焦らし要素も確かにいいですねえ。
風刃候補者とか草壁隊長とかもそうですが、
特にランキング大好きマンとしてはやっぱりソロランキングがどうなってるのか気になって仕方ないです。
シューターと分けられてるっぽいガンナーランクはどうなってるのかとか、
オールラウンダーがどういう扱いになってるのかとか。
あとは単純に出水とか東とか順位不明の強キャラがどこにいるのかとか…。
アタッカー3位は確かにちょっと肩透かし感ありましたが、
だとしたらレイジさんがアタッカーガンナースナイパー全部でランクインしてるとかいう可能性もあるのかとかまた気になってくるところ。
今度のデータブックでこの辺がいくらか明らかになるのかもしれないと思うと、ドキドキ止まんないですわ。

アッキーアッキー 2016/02/13 22:00 はじめまして。これまで読んだワートリについての記事でナンバー1です。たまたま第一話を読んで、面白いなと思って、アニメになって更にハマったジャンプ歴30年のおっさんです。(今はワートリとこち亀しか読んでませんが)ワートリの魅力をここまで言葉にできる著者さんを、ホント尊敬します。三国志のような群像劇と、およそ10代、20代には思えない精神的な成熟度の高さ(特に東さん)。あと、意味のない雑魚キャラや単なる悪役がいないというのが、キャラクターが実際に生きて存在しているようなリアリティをもたらしているように思います。改めて、良い記事をありがとうございました。

kurumizakakurumizaka 2016/02/14 23:12 >アッキーさん
ネット上だと、数十年前からジャンプを読んでいる所謂黄金期を経験した世代からは、
とにかく「今のジャンプクソすぎ」「こんな漫画黄金期のラインナップに入ってたら即打ち切りだわ」みたいに言われているイメージがあるので(偏見)、
そういう読者歴の長い方から面白いって言ってもらえるのはちょっと嬉しいものがあります。
どっちが面白いかとかは別として、今までのジャンプに無かった新しい切り口の面白さを提供しているのがワートリの良いところだと思いますので…。

ジンジャージンジャー 2016/03/22 19:24 ワートリ関連の記事を眺めにふらふらしていましたが ふと目に止まって読んでみたトコロ 共感する内容が多かったので遅まきながらコメントなど(^_^;)

自分的にワートリの魅力というか刺さるポイントは戦術設定というか軍事メソッド?(若干 意味が違うかもしれませんが…)がちゃんと設定されているように見えて それが何気ない場面でさらっと開示されている点でしょうか

確か千佳が入隊して最初の訓練だったと思うのですが「撃った後 走らなくて良いんですか?」って尋ねるシーンがありましたよね?
それを見た瞬間「この作者 そこまで考えて描いてるんだなぁ〜」と感心しつつ読み続ける事を決めたものです

最近だと記事にも上がっていた「(拷問で得た)情報は複数を擦り合わせないと意味無い」ってのもぐっと来ましたね

あと「撃った後〜」のシーンではレイジさんの師匠としての優秀さ・先見の明 千佳のスナイパーとしての潜在能力をあの何コマかで表現していて お気に入りです

何だか嬉しさで長々宣ってますが 記事を読ませて頂くとと自分はまだまだ読み込みが足らないなぁ〜とも思います
素晴らしいご考察です
(≧ω≦)b

kurumizakakurumizaka 2016/03/22 22:02 >ジンジャーさん
戦闘面、政治面両方で軍隊的なリアリズムが上手く詰まってるのは良いですよねー。
戦闘面だと徹底した情報の大切さへの拘りや、
「狙撃手は敵に位置を知られたら負け」「銃手は敵に攻撃を集中させられるのが強み」辺りの描写がそれっぽくて良いですね。
政治面ではやっぱり、記事中にも書いた拷問理論でしょうか。
戦争の責任を手駒一人に背負わせるのは筋違いっていう前後の描写も含めて、あそこはホントに感心しました。
可愛い絵柄とクールな内容のギャップの面白さや、
説得力ある描写で気持ちよく物語を楽しませてくれるのがワートリの強みの一つですね。

きなこきなこ 2016/03/24 23:32 始めまして。執筆から少し間が空いた時期に読ませて頂きましたが
とても共感しました。ワートリは只のバトル少年漫画ではなく
政治面や戦争面での駆け引きが細かく描写されててとても痺れますね!
個人的に修の記者会見と遊真の拷問解説は凄いと思いました、あれ少年漫画でするか?
あの時の忍田本部長と鬼怒田さんのやり取りは警察で犯人に対してやる
「脅しと擁護」のスタンスですよね。犯人の心を解く典型的手法なんですが
鬼怒田さんが拷問すると言って脅し、忍田本部長が諭して味方アピールする…
こんな細かい方法を少年漫画でさらりとやるワートリが面白い

緊張感が足りないとかのディスりも見かけますが
「土砂災害で命を懸けて真剣に活動していたレスキューの隊員たちが
休憩中にコーヒー飲みつつ談笑している所をマスコミが写真を撮って
『人命が掛かっている時に笑っているのは何事か!』と
記事を書いた上に真に受けたバカがレスキュー隊を叩いた」
というのを思い出してしまいました。
現実にも居るので漫画でも行間が読めない人はいるのかなと割り切ってます

kurumizakakurumizaka 2016/03/26 00:42 >きなこさん
バトル漫画としてはややパンチ力にかけていた序盤でも、こういう駆け引き描写は目を引くものがありましたね。
黒トリ争奪戦編の、迅が林藤支部長を挟んで司令からの命令解釈を捻じ曲げるところとか、
戦闘後の「優位に立った今が交渉のタイミング〜」という描写とか、
この辺の面白さが、凡百の打ち切り漫画とは一味違うなと思わせてくれた記憶があります。

チーズあんこ炒飯チーズあんこ炒飯 2016/03/27 16:59 初めまして。先程記事を拝見して、いちワートリファンとして称賛を送りたいと思い書かせて頂きます。
仰る通り、ワートリは人に勧めるのが非常に難しい漫画だと思いますが、そう考えた時「ではワートリの魅力をどう伝えるか?」が「ワートリをどう表現すれば興味をもってもらえるだろう?」となった時、自分の中でもワートリについて掘り下げる事ができると感じました。
この記事は前編後編に渡って、ワートリの魅力を分かりやすく、かつ構造的に書かれていて、とても読みやすかったです。

BBFでの葦原先生のインタビューで「名前を考えたら、あとは勝手にキャラが喋りだし、他のキャラと関わっていく」という部分と、「1vs1のバトルより集団戦の方が書きやすい」と仰っていて、そういう先生の漫画作りを聞いてから本誌を読むと、更にワートリが面白くなってきました。

個人的にはワートリのバトルの魅力は【敵の撃破、全滅が勝利の絶対条件ではない】という部分だと思います。これは他のジャンプ漫画ではあまり見られない手法だと思います。
これは特に大規模侵攻の全編に渡って描写されていた事ですが、文字に起こせば→【アフトは人型が個々の戦場で戦術的不利、若しくは敗北を喫したが、戦略目標である雛鳥の確保及びエネドラ&ヒュースの処分を実行し、遠征を成功させた。】という所でしょうか。
例えばランバネインの戦闘は分かりやすい部分です。ランバ戦は局面だけで見れば【ランバの性能やスタイルを戦闘記録から参照して作戦を立てる情報戦】→【ランバネインは、自身を半包囲する敵の正確な規模が不明と判断し、上空で俯瞰による索敵→牽制射撃→分断→各個撃破を試行】→【反省から学んだ緑川の成長描写】→【それを直ぐ受け止め、対応を変化させるランバの判断力】→【その動きを捉え、的確な判断を下す東さんによる包囲戦】→【違う隊のメンバーと連携を取って囮と網を張るボーダーの対応力】→【ボーダーの動きを読んだランバと、数の力で裏をかいたボーダーの差】
たった数話でこれだけの描写があるのにも関わらず、大局的には【ランバがB級合同を誘引し、ラービットに仕事させた】という点でボーダーが敗北しているという部分が非常にシビアで面白いですね。ヴィザがトリオン兵で小南を分断する策を弄して、レイジも不利を承知で小南に追撃させる等、『敵・味方の双方が、常に目先の勝利でなく、設定された戦術・戦略目標の達成を念頭に置いて判断している』というのが一番の特異な部分だと思います。更にこうした部分では、各キャラの判断のレベルが違う事も醍醐味として挙げられます。具体的には"帥"として忍田さんやハイレインが敵の戦略目標や対応で大局的な判断を担っており、"将"としてレイジさんや東さんのような各部隊の隊長が戦術レベルでの現場対応の判断を要求され、"兵"として各隊員が戦法の取捨選択を短期、長期の両面で迫られる等、同じ戦場において、各部署・階級に応じて戦闘の捉え方が異なるのは非常に興味深いと思いました。
そして、そうした駆け引きがあるからこそ"もたざる者"である修が活きてくる場面が発生するのが素晴らしいと思います。実際、圧倒的な戦力差でもって自身を追い詰め、殺害寸前まで追い詰めたハイレイン、ミラという黒トリ2人に対して【チカとキューブを入れ替える】という手段で、戦闘には敗北したが戦略的勝利を収めたシーンはその象徴と言えると思います。

長々と書いてしまいましたが、今後も葦原先生の体調が好転する事を期待しつつ、ワートリを応援したいと思います。失礼しました。

kurumizakakurumizaka 2016/03/27 20:07 >チーズあんこ炒飯さん
ただ「目の前の相手を倒すだけ」じゃなく、戦いの中にいろんな目的や政治的背景があるのはワートリの個性ですよね。
アフトの神探し&ヒュース・エネドラの処分とか、
ガロプラの「宗主国に義理果たさなきゃだけど、玄界の恨みも買いたくない」的な板挟みっぷりとか、
ボーダー側の「遠征計画に支障でるから秘密裏に片付けたい」っていう悩みとか、
組織それぞれに事情があって、それによって勝利条件が変わってくるのが物語を豊かにしているなあと。
戦闘員個々の戦いでも、
「足止め」や「戦闘離脱者の援護」など、
ただ戦うだけじゃなくいろんな目的のもとに各所で戦闘が行われていて、
それらの積み重ねでスケールが大きくメリハリの効いた戦局が描けている感じです。
こういう読み味の漫画は確かに、少なくともジャンプではあまり見かけないので新鮮だし、
ワートリの影響でこういう漫画が増えていったりしたら素敵だなと思います。そこまで影響力ないかもしれないけど…w

GigiGigi 2016/03/29 20:20 ここにきてコメントが増えてるのは、、、やっぱりアニメ終わりの影響でしょうか>_<
当方、ジャンプは数十年前に弟が毎週買ってたので隅から隅まで読んでた時以来、いや最近では
映画からバクマン。に入り、全巻読み切って以来でしょうか。
とはいえ、ワートリは、息子が見てるアニメからでした。
カッコいい男の子がいっぱいいて、なんかバトルしてるけど、え、死なないの??
と用語や設定^^について息子に質問しまくってたのですが、満を持してコミックス読み始めました!

残念ながらアニメは終わってしまいますが、元々なにかにつけアニメより漫画世代。
ジャンプは読むか分かりませんが、コミックスを再読しつつ14巻まで買って、
あとは1巻ずつ待つことになりそうです(あ、リリエンタールも読み始めました^▽^)。

もう、ワートリについては、筆者さんの考察にうなづくばかりですが、
願わくば30巻くらいまでは続いてほしいな、と思います。
絵と世界観とキャラたちの思い(?)・関係性が楽しいです。
バトルシーンには、展開の意外性とコマ割に感動します。

ちなみに一番好きなのは、ゆうま。あとやっぱり応援したくなる修。
とりまる、嵐山(イケメン)、とっきー、こなみ、かな〜。
コミックスは7巻からまだ読んでないので、すごく楽しみです。
アニメは秋にでもまたやらないかなあ〜。

散文にて失礼しました。
とっても面白いエントリー、ありがとうございました☆

kurumizakakurumizaka 2016/03/29 22:05 >Gigiさん
話をきっちり締めようとしたらかなりの長編作品になりそうですし、
アニメ効果も切れて打ち切りの魔の手から逃れ切れるのかどうか不安なところですが、
是非作者が納得のいく形で終われるよう続いていってほしいですね。
ワートリはコミックスを重ねるごとにどんどん面白くなっていく、
特に10巻、13巻くらいの区切りでワンランク上の面白さが見つかる漫画だと思うので、
今後の展開も是非お楽しみに!

wolfwolf 2016/04/04 01:22 この記事の作者さんの読み込み方と
面白さを伝え共感を生む文面はほんとすごいです。
ワールドトリガーは「こんな記事を書くほど引き込まれる」という表現も説得力があって素敵で。

この記事を見つけて
「めっちゃ共感できる!」
「確かにそこが面白さに繋がってる!」
「そこまでは気づいていなかった!」
とか思いながら読みました。

「ああ、やっぱりワールドトリガーは愛されてるなあ」とほっこりしみじみとしながらコメントを書いています。

この記事を見つけて本当に良かった。
ありがとう作者さん。

ワールドトリガー最高!!

wolfwolf 2016/04/04 01:27 追記:コメントをしっかり見て心のこもった返信をなされている作者さんに感銘を受けました
今後もワールドトリガーを応援していきましょう‼

kurumizakakurumizaka 2016/04/07 21:48 >wolfさん
ワートリはわかりやすく直球王道を貫くような作品じゃないからか、
「ああ、ここがこういう面白さに繋がってるんだなあ」と後々から気づいてくる不思議な作品なんですよね。
私自身、他者の語り口からそういった点に気づかされることも度々あるので、
この記事がそういう契機になれたということならとても嬉しく思います。

チェリーパイチェリーパイ 2016/04/10 16:02 筆者さんの愛が感じられる素晴らしい記事でした。
ワールドトリガーを人にお勧めするのが難しいのは面白さが分散しているというか、数多くの要素が複雑に絡み合い全体の魅力を形成しているからだと思います。
それを一つ一つ丁寧に紐解いていき、言葉にしていく様はある種の爽快感があると思いました。自分としてもこの記事を通じて共感できる部分もあり、新たな発見もあり、読み応えのある内容でした。

とりあえず今はヒュースと香取ちゃんの動向が気になるところです。

kurumizakakurumizaka 2016/04/12 23:11 >チェリーパイさん
確かに、いろんな要素が有機的に絡み合って面白さに結びついているようなところがあるので、
一つ一つスパッと分けてこうだ!って言い切るのは難しい作品かもしれませんね。
私もこの記事書いててけっこう苦労したような記憶があります。
香取ちゃんはいろいろとこの漫画には珍しいタイプのキャラで大変楽しいので、今後の動向に大注目ですね…w

KCKC 2016/04/13 01:26 こんなにワールドトリガーを暑く語ってくれて嬉しいです!
最近ジャンプの後ろのほうなので頑張ってほしいですよね。
この記事を読んで父親にワールドトリガーをすすめてみようかな?と思いました

kurumizakakurumizaka 2016/04/13 23:36 >KCさん
ここ数週は作者の体調が改善気味だからか掲載順も真ん中くらいに上がってきていますが、アニメブーストも切れたし依然として心配な状況ではありますね…。
合う・合わない分かれる作品ですが、
「子供心を持った大人」には刺さる漫画だと思うので、そういう方なら薦めてみるのも一興かな。

しゃきしゃき 2016/04/18 10:26 ジャンプ本誌では1巻分くらいで脱落していたのですがKindleの無料キャンペーンで読み始め全巻買いしてしまいました。自分が面白いと感じた部分だけでなく、気づかなかったところまで見事に文章化されていて素晴らしい考察だと思いました。特に、強さの逆インフレというのはこれまでのジャンプの方法論を打ち破る画期的な発明だと思います。侵攻してくる順番も敢えて強国のアフトを先に来させるというのが、今までのジャンプマンガとは一線を画するこのマンガの魅力の一端だと思います。

前作リリエンタールは心に残る佳作だったものの商業的には必ずしも成功したわけではないのに、このような「遅効性」マンガを辛抱強く載せ続けた編集部の判断と担当編集者の努力に感謝です。あしはら先生の才能がちゃんと評価されていたということですね。

ジャンプは連載が長引くとどんどんつまらなくなるのが常ですが、なんならSQやYJに移籍してもいいので、ぜひ先生の描きたいとおり思う存分描き切ってほしいです。アニメ終了や担当交代が悪影響を及ぼさないことを祈ります。

kurumizakakurumizaka 2016/04/25 23:54 >しゃきさん
そういえば編集長が変わってから(?)のジャンプは、
10週打ち切りを連発していた時期よりはちょっと我慢強くなっているような気がしますね。
最近10週ちょいで切られる漫画は、ホントにどうしようもないほど芽が無いようなものだけって感じですし。
ワートリが序盤を乗り切れたのも、もしかしたらそういう環境に助けられたような面があるやもしれませんね。

良くも悪くも「無理やり続けさせなきゃいけない」ほどのポジションの漫画じゃないので、
(作者の意に反して)長引いてつまらなくなるっていう可能性はあまり想定してなかったです。
終わるならキッチリ計画通りの円満終了か、もしくは不本意な打ち切り的な形かのどっちかじゃないかなーと。是非前者であってほしいものです。

トマホークトマホーク 2016/05/04 08:00 ……すごいですね
この文章を見ているだけで、好きというのがひしひしと伝わってきます
私だって負けませんけど!(生意気ですいません……)
最初はジャンプ連載陣の中の所詮一作品として読んでいたのですが、黒トリ争奪戦でこれ面白い!
と、思いだし、大規模侵攻編では読んだことのある漫画の中で一番好きな漫画となりました^^
今では、B級中位以上既存のキャラなら年齢まで言えるほどw(あ、自慢が入った。再度、すいません……)

集団戦、キャラの立て方、人間関係、それら全てがトップクラスの面白さを持っているワートリ、ぜひ頑張ってほしいですね^^
それにしても、葦原さんは首大丈夫なのだろうか? 薬が効いてきてるって言ってますけど……
休んでいないおかげで掲載順は高いけれど、体調が心配です……

あ、ちなみに私の好きなキャラトップ10は左から、
いずみん、綾辻さん、荒船さん、辻ちゃん、那須さん、風間さん、とっきー、犬飼、諏訪さん、奈良坂です^^

kurumizakakurumizaka 2016/05/05 19:01 >トマホークさん
年齢はだいたい覚えてるけど、完全に的中できるほどの自信はないかなあ。16,7歳辺りがちと怪しい…。
ここにつくコメントは葦原先生の体調が心配…的な話題がすごく多いので、
ファンの方々の先生への愛情を感じさせますね。

好きなキャラはあれだ、美形キャラとサポーター系キャラが好きそうな傾向をどことなく感じさせますね。
なにせとにかくキャラが多い漫画なので、こうしてお気に入りを数人挙げさせてそっから趣向を読み取ったりするのも楽しいやもしれません。

ふるむーんふるむーん 2016/05/14 15:45 はじめまして、こんにちは。
全文、楽しく読ませていただきました。
好きな漫画については、普段はネットで検索かけたりしないのですが(否定的意見を読むと普通に傷ついてしまうタチなのでw)、勇気を出してググったのは正解でした(笑)。

基本的に漫画は単行本派なので、ジャンプ本誌を買うのは新しい作品を読みたくなったときくらいなのですが、ワールドトリガーの掲載順が妙に後ろの時がありますよねー。
単純に人気順じゃないのでしょうけど、やっぱりちょっとビビりますね(苦笑)。
その不安も、こちらの記事の熱さで、「これだけ好きな人がいるなら大丈夫だな」と解消しました。
ありがとうございますw

ちなみに好きなキャラは多すぎて選べませんが、好きなセリフは風間さんの「なかなか良い諏訪の使い方だ」です(笑)。

kurumizakakurumizaka 2016/05/15 15:55 >ふるむーんさん
掲載順に関しては休載の無くなった最近になって回復してきてるので、
作者の入稿が遅れて後ろになってるだけっていう公式の言い分を信じたいところですね。

好きなセリフは太刀川さんの解説と、諏訪の「来いよミスター黒トリガー」、那須さんの「私が全員倒す」辺りかなあ。どれもありきたりだけど…w

かとりーぬかとりーぬ 2016/05/15 23:06 こんばんは〜。
初めまして。

私もここ近年では珍しくハマってしまった一人です(笑)

私の好きなセリフとシーンは
武富ちゃんの「ぶふふ」と夜中に一人でニヤニヤしているシーン

BBFのQ&Aのp295 Q.072 
諏訪キューブ「だが風間はシバく」

あと、アニメの諏訪の「来いよミスター黒トリガー」の諏訪と笹森がカッコイイです!

何気に憎めないのが餅皮さんと唯我ですw

kurumizakakurumizaka 2016/05/24 23:09 >かとりーぬさん
風間さんと諏訪さんのくだりは、
あの堅物っぽい風間さんも同年代に対してはおちゃめな一面あるんだなあってのが面白くて私も好きですね

トリオン56人間トリオン56人間 2016/07/19 16:55 まず、ここまで来るのが大変だったw

画面のスクロールが終わらないのなんのw

しっかし、よく分かってらっしゃいますね、ここの人。

こんだけ一つの作品の魅力を掘り下げて語れる方は中々いないでしょう。

ちょっと、ワートリ好きで酒でも酌み交わそうぜ、マジでww

こないだデータブックを買ってみて思ったこと。


・・・やっぱ、ヴィザさん恐ろしす。

角なしでトリオン56って修の何倍だよw(28倍)

それに奥の手を使ったとはいえ、勝った遊真も結構すごいのね。


久し振りにいい紹介文を見させてもらいました。

ありがとうございます。

トリオン56人間トリオン56人間 2016/07/19 16:56 まず、ここまで来るのが大変だったw

画面のスクロールが終わらないのなんのw

しっかし、よく分かってらっしゃいますね、ここの人。

こんだけ一つの作品の魅力を掘り下げて語れる方は中々いないでしょう。

ちょっと、ワートリ好きで酒でも酌み交わそうぜ、マジでww

こないだデータブックを買ってみて思ったこと。


・・・やっぱ、ヴィザさん恐ろしす。

角なしでトリオン56って修の何倍だよw(28倍)

それに奥の手を使ったとはいえ、勝った遊真も結構すごいのね。


久し振りにいい紹介文を見させてもらいました。

ありがとうございます。

えええ〜えええ〜 2016/08/25 20:29 ヴィザさんのトリオン量やばいのは事実だけど、じんさんが黒トリになると、トリオン量5倍ちょいになる。計算でいうと千佳に黒トリつけるとしたら数字でいうと間違いなく160以上はあるから、(データブックあとがきの先生のコメントも参考にする)千佳が作品の中でも絶対的なトリオン量なのは最終回までゆるぎそうではないですよね。

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証