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はてこはだいたい家にいる

2010-04-19

コックリさんのこと

子どものころ、学校から帰ったら母が台所のシンクで何か燃やしていた。紙だった。

余裕のないこわい顔をしている。

「それなあに」

「いいの」

教えてくれない。

 

夜になって、兄と母の話から何があったかわかった。

学校から帰った兄が、遊びに来た友だちと、学校で流行っているコックリさんをやろうとしたのだ。

母は面白がって後ろから見ていたが、ふと

「私は何歳まで生きますか」

と聞いてみた。

 

10円玉は「5」へ行って、「6」で止まった。

56歳だと母は思った。

 

その話を聞いてからずっと、母が56歳で死なないようにあれこれ画策した。

神さまにお祈りして、鶴を折って、おまじないを試した。

母は56歳を過ぎてなお現役で外回りの仕事をしていた。ああ、怖かった。

 

私たちが住んでいたこの家には、後に叔母一家が住んだ。

叔母は二度の結婚と離婚の後、大学に入りなおし、科学者になり、大学講師になり、世界特許をとって新聞に出た。息子ふたりを女手ひとつで育てる、豪快な女海賊みたいな人だった。

末っ子だった叔母は、息子を残して、兄より、両親より早く亡くなった。

 

56歳だった。

その家は数年前に取り壊されて、今はお寺の駐車場になっている。

 

 

コックリさんについてしらべてみた。その1 たまごまごごはん

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