あのあの

ここに書いたものを思い出すが、圓朝の「怪談乳房榎」のに、

浪江は黒の紗の五|所紋《ところもん》の羽織に、何か縮みの|帷子《かたびら》を着まして、細身の大小、菓子折りを風呂敷へ包んで提げまして、暑いなかを高田の砂利場村の大鏡南蔵院へやって参りました。あの寺は御案内の通り|八門寺《やつもんでら》と申しまして、上様がお鷹野におなりのござりました時、お|拳《こぶし》の鷹がそれてこの寺内へ入ったという、名高い旧幕様の頃にはやかましい寺でございましたが、  (強調は引用者による)

とあるようだ。手許には、筑摩叢書があり、ここの箇所は、たしかにそうなっている(ちくま文庫ISBN:448003420Xなのかは未確認。)。


話芸としての言い方なのか*1。他のテキストもみてみたいところだ、と思ったら、近代デジタルライブラリーにあった。やはり「アノ」だ

*1:聞き手が知っていることにしてしまう。