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日本外交の反省と転換 このページをアンテナに追加

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2016-04-01

どんなときに発生するか

15:28 | どんなときに発生するかを含むブックマーク

群集行動の心理的過程はある程度理解できるが、実際に人々が群集化したり群集行動を示すことは、そうはみられるものではない。

それでは、いかなる条件において群集行動が発生するのであろうか。ふつうは、単なるのぞき見的な興味だけでは人々は群集化しても運動暴発になることはめったにないが、自分たちがおかれている事態が自分たちにとって危険なものであったり不利をまねく場合には、群集化し運動暴発となることが多い。

たとえば、劇場見物をしている時に、突然火事が発生したような恐怖場面においては、群集行動が容易に引きおこされる。あるいは乗っている電車が突然止まってしまい、動き出さなかったり、野球のプレーが長い間中断されたりすると、人々は群集化し騒ぎ出すのである。

しかし、これらの事態においても、群集行動が引きおこされる前に、状況に関して十分な情報が人々に提供されさえすれば、混乱をくいとめることができるであろう。

人々が群集化し、混乱をまねくのは、つねにこうした事態において、十分な情報が提供されないときなのである。十分な情報さえ提供されれば、たとえ、劇場に火事が発生したとしても、観客を適切に誘導し安全な場所に避難させることができるであろうし、電車が止まったとしても、また野球のプレーが中断されたとしても、人々は静かに待つことができるであろう。

また、いったん群集行動が引きおこされると、こんどは、正しい情報がなかなか伝達しにくくなるばかりか、デマだとか流言蛮語がはばをきかすようになってしまい、事態はますます収拾のつかない危険な状態になってしまうことが多いのである。

しかも、群集行動が引きおこされると人々は、一種の感覚遮断の状態におかれたようになり、客観的に事態を判断する力を火つてしまうだけでなく、非常に原始反応をおこしやすい状態になってしまうのである。

2016-03-01

ミニ国家群像

17:44 | ミニ国家群像を含むブックマーク

国連には現在、百八十四力国が加盟しており、常駐オブザーバーのスイスを除けば、ほぼ大半の国家が加盟する文字通りの国際機関になった。九一年には韓国と北朝鮮、バルト三国など七力国、九二年には旧ソ連からの独立国など十三力国、九三年には解体したチェコとスロバキアなど六力国が加わり、植民地独立運動以来の加盟ラブンユとなったことは記憶に新しい。

九一年に加盟したマーシャル諸島共和国は、面積白八十一平方キロメートル、人口一万二千八百人というミニ国家だ。米国やロシアと並んで、こうしたミニ国家群が、「一国一票」を与えられるところに、総会民主主義の可能性と限界がある。中小国にとっては、二国間関係では無力な大国に対して発言できる唯一の場であると同時に、緊急性を要する局面では、しばしば時間を冗費したり、実効力を欠く原因になりかねない場合もある。安保理と総会の権限配分は、「民主主義」という側面と共に、現実の国家の力関係という面を抜きに考えることは難しい。

ミニ国家の一つで、九〇年に国連に加盟した人口三万人のリヒテンシュタイン公国の女性大使、クラウディアーフィリッチェさんを訪ねたことがある。クライスラービルの一室に構えた代表部は、外交官出身のスタッフが彼女一人という「個人商店」だった。朝七時に代表部に出勤し、一日平均五十件、厚さ十センチの国連文書に目を通すことから、大使の一日は始まる。走り読みで必要文書をえり分けるのが精一杯だ。歩いて数ブロックの国連ビルに向かい、日中は委員会の審議に加わる。

七委員会が並行して開かれているため、大使はポケット・ベルを持ち歩き、補佐官が鳴らすと別の会議を抜け出して投票の場に駆けつける。一日に何度も投票することも稀ではない。九一年の総会では、二百五十件を越える決議で、欠席したのは二件だけという優秀な成績だった。これも、近国のオーストリア代表部などが、投票情報を知らせてくれるという好意があればこそだ。

2016-02-01

したたかな社会党

16:50 | したたかな社会党を含むブックマーク

羽田にはそうした策略をめぐらすしたたかさはなかった。人を裏切るようなことは、人柄の羽田には相応しくなかった。実際、そうした羽田の人柄を買い、社会党にも支持者は少くなかった。社会党が連立与党を離脱し、政権基盤が一挙に弱体化したとき、用意していた大臣ポストを羽田自ら全て兼任しようとしたのも、「改新」問題で社会党を裏切ったことへの申し訳なさの現れであった。もっとも、羽田の「誠意」が通じるほど現実の政治は甘くはなかった。

社会党内でも、総辞職後の内閣は、右派を中心に羽田の再登板でよいという考えもあった(久保亘「連立政権の真実」)が、左派の多くは野坂のように「総辞職ということになれば、いわば墓に入るようなもので」あり、羽田には反対であった(野坂浩賢「政権」)。小沢も別の理由で反対であった。再選されたいがために総辞職し、社会党は政権復帰のきっかけとして総辞職を利用する。これでは、国民を愚弄することになるというのである(小沢一郎「語る」)。

政治家としての権謀術数をこらしたのは、何も小沢だけではなかった。水面下で続けられていた自社の接触は、この頃になると社会党の野坂らのイニシアティブで本格化した。六月二二日には、自民党および与党各党に社会党の新政権構想が提示された。

連立与党側とは、羽田内閣発足前と同様に税制改革などで対立し、協議は進展しなかったが、その間、村山の首相候補などを含め、さきがけとは政策合意が成立した。社会党はその後自民党と接触する。六月二七日まで待ったものの、連立与党からの回答が得られなかったからである。野坂浩賢は、既に小沢や市川よりも「自民党の一部良識派」に親近感を感じつつあった。羽田内閣発足前に、自民党の森幹事長に「憲法を守る意識かおるか」を尋ねて、明快に「守る」との回答を得ていたからである。さきがけと社民リベラル勢力、それに自民党とで政権を担うことができる、そう思いつつあった。

2016-01-04

肥大化するカネ食い虫

09:40 | 肥大化するカネ食い虫を含むブックマーク

表紙の色が与える印象とは裏腹に、これはパリに本部のある経済協力開発機構(OECD)が毎年発行する重さ二キロもある年鑑で『ナショナルーアカウンツ』と呼ばれている。加盟二十四力国の財政の姿がさまざまな角度から統計としてまとめられている。ここに掲げたグラフは最新の一九九八年版から作成したものだ。

すぐに分かるのは、中央・地方政府の公共事業費にほぼ匹敵する。般政府総閥定資本形成の国内総生産(GDP)に占める割合が、日本はほかの諸国に比べて群を抜いて高く、一から三倍に達していることだ。しかも、これには、バブル崩壊後でも異常に高い用地費、特殊法人、公的住宅の費用は含まれていないのだ。こうした支出を加算すれば、日本の公共有業費はさらに突出するだろう。

日本では、国民が払う税金や社会保険料の半分も社会保障給付として返ってこない大きな理由がこれではっきりした。公共事業がみんなのみ込んでいたのだ。

そして社会保険料、とくに厚生年金の保険料は諸外国に比べると払い過ぎており、年間の給付金総額の五年分以上の積み立て金があり、その一部が財政投融資に組み込まれ公共事業に回っているという、あくまでも公共事業最優先のお国柄なのである。多くの国では、積み立て金は一年分以下である。

筆者たちは社会保障費を食いっぶしている公共事業の現状や仕組みを前著『公共事業をどうするか』で分析し、外国にも知られるようになった土建田家を解体する方法を提示した。しかし、不況になればなるほど景気対策のために、補助予算で公共投資が追加され、土建国家は肥人化している。最近の特徴をみておこう。

2015-12-01

源資の短期性

10:42 | 源資の短期性を含むブックマーク

短期の預金の集積により、その期間の延長または預け替えによる資金全体の長期化を図ること、小口長期ものよりも大口短期ものを主に定型的ユニット取引化を図ること、迅速・正確かつ源泉課税なき利息支払いなどの市場慣行が徐々に形成され、これらの資金を利用して大口、長期のユーロ・ダラー・ターム・ローンまたはシンジケート・ローンの世界が展開していくこととなる。貸出しは多数のユーロ・バンキング機関が同一ローンに参加して、金額の巨額化・長期化が達成され、リスクの分散も同時に図られることとなる。

また、源資の短期性から、適用金利も短期間の市場金利に連動して、その上に若干の利ザヤを上乗せすることにより、貸手、借手ともに満足する金利条件を設定する方式も創成された。さらにユーロ市場参加者も相互に信頼感をもって結ばれている、比較的狭いバンキング業務関係者に限局され、比較的大口の、かつ金利動向に鋭敏な取引が中心になってきた。