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徒然日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

花の棲み家 (ボタニカルアート作品のHP)

2018-02-18

[] 「ルドルフ2世の驚異の世界展」

渋谷のBunkamuraで開催中の「ルドルフ2世の驚異の世界展」を見てきました。


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 プラハの宮廷で神聖ローマ帝国皇帝として君臨したルドルフ2世は、その権力と莫大な財力で科学者や芸術家、文化人を招聘し宮廷を文化の一大拠点とするとともに、世界中から絵画や工芸品、科学機器、鉱物、珍奇な動植物などあらゆるものをコレクションし陳列しました。それが「ヴァンダーカンマー(驚異の部屋)」や「クンストカンマー(美術品陳列室)」と呼ばれるもので、展覧会はその極々一部をお披露目したといった感じです。


 今回私としては、ヨーリス・フーフナーヘル(1542〜1600)の美しい細密画が来るというので、それだけが見たくて足を運びました。

 フーフナーヘルは動植物の細密画の名手で、ルドルフ2世のもと動植物誌やカリグラフィーの手引書の装飾画などを手がけています。美しく緻密な筆致と動植物に対する細やかな愛情が感じられ、またそのユニークな構図は他に類を見ないのではないかと思います。


 初来日した作品はヴェラム(羊皮紙)に水彩、ガッシュで描かれた《人生の短さの寓意(花と昆虫のいるニ連画)》1点だけでした。作品は横長の二つ折りの写真立てのような木の額に左右に1枚ずつ入っており、それを平らに置く展示でした。左右合わせて縦20センチ横40センチくらいだったかと思います。

 作品はそれぞれハガキ大強くらいで、左側の中央には髑髏とコウモリの羽が描かれ、加えてバラ、トンボ、カタツムリ、蝶、芋虫、砂時計などで構成されています。右側の中央には天使と天使の羽が描かれ、加えてこちらはユリ、スミレ、トンボ、蝶、芋虫などが描かれていました。描かれたものはそれぞれ時の流れ、死、永遠、魂などを象徴しているとのことでした。

   

 その他の作品で印象に残ったのは、ルーラント・サーフェリー原画の動物の版画で、トナカイ、ゾウ、ラクダなどが美しい線で正確に描かれていました。また、幻想的風景と動物を組み合わせた油彩が独特な雰囲気を醸し出していました。

  

 さて、フーフナーヘルは大変魅力的なのですが問題が一つあるのです。

 植物と一緒に私の大の苦手のカタツムリや芋虫が描かれているので、いつも痛し痒しと申しますか「これも慣れるかなぁ」と思いつつ画集などを眺めなくてはいけないことです。昆虫や蛇は別に大丈夫ですが、ミミズや毛虫、ナメクジあたりはどうも…。彼らを愛おしく思える日が来るかなぁ。


私の持っている小さな画集です。カリグラフィーと合わせた動植物の細密画が素晴らしく構図も奇抜です。虫嫌いな方にはお薦めできないですけれど。


The Art of the Pen: Calligraphy from the Court of the Emperor Rudolf II

The Art of the Pen: Calligraphy from the Court of the Emperor Rudolf II



「ルドルフ2世の驚異の世界展」

2018-02-04

[] 《カブ すみれかぶ

 「一つだけど、描くかなと思って」と友人から可愛い小カブを頂きました。

 葉も食べるところも皆、紫色をしていて名前は「すみれかぶ」というそうです。

 

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《カブ ‘すみれかぶ ' 》部分(拡大)


 大きさは葉のてっぺんから根の先までが16cmくらいと超小振りですが、描くとなると描き甲斐がありました。葉は周囲に細かい鋸歯があり葉脈も細かくうねっていて、その形の繊細さと葉によって微妙に違う紫色を表現するのがポイントでした。

 カブ本体?はやや赤っぽい紫色で、直径2cmくらいの可愛いサイズ。根が長く伸びているのも面白かったです。


 頂き物を描くことも多いけれど、描かずに終わることもそれ以上に多いです。でも、作品として仕上がらなくても植物を直に手に取ってじっくり観察したり、デッサンしたり、調べたりできるのはとても貴重なことです。それは写真でも映像でもなく実物を見ることが何にも勝ると思っているからです。

 

 ところで、カブとダイコンとニンジン、同じようなものだと思っていましたが、食べている所が微妙に違っていたのを知って驚きました。素人なので細かなところは分かりませんが概ね下図のようです。


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 種から発芽して双葉に至るまでの軸を胚軸と言って、そこが発達してカブになり、ダイコンは胚軸と主根が連続して大きくなるとの事。ニンジンは全く別で主根だけになるそうです。ニンジンは科も違うのでなるほどなぁと思いました。

 植物って知れば知るほど面白くてやめられませんね。

   

 作品 《カブ ‘すみれかぶ ’ 》はこちら→「花の棲み家」

2018-01-14

[] 《オモチャカボチャとオカメカボチャ》

 途中だったカボチャが仕上がりました。

 今回描いたオモチャカボチャとオカメカボチャは、山梨県道志村にある「道の駅 どうし」で去年買ったものです。そちらへは何度か寄ったことがありますが、いつも近くの農家や民家で栽培された野菜や花木が充実しているので楽しみにしています。

 

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《オモチャカボチャとオカメカボチャ》部分  赤に緑の模様がオカメカボチャ

   

 店頭で見た時は「変わったオモチャカボチャがあるなぁ」と思っていましたが、後で調べてみて下半分の外皮の無い「オカメカボチャ」というカボチャだと知りました。


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 オカメカボチャは上の図のように裏に返して顔を描いたりします。裏はちょうどオカメさんが描けるように三つに分かれていて真ん中が鼻になる感じですね。四つに分かれているのもあるようで、形に合った顔を描くのがミソかもしれません。

 私が買ったものは皮の表面がボツボツ荒れていましたが、普通はもう少しツルツルしています。


 作品には色も形も違う4個を配置しました。描いてみて、こういうカボチャを描く時のポイントは、土台の形に如何に鮮やかな色の模様や凹凸を貼り付かせるかではないかと思いました。付帯的な要素をしっかり貼りつかせたうえで一つの塊としての立体感を表現していくのが難しいところですね。

 特にオカメカボチャは、模様が複雑でしかも白っぽい傷や凹凸が沢山ついていたので手強かったです。思い通りに描き表せたとは言えませんが勉強になりました。

 

 作品《オモチャカボチャとオカメカボチャ》はこちら→「花の棲み家」

2018-01-07

[] 相変わらず描いてます。

 今年の描き始めはオモチャカボチャとオカメカボチャです。

 

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 いやいや、時季外れの感は否めませんが、前回描いたホトトギスに時間がかかり、中途半端になっていたものを大急ぎで仕上げている最中。

 描かずにいる間、カボチャ達は腐らぬようにと家の外に出され凍える日々を送っていました。脱落した者も一人おりますが、あとは色変わりしたくらいで達者です。実に有難いことですね。


 オカメカボチャ(絵の左から2番目)というのは丸い肉まんの下に厚みのある三角のおにぎりを付けたような形をしています。逆さにして見ると丸みをおびた三角形になっていて、そこにお多福の顔など描いて楽しんだりするようです。(画像検索すると色々出てきますよ)


 今年も一つ一つ丁寧に観察し、より良く描けるように頑張ろうと思っております。まあ、毎年同じ思いですけれど。

 

kyou2kyou2 2018/01/10 15:20 >ワインさん
>おもちゃかぼちゃって、いろいろな形や色のものがあって、本当に楽しいですね。
ホントですね。道の駅で買ったもので、良くもっているので助かります。
オカメカボチャは最初知らなくて、普通のカボチャの下半分を傷か何かつけて育たなくしたのかしら?と思いました。
なんかドコモダケみたいな感じ。可愛いけど描くのは苦戦してます(笑)

2017-12-17

[] 《ホトトギス 園芸品種

 秋ごろから実家のホトトギスを描き始めてやっと仕上がりました。


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ホトトギス》部分


 調べてみるとホトトギスは色々種類があるようで、私が描いたものはホトトギスタイワンホトトギスを交配した園芸品種のようです。

 本来のホトトギス(Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook.)は茎と葉の間の葉腋に1〜3個くらいの花をつけますが、タイワンホトトギスは枝分かれして沢山の花が付くので見分けがつきます。ですが、ホトトギスタイワンホトトギスの交配種でも園芸店では「ホトトギス」として多く販売されているそうです。


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ホトトギス》部分


 描くためによくよく花を見てみると、構造が大変複雑です。しかもまだら模様が花被片(萼片と花弁)や雄しべ、雌しべにまで入っているので形がはっきり分からず大変苦労しました。描き入れた拡大図などの鉛筆画は、形が分かりやすいように斑模様を入れずに描いてあります。

 さらに、花は外側の萼片が花弁のようになった外花被片と内側の内花被片にそれぞれ雄しべがくっ付いているのを初めて知りました。それらが中心の雌しべをとりまいているのですが、雌しべにも一部くっ付いて咲いています。雌しべ側にも花被片側にも付いているのですが、花が散って花柄に雌しべだけが残った状態になるときには雄しべは付いていないので、雄しべは花被片側から出ているように見えました。

 鉛筆画は最後に全体のバランスを考えて配置しましたが、最後になってあらためて花の構造がよく分かり「あ〜あ、もし今から描き始めたらもっと上手く描けたかもしれないなぁ」と…

 植物はすぐ枯れてしまうものですが、描く前にその植物の形や構造をしっかり見極めるようにすることの重要性を身に沁みて感じました。

 また、花や葉、茎など全体に短い白い毛が生えているので、それらをどの程度描くかも思案したところでした。あまりに描き過ぎても五月蠅くなるし、描かなければ特徴が捉えられないし。原画を虫眼鏡で見ないと見えない箇所もあるかもしれません。

 教室でもよく話すのですが、毛の生えた植物って案外多いです。毛の色、長さ、太さそれらを描き分けるのは大変ですが、面白いことろでもありますね。

 

 作品は縦が60cm以上で、自分としてはかなり大きな方だったので時間もかかりました。途中、集中力がなくなり嫌になることもありましたが、どうにか終点に辿り着いてホッとしています。

 私は描いているモチーフは、少々枯れてしまっても作品が完成するまで取っておきます。写真を沢山撮りますが、それでも実物でないと確認できないこともあるのでシツコク取っておきます。ホトトギスも水にさして外に置いておきました。

 ついこの間「枯れずによくもっているなぁ〜」と見たところ、なんと根が出ていました。いやいや、描くのに時間がかかったということです。


 作品《ホトトギス》はこちら→「花の棲み家」