ウチの姫さまにはがっかりです…。 2
「わたしの、肌の色を見てください。この翼を。角を」
「わたしは『魔族』なんですよ?それも、みんなから愛されるお姫さまに『呪い』をかけた、憎んでも憎み足りないほどの罪を犯した悪魔です。そんなわたしが、人間の中で、うまくやっていけるはずないじゃないですか」
「・・・・・・ぼくは『竜戮騎士』見習いだ。きみたちの母を斃した戦士の、名前を継ぐ者だ。そのぼくが、『魔族』のあいだで生きていくことなんて、それこそできない」
竜戮騎士(ティフォニロス)見習いの主人公アッシュが、城に入り込んだ人心を操るマインドハックと呼ばれる高位魔法を使う魔族キキモラを相手に死闘を繰り広げるお話。暗黒魔法に加え巧みな奸計でもって清浄の儀式(サンフェスタ)の妨害を目論むキキモラから、がっかりな第一王女イリステラを守りながら陰謀に立ち向かいます。魔眼によって操られた親友との死闘、仲間達との信頼と絆、最後は互いの使命に忠実であろうとする姿に惹かれあいながらも人間と魔族という越えられない種族の壁を前にして殺し合わざるを得ない二人の姿に、涙無しでは読めませんでした。
ラストはアッシュがキキモラと一騎討ちを繰り広げる中、キキモラにかけられた呪いに苦しみながらも真実の愛を知り愛戦士として開き直った覚醒したがっかりな姫さまが浄化の儀式を成功させ、キキモラの陰謀は潰えたのでした。
とても熱い展開。タイトルでは中身が分からない作品だと思います。