緋弾のアリア リローデッド キャストオフ・テーブル

著/赤松中学 イラスト/こぶいち レーベル/MF文庫J

TVアニメ『緋弾のアリア』のBD&DVD初回限定版に収録されたストーリーを、全編新規イラスト描き下ろしで一挙文庫化!

MF文庫J2012年12月新刊。
アニメDVD/BD初回版の描き下ろし短編を集めた脱衣ゲーム大会短編集。
表紙とノーブラセーラー褌の風魔以外、ピンナップも白黒挿絵も全て下着ヒロインと言う下着尽くしのえろえろ短編集です。

円盤オマケを集めたものということで内容は皆無ですが、性的な意味では良かったです。
あとレキはどんどんジョーカー化しているな、と改めて感じました。
ちょっと強すぎるのでこの先も使いどころが難しそうです。

白銀の救世機(ゼストマーグ) 1

著/天埜冬景 イラスト/黒銀 レーベル/MF文庫J

「応えて! ゼストマーグ! あたしの想いを力に変え、勝利へ導いて!!」突如として現れた謎の生命体・XENOに支配された世界。人類は感情を失った生物、ゼノイドへと進化を遂げ、生き残っていた。落ちこぼれの少年、アルツはゼノイドとして生き残るための選別試験の途中、コールドスリープしていた旧人類のナユキと救世兵器『ゼストマーグ』と出会い、自分と世界を変える戦いに巻き込まれていく……。《――時は来た。『白銀新生』の扉を開け――》新人賞最優秀賞受賞作家が贈る、絆で闘うヘヴィバトルアクション、堂々スタート!

MF文庫J2012年12月新刊。
第8回MF文庫Jライトノベル新人賞《最優秀賞》受賞作。今年の新人賞のナンバーワンです。
西暦2300年か2400年ごろが舞台のSF、サイエンスフィクション。MF文庫Jでは非常に珍しいと思います。
旧人類が融けない雪「アウター・スノウ」と「XENO」と呼ばれる結晶生命体に滅ぼされかけ、残った人類が遺伝子操作によって無理やり環境適応し生まれた新人類の世界「冬世界」で、コールドスリープから目覚めた旧人類のナユキとともに「ゼストマーグ」と呼ばれる巨大ロボットに乗ってXENOと戦うお話。
.
前半はいわゆるリアル系で世界観を説明しながらのSFテイストの強いパート。
後半はどちらかというと説明すっ飛ばしての気合と根性のスーパーロボット系。
感情と言う初めての感覚に戸惑い苦しんで色々擦れ違いがあり、さらに度重なるXENOの侵攻で危機的状況に陥るも、最後は人の感情「イデア」をエネルギーに正義の巨大ロボット「ゼストマーグ」が必殺技をぶちかまして勝利する爽快ロボットアクションパートが用意されています。
最後のシーン、主人公がヒロイン3人のイデアを束ねて(←ハーレムレーベルのMF文庫Jらしい所。多分ここだけ。それ以外はMFとは思えない作風と作り込み)最強の「白銀新生」を行い周囲に立ち込め世界を覆い隠すアウター・スノウと分厚い雲を吹き飛ばし、明るい太陽を仰いでそびえ立つシーンは王道ロボット物ここにありってな感じでテンションあがりました。
.
ゼストマーグ」は旧人類が総力を挙げて作り上げた対XENO最終決戦兵器、主人公とヒロインの乗る主役ロボットの名前です。
色は最初は黒。ミーネのイデアで白銀新生すると赤。そして3ヒロインの力を束ねることで白銀に変化します。
.
世界観がしっかりしていて、文章も読みやすく、戦闘シーンもこなれていたので、さすが最優秀賞とるだけの作品だと思いました。
おもしろかった。

この部室は帰宅しない部が占拠しました。 6

著/おかざき登 イラスト/ぺこ レーベル/MF文庫J

MF文庫J2012年12月新刊。
実妹の耶宵編。修学旅行に行きます。
全体的に微妙。
作者のデビュー作「二人で始める世界征服」がとても好きだっただけに、失望感でいっぱいでその分非常に辛口評価です。
言いたいことはかなりありますが、大まかに3点。
.
1つ目はヒロインの造形に関して。
メインヒロインのゆすらにイライライライラします。
いつまでたっても人間社会の常識を学ぼうとせず周囲に迷惑かけまくりだし食べ物は粗末にするし、表面上は反省しても全く次に生かそうとしないし、「がう」とか「くーん」とかいつも言うし。
彼女がメインヒロインなんだけど、全く魅力を感じないのが致命的。
.
2つ目はストーリーについて。
非合法活動やりまくりの反社会的団体「帰宅しない部」が5巻で正式な部活動として認められたため、物語の柱となる「部昇格」という最終目的が完遂され無くなってしまいました。
そのせいで後は手を変え品を変え場所を変えて、ありがちな鈍感難聴主人公を中心としたありきたりな恋愛話をするしかありません。
6巻では中等部・高等部全員で毎年行く修学旅行編とかいう滅茶苦茶な設定で、学年の違うメンバーを無理やり全員同じ場所へ移動させました。
.
3つ目は主人公がルールを破る反体制側、つまり悪人側にいる点。
夜、人気のない学校で責任者無しに火を使って料理したり、学校のルールに反抗し咎められても暴力でもって変えさせるような主人公が、お風呂を覗く行為を「リアルにやったら退学モノだよ」というシーンはなんだかな、と。
普通の善悪判断基準ではなく「作品に愛された主人公」が判断する善悪基準がベースになっていて、非常にしらけます。怒る大人もいないしひたすら主人公マンセー
デビュー作「二人で始める世界征服」は大変好きな作品だったんですが、彼らは世界征服のための悪の秘密結社と言いながら実際には善行を行っていました。善悪の基準はちゃんと善人基準で一定してたから神の見えざる手にも納得できたし、ほんわかストーリーとそういった世界観が非常に合っていたと思います。
対して今作では「悪いことしてると思ってるけど、でもほら俺らそこまで悪いことはしてないでしょ? じゃあ別にいいじゃん。 あ、無理なら武力で解決するけど?」的な感じで全く正反対なのに、同じようなほんわかストーリーと神の見えざる手、なんかこうしっくりこないし納得もできません。
.
そんな感じ。