精霊使いの剣舞(ブレイドダンス) 11 精霊王暗殺

著/志瑞祐 イラスト/桜はんぺん レーベル/MF文庫J

〈ロスト・カテドラル〉での死闘の末、遂に決着の刻を迎えた〈精霊剣舞祭〉決勝戦。光と闇の双剣はルビアの策謀を打ち砕き、敗れた彼女の口から「あの日」の真相が語られる。「四年前、私が精霊王に叛逆したのは――〈精霊王〉が狂っていたからだ」禁忌とされる〈精霊王〉の祭壇で、彼女はいったい何を見たのか――。呼び起こされるカミトの記憶。〈精霊剣舞祭〉に秘められた真実。全ての〈願い〉が叶うその場所で、カミトは決断する。「俺たちは――〈精霊王〉の死を望む」過去と現在が螺旋を描く無敵のエレメンタル・ファンタジー第11弾。〈精霊剣舞祭編〉堂々の完結。そして物語は新たなステージへ!

MF文庫J7月新刊。
チーム・スカーレットが優勝して、4巻から11巻まで8巻に渡って続いた第二部<精霊剣舞祭編>が完結。
次から第三部<精霊戦争編>がはじまります。
アニメ化も決まったしラストスパートですね。
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以下ネタバレ。
アニメ待ちの人はスルーしてね。
レスティアを失った3年前に何があったのか、精霊剣舞祭(ブレイドダンス)の真の意味、ルビアの計画などの物語の重要な謎が明らかになります。
面白かった。
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カミトは数千年前に五大精霊王に破れた闇の精霊王レン・アッシュドールの転生体。
世間の目を欺くため男にのみ転生するシステムで、レスティアはレン・アッシュドールの意志を継ぎ転生者に覚醒を促す導き手の役目。
3年前にレスティアがカミトに命じた精霊王暗殺は無法を働く精霊王を誅して世界の平和を守るため。
しかしその時すでに精霊王は「この世ならざるもの」に蝕まれて狂乱状態にあった。
精霊王はその狂乱状態を鎮めるために精霊剣舞祭を開催して剣舞を奉納させていた。
3年前の暗殺の時に水の精霊王イセリアは解放するも、レスティアが「この世ならざるもの」に侵されレスティアを通して闇の精霊王が浸食されてしまいます。
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1つ気になった点が、3年前のレスティアは精霊王の狂乱を知らなかったし、精霊王を殺したら元素世界の秩序が乱れて大変なことになるのも分かっていたのに、精霊王を殺そうとしたこと。
これだけちょっと引っかかりました。
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女の子が可愛いし、エストとレスティアの精霊サンドイッチも可愛いしとてもお勧めです。

しゅらばら! 8

著/岸杯也 イラスト/プリンプリン レーベル/MF文庫J

MF文庫J7月新刊。
前巻7巻のラストで偽三股ヒロインが共謀してたのを知ってしまった主人公・八木本一大。
バレてたのを知らないのは自分だけ、信じていた女の子たちに裏切られ騙されていたと知って悔しかったり苛立ったり怒ったりやるせなかったり、それでいて自分も偽彼氏といいながら可愛い女の子たち3人と役得で楽しくやっていたことは事実でそれがまた人間として恥ずかしくて、そういったことを悩んで悩んで悩む過程で、妹や今まで手助けしてきたクラスメイトたちに今度は自分が助けてもらって、投げ出したり逃げたりじゃなくちゃんと自分の感情と3人の女の子たちに向き合うことを決心します。
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普段は完璧に何でもこなす「いい人」な一大が今回の一件で苛立って、普段通りの何気ない会話に当事者にだけに分かるようにそれとなく棘を混ぜたり、早乙女が自分のせいだ自分が悪いんだ責任取るからそれでいいじゃないと、自己犠牲の振りして問題から逃げようとしたりといった若者らしい生々しい感情が発露していて、読んでいてとても引き込まれました。
そこから立ち直ってまた一歩進む主人公の姿も格好良かった。
とても面白かったです。
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偽三股のうち、早乙女と鷹奈の関係が解決・解消します。
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文化祭準備期間の1週間を舞台に、三股関連とは別ベクトルで最大の問題だった「売出し中の若手声優に彼氏がいる」問題も、早乙女が文化祭ライブで事の経緯をつまびらかにして解決。
恋をしますって演説がとても格好良かった。
10巻で終了予定なので、8巻で出番少なかったお嬢の問題を9巻で解決して、10巻で最後の選択かな?
ブコメ好きならとてもお勧めです。

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その2 さよならの週末はささやかな終末

著/葉村哲 イラスト/ほんたにかなえ レーベル/MF文庫J

異能を使って戦う相手が存在しない平和な世界での若き異能者の悩みをつづった異能力系日常もの。
ゲーム同好会で試験勉強したりお泊りしたり風邪を引いてお見舞いに行ったりゆるゆる日常系の短編で構成されています。
それを彩る森塚一乃と沢村キリカのダブルヒロインがとても可愛いです(*´ω`*)
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1巻ラストの一乃シリアスと同じく、最終章にてセカンドヒロイン沢村キリカのシリアスエピソード。
エリカの異能「道化師の栄光(バッドジョーク)」の代償は誕生日が終わると人間関係などの記憶がリセットされるというものでした。
火を食べたくなるという一乃さんの代償よりはるかに重く、そして全く笑えない代償でちょっとドキッとしました。
なのでキリカのエピソード記憶は全部後付けのそれで、頭の回転はいいのに成績が平凡なのはエピソードを暗記するのに記憶力を使ってるからとか、いつも明るいのは空元気もあるんだろうな、とか想像してしまう色々と悲しいお話でした。
宗司がキリカのラブラブアタックをスルーするのも、次のキリカに引き継がれるときに本当に辛くなるとか、そういうのが理由なのでしょうね。
キリカの「好き」が後付けの感情だと思っているから(実際は毎回惚れさせてるんですが)、「そういうこと言うと勘違いするだろ」とかいってるわけです。
宗司は誠実なので。
あとは宗司のラストエレメントの代償も関わってるのかな?人間すら止められる凶悪な能力だから代償も大きそうだし。
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ほんたにかなえさんのイラストも可愛いです(*´ω`*)