緋弾のアリア 26 闇穿つ大蛇(アナコンダ)

著/赤松中学 イラスト/こぶいち レーベル/MF文庫J

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25巻で秘密結社「N」から人類史の分岐点であるベレッタを守るために、大切な試験をブッチしてしまったキンジは、無事ベレッタを救出するもローマ武偵高校を退学になりました。
そんな無職キンジは、同じく東京武偵高校を退学になった中空知とともに遠山武偵事務所を起業し社長となります。
そうすることで武偵免許が維持するからという安易な理由で。
しかし早々に不良物件の夜逃げした製菓工場を掴まされたキンジは、仕方なく「武偵まん(まんじゅう)」を売りはじめます。
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社会の厳しい荒波の中で、しかし饅頭屋のせがれで今は公安0課のセカンドエース・灘や、病床に伏せる中空知の母など様々な人と触れ合うことで、商売をするということの本当の意義を知ったキンジは一念発起。
味の追求をした第3世代武偵まん、リサーチを活かした第4世代武偵まんと次々と発表。
「TBJ(タベルジェ)」ブランドを設立。
はじめて自ら率先して女装してクロメーテル店員となり、表参道のラフォーレにも出店するなど大成功をおさめたのでした。
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過去に銃を交えたり共闘したたくさんのキャラが登場するオールスターなお話で、理子や白雪、ワトソンちゃんといった初期メンバーや、公安0課の面々、第1巻でアリアとの初仕事で探した犬のチョコラ&飼い主のマナちゃんも再登場。
今まで見返り求めずに色んな所に首を突っ込んでは助けてきた人たちに、今度は逆に少しずつ支えられながら青年実業家・遠山キンジとして成長していき、構築してきた様々なコネが予期せぬ形でいろいろ結びついて、ビジネスという世界で最後に大成功を収める夢と希望に満ちたサクセスストーリーでした。
こういう巡り巡って返ってくるってお話は大好きです。
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え、何の話をしているかって? もちろん緋弾のアリアの話ですよ?
思わぬ展開にボクも途中で何を読んでいるのかちょっとびっくりでしたけど。
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サブタイトルの「大蛇(アナコンダ)」は「コルト・アナコンダ。ステンレス・シルバー、8インチモデル」。中空知
ちゃんの愛銃です。
視力が弱い代わりに聴覚に優れた中空知が、終盤の「N」とのバトルで闇に覆われたキンジのピンチに風穴を穿ちます。
色んな意味で面白かった。